いやあ、本当に時間が経つのが早いわー。去年見た映画についてザックリ書こうと思って11月からちょびちょび下書きをしていたんだけど、まあ、なんということでしょう、もう今日は2月28日ではありませんか。更新されないブログは古い日付の記事がすっかり色あせて、開いた口が塞がらないとはこのことです(ナレーション:加藤みどり)。もう、下書き中のままアップしていない記事が50本以上もあるよ! 昔みたいに勢いだけでは書けないお年頃なのかしら。はっ、書いていたのをすっかり忘れてしまうというボケがレベルアップしたせいか!?

さて。2017年は結構映画を見た方なんじゃね?と思って数えてみたら、2017年26本、2016年24本、2015年22本とそんなに変わってなかった……。というか、2015年、2016年って仕事が忙しすぎて色んな事ができなかったけど、ちょっとでも時間ができると今見とかなきゃもう見られないかも、と今よりも必死になって見ていたのかもしれない。とはいえ、1ヶ月に平均2回前後じゃあ映画好きとしては超ゆるめ。

 2016年に見た映画(2017年1月15日)

2017年に見た映画作品は以下の通り。私はテレビやPCで映画は見ないのですべて映画館で見たものです。なお映画「ハゲタカ」も「アラビアのロレンス」も「ルパン三世 カリオストロの城」も「ライトスタッフ」も好きな映画はソフトを当然持っていますが、映画をテレビでは見ないので持っていても全く見ません!(何の自慢?)

2017/01/14 「マダム・フローレンス!夢見るふたり」
2017/01/18 「この世界の片隅に」(アニメ)
2017/01/20 「ルパン三世 カリオストロの城 MX4D」(アニメ)
2017/01/25 「アイ・イン・ザ・スカイ」
2017/01/25 「沈黙-サイレンス-」
2017/02/15 「サバイバルファミリー」
2017/02/15 「ドクター・ストレンジ」
2017/03/26 「3月のライオン【前編】」
2017/04/05 「キングコング 髑髏島の巨神」
2017/05/03 「夜は短し歩けよ乙女」(アニメ)
2017/05/04 「3月のライオン【後編】」
2017/05/10 「美女と野獣」
2017/05/24 「メッセージ」
2017/05/24 「夜明け告げるルーのうた」(アニメ)
2017/06/07 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
2017/06/21 「パトリオット・デイ」
2017/07/05 「22年目の告白-私が殺人犯です-」
2017/07/12 「忍びの国」
2017/09/13 「ダンケルク」
2017/10/04 「ドリーム」
2017/10/21 「ミックス。」
2017/10/27 「ブレードランナー2049」
2017/11/15 「MASTER マスター」
2017/11/15 「人生はシネマティック!」
2017/12/06 「探偵はBARにいる3」
2017/12/16 「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」

この中で一番は何か? うーーーむ、「ルパン三世 カリオストロの城」を除けば(←一緒にするな)「ドリーム」か「沈黙」かなぁ。「沈黙-サイレンス-」については以前ちょこっと書きました(2017年2月8日「映画「沈黙-サイレンス-」」)。

「ドリーム」は面白かっただけでなく幸せな気分になれる映画です。1960年代にアメリカの宇宙計画を支えた黒人女性達の物語でもう一つの「ライトスタッフ」。そういえば「ライトスタッフ」でチャック・イェーガーを演じたサム・シェパードが昨年亡くなっていました。アーメン。それはともかく。この作品は当時の女性差別や人種差別に対して抗議する映画じゃないんですよね。被差別を声高に訴えるのではなく実績と結果を示す事で少しずつ前進して行く。キャストもいいですけど脚本と演出が本当に素晴らしいです。

一番驚いたというか、センス・オブ・ワンダーだった作品は「夜は短し歩けよ乙女」。ディズニーやジブリのアニメを見慣れているとこのぶっ飛び振りには本当に驚かされます。整然とした物語と画面なんかお呼びでない、お祭り感とカオスっぷりとシュール加減がただ事じゃない。悪い大人の魔法の国に連れてかれてシャッフルされまくった感じがあり眩暈がするくらいです。描かれていることの一つ一つを取れば結構バカバカしいんだけど、それをこうも描くか、という。これはお若い人にぜひおすすめしたいアニメ。この作品、主役が黒髪の乙女なのか先輩なのかよくわからないんですけど(物語を引っ張っているのは黒髪の乙女だけど、黒髪の乙女に恋する先輩が物語に振り回されて進行している)、これはまた先輩の声を星野源がやっているというのもよかったです。星野源はそんなに魅力的な声じゃないんだけど(←失礼にもほどがある!)、この映画のキャラにはとても合っていました。

「メッセージ」は久しぶりにちゃんとした(と言ったら失礼か。正統的な?)SF映画を見た感じがしました。「未知との遭遇」の現代版というか。宇宙人の言語を少しずつ解読してゆく過程が非常に面白く、また言語が思考を変えるというのは大昔に読んだSF「バベル17」的とも思いました。そして、Arrivalという原題が一番最初ではなくラストに表示されるのも納得。

「サバイバルファミリー」は突然ライフラインがすべてストップした時に、社会は、人はどうなるのかを描いていて面白かったし、結構リアルでした。でももっと取り乱す人がいても不思議じゃないんじゃないか?とか都会を脱出する人がもっといてもいいんじゃないのかとか、脱出しないで適当なところに勝手に住み着いちゃう人だっているよなあとか、リアルなだけに細かいところが気になってしまいました。でも小日向さんのカツラエピソードはナイス(笑)。

映画館の大画面で見るべき映画No.1は「キングコング 髑髏島の巨神」です。徹底的に人間側視点ででかいアイツが描写されるために、本当に、心底ぎょっとするくらいアイツのでかさが実感できます。コレ、自宅のテレビで見たらだからどうしたとかしか思えないかも。お話は大した展開はないから。

でもさーーー、エンドクレジットが終わってから超重要な場面を描写するの、やめて。私は作品の上映が終わり場内が明るくなってから席を立つけど、世の中にはエンドクレジットが出たらすぐに席を立っちゃう人もいるしさー。エンドクレジットってやっぱり作品そのものというよりも作品の釣書みたいなものだから、終わった終わったと思って気を抜いてスタッフの名前とか見ていたのにその後で最後のオチみたいな画面を出されると、そこで中途半端に作品の中に引っ張り込まれちゃって、なんか不意打ち? 「ドクター・ストレンジ」なんかエンドクレジットもどきが出てその後の場面描写があってからのラストのエンドクレジットがあって、これで終わりかとおもったらさらに描写があるという2段落ち?みたいな作品だったりしてさ。しかも「キングコング」の場合、エンドクレジットが長いから、最後の最後にああいうオチ(島民が描いたらしい壁画の古い時代のものに思わぬ描き込みがある)があるなんて思ってなかったよ、、、。

「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」はツッコミどころ満載だけど、でも面白かったんですよ。見る前は余計な情報を見ないようにしていたので、見終わってからあちこち見てみたら激しく賛否両論が巻き起こっていて驚きました。そして「否」の部分、映画としてダメな部分の論評には私もおっしゃる通りと全部うなづけるんだけど、でも面白かったんですよねぇ……。何が面白かったかというと1番のポイントは新世代への移行が(脚本と演出がダメなのでグダグダではあるけど)描けているところだと思います。

賛否両論がなぜ起こるのかといえば、やっぱり昔からのとんでもなく濃厚なファンがすんごい沢山いる作品だからなんでしょうけど、その原因が何かといえば「スターウォーズ」はエピソード1~6まではルーカス作品だけど7以降はディズニー作品だからなんじゃないのかなあ。エピソード1~6はルーカスの神話世界の物語、でもエピソード7(「フォースの覚醒」、2015年)以降は、特に8(「最後のジェダイ」、2017年)は神話の中の神々が活躍する物語から普通の人間たちの物語になっていると思います。はっきり言って演出と脚本はかなりダメダメだと思いますが(←しつこい)、物語世界の枠組みの再構築ができた作品になっていたのでは。だいたいさー、7以降もルーカスが製作していたら「最後のジェダイ」どころじゃない不評だったんじゃないでしょうか(←暴言)。

「ブレードランナー2049」は……。すごい映画だと思うんだけど面白いか面白くないかよくわからなかったです。ビジュアルはPlayStationの往年の名作ゲーム「MYST」や「RIVEN」みたいで、謎が広がる静かな世界の中をプレイヤーは残された手がかりから少しずつ進んでゆくような感じ。アクション場面があるのに静かで美しく、時間が止まったかのような世界とその世界の謎がある。前作が人間と人間ではないものを分かつのは何か? 命とは何かをテーマとしていたなら、今作は"魂"の器が人間であろうがレプリカントであろうがあるいはVRであろうが、「我思うゆえに我あり」、それは"命"なんだという事なのかもしれない。特にラストのK(ライアン・ゴスリング)の姿に、この魂を命持つものと言わないなら命って何なんだろうと思います。映画的に成功はしないかもしれないだろうけど、いっその事デッカード(ハリソン・フォード)を出さずに、Kをもっと徹底的に描写する話でもよかったかも。

そんなわけで今年もできる限り見れるものは映画館で観たい!と思いつつ、せっかくチケット予約した映画作品も「無茶苦茶寒すぎるから」という馬鹿馬鹿しい理由で家から出ずに無駄にしてしまうという体たらく。先が思いやられます(とほほ)。
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