生大友Dを見に(「制作者に聞く!~番組制作の現場から~「龍馬伝」)」、「生大友Dを見に2(DVJ BUZZ TV #14:「龍馬伝」)」に続く「生大友Dを見に」シリーズ三部作、完!(笑)

さて先日、名古屋の東海高校のサタデープログラムでドラマ「ハゲタカ」「龍馬伝」の演出担当の大友啓史Dがお話をされるというので、しかもどうやら「ハゲタカ」についてもちっくとお話されるというので、迷いに迷ってついに聞きに行ってきましたよ、名古屋まで!

サタデープログラム
大河ドラマ「龍馬伝」監督・大友啓史の“映画的映像演出”
「6月のサタプロで「龍馬伝」について語って頂いた大友監督に、今回は「ハゲタカ」や、尊敬する映画監督をはじめ「映画」について語って頂きます」

ということで詳細を確認がてら3日程前に事務局に電話して確認したんですよ。そしたら募集人数400名に対して200名の応募があったが、会場は700名入る講堂を使うとの事。なぜなら映像を使ってお話をしていただくため、そういう機材を使える場所となるとこの講堂の方がふさわしいから。そして大友さんといえば「ハゲタカ」ですから、と担当の方がおっしゃってたので、これは一部にせよ、「ハゲタカ」をスクリーンで見れるんじゃね!とそりゃあもう気分が盛り上がりつつ当日朝7時に東京の自宅を出て名古屋に向かいましたさ。名古屋駅でsuikaさん達と、現地でBOOKOさんと合流して、一番乗りで講堂前で始まるのを待って、一番前の座席に陣取りましたよ。

講堂のステージにかかる大きなスクリーンに期待が否応もなく盛り上がり、しかもテスト音声なのか、NHKのDVDのお決まりのオープニング音が流れた途端、わしらはちょっと悲鳴まであげたりして(笑)。しかし司会の中学2年の男の子が「それではこれから「NHK大河ドラマ「龍馬伝」の舞台裏、そして演出家の仕事」をはじめさせていただきます」と言った時にはズッコケましたよ! 「ハゲタカ」じゃないのかYO! そして中央のスクリーンに映し出されたのは「龍馬伝」の第2部クライマックス「第28回 武市の夢」でした。

結論。「ハゲタカ」のハの字もありませんでした(泣)。内容は「龍馬伝」をベースに、映画とは何かとか、奥行きある作品作りについてでした。まあ、「ハゲタカ」話がなかったのにはガッカリでしたが、でもお話自体は非常に面白いものでしたので、思い出せる限りを一応書き留めておきます。さすが生大友D話も3回目のせいか、前回前々回よりは格段にお話のメモを取れたように思うのだが……帰宅してから見てみたら解読できません!(泣)なので、正確さにヒジョーーーに欠ける点がある事、また私がどうにか聞き取れた所のみのメモを元にざっくり書いておりますので、ご了承くださいませ。無駄に長くなったので折り畳みます。そしてハゲタカ廃人名古屋珍道中編(笑)は別記事で。
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」がエランドール賞のTV部門作品賞を受賞したようです。キャストの皆様、スタッフの皆様、本当におめでとうございます。

2011年エランドール賞(日本映画テレビプロデューサー協会)
「2011年エランドール賞」新人賞6名が決定! 松下&向井の“ゲゲゲ夫妻”らが受賞(ORICON STYLE)

 新人賞 吉瀬美智子、桐谷健太、佐藤健、松下奈緒、満島ひかり、向井理
 作品賞 [映画部門](TV Taro賞) 「告白」
 作品賞 [TV部門](TV ガイド賞) 「龍馬伝」
 プロデューサー賞 石田雄治、鈴木ゆたか、鈴木圭
 プロデューサー賞奨励賞 川村元気、橋本芙美
 特別賞 寺島しのぶ、「ゲゲゲの女房」

「龍馬伝」がちゃんと評価されたのが本当に嬉しい。ま、脚本はアレだったけどさ。ちなみに佐藤健は「龍馬伝」「Q10」他の作品で受賞だが、桐谷健太の受賞作品に「龍馬伝」は入っちょりません。そして「龍馬伝」で乙女ねえやんを演じた寺島しのぶは日本人として35年ぶりに第60回ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞銀熊賞を受賞したという功績によるもののよう(「寺島しのぶ :「キャパの広さを感じる」と恐縮 「キャタピラー」の功績でエランドール特別賞」毎日新聞)。プロデューサー賞には「龍馬伝」CPの鈴木さんが受賞されていますが、本当におめでとうございます。去年散々色々書いたので皮肉に聞こえるかもしれんですけど、本当に素直に(笑)、お祝い申し上げます。ちなみに2008年はドラマ「ハゲタカ」が作品賞を、「ハゲタカ」の訓覇Pがプロデューサー賞を受賞しています。

うーん、「龍馬伝」へのご褒美っつーことでスピンオフドラマとかやったりしないかしら。
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
龍馬伝 第1回
NHK大河ドラマ「龍馬伝」を見続けたこの1年弱、あっと言う間だったような気がするのは、毎回結構真剣に(真剣……?)に見て、毎回必ず感想(感想……??)を書き続けていたからか、それともただ単にトシとったせいで普通に1年が過ぎるのが早いだけなのか。とにかく「龍馬伝」三昧だったこの1年、楽しませていただきました。もちろん、主に脚本とか脚本とか脚本には色々言いたい事は沢山ありますが(笑)、まずはスタッフおよびキャストの皆様、本当にお疲れさまでした。ええもんをみせてもらいました。そして(くどいようだが(笑))この「龍馬伝」は色々な意味で楽しませていただきました。本当にありがとうございました。

また、具にもつかない御託としかいいようのないドラマ感想でしたが、途中で絶対リタイアするだろうと思っていたのに、思いがけずも結局最終回まで書き続ける事ができたのも、様々なコメントを下さった皆様のお陰です。いつも楽しく面白いコメントや励まし、そして一緒に愚痴を(笑)本当にありがとうございました。本編に対する不満とは別に、文句を言うのも(書くのも)楽しかった1年でした(間違っちゅう?)。

この「龍馬伝」、やっぱり期待して見始めたもんだから、なんか途中であれ?あれれと思うようになって随分と重箱の隅をつつくような愚痴や文句ばっかり書いてしまって申し訳なかったっす。反省はしてないけど(笑)。この間そういえば前に何書いてたっけ?と自分の記事を読み返してみたら、かなり最初の頃からもう文句を言ってて自分でもびっくりしただよ。でも本当につまらなかったら、本当に見るべきものが何もないドラマだったらさっさととっくの間にリタイアしていたのよん。それが出来なかったのはやはりこのドラマにそれだけの力があったってことですよね。まあ、大河ドラマスキーとしてこの10年で一番のドラマか?というと、残念ながらNOだが、好きか嫌いかで言えば、結果的に結構好きな方かも(←非常にもってまわった表現)。

大河ドラマは気に入ればこれからもずっと見るだろうけど(でも来年の大河も再来年の大河も今三つ心惹かれるものはないが)、もうここまでガシガシ感想を書く事はないだろうなあ。もうそんな根性がない(笑)。じゃあこの1年そんなに根性があったのか? というとそんなことはないのだが、やはり「ハゲタカ」チームの作品だからというのに引っ張られっぱなしでございました。だからまた大友さんやハゲタカ関係スタッフの方々のドラマが何か始まれば、またなんだかんだ言いつつも(え? 文句を言うのが前提になってる!?)見るような気もするが。

大友さんとか訓覇さんは次は何をやるのかなあ。まあ、差し当たってはドラマ「ハゲタカ」の第2回と第3回の演出だった井上さん演出の「その街のこども」が来年1月15日に映画館で上映されるので、それを楽しみにしつつ、大友さん達の動向にチェックしてみる事にしようっと。あ、そうそう、今度NHKのドラマを見ることがあればこれからは梶原さん(梶原登城)の名前も探してしまうかも。

そんなこんなで、ちょっとだけこの「龍馬伝」を振り返ってしみじみしつつ、お疲れさまでした、「龍馬伝」キャストおよびスタッフの皆様。
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
龍馬伝 最終回
憎みながらも愛していた……というのがちゃんと描かれていたのかどうかはともかく、弥太郎(香川照之)のあのラストはちょっと……。せっかくの静かな余韻のあるラストが……えーと、一気に弥太郎に力づくで持っていかれた感が。しかもなあ。私、録画したTVドラマは主題歌(曲)部分だけ編集して保存しているんですけど、今回はいつものオープニング曲が入っていなかった上に、ラストのスタッフロールのところで弥太郎が講釈たれていたのはまだしも、一番最後がアレって……。なんか保存するのが非常に躊躇われる(笑)。

でも視聴率は第25回(6月20日「寺田屋の母」)以来の20%越え!(21.3%) よかったね、大友さん!

[あらすじ]
「大政奉還を成し遂げた龍馬(福山雅治)は、近江屋に移り「新政府綱領八策」を書き、各藩に送る。それを見た人々は「○○○を盟主とし」という文に、ほんろうされる。龍馬を訪ねた弥太郎(香川照之)は、龍馬に「日本一の会社をつくり日本人を幸せにしろ」と言われ、不安に襲われる。“幕府”という唯一の、よりどころをなくされた見廻組は、その元凶である龍馬を捜し始める。中岡(上川隆也)が訪ねてきた晩、近江屋が襲撃され…」(NHK番組表より)

昨日はテレビをつけっぱなしにしてたんですが、ボケっとしながら掃除をしてたら4時15分にいきなりあのオープニングシーンが入ったんですよ。昨日は予約録画をBShiの方にセットして、最終回自体は8時からの総合放送の方をリアルタイムで見ようと思っていたんですが、まあ、入っちゃったので見てしまったんですね、途中まで。で、ぼーーっとしていたもんだから本放送とは思わずに「予告編かな?」とか思ってみていたら本放送だったもんでびっくらしただよ。あのシーンをオープニングにですかぁあ? 茨城県の海岸に勤王党のメンバーが集結して最終回場面の撮影をしたという話は聞いていたんですが、てっきり一番最後か、あるいは龍馬(福山雅治)のラストごめんちゃ場面で使われると思ってたんだがなー。なーんか、もったいない感じがしましたわ。

ところで、私はBShiの方の本放送は、5時前に帰宅した家人にテレビのチャンネル権を奪われてしまい、ちょうど暗殺場面直前のところまでしか見られなかったので、8時からの総合でみるからいいわいと思っていたら家人には9時近くまでテレビを占拠されたのでリアルタイムでも見る事ができなかったのである。なもんで録画しておいたBShiの方の録画で続きを見たのだが、なんと総合放送の方ではよりによって龍馬暗殺場面でニュース速報のテロップが入って苦情が殺到したそうですね。知らなかったよ。

 NHK大ブーイング!龍馬暗殺シーンになぜ…“絶頂感”台なし(産經新聞)

災害時や緊急時のテロップは何よりも最重要な優先事項だから仕方がないことだし必要だと思いますが、選挙の当確情報って、そんなに緊急性の高い情報か?とか思うわなー。そんな訳で、実は8時からの総合放送の方も録画してあったので今見てみたら、ちょうど暗殺者達が乗り込んでくる場面から龍馬達に斬り掛かるという絶妙なタイミングでテロップがかかってるのね。「龍馬伝」暗殺犯はこいつです(笑)。こりゃ愛媛県の新知事の知名度は別の意味で広まっちゃったのではなかろうか。

さてと、最終回ですよ。この際文句は言わずにこの1年間色々な意味で楽しませてもらった感謝の言葉だけ書いて終わりにしようかと思っていたんですが……もう、最後だもんね、書いちゃうよ、いつも通り(笑)。感謝の言葉は別記事で書きます。だから最後の文句を許してつかあさい。
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
龍馬デザイン
ドラマや映画の設定資料集や製作裏話などが好きなのでついAmazonにポチしてしまった「龍馬デザイン。」(柘植伊佐夫、幻冬舎、1,890円)が届いたので読み始めましたが、まず、最初、ビジュアル資料(設定資料の写真集や画集)だと思っていたのに、2段組でびっしりと文字が詰まったハードカバーの本が届いてびっくり。そりゃ中身に興味はあるけど、年とともに文字を追うスピードがとんでもなく遅くなってきているので、これじゃあ読み終わるのは来年以降の話だよ、ママン……(遠い目)。

[内容紹介]
「NHK大河ドラマの歴史上、初めて誕生した「人物デザイン監修」という仕事を一手に引き受けた男の、苦悩と歓喜の日々―。「龍馬伝」を支える仕事人たちの、情熱とエネルギーのぶつかり合いが胸を打つ、感動の記録」(「BOOK」データベースより)。

まだ61ページ目までしか読んでないので(全381p)読んでいるとはいいがたい状況なのだが、その最初の部分だけでも結構面白いし、時期的に今が一番求められている本だと思うので、とりあえず記事に残しておきます。ちゃんとした感想は読み終わったら「追記」で載せます。

この本、てっきり作者である柘植さんのご自身の話がメインの内容かと思ったら違ってましたよ。NHK大河ドラマ「龍馬伝」に外部スタッフとして関わった柘植さんから見た「龍馬伝」製作日記です。外部スタッフと言っても外側から関係する部分の仕事だけに関わったと言うレベルではなく、「龍馬伝」と言う作品がどのようにして作られて行ったか、どれほど深く「龍馬伝」と言う作品の根幹の部分に関わり作り上げて行ったかという戦いの記録でもあるようだ。何せ相手は47年49作の歴史を持つ大NHKの時代劇、全てにおいて作業が効率的に進むように完成されたメソッドが出来上がっているのである。それはこう、と指示を出せば機械的にこう、と完成度の高い成果物が出されると言うだけでなく、一つの部署(衣装とかかつらとか小道具とか諸々)が機能的に動くために余計な者が入る余地等全くなく、そこに各部署を横断して入り込んで行く柘植さんのオトナな戦いっぷり((笑)←別に皮肉て言っているのではなく、専門分野の才能の他にコミュニケーション能力は非常に重要ということですね)にも感嘆。

そして「新しい大河ドラマを創ろう」というスタッフの皆さんのスローガン(?)通り、目で見てわかる部分で具体的に変わっていったいうのがよくわかる。著者の柘植さんはもちろん、人物設計だけでなくドラマ撮影時に登場人物が一貫したキャラクタでいられるようにビジュアルから整えていく役割な訳だが、この本を読んでいると、「形から入る」事の重要さが実感させられる。横浜セミナーの時に大友さんも言っていたが、時代劇のカツラは頭をきつく締め付けるために役者さんにすごくストレスがかかるしろものだそうだ。しかしこの「龍馬伝」では本人の地毛を生かしたヘアスタイリングや七分かつらなどを使用しているために役者さんのストレスが非常に少ないということだが(衣装も裏地をとって軽いものにしてある)、多分役者さんにとっても自分の扮装に違和感がなくなり、よりその時代の人間に溶け込めた感があるのではないだろうか。

また、ドラマのセットも通常なら見える部分だけ作られているものだが(なので普通は役者さんが演じる場所であるセットの反対側には機材が並びスタッフがずらっといたりする)、この「龍馬伝」では「カメラが撮れない所がないようにする」ということで四方が全部セットになっているため(10月19日「生大友Dを見に(「制作者に聞く!~番組制作の現場から~「龍馬伝」)。」より)、いわば「龍馬伝」テーマパークのアトラクションに入り込んだ感もあり、このセットや扮装からしてもしかして役者さんにとっても俳優として仕事をやっている感よりも、この時代の人になりきっている感じの方が強いかもしれない(もちろんプロの俳優さんが「役」を意識せずに演じる事などはないというのはわかっているが)。

ところでこの「龍馬伝」では散々脚本家さんに対して文句を言い続けて来た私ですが、この本を読んだら、もしかして脚本家さんも言いたい事だらけだったかもなーと思いました。例えば、第6話の吉田松陰(生瀬勝久)登場場面、黒船に乗り込もうと海岸から船を出そうとする松陰のところに龍馬(福山雅治)と桂小五郎(谷原章介)がかけつけるのだが、脚本では吉田松陰と弟子の金子重之輔(尾関伸嗣)はともに上半身裸だったそうである。しかし撮影時には演出の真鍋さんの判断ではなく衣装部のなんらかの判断によって吉田松陰の方はちゃんと衣装を着ていたそうである。ここは松陰が龍馬達に長々と説教をする場面であるため上半身裸では生瀬勝久のキャラから言って別の面白みがでてしまうという判断だったようだ(それはそれで見てみたいが、ま、それは「サラリーマンNEO」ネタか)。それを最終的に松陰と金子の2人とも衣装を全部着せたのは柘植さんの判断だったという。大河ドラマって本当にそれぞれのスタッフのプロフェッショナルなお仕事でなりたっているんだと思うものの、脚本のト書きにすさまじく情報を盛り込むらしい福田さんにしてみれば、どんどん自分の作品が変えられてしまっていると思うかも、と思ったことであるよ。

なお、半平太さん(大森南朋)登場場面の所では「武市半平太=大森南朋さんは人物デザインが非常にフィットしている代表のひとりだ。武市の生真面目な性格を折り目正しい着物で表現し、土佐勤王党結成に近づくにつれ黒のイメージが増していく」と書いてありましたよ。

こんな感じで「龍馬伝」製作ネタ満載で、こういう裏方ネタが好きな私としてはこれからも読むのが楽しみである。ただ残念なのは今ひとつ素直に読めない文体である。もってまわった表現が多くするするっとは読めないのであるが、中身については非常に面白いと思います。まだ61ページしか読んでないけど(笑)。
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
龍馬伝 第47回
一時期オープニングのタイトルロールのところで演出さん名を必ず確認していた時期があったのだが、そのせいか今回もなんとなく見てたら演出名が表示される前に子ども(12歳)が「今日は誰なの?」と聞いてきたのである。以前は「大友さんなら大丈夫」「梶原さんか、これは見るよ!」「渡辺さんかー、じゃリアルで見なくてもいいから「イッテQ」にしちゃってもいいよ」などとつぶやいていたりしたのだ。そんで「渡辺さんだよ」と答えたらそのすぐあとに画面に「渡辺一貴」という名前が表示されたもんだから「すっごーーーい! どうしてわかったの!?」と聞いてきたので、「SPEC(超能力)」と答えて子どもにすっかり呆れた目で見られてしまった事である。

[あらすじ]
「大政奉還の建白書を受け取り、動揺する慶喜(田中哲司)。龍馬(福山雅治)は、慶喜に近い永井(石橋蓮司)に「徳川家を残すには、これしかない」と説く。そして、時流を悟った慶喜は大政奉還を決意。勝(武田鉄矢)は龍馬に「自分は幕府の後始末をする」と告げた。しかし、幕府を終わらせた龍馬に危機が迫る。一方、弥太郎(香川照之)は銃を買い占めていたが、龍馬が大政奉還を成し遂げ、戦がなくなると考え、銃を売りに転じる」(NHK番組表より)。

もう演出が誰かなんてかんけーなかったよ。最終回の前の回だったと言うのにさーー、ファンの皆さんには本当に申し訳ないけど、いくら主人公だからとはいえ、龍馬ageにも程がある。私はドッチラケでした。龍馬(福山雅治)を最後の最後にもっと印象に残るように、もっと龍馬ってすっげーやつだったんだって思わせたかったのなら、今さら言うまでもない事でなおかつ今更言ってもしょーがないことですが、台詞だけで周りの人間が龍馬マンセーをするのではなく、もっともっとその背景を、その周囲の人間をちゃんと描いて納得させて欲しかったよ。もう47回なんだしね。外堀をきちんと埋めてから本丸を攻めてくれよ。

という文句ばっかり言ってもなんだけど、最終回に向けて一番印象的なラストにしたいなら、今回は龍馬の姿をほとんど出さないという形が一番効果的だったかもね。すっごくもったいつけて、龍馬の影、龍馬の足跡、龍馬の手紙、龍馬の残したものだけをちょろちょろと出して(第2部の第1回でやった手法ですよね。肝心の龍馬を最初はうっすらとしか見せずにここ一番と言う所でバーンと印象的に登場させる)、メインの大政奉還をどっかーんとしっかり描写して最後の最後に龍馬を出して来週の最終回に「続く」としちゃう。龍馬の夢だったと言うなら、大政奉還の部分をもっときっちり描写して欲しかったっす。260年続いて来た徳川の世の中が終ってしまうのだという瞬間を、崩れ落ちてゆく一つの組織の最後を、もっとしっかり重みがあるものとして描く事で、実現した龍馬の夢の大きさと龍馬がやったことの重みがまた伝わって来るっつーもんじゃないですか(この際、史実がどうのこうのっていうのは置いておいて、この「龍馬伝」的に効果的なラストは何かという視点でですよ)。

大政奉還なー、なんかせっかくの眉なし(徳川慶喜役、田中哲司)の苦悩があんまり見えんかったのがすっごく残念。もとよりキレ者じゃなくてキレちゃっている人として描かれちゃっているからね、そんなの期待する方が間違っちゅうのかもしれんけど。あー、もったいなかった。「スーパーマリオブラザース」でも「ドラゴンクエスト」でもFFでも「ゼルダの伝説」でも、ラスボスは手ごわいからこそ倒したときの達成感だって大きいってもんじゃないですか。今までのキャラ描写でもそうだったから仕方がないことなんでしょうけど、眉なし・徳川慶喜がラスボスだったとしたなら、その大きさをきちんと描いてこそ、倒したときになくなったその影の大きさを実感できるってもんじゃないですか。なのに、1部から徹底して、主役・龍馬と対比されるキャラは半平太さん(大森南朋)といい眉なしといい、目で見てわかるように、ちっちぇえ人物として描かれちゃっている。それは対比キャラを歴史上の偉人ではない等身大の、より視聴者に近い人間として描いているからではなく、楽しているだけですよ。

そしてなんで徳川が大政奉還したのかっつーと、二度の長州征伐で負けっぱなしで徳川の面目丸つぶれの上に財政的にも戦費が出せない状況に来て、やはり飛ぶ取り落とす勢いの薩長の武力の脅威の前に戦っても無駄だと徳川方(将軍だけでなく、徳川系の諸侯とかね)も状況を見極めていたと言う史実があった訳で、この「龍馬伝」の中でも薩長が武力を増強させている場面は描写されてましたけど(徳川に金がないというせりふもあったけど)、それが徳川サイドにどんな脅威だったのかというのがちゃんとリンクされてないから、眉なしの大政奉還への逡巡があんまり見えてこないし(キレキャラなせいか焦っているふうなのはわかりましたが)、大殿様(山内容堂役、近藤正臣)からの建白書や永井玄蕃頭(石橋蓮司)の進言があったとはいえすんなり納得できないもんで、なんで「大政奉還しちゃったの!?」というか、流れとか勢いでやっちゃった感じもしたんだよなあ(そんな訳ないんだけど)。おまけに20,000人の国家公務員がいっきに無職になるという状況を「そんなことらぁ、どうでもえいことですろう」「商人や職人や百姓らと同じように、自分の食い扶持は自分で稼いだらえいがじゃき」と言ってのけちゃう龍馬に、20,000人の幕府職員全員が商人・職人・百姓のかせぎにたかるニートだった訳じゃあるまいしとかも思ったんですけどね。

あー、いかーんいかーんいかーんいかーん!(byピエール瀧)、よかった探しもしないとね。やっぱ象ちゃん(後藤象二郎役、青木崇高)? なんか龍馬よりもよっぽど象ちゃんの方がきちんと頑張っている感じがしました。それから龍馬をやっぱり信じてしまった弥太郎(香川照之)のサリエリ的悔しさ爆発? あと永井玄蕃頭(石橋蓮司)の存在感とか、そしてキャラクタ的に本当にどうかと思うけど、やっぱり眉なしでしょうね。あとはこの「龍馬伝」ではお約束の、毎度毎度の死亡フラグが立っているキャラクタの何気ない静かな日常描写ですけんど、やっぱ星見るシーンはよかったですよ。ただし同時に「ごめんちゃ」の悪夢もリフレインでしたが。

さて来週はいよいよ最終回、ゴールめざして(え?)頑張って視聴します。時間があれば、公式でもやっているけど「龍馬伝」ベストシーン記事とか書くかもしれません。今年の大河「龍馬伝」はいろんな意味で本当に楽しませてもらいました。でも来年の大河「江〜姫たちの戦国〜」は第1回は見ると思いますが、「姫たちのなんたら」とか「妻(母)たちのなんたら」って話がすきじゃないので(基本、むさ苦しい野郎大河が好きなんで)その後続けて見られなさそう。再来年(もう再来年の話かよ!)は「平清盛」で若い方の松ケンが主人公で「野郎大河」感があまりしないし、もうしばらくは大河見ないかもなー。
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
龍馬伝 第46回
上の写真、やっぱり獰猛な大型犬(青木崇高)と飼い主に見えちゃうんだけど。

[あらすじ]
「龍馬(福山雅治)は、後藤(青木崇高)に“容堂(近藤正臣)に直接会いたい”と願い出て、後藤の説得で容堂に会う。龍馬は「大政奉還となれば、幕府も藩も武士までもが、なくなる。新しい世の中を作るさきがけとなるべき」と語り、容堂は大政奉還の建白書を書く決心をする。龍馬は家族と楽しい時を過ごすが、乙女(寺島しのぶ)は龍馬の行く末を心配する。弥太郎(香川照之)は、土佐商会の上士数名を味方に、自らの商いを始める」(NHK番組表より)

せっかくの梶原さんの演出回だったのに、今回は「龍馬伝」閉店決算大セール、いままでの様々のエピソードの回収にかかっていたしなあ……というのを実感しました(第1話の「憎しみからはなんちゃあ生まれん」とか海辺の地図のエピソードとか牢屋の半平太さん(大森南朋)の一件とか上士と下士がどうしたこうしたとか色々)。でも、いよいよこの「龍馬伝」も残りわずか、文句を言えるのもあと2回ですよ(しみじみ。あれ? 文句を言うのがデフォルトになっているってどうなの?)。しかしまあ、なによりも今回のMVPは象ちゃん(後藤象二郎役、青木崇高)で決定。

龍馬(福山雅治)を暗殺しようとした事すらあったのにも関わらずここに来て、日本を変えていかなくてはという思いから龍馬と共闘している、、、というのは感じ取れてはいたんですが、どうも象ちゃんの腹の内がよくわからないというのもあってもっと腹黒いんじゃないのか?とか勘ぐっていましたが。……象ちゃん、すまんかった。いやー、あの、腹の底から搾り出すような大殿様(近藤正臣)への「今の、この…この世の中の流れを作ったがは坂本龍馬でございます」、そして「妬ましかったがです! 妬ましかったがです…! 下士の分際で、叔父上吉田東洋様に認められ、脱藩者でありながら、次々と…、次々と大事を成し遂げて行く坂本が、妬ましかったがです」(←大事なことは3回言います(笑))という言葉(龍馬ageな台詞の数々も青木さんが力でねじ伏せた感アリ)、そしてそれがあったからこそそれを乗り越えてなお、これからの事を考えて行動しているというのがよーくわかりましたよ。まあ、大殿様からの「どういてそれを黙っちょった」という問いに対する答えとして「妬ましかった」という発言が妥当なのかどうかは疑問ですが(会社で上司に対してきちんと業務の報告しなかったのは何故か?と聞いて、部下が「他の同僚が妬ましかったから報告しなかった」と答える、もちろんそういう答えはアリだとは思いますがでもそれがOKになるか?とか思うんですよね)、この場面自体は青木さんの力技で見せてくれました。

そしてやっぱ大殿様、ええわ~。「武市さんは武士の鑑でした」という龍馬の言葉(へー)に、「あれに切腹を命じたたがはわしじゃ。おんしの仲間の下士たちを殺していったのもわしじゃ」とこともなげにいう大殿様、近代知識人としての知性と教養があり先を見通す目をもちながらも立場上身動きできない大殿様の苦悩が微かににじみ出ていました。まあ、あの目の動きが挙動不審に見えなくもないけど(笑)。建白書を書く場面も白い着物が死に装束にも見えて、大殿様の覚悟が伺えました。

でもー、龍馬の「この国はあたらしゅう生まれ変わらないかんがです」という言葉にも、(やっぱりきたよっっっ!→)「日本人です」にもいまだピンと来ないんですけどね(ええ、もう46回ですけど。っつーか龍馬の台詞には未だにどれもピンとこねえ)。多分大殿様が建白書を書く気になったのも龍馬の進言のせいよりも、大殿様と同じ古い階級に属しながらもこれからそれを壊して新しい世の中にしようと心砕いて苦悩している後藤象二郎の「志」の方に打たれたからではないかという気すらするんですよね。そんくらい今回の象ちゃんは、というか後藤象二郎役の青木"大型犬"崇高さんはえがったです。

しかもね、大殿様と象ちゃんの盃の場面ですよ。大殿様が盃を干し、そしてそれを象ちゃんに渡し、象ちゃんも盃をほしてまた大殿様に酒をつぐ。大殿様の「武士の世を、終らせるかえ…」と言う言葉に無言の象ちゃん。それは全てを次の世代に(後藤象二郎たちに)任せるということですよね。そしてそれをしっかりと受け止める象ちゃん、ブラボー。

でも龍馬の、大殿様が半平太さんの牢に来て同じ地べたに座って「えい家来じゃった」と言うのを聞いていたから大殿様が建白書を書くと思った、というのは何がなんだかわかんなかったっす。龍馬的には結局大殿様も半平太さんと同じ「志」を持っている人だからっつーこと? それとも半平太さんが全てを大殿様に委ねて死んで行ったというのを大殿様も胸に刻み付けていたからっつーこと? 辻褄あってんのかなあ? また半平太さんが利用されちゃった感すらあるんですけど、これがちゃんと読み取れない私ってバカ? やっぱ色々疲れてんのかなー(この週末もまたもや風邪ひいて寝込んでいたしさー)。

今週の春猪(前田敦子)。春猪と「Q10」のQ10(前田敦子)が同じ人物に見えません! 関係ないけど「Q10」の前田敦子、すごくいいですよ。最初、まあまだ若いんだから仕方がないとか書いちゃいましたが、慣れて来るとQ10のロボット的演技がすごくハマっててヒジョーにナイスです。

さてと。「龍馬伝」もあと2回、来週は多分眉なし(徳川慶喜役、田中哲司)とテツヤ(勝太郎役、武田鉄矢)大活躍、ハブ対マングース、その間に入る酔鯨(山内容堂、近藤正臣)の濃~~い戦いっぷりを楽しみにしちょります(←色々間違っちゅう)。
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
龍馬伝 第45回
鈴木さん(CP)、最終回のサブタイトルは「全ての道は龍馬に通ず」ですよ!

[あらすじ]
「容堂(近藤正臣)に大政奉還の建白書を書かせるため、1000丁の銃を携え長崎から土佐へ向かう龍馬(福山雅治)。途中、お龍(真木よう子)がいる下関に寄り、お龍は久しぶりの再会を喜ぶ。だが、三吉(筧利夫)や奇兵隊と出かけた龍馬は朝帰りし、お龍は激怒。しかし船の出港が1日延び、龍馬は、お龍と久しぶりに楽しい1日を過ごす。一方、弥太郎(香川照之)は土佐商会の主任を解任され、自らの力で商売を始めることに…」(NHK番組表より)

毎週水曜日に届く「ザテレビジョン」の「龍馬伝」のページを見れば、次の回の演出さんが誰か載っているのでたまにチェックするんですが、今週は仕事でヘトヘトだったもんで週末またも寝込んでしまい本放送が始まってから表示された名前に「西村武五郎って、誰ぜよ」とつぶやいたことである。この期に及んでまたニューフェイス……。とりあえず検索してみたらNHK山口局でドラマ「GOTAISETU-ゴタイセツ-」(2007年、NHK山口局制作、出演:柏原崇、松田美由紀、平泉成他)とかドキュメンタリー「人間魚雷 悲劇の作戦~回天特別攻撃隊」の演出をされた方の模様。2008年5月16日掲載の日本経済新聞に27歳とあるからすっごくお若いのね(参照:「NHK山口放送局、柏原崇さん主演でドラマ初制作-市内でロケ(山口宇部経済新聞))。「GOTAISETU-ゴタイセツ-」は見たことないけどローカル局制作のドラマではNHK広島局の「火の魚」は佳作でしたね。

そんなこんなで夕飯の用意をしながらなんとなく見ていたわけですが、なんというか非常にプレーンというかフラットな印象でした。龍馬(福山雅治)が悲惨な死に方をするその直前の、お龍(真木よう子)との最後の休日が淡々と過ぎてゆく。その平和なひと時が静かであればあるほどラストの対比で、その静けさが切なく痛々しく……なったかもしれん。いい感じだっただっとは思いますけど(←エラソーー)、でも残念ながらそこまでは感じられませんでしたけんど。

んー、二人っきりで過ごそうとする龍馬とお龍の前に次から次へと邪魔が入るところなんか、渡邉Dだったらもっと漫画的に描写して面白かったんじゃないかなー。ちょっと想像して比べてみると(あくまでも勝手な想像だけどさー)、

渡辺D:次から次といいところで邪魔が入ってお龍さんの顔も引きつり気味になり、いい加減青筋もたってくる辺りで「今夜は一緒に風呂に入るがぜよ」と来てどひゃーーなお龍さん、顔が赤くなったり(暗殺の夢で)青くなったり(朝帰りの怒りで)黒くなったり(笑)。龍馬が目が覚めたらすぐ横に芸子がいた場面も飛び上がってビックリしたり、小さくなって帰宅したらお龍さんにがっつり殴られたり。それにしてもさー、いくらピストルを使い慣れて来ているとはいえ、龍馬が暗殺される夢を見ていたのにその龍馬に(例え脅しでも)ピストルを向けると言うのはいただけないわー(これは脚本のせいだろうけどさー)。

大友D:まず顔のアップと小動物が増える(笑)。散った紅葉の見せ方がもっとあざとい(笑)。次から次と邪魔が入る場面のお龍さんももっと複雑な表情を見せてくれるような気がする。お龍さんの置いてけぼりにされる気持ちとかせつない感じ、龍馬に味方はいないのだと三吉さん(筧利夫)から聞いた時の気持ち、静かな2人きりの夜、そして2度と会えない別れになる場面とかガッツリ描写してくれたかも。

梶原D:もう少し引きの場面が多くなる(笑)。袂を分かつ弥太郎(香川照之)と龍馬との別れの場面、長州の木戸さん(谷原章介)と薩摩の大久保利通(及川光博)の間に割り込むようにも見えて孤立している感のある龍馬とか、薩摩藩邸での西郷どん(高橋克実)や小松帯刀(滝藤賢一)、江戸城の眉なし(徳川慶喜役、田中哲司)の場面なんかもっと立体的にみせてくれそうだし、なおかつそれと対比する龍馬の最後の休日をじっくりと描いて、歴史の中に埋もれてゆく個人の悲劇を織り込んで見せてくれたような気がする。

ま、あくまでも想像だけどねー。

さてこの「龍馬伝」も残す所あと3回、来週は大殿様(近藤正臣)と象ちゃん(後藤象二郎役、青木崇高)と龍馬の最後の大談判の模様。予告を見る限りではこの場面は見応えがありそうな感じですね。なーんか、文句を言うのもあともうちょっとかと思うとちっくと寂しかったり(違)。
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
先日横浜まで行って生大友Dを見てきたばかりですが(10月19日「生大友Dを見に(「制作者に聞く!~番組制作の現場から~「龍馬伝」)。」)、またもや機会があったので見に行ってきました。場所は銀座Apple、お題は「DVJ BUZZ TV #14:「龍馬伝」フィクション × ノンフィクション」、司会は石川幸宏氏、大友D(NHKディレクター・大友啓史氏)の話を引き出すのは歴史小説家の伊東潤氏。

 ・<告知> DVJ BUZZ TV #14『フィクション×ノンフィクション』(石川幸宏twitter)
 ・歴史作家伊東潤のブログ【仍如件(よってくだんのごとし)2】

ま、またもやtwitter……。まあ、このtwitter上の書き込みによれば今度はは「龍馬伝」と「ハゲタカ」の編集だった大庭さんに出てもらいたいと書いてらっしゃいますね。で、このDVJ BUZZ TVの企画は通常はUSTREAM等のライブストリーミング配信を行なうそうですが(DVJ BUZZ TV)今回は行なわず、ただし伊東さんのブログを見ると後日YouTubeでのダイジェスト配信があるようですね。なので興味がある方はそちらをご覧下さい。それにご一緒したnanakoさんがきっと記事にしてくれるはずだから(プレッシャー?(笑))、そちらを見た方がよくわかるかも(しかもnanakoさん、ちゃんと当日のうちに最初の記事書いてるし。夏休みの宿題はきっと7月中にやるタイプだよね。「銀座Apple Storeにて:「龍馬伝」フィクション × ノンフィクション」)。

なので私は超簡単な印象と感想のみ。会場は80数席のみの小さなシアターで整理券発行とか予約とか何も受け付けないシステムという事だったので、ヒジョーーに早めに行ったらなんと1番乗り、そんな訳で座った場所も一番真ん前。うひゃーー、こんなに前だと目の前でメモ取れないじゃん。せっかくお話をして下さるのにそれを見ないでメモしているって失礼なんじゃ!? とか思いつつもメモしちゃいましたが、あとで見てみたら文字が読み取れなかったよ、ママン……(ダメダメ)。しかも私が座った席の真ん前の1mちょっとぐらい前に置いてある椅子に大友さんが。前回のトークショーでは思っていたよりも巨漢ではなかった事に驚きましたが、今回こんだけ間近に真ん前で見たら、思ったよりもずっとお若いというのもわかりました(あれ? 色々失礼すぎ? すんません)。でもお話する様がヒジョーにラブリー。

さて、大友さんのお話の中で印象に残った事をちょっとだけ。「カット割(アニメの絵コンテのようなもの?)を決めるのは演出の仕事。カット割を決めるとカメラマンが(役者の)芝居を見ずにカット割だけを見る。(なのでカット割をしないで演出する)最初は僕だけだった、まさか他の演出も(カット割を)やらないとは思わなかった(笑)。もう(台本とかカット割とか)紙の量がすごい。それがないんだからエコディレクタです(笑)。エコ大河。人間にはやさしくないかもしれないけど(笑)」

岡田以蔵について。「岡田以蔵といえば五社英雄の「人斬り」(大映、勝新太郎主演、1969年)が好きだった。佐藤健くんはチーフプロデューサーがどうしてもと推してて、ここは争った所だったが、佐藤健にしたことで面白い、ピュアな以蔵が出来上がった。このピュアさは今までの(岡田以蔵の)描き方にはなかったもの。永山則夫の「無知の涙」をやりたかった。(佐藤健の岡田以蔵は)無知である事を自覚している所がいい」
【追記】(2010/11/4):もしかして私の書き方で非常に大きな誤解をさせてしまったことがあれば申し訳ないと思うのですが、大友さんは「龍馬伝」を演出する前に大友さんなりの岡田以蔵像があったために、佐藤健ではイメージが少し違うと思ってらっしゃったのではないかと思います。実際、史実上の岡田以蔵は多分「人斬り」の勝新太郎の方がイメージが近いでしょうし。しかしやってみたら「龍馬伝」の中の佐藤健演じる岡田以蔵はとてもよかったと、大友さんは非常に高く評価してらっしゃいました。私の拙い文章では色々伝わらない事だらけで本当に申し訳ありません(とほほ。変な誤解を招いては大友さんにも佐藤健さんにも申し訳ないので記事自体削除しようかと思いましたが、一旦書いてしまった責任があるのでこのままにしておきます)。

このキャストで想像以上にハマったのは誰?という問いには、高杉晋作(伊勢谷友介)と。「高杉晋作はハマるとは思っていたけど想像以上だった。あのザンギリ頭でカッコいいのはなかなかいない。高杉晋作が憑依していた。最後の福山雅治との場面では(福山が)「伊勢谷君、死相が出ているから、人間ドックに行ったら」と言ったとか(笑)」

書いていたらきりがないのでここらへんで。ハリウッド留学経験の話も非常に興味深かったがちょっと時間がないので、YouTubeの方に載っている事を祈りつつ。あ、客とのQ&Aで映画(「ハゲタカ」)とTVとの違いは?というのがあったんだった。「テレビはいつチャンネルを変えられるのかわからないけど、映画は最後まで見てもらえるって前提で作っている。映画って独特のメディア。映画を見ると言うのは「体験」になる。TVは「日常」。映画は色んなしかけが伝わりやすい。TVは視聴者がどんなコンディションで見ているかわからないので全ての人の事を考えて行かなくてはならない」とのこと。

私的に一大イベントだったは、生まれて初めてサインをもらったことだ。私は作家であれ役者であれ監督であれ作品が全てと思っているので、サインをもらう事には何の意味もないと思っていたのである。しかしこれほど近くで大友Dを見る事ができるチャンスなんかもう二度とないかもしれないので(ま、同行の廃人某嬢とnanakoさんにけしかけられたというのもあるが)、すっごーーーーーく思い切って「サイン、下さい」と言っちゃったよ……。周りにはまだまだ人が沢山いて、こんなおのぼりさんなリクエストをする私に、皆さんの視線が本当に痛かったっす(泣)。でもサインをもらってわかったことは、サインってもらったものが重要なんじゃないんだね、もらうこと自体に意味があるんだねえ。いやはや。

そしてこのあとnanakoさんがハゲタカ廃人的重要事項を大友さんに突撃して聞いていたのだが……それは多分nanakoさんがそのうち書く事であろう。「いやあ面白かった」「よかったよかった」といいながら会場をあとにして、その後入った喫茶店でまたもやハゲタカトークに花が咲くわしら。思えば去年の今頃、東京国際映画祭会場で初めて会ったというのに、あの「笑う警官」を見たあとに3時間以上「ハゲタカ」について喋り倒したのもこのメンバーだったよなあとしみじみしたことである(2009年10月24日「東京国際映画祭の「笑う警官」を見に行ってきました。」)。

【追記】(2010年12月14日):当日のMC担当の石川幸宏氏のコラムでこの日のトークショーの報告が載っていました。大友さん、ラブリー♡(ちなみにこの記事の一番上の写真にわしらの後ろ姿がバッチリ映っとる……)。

銀座Apple「龍馬伝」トークショー 大友D
 Vol.08 大河ドラマの常識を塗り替える「龍馬伝」。本当の功績とは?[石川幸宏のコラムーチョ]

なお、nanakoさんの大河連載(笑)も無事終了。ほぼフルバージョンを堪能されたい方はこちらをどうぞ。

 その1「龍馬伝」フィクション×ノンフィクション@銀座アップルストア メモ
 その2「龍馬伝」フィクション×ノンフィクション@銀座アップルストア メモ
 その3「龍馬伝」フィクション×ノンフィクション@銀座アップルストア メモ
 ラスト!その4「龍馬伝」フィクション×ノンフィクション@銀座アップルストア メモ
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
龍馬伝 第44回
えっとー……「雨の逃亡者」って演歌みたいなサブタイトルだなーとかうすらぼんやり思っていたんですけど、……結局お元(蒼井優)って、本当に必要なキャラだったんですかね??

[あらすじ]
「長崎で白袴(ばかま)の武士が英国人水夫を殺した事件で、海援隊に嫌疑がかかる。公使パークスは「犯人を引き渡さなければ土佐を攻撃する」と、弥太郎(香川照之)を脅す。惣之丞(要潤)が奉行に連行され、隊士たちは真犯人を捜す。一方、お元(蒼井優)は、奉行に荷物を調べられ、ロザリオが見つかってしまい追われる。龍馬(福山雅治)と弥太郎は、見つけ出した真犯人をパークスに伝え「お元を英国に密航させてくれ」と頼む」(NHK番組表より)

今回は元々のサブタイトルだった「英国水夫殺人事件」がメインかと思ったんですが、予告どおり殺人事件とお元の逃亡劇の2本柱でした……(もちろん弥太郎(香川照之)の激白とかもあったけどさー)。

まずお元の逃亡劇から。蒼井優は「お元」というキャラクタをきっちり演じていたと思いますけど、でもお元ってこの「龍馬伝」に本当に必要なキャラだったんでしょうか。龍馬の周りにはこーんな色とりどりな女性たちがいましたよ~とか、龍馬(福山雅治)が生きた時代にはこんなこともあったみたい~程度の役割しか果たしてなかったみたいに見えました。時間がないのに本当に色々もったいないことです。

特に今回の龍馬さんと来たら以前の以蔵(佐藤健)探しの時と同じように大声で探しまくりですけんど、お元が指名手配なだけでなく自分も指名手配がかかって、なおかつ前回近藤勇(原田泰造)が「おまえを殺すことが俺の仕事だ」と言っていたように常に各方面から命を狙われているっつーのに危機感なさ過ぎ(だから暗殺されちゃうんですよ、という前振りか?)。

で、今回はもしかしてお元の死で幕引きか?とか一瞬思いました。でもお元はキリシタンだから自殺はできないので、つかまって以蔵みたいに拷問の上惨殺とか? 何せ長崎では龍馬が暗殺された年に浦上四番崩れという大規模なキリシタン弾圧事件がありましたからね、そこら辺の描写を少しでもするのか?とか思ったもんで。で、そのお元の死がまた龍馬の突っ走りに輪をかけるって展開か? と先読みしすぎたせいか、あのラストにはなんだか気が抜けましたわ。んーーー、もしかしてお元も最終回で再登場するんでしょうか、「龍馬さん、あなたが言っていたみんなが笑って暮らせる国に、日本はなったんでしょうか」みたいにつぶやいたりしてさ。

なんか、蒼井優の使い方が結局もったいなかったな、こんな中途半端なキャラで。まあ鈴木CPと福田さん的には、幼なじみ=加尾(広末涼子)、道場の先輩であこがれの人=佐那(貫地谷しほり)、本妻=お龍(真木よう子)、愛人ポジション=お元(蒼井優)ってな感じで色とりどり揃えました~なんだろうけど。でも夜8時の天下の大河ドラマに主人公の愛人ポジションの女が出てきたら各方面からの反感を買っちゃうから、はっきり愛人扱いにはせず、なおかつ視聴者の皆さんが反感を持たないように「とても可愛そうな身の上」をみっちり盛り込んでみました~なのかしらー(棒読み)。

他の女性たちとの差別化をはかるんだったら、お元をもっと主体的なキャリア女性にするっていうのもありだったんじゃなかろうか。お元は長崎の社交界みたいな世界でトップセールスコンパニオンなわけだから、知性と教養が豊かでなおかつ社会情勢に非常に通じている存在だよね。だから自分で世の中の状況を判断し、そして龍馬の考えに共感し協力する存在だってアリだったんじゃね?(実際いろは丸事件のときは協力しているし)。少なくとも龍馬周辺の女性で自分で情勢を判断し彼の考えに共感して協力する女性というポジションは大浦慶(余貴美子)以外にはいないし(それにお慶は別に共感している訳じゃないし)、蒼井優は他の龍馬周辺の女性達とは違った華やかさや可憐さがあるもんね。色々もったいないこってす。

そして英国水夫殺人事件編。この間の法廷劇編(「いろは丸事件」)みたいに、サスペンスミステリータッチで犯人を突き止めるところを描いてくれたら面白かったのに、すっげえあっさり。まあ長崎奉行(石橋凌)は誰が犯人だろうが第一目的は龍馬の捕獲にあったわけだから、そんな犯人追跡劇なんかを描いてもしょうがないのかもしれんけどさ。

今週の象ちゃん(後藤象二郎役、青木崇高)。うーむ、先週「なーんな龍馬の受け売りなだけのような気もするし、あるいは巧に龍馬を利用しているようにも見えるし」とか書いてすまんかった。少なくとも今週は結構本気でこの国を変えて行こうと思っている節なのが感じられましたわ。

今週の弥太郎。そうだよ、色々とやっぱり龍馬が悪いのよ。弥太郎が貧乏くじをひくのはぜーーーんぶ、龍馬のせい!

そんで来週は「龍馬の休日」、土佐に帰った龍馬の最後のやすらぎの一瞬っつーことなんでしょうけど、まあ前に龍馬が土佐に帰ったときのトラウマが大きいのでね(7月6日「龍馬伝 第27回「龍馬の大芝居」」)、ゴール間近で脱藩しないよう気をつけます(色々間違っちゅう)。
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
龍馬伝 第43回
タイトルロール前のオープニングの曲調と大御所の登場ぶり、なんか「スターウォーズ」みたいでしたわ。もちろん、眉なし(徳川慶喜役、田中哲司)がダースベーダーね。でも今回の前半はあんまり印象に残ってなくて我ながらこの期に及んで脱藩気運が盛り上がりかけたんですが、後半のあの龍馬さん(福山雅治)が中岡さん(上川隆也)に船中八策を説明する場面はよかったです。懐かしい皆さんが次々と登場し(半平太さん(大森南朋)も出るかしらとか思ったけど出なかったな)、今までの経験があってこそのあのアイデアだというのがよーくわかって。まあ中岡さんの感動ぶりは大げさだし相変わらずな龍馬ageじゃね?とは思いましたが。

[あらすじ]
「「大政奉還論」を容堂(近藤正臣)に提案するため、象二郎(青木崇高)と京へ向かう龍馬(福山雅治)は、倒幕後の道筋案を書く。京では、容堂が四侯会議で慶喜(田中哲司)に振り回され、怒って土佐へ帰ってしまった。一方龍馬は、海援隊の支部を見に行こうとして、新選組に見つかるが、中岡(上川隆也)に助けられ相撲部屋に隠れる。2人は、象二郎と西郷(高橋克実)を会わせ「両藩はともに大政奉還を目指す」という盟約を結ぶ」(NHK番組表より)

さてついに龍馬暗殺犯キャストが発表になってました(「新たな登場人物発表 龍馬暗殺の実行犯!」)。最終回まで発表しないでおけばいいのに、とか思いましたけどやっぱり今の時代は完璧に隠し通す事はできないっつーことですかね。メインはなんと亀治郎(市川亀治郎)。いやー、最後の土曜ドラマ「チャンス」で徹底的に薄気味悪かった思い出が蘇りますが(笑)、もちろん亀次郎の本職(か?)は時代劇ですからね、鈴木CPも「「龍馬伝」では暗殺の実行犯・今井信郎を、善悪を超えた存在、「誇り高きラストサムライ」として描いていきます。市川亀治郎さんは、滅んでいく武士の哀しみと品格を見事に体現してくださいました」と言っていることだし、3年前の大河ドラマ「風林火山」で演じた武田信玄のいかにもな演技とは違った面も見られるのではないかとちっくと楽しみです。

で本編。象ちゃん(後藤象二郎役、青木崇高)が何を考えているのかよくわからないのもいいですね。なーんな龍馬の受け売りなだけのような気もするし、あるいは巧に龍馬を利用しているようにも見えるし(史実から言ってそこら辺も狙い目なのかしら)。また龍馬が言うのとは違って、象ちゃんが「日本は変わらんといかん」とか「戦と言うのは…」というのも納得できるんだよなあ。まあこの間、青木さんがいかに「龍馬伝」に入れ込んでなおかつスタッフの皆さんにも愛されているかという話を聞いちゃったから(10月19日「生大友Dを見に(「制作者に聞く!~番組制作の現場から~「龍馬伝」)。」)、憎々しげな表情もラブリーですけど(笑)。

初登場(っつーても残りあと5回だが)、ミッチー(大久保利通役、及川光博)、表も中身も黒いわ~。「相棒」のミッチーと「龍馬伝」のミッチー、ロゼット洗顔パスタのクロ子さんとシロ子さんじゃね?(ふっるーー)。さすが龍馬暗殺黒幕候補筆頭。西郷どん(高橋克実)のタヌキっぷりもナイスで、これまた最終回でどんな黒西郷を見せてくれるのかも期待しちょります。

そして龍馬と陸奥(陸奥陽之助役、平岡祐太)が変装して京の街中を逃げるシーン、やっぱり渡辺Dっぽい漫画的な場面でしたわ。おまけに言わないでもいいのにわざわざ近藤勇(原田泰造)に「久しぶりやのう」とか頬冠りをとって挨拶(?)までして逃げたりして、そんなことしてっから最終的に暗殺されちゃうっつーの。まあ、ここは龍馬に迫る危機の強調&中岡さんアピール&以前龍馬が新撰組に追いつめられた時の近藤勇の台詞「お前はこの次だ」との対比になる龍馬の台詞「おんしらの相手は今日はここまでぜよ」で、あの時から状況が大きく変わってしまっている事を見せるのがメインなんでしょーけどねー。

しかし今回の相撲シーンは一体なんなんすか? 武力倒幕の象徴&龍馬と中岡慎太郎の仲の良さ(仲の良さというか、幼なじみ感の強調?)&最終回向け準備&サービスショット? 龍馬や中岡慎太郎の裸には眉一つ動かんんっっ。ちゃんと普通に中岡さんから西郷どんからの話を伝えても全然OKじゃん。

で、一番最初にも書きましたけんど、最後の方の船中八策を説明する場面ですよ。一つ一つの事柄の陰に、今まで登場なさった皆さんの教えがあったというのがねぇ。いやあ、このドラマ、本当に脇の皆さんの力がすごいんですよねえ。ふぅ……(遠い目)。しかに2度も武市さんネタを言っているのに(「武市さんのように頭がえい者は政に加わるべきぜよ」「武市さんの志は決して無駄にはせん」)半平太さんが出てこないのは出し惜しみっすか? 最終回には武市半平太さん他の新撮りシーンがあるそうですけどね。

今週のグラバーさん(ティム・ウェラード)。頑張ってるじゃん、アラン(違)。でも志ある日本人とであって考えが変わったことが、明治維新以後の没落につながるんですかねえ。

龍馬伝 第43回
今週の弥太郎(香川照之)。いよいよ本格的に大財閥三菱の創設者っぽ~くなってきました~。

さてと、あと数時間で次の「龍馬伝」が始まっちまうぜよ(いい加減このパターンはなんとかしたい(泣))。さっさと掃除を終わらせなくちゃあ。ま、今日は英国水夫殺人事件よりもお元(蒼井優)メインのエピソードみたいで、しかも演出は福岡さんみたいなんで期待せずに見る事にいたします(あ、随分前から期待はしてなかったか)。
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
龍馬伝 第42回
月日が経つのは早いもんで(←最近この台詞ばっかり)、もうはや日曜日だよ~。

[あらすじ]
「海援隊の操船する「いろは丸」は、瀬戸内で紀州藩の「明光丸」と衝突し、沈没する。龍馬(福山雅治)たちの命は助かったが、賠償金を得るため、弥太郎(香川照之)も加わり、長崎で談判が始まる。衝突の経緯は、明光丸に不利だったが、御三家である大藩紀州は海援隊を相手にしない。この談判は“幕府との戦い” だとする龍馬は、お元(蒼井優)に頼んで紀州をやゆする歌をはやらせ、万国公法を基に、イギリス海軍提督に審判を頼む」(NHK番組表より)。

今回色々うかうかしていたらもう「龍馬伝」が始まって5分を過ぎていたのである。ありゃーと思ってテレビつけたら亀山社中のところに紀州藩の悪い顔をした連中がやってくる場面になっていて今回の演出さんの名前を見逃したぜよ。そんで録画を巻き戻して(DVDじゃ巻き戻すとは言わんか……)今回の演出さんが誰か確認しようかとか、あるいは届いていてまだ見てない今週号のザテレビジョンの「龍馬伝」のページをチェックしようかとか一瞬思ったんですが……ま、いっか、演出が誰でも。

かつてオープニングをみのがした時はドラマを見ながら演出家当てをやってみたもんですが(5月10日「龍馬伝 第19回「攘夷決行」」、あらー、半平太さん(大森南朋)が土佐に帰る回の時だったのね~)、あの時は半平太さんの描写が演出さんによってわかりやすく違っていたので、ある程度推測がついたのですが、「龍馬伝」も3部になってからなんか平均化されちゃったっつーか、標準化されたか、あるいはブレブレの象徴だった半平太さんがいなくなったせいか、あんまり演出さんによって2部の時程の大きな差はないように思われるんですよね。なので、今回は演出が誰か当てるのは無理だろうなと思ったんですが……。

いつものー、周りの皆さんのお膳立てで「先見の明」があるところを見せてくれる龍馬さん(福山雅治)ですがーー、でも今回は納得できたんですよ(きっぱり)。史実はどうだか知りませんが「これが日本で最初の蒸気船同士の事故」「今後同様の事故が起きた時に必ずこの事故が引き合いに出される」「土佐は紀州に泣き寝入りしたと、船の事故は相手にどれほど非があろうと力の弱いもんが引き下がる、土佐がそう思われてもええですろうか」という龍馬の主張は納得できるし、法廷ドラマのように進められて行く物語が(結果が分かっているとはいえ)なかなかサスペンスタッチで惹き付けられました。そして裁判の冷静な弁護士のように淡々と議事進行をする龍馬さんもよかったです(もしかしていつものように叫んでないからよさげに見えたのか?(笑))。

あとは幕府の判断を求めようと言う紀州奉行(飯島さんキターーーッ! ……違います、中尾彬です)に対して、日本が世界に認めてもらうためには法を守らなくてはならないと懐から「萬国公法」を持ち出して論理的に主張し、さらに公平に審判が出来る立場のメンバーをお披露目した所なんかも、なんか水戸黄門の印籠的な気分のよさがありました。そして飯島さん(違)の「才谷屋、おまえは何者や?」ですよ。でも龍馬さんたら「わしらは(単数のYouで聞かれたのに、複数のYouで答えとる)ただの脱藩浪士ですきに」と答えるんですね。ま、さすがに「オレは、アンタだ」とは答えるわきゃないけどさ(笑)。

ところでいろは丸の賠償に関しては最近新聞の記事にもなっていましたが、引き上げられたいろは丸の積荷からは龍馬が言っていたような武器のような金額の張る積荷はなかったそうですね。つまり龍馬さんときたら吹っかけまくった訳です。でもこの「龍馬伝」の中では吹っかけ犯は弥太郎(香川照之)になってましたけんど。

龍馬が画策した流行歌の場面も、長崎商人の協力連係プレーぶりもちゃんと見せてくれるし、ほんの一瞬ずつながら西郷どん(高橋克実)や木戸さん(谷原章介)、大殿様(近藤正臣)の描写にも今後につながる部分が見られて、うううむ、これは今回が脚本がきちんと整理して描かれているのは確かなんでしょうけど(人間よりも事件をメインに描いているせい? あるいは「HERO」で培った法廷描写の賜物?)、それ以上に物語の説得力があって納得できる所がすごく大きいので、今回の演出は梶原さんじゃね?とか思いました。

しかし船の衝突で片方がわざとぶつかったとか、航海日誌の改竄とか、あまりにも今のご時世の状況に重なりすぎだよな。だから龍馬が論理的に解説して戦いなおかつ勝った事に、ちょっと胸がスッとしたりしちゃうんですけどね。

でも最後の龍馬襲撃場面はいらんです。なーんか、龍馬さん、いくら下工作で協力してもらったとはいえ、奥さん(真木よう子)ほったらかしでお元(蒼井優)と逢い引き(←違います)ってどうなの?と思っちゃったしさー。落日の襲撃場面が最終回の龍馬襲撃を暗示しているんでしょうし、寄りよりは引き気味で映される襲撃場面が物語がどんどん歴史的事実へ向かっているということを強調しているんでしょうけど、でもこの今回のドラマ的には入れない方がよかったと思いました。

さて、今回の演出家は誰だ!? ……梶原登城さんでしたー! 確か前回の演出さん当てクイズ(違)の時も梶原さんだったんだよなー。ただ単に歴史ドラマ描写をちゃんとしてくれる梶原さんの演出が好きなだけなのかも。
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
10月16日(土)は横浜まで生大友Dを見に行ってきました。

 【セミナー】 制作者に聞く!~番組制作の現場から~ NHK大河ドラマ「龍馬伝」

mixiの大友Dコミュでいち早くネタが上がっていたので申し込んでいたのだが残念ながら落選、ま、仕方ねーなーと思っていたら廃人某嬢よりお誘いいただいたのでほいほいと行ってきました。ありがとう~! しかし場所は横浜、セミナーは13時30分からなので、前々から行きたいと思っていた横浜美術館で現在開催中のドガ展を午前中に見ようと思って電車の乗り継ぎやら道順やらチェックしていたのに、土曜の朝になったら先週の仕事の疲れがどどんと溜まっていたのか起き上がれませんでしたよ。くそー。そんな訳でまっすぐセミナー会場へ。1時間以上前に並んだせいか、階段状座席のなかなかいい塩梅のポジション(割と前の方の真ん中)……っつーか、この席だとうっかり居眠りなんかできねーよ!

今回の登壇者はもちろん「ハゲタカ」の! そして「龍馬伝」の大友啓史D(思っていたよりも小さかった。というか、多分私の中では巨漢感があったものと思われる)、カメラマンの佐々木達之介さん(大友さんは「たっつぁん」って言ってましたよ)、美術の山口類児さん(ドラマ「ハゲタカ」で日本映画テレビ技術協会映像技術賞受賞(美術部門)を受賞されている。目がでかい)、人物デザイン監修の柘植伊佐夫(最初パンフレットの登壇者紹介を見たら「ビューティディレクター」「ビューティに関する個人向けアドバイザーや企業のコンサルティングなど活動も多岐にわたる」という文章を見て、うさんくさそうーーと思ってしまったが、いやあ、本当にすまんかったです)、そして司会者のペリー荻野さんの5名。ヒジョーに失礼ながらペリー荻野さんって何者?と思っていたのだが、今回の司会者としてお務めは素晴らしかったです。当たり前の事なのかもしれないですがちゃんと「龍馬伝」を全て把握し、もちろん時代劇やドラマに精通していて、なおかつ居並ぶ濃い登壇者のトークを仕切りながらのセミナー進行ぶりはお見事でございました。言っちゃ何だが猛獣使いのようだった。そしてコラム読んでみたら面白かったので図書館にリクエストしちゃったよ。しかし今登壇者のプロフィールを見たら大友さんが一番お若かったのね。

さてセミナー内容の方だが、2時間びっちり非常に濃い内容だったのでまとめきれるものでもないし、私も色んなことを片っ端から忘れてしまうし、しかもメモしながら聞いていたのにそのメモの字が自分でも判読できないという体たらくなので(←ダメダメ)、印象的だった所だけチビチビ書き残しておきます。ま、同行のnanakoさんもメモを取っていたので多分私よりもちゃんと書いてくれるであろう(←他力本願)。

会場は、荻野さん、大友D、佐々木さん、山口さん、柘植さんの卓が並び、その後ろのスクリーンには話が進むにつれ関連の映像が映し出される。「龍馬伝」誕生のいきさつについて皆さんが話しているうちにスクリーンの写真が福山雅治になると客席から「きゃーーーっ!」という声が上がってびっくりだ。同行のメンバーと「今日のお客さんって、そっち方面の人が多いのか!?」とつい目を合わせる。しかし「龍馬伝」放送開始前の番組PR映像が流れ武市半平太(大森南朋)のインタビュー映像が写って、それに対して大友さんが「なんか一人真面目なコメントを。真面目な人なんです」と言うとすぐ隣の方から「えーーっ」と声が上がってたからお互い様か(笑)。ちなみにその「えーーっ」に対する大友さんの反応は「え”!?」とちょっと笑ってました。

柘植さんは人物デザイン監修と言う、この「龍馬伝」で初めて取り入れられた役目だが、もともと「福山雅治の"ルック"をずっとやっていた」そうで、今回も福山雅治の龍馬像を構築するために一緒に現場に入って、結局トータルな人物デザイン監修をすることになったらしい。なかなか興味深かったのは、江戸時代の着物のの重さが明治時代以降の着物の重さの1/3であったということ。江戸時代の着物はそれだけ軽く体に馴染んでいるものなので、今の着物(衣装)は裏地を取って使っているとか。

また、福山雅治が総髪で地毛でマゲを結っていることについて、福山雅治も最初は月代を剃ったスタイルでテストしてみたが、要するにイケてなかったと(笑)。大友Dによれば、あの時代はこうだったというルールがあるのでそこから出る事は出来ないが、本人に合っているかどうかは非常に重要、また、時代劇のカツラは鉄板で出来ているので最初は頭が痛くなり役者さんに取っては非常に大きなストレスになるとのことだ。後ろのスクリーンに流れる本物の江戸時代の曲げ姿の人の写真も結われたまげは小さくてシンプルで、今の時代劇に出て来るマゲが「時代劇仕様」のものであるというのがよくわかる。

大河ドラマ「龍馬伝」について。「たまたま「龍馬伝」が大河ドラマだっただけ」(佐々木さん)、「TVとか映画の境目で捉えていない」(柘植さん)、「まだ終ってない感じ。もしかして正月ドラマでやるんじゃないのか?(笑)」(佐々木さん)、「まだ終った感がない。疲れると夫婦みたいに倦怠期がくるんですよ。でも最後までテンションが落ちなかった。大河ドラマをやろうと思ってはいけない。大河ドラマというと緊張しちゃう」(大友さん)。

撮影の佐々木さんは「クライマーズ・ハイ」(2005年)、「マチベン」(2006年)、そして大河の「風林火山」(2007年)で撮影技術、大友さんの「白洲次郎」(2009年)で撮影チーフを務めた方。そして美術の山口さんはもちろんドラマ「ハゲタカ」で美術担当だった方だが、「私の青空」(2000年)、大河「義経」(2005年)、「篤姫」(2009年)では美術監督だった方だ。話を聞くと美術と撮影の真剣勝負のようだ。まずセットが通常なら見える所だけ作られているものなのでセットを見て振り向いたら後ろは(セットがなくて)スタッフがずらっといるものだが、「龍馬伝」では監督からのリクエストで「カメラが撮れない所がないようにする」ということで
四方が全部セットなので「振り向いたら全部セット」(佐々木さん)、「美術が撮影の邪魔をしちゃいけない」「セットを置いたらそこで自由にやって下さいと言うのがずっと重圧だった」(山口さん)。

また、「(撮影)プランがない(ので)、根こそぎ一気に撮らなくちゃならない」「カメラマンは隙がない」(佐々木さん)。カメラは4台あり、通常はそれをオンオフ切り替えて撮影するそうだが、この「龍馬伝」では4台とも使っているのは黒澤明の手法であり、また大友さんが留学していたアメリカでやっていた手法とのこと。(陸奥陽之助役の平岡祐太は)(細切れの撮影ではなく)長い事(カメラを)回してるとだんだんとその時代の人物になっている気分になると言っていたとのことだ。

現場ではアドリブのようなものがあるのか?という司会からの問いには、(撮影中)台本が終っても大友さんが「カット」と言わず、カメラが回り続けているために、(何かやらなきゃならないので)役者さん達が勝手に動き出すとのこと。山口さんによれば「部屋から出て行った役者が、廊下の先で何かやってる(笑)。どこでどう撮られているかわからないから」、そして大友さんたら(ずっと回していたら)「もうちょっと何か出て来るかなと思って」との事だ。

弥太郎(香川照之)のあの汚れキャラや岩崎家について。美術の山口さんによれば岩崎家のセットは最初はもっと普通だったそうだが、弥太郎の衣装が先に出来ていたのを見て、この衣装じゃこの家じゃだめだろうとやり直したとのことだ。他にも柘植さんが「弥太郎は一番黒い人にしよう」ということでどんどん汚しが入って行ったが、先にクランクインした弥太郎の写真をYahooで見た福山雅治が「一体、何が起こっているのか!?」と聞いてきたぐらいだったと。山口さんも「弥太郎が(メイク他の)チューニングベースになっている」とか、大友さんは「弥太郎が背負っていた鳥籠も(小道具さんが用意して来たものが)思っていた以上の3倍のものになってて、でも持たせてみたら面白かった」、撮影の佐々木さんも「またそれを弥太郎が嬉しそうにやっているんですよ。それをカメラが追うんだけど(4台あるカメラが)気づいたら全部弥太郎かよ!(笑)」と言う事もあったくらい、弥太郎が「龍馬伝」のベースになっていたようだ。

コーンスターチの多用について。なんとコーンスターチ協会の人が「龍馬伝」撮影現場に来たそうですよ。また、来年の大河「江」のスタッフが「こっちは(コーンスターチがなくて)きれいです」と言っているとか。

舞台セットは撮影の都度作り直していたとの事。「セットをそのままにしておくと、このセットがあるからこの場面とこの場面を先に撮っちゃおうと、台本優先になってしまうので、その都度建て替えていた」(山口さん)。

しかしまあなんといっても象ちゃん(後藤象二郎役、青木崇高)ですよ。青木さんがいかに「龍馬伝」にハマっているかについては既にあちこちで書かれていますが、自分の撮影がない日にもとにかく「龍馬伝」の撮影現場に自転車に乗ってやって来てずっと見ているそうで、そのために「出番がない日のスケジュールも青木さんに送っている」(大友D)、「毎日欠かさず来てくれるのが日常になってきている。うろうろしている青木くんが大型犬のペットみたいな(笑)。彼は本当に来たくて来ているので、彼の存在に助けられる」(柘植さん)、そして青木さんだけでなく「カメラで撮ると、みんな人間を超えたものになってくるんです。弥太郎なんか昆虫だ!って」(佐々木さん)、「真っ黒になって部屋の隅にいるからゴキブリだって(笑)」(大友さん)とすごい言われようですが、青木さんも香川さんもその熱意でスタッフさんに愛される存在になっているんですね。

やたらと色々と出て来る動物について。「最初黒船にオウムを乗せたら以外と面白くていい雰囲気になって、それが病み付きになっていった。なんともいえない効果があるし遊べる」(山口さん)。長崎奉行(石橋凌)と龍馬(福山雅治)が対面する場面では石橋凌の体を這ってカメレオンがずんずん上の方に登って来て頭の上に乗っかって龍馬と真剣な表情で対決する場面もあったそうですが、残念ながらこの場面はカットになったとのことだ。DVDの特典映像には是非ともいれてもらいたいもんだ(買わないけど)。

最後に。「福山龍馬の完成形をちゃんと見て欲しい」「龍馬の死にっぷりを見て欲しい」「ふっとした空白みたいな時期に龍馬の活躍があった。龍馬がしたことによって追いやられてゆく人たちがいる。歴史って残酷だね」(大友さん)、「(龍馬が)死んだからといって志が終った訳ではない。問題は龍馬のメッセージを現代に伝えることができるかどうか」(佐々木さん)、「締めくくりにふさわしいステージになるよう力を入れて来た。セット等が変な仕掛けでなく、全てが自由な中で何か起きると言うセットになっていたと思う」(山口さん)、「幕末から明治に懸けて(の時期は)こなれが悪い。装い自体がどんどん変わっていくという点がこなれの悪さ(になっている)。過渡期の過程。(そういう)どこか妙な感じを残したい」(柘植さん)。

その後客席との質疑応答があり、「福山雅治を次に使うとしたらどういった作品で?」と質問には「(福山雅治は)幅が広いと思っているのでビジネスマンも面白けど、軽々しくは言えない」と大友さんが言うと、司会のペリー荻野さんがご本人は「龍馬伝」とは違う時代で、聖徳太子とか小野妹子とかおっしゃっていたと言い、大友さんたら「いいじゃないですか、ヤケクソだ、小野妹子だ!(笑)」ですってよ。

そしてご近所の誰かさんが(笑)「今までに撮った作品で続編を作るとしたらそれは何か、またスピンオフを作るとしたら何か?」と質問した訳ですよ。もちろんわしらは「ハゲタカ2」という答えを聞きたかったわけですが(そりゃないだろーけどさーー)、大友さんたら「続編はない」ときっぱり(そしてわしらはガッカリ)。でもペリー荻野さんの更なるツッコミに、「(スピンオフなら)三吉慎蔵。大暴れの大アクションで。アクションは深いんです、面白いんです、すっきりするし」(大友さん)、「龍馬伝を撮ること自体アクションですから。いまだに過呼吸がおきますから(笑)」(佐々木さん)、「僕は岩崎家」(山口さん)、「弥次郎(蟹江敬三)、いいかも」(大友さん)、「重太郎さん(渡辺いっけい)もいいかな。じみーなスピンオフ(笑)、地味だけど面白い」(柘植さん)と。

そしてかなり年配の男性からは歴史的事実とドラマの違いが気になる、子どもが勘違いしたら困るとのご意見が。そういえば会場にはいかにもNHK大河を見ています的な男性客もちらほらいたのである。で、このご意見には大友さんが制作側も議論しながら、考証の先生達と話しながら作っている、「龍馬伝」は弥太郎から見た龍馬像であり、フィクションと史実、かなり鬩ぎあいながらお叱りを受ける覚悟で自分なりに優先順位をつけてやっているとのことです。柘植さんも、史実性の精度が高い所もグレーな部分も使ってドラマを作っている、史実とドラマのせめぎ合いがあるとのことですよ。最後に大友さんが「思いとしてはこれをきっかけとして歴史に興味をもってもらい、反発も含めて歴史を知る一つのきっかけになって欲しい」とおっしゃって、お開きとなりました。なお、そのご年配の方に大友さんが「細かい所はあとでお茶でも飲みながらお話ししてもいいですし」と冗談で言ったので、わしらは一斉に「大友さんとのお茶なら私たちだってしてお話を色々聞きたい!」とつぶやきましたよ(笑)。

で、nanakoさんが質疑応答の時にずっと手を挙げていたので「何を聞くつもりだったの?」と聞いたら「もちろん、脚本がどれだけそのままドラマになっているのか、演出がどれほど脚本をそのままやっているのか変えているのかですよ」と言うので、確かにそれは聞いてみたかったですよ。いやー今回は面白いお話が色々聞けて本当によかったですけんど……でも「これを「ハゲタカ」でも聞きたかった!」と心の底から思った事である。

……もっともっとおおっっと思うようなネタや面白い話もあったのだがどうもうまく聞き取れていないところも多々あると思うし、2日もたつとあらかた忘れてしまっているので(泣)、えー、だいたいうっすらこんな感じと思っていただければ(私の文章力のなさ故表現できていない事がたくさんあると思いますが、どうかご容赦くださいませ)。

さてこのあと、実はこの会場(横浜情報文化センター)のすぐ近くに三葉銀行(日本郵船歴史博物館)があると言う事がわかっていたので、もちろん見に行って来たのですが、それはまた別記事で。

参照:「龍馬デザイン。」(柘植伊佐夫、幻冬舍)
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
龍馬伝 第41回
今回、一番「おおおっっ!」と思ったのは、最後のアレはなんだったんですか死期を早めるだけですよ、高杉さん(伊勢谷友介)じゃなくて、やっぱりまた奇跡がどうたらこうたらとか言わせやがったかよ、でもなく、次回予告編の飯島さん(違)(紀州藩勘定奉行・茂田一次郎役、中尾彬)の「おまえは、何者や」ですよ!

[あらすじ]
「土佐藩と手を結んだ龍馬(福山雅治)は「海援隊」として再出発した。お龍(真木よう子)の身を案じた龍馬は、お龍を連れ下関へ。そこでは高杉(伊勢谷友介)が、死の床についていた。木戸(谷原章介)と高杉に、土佐藩が大政奉還にのったと伝え「長州も共に目指してほしい」と説得するが、木戸は力ずくの討幕を主張。新しい世の中をつくる夢を語り合う龍馬と高杉。長崎では、弥太郎(香川照之)が、いろは丸という船を手に入れ…」(NHK番組表より)。

龍馬伝 第41回(10月10日放映)。ハゲタカ廃人なら飯島さん(中尾彬)のあの台詞についつい反応してしまうのは仕方ない(はず(笑))。まあ、前回の弥太郎(香川照之)の「さ、3年かけて、なんとかしますき(3年待って下さい)」には「3年待てって、どこかで聞いたような気が??」とすぐにはピンと来ませんでしたけど。

今週の弥太郎。次から次と借金のツケを払わしたり交渉させたりおねだりしたりと図々しい海援隊の面倒をみるだけでなく、経済面での先見の明があることを見せてて、さっすが天下の三菱の創業者~って感じでしたわ。

今週の象ちゃん(後藤象二郎役、青木崇高)。長崎奉行(石橋凌)と対峙して全く引けを取らないというか、あのカステラの食いっぷりで土佐藩はやるときはやるぜというところをちゃんと見せてて、よかったです。

さてと。高杉さんは今回で退場だった訳ですが、すっごーーーーくやな予感がしてましたが、やっぱり高杉さんに言わせちゃったね……。「坂本さんは、奇跡を起こしてくれた。馬関の戦いは奇跡じゃった。土佐藩の参政が大政奉還を目指しちょるいうのがまことじゃとすりゃ、それは奇跡のような話じゃ」「木戸さん(谷原章介)、坂本さんの起こす奇跡に、我ら長州も懸けてみてはどうじゃろうか。いや、今一度、懸けてみてほしいんじゃ」。……龍馬さんの周りの人たちはみーんな、「龍馬が起こしてくれた奇跡」に、龍馬こそが自分の志を受け継いでくれるのだと覚悟して死んでゆく。半平太さん(大森南朋)も高杉さんも、みーんな、龍馬に思いを託して去ってゆく。半平太さんの時にアレでしたから覚悟はしてましたけどね。木戸さんの、高杉さんを失う事の無念さ、日本の未来のためにどれほど惜しい人物を今失いつつあるのかと言う悲痛、そして「動けば雷電のごとく、発すれば風雨の如し」だった高杉さんが、たちの悪い結核菌龍馬タイプのせいで、寝言を言うようになった歯痒さとかが痛い程感じられましたわ~。木戸さん、お気の毒。

そして、自分の思いを龍馬に託すことができてよかったとか思いつつ(私はいいとは思わんが←誰も聞いてません)、やはり志半ばで舞台から降りなければならない高杉さんの無念さが、本当によく伝わってきました……が、高杉さんの涎だか鼻水だかの方が気になった私は、注意力散漫でしょうか。

そーんなこんなで周りの皆さんの龍馬ageには本当にうんざりしていますけんど、でも今回のお龍さん(真木よう子)の「人の死というものは、終わりだけではないと思います。その人の役目を……志を受け継ぐものにとっては、始まりどすさかい」という台詞はよかったです。まあ、私は映画「ハゲタカ」では、劉一華(玉山鉄二)から鷲津(大森南朋)に「志」が引き継がれたんだよなあとか思いながら見てしまいましたが(←大バカ)。

今週の中岡慎太郎(上川隆也)。久しぶりにキターーーーーーッ! もう出ないのかと思っていたけど、超久しぶりに出たと思ったら「力による倒幕」の決意表明と来たもんだ。目標は同じとはいえはっきりと袂を分かった二人、へーーーー、中岡さんのあの不敵な笑みは手段は違えど目指すものは同じという同志としての笑みというよりは、なーんか、密かにリストアップされている悪い人たち(え?)の仲間入りさせれられちゃった感もあるんですけど。

さて文句をあれこれ言い続けたこの「龍馬伝」ですが、いよいよクランクアップしたそうですね。放映もあと残り7回、1年前の今頃は「龍馬伝」を楽しみにしていたのが本当に懐かしい……(遠い目)。1年が経つのは本当に早いよ!
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
龍馬伝 第40回
「龍馬伝」が始まるといつもスタッフロールの演出担当名を見て私がなにやらつぶやくせいか、今回はうすらぼけっと新聞の整理をしてスタッフロールを見てなかった私に、子どもが「演出のところ、二人になっているよ!」とわざわざ報告してくれたんである(笑)。で、顔を上げてみてみると前回書いたように演出はお初の松園さんと、他にあの渡辺Dの名前が並んでますよ! ……え”!?

[あらすじ]
「“長崎で商売をするには龍馬(福山雅治)の力が必要だ”と悩む弥太郎(香川照之)。そこに土佐の容堂(近藤正臣)から、象二郎(青木崇高)のもとに「ひそかに薩長とつながりを持て」という命が届く。象二郎は薩長を結んだ龍馬と会う決心をする。馬関での戦いから長崎に戻った龍馬は、弥太郎に会い「大政奉還を目指して、土佐を薩長に取り組むために象二郎と会う」と言う。ついに土佐での因縁を抱えた2人が対決するが…」(NHK番組表より)

うわーっ、びっくり。すごくシンプルというかストレートな演出で、見ていてすごくすっと入ってくるんですよ。松園さんはまだ若手だから渡辺さんはどちらかというとテクニカルサポートに回っているんじゃなかろうか。まあ「時計じかけのオレンジ」のアレックスみたいなどぎつい、これでもかな象ちゃん(後藤象二郎役、青木崇高)描写は渡辺Dならではな感じもするけど、でもこれは象ちゃん役の青木さんの力が大きいせいでもあるかも。で、いつもならうざくてイラっとする龍馬(福山雅治)が、今回はあまり気にならなかったんですね。それどころか、三白眼祭り(眉なし(徳川慶喜役、田中哲司)、象ちゃん、弥太郎(香川照之))で皆さんが吠えたり切れたりにらんでたりする中、薄くて飄々とした感じが結構よかったです(←エラソー?)。土佐が大政奉還に果たす役割と必要性の説明も(歴史的事実はどうだか知らんですけんど)わかりやすかったですし。

そして今回の見所、「龍」対「虎」、「虎」の象ちゃんですよ。まあ前半はふてくされの切れキャラでしたけんど、肝心の清風亭の対決は見応えがありました。重量感ある悪代官ぶりにほれぼれ。これまた「透明感溢れる」龍馬との対比が効いていてよかったし。また今回は舞台劇みたいな感じだったよなあ。会談の中心となる清風亭の小さな座敷の中で会話だけで進む龍馬と象ちゃんの対決、それを取り囲む象ちゃんの手下と弥太郎と亀山社中の連中、とりあえず中立な立場ながらもわかりやすくその場の空気を見せているお元(蒼井優)、それぞれが交互に映し出されて場の緊張感を盛り上げ、なおかつ彼らの視線の先が常に龍馬と象ちゃんに向かっている事で、今回のテーマをくっきりと見せていましたもんね。

でもまー、どいつもこいつも「龍馬さんでないと」「坂本君なら」「龍馬さんは」と言い過ぎ。そこまでヨイショせんでもええ。しかも高杉晋作(伊勢谷友介)まで「坂本さんは大政奉還をなしとげると-ー」「坂本さんはそのおうなお人では-ー」と血を吐きながら木戸さん(谷原章介)に抗議、この「龍馬伝」の死亡フラグのお約束、奥さん?だか恋人だかもご登場ですよ。来週はやっぱり坂本君マンセーで退場の模様。あーあ、おいたわしや。

今週の「あの人は今」。久しぶりに登場の半平太さん(大森南朋)。……何もあの場面を使わなくても。そりゃ「武市さんや以蔵(佐藤健)を殺した敵じゃ」という場面の回想だから仕方ないんだろうけどさー。死ぬ場面を出すなら、あの浅葱の衣装でスッと立って、和助(小市慢太郎)に声をかける直前の一瞬を見たかったけどな。

今週の適当な思いつき。風邪薬のCMに高杉晋作の起用はどうか。ゴホゴホッと咳き込む晋作さんに、「はい、風邪にはやっぱり○○ネ」と風邪薬を差し出す……って、晋作さん死んじゃうからダメか。

そして「龍馬滅亡」まで後10ヶ月! ……本当にカウントダウンしてるでやんけ。
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ