ロシア語通訳者で作家の米原万里さんが死去されたそうです。

 作家の米原万里さん死去(朝日新聞)

去年読んだ「パンツの面目ふんどしの沽券」(筑摩書房、2005年発行)の後書きに癌で手術を受けたというようなことが書いてあったのでびっくりしたのだが、ついに帰らぬ人となったのは非常に残念だ。まだ56歳ですよ、56歳。

上記のパンツ本の中では病気が発覚してから、今まで書くにはまだ時期が早すぎるとあたためていた企画だったが今回思い切って書いてみたというようなことも書いてあり、もう少しだけ物足りない気もする内容だったが、まあ、やっぱり出しておいてよかったんだね。ちなみに内容は徹底的にパンツとふんどしと裸にこだわった本。子どもの頃に住んでいたプラハの学校ではパンツを手作りしていたとか、キリスト教系の幼稚園に通っていた頃にふんどし一丁のキリスト像について発言し物議をかもしたとか、下着ネタのトリビアとか色々。この人のエッセイは結構下ネタが多いのだがでも全然下品にはならず、そして面白いのだ。できれば続編を読んでみたかったが。

ご冥福をお祈りいたします。
テーマ:今日の出来事
ジャンル:日記
このところ何かと忙しくて本を読むのも電車とトイレの中という状況なのでなかなか読み進まなかったのだが、やっと読み終えましたよ、「オタク女子研究 腐女子思想大系」(杉浦由美子、原書房、218p、1,575円)。「オタク女子の最大派閥「腐女子」とは、やおいやボーイズラブを嗜好する人々のこと。頭数では「アキバ系」男性をはるかに凌駕 するという、静かなるマジョリティの彼女たちは、何に萌え、どんな生活をしているのか!? その思想と生態を話題の新進オタクライターが大解剖!!」(出版社 / 著者からの内容紹介)

漫画にハマりはじめた小学生時代を含めると35年以上のオタク歴と26年のコミケ参加歴がある私だが、この本は読み物としてはそれなりに面白く読めた。しかし常に思いつきでしか物を言わない私ですら、これが論理的に記述されているとはとうてい思いがたい。少ないサンプル数でこうだと言い切って実証する事なく次の項目に移って行くので常にあれれれれ? と思うのだが、おもしろおかしく描いているので流れですらすら読めてしまう。まあ、確かに「そういう子」もいるよねーなのだが、それを腐女子一般、負け犬女子一般として描くのはいかがなものか。それにそもそも「腐女子」と「負け犬」は対立する概念ではないんじゃないのか? 

また、同人誌の歴史や用語の中で、あれれ? これってそうだったけ?という記述があり、まあ、私は腐女子ではないので断定はできないのだが、多分用語の使い方や歴史認識(!?)が違っているのではないかという気がする。たとえば私は「やおい」という単語を初めて聞いたのは1970年末~1980年初め頃で、コミケ仲間のS川(2005年8月15日「「コミックマーケット68に行ってきました。1」参照)から漫画同人誌「ラブリ」(主宰・坂田靖子)を見せてもらい、「ヤマなしオチなしイミなしだってよーー」と面白おかしく紹介されたのが初めてで、これ以降やおいという言葉をごくたまに耳にするようになったが、しかしこの時点では当然のことながらアニパロとやおいは別物であり、なおかつアニパロとやおいは別と言う共通認識は結構長く続いたように思うのだ。またこの時点ではアニパロもやおい物も必ずしも男性同士の恋愛物だけに限定してはいなかったように思う。しかしこの本ではそこら辺が全部ごっちゃになっているようだし、だいたい「やおい」「JUNE」[ボーイズラブ」の定義からして、え? そうだっけ?(←とにかく私はそこらへんには自信がないので)と思うような書き方がされているような気がするのだ。

この著者の人、自分は腐女子だって言っているけど、ホントなのかなぁ。なんか、妄想世界への「愛」が全然感じられないんだけど。三浦しをんのエッセイなぞ読むと、とんでもなく妄想世界への「愛」で満ち満ちていてその暴走ぶりが同じオタクとして非常に楽しめるのだが、この本にはそれがまったくないな。

とりあえず趣味にのめりこんでいる人を「オタク」ということにしておいて(昔はマニアといったもんだし、昔は「オタク」といえばネガティブなマニアのことだったわけだが、現代ではそうでもないので)。今までオタクは圧倒的に男性が主役と言われてきたけれど、まあ、自分の周りを見ても女性のオタクは山ほどいて、そして全体を見回してみても男性と同じくらいいるのは明らかであるのにも関わらず、例えば40年ほど前には漫画といえば少年漫画のことのみを指し少女漫画は論外だったというのと同様に、オタクといえば男性オタクのみを指すのは違うんじゃないのかーとは思っていたので、女性にもオタクはいる!と言うこと自体、それはいいと思うけど、でもこの本の内容ではまったく知らない人に誤解を与えかねないような気もするのだが、どうだろう?

とりあえずこのテーマはもっと読みたいので、もっとしっかり掘り下げたもので、なおかつ「愛」があるものをおかわりしたい。
テーマ:雑記
ジャンル:日記
今朝メイルを見てみたら、復刊.comから「武部本一郎 SF挿絵原画蒐集」が復刊というニュースが来ていた。これは嬉しい。武部本一郎はバローズのターザンものや「火星のプリンセス」などのSFの表紙や挿絵を描いていた人だが、児童書のイラストや池田宣政訳のアルセーヌ・ルパンシリーズの表紙を描いていたので絵に見覚えが有る人もいると思う。この人の描くルパンがそれはそれは美しく素敵だったのだ。私にとってルパンと言えば武部本一郎のルパンしかあり得ない。そして昔よく読んだジュブナイルSFの物語を思い出す時、この人の絵とセットになっている事も少なくない。メカは不得意なようだったが、描かれる人物や物語世界がどれもとても美しくて印象的だった。

ジュブナイルSFで「なぞの転校生」(眉村卓、鶴書房盛光社版。現在出ている本は武部本一郎のイラストではなかったと思う)という作品が有り、これも武部本一郎が挿絵を描いていた。この物語の中では、「なぞの転校生」とその一族が想像を絶する美しい人たちということになっているのだが、それも納得できる美しい挿絵だった。だからこの「謎の転校生」がNHK少年ドラマシリーズでドラマ化された時、私の「ガッカリ」はどれほど大きかった事か!(ま、同じ少年ドラマシイーズの「11人いる!」(萩尾望都原作)のドラマ化の驚天動地ぶりに比べたらまだまだだが)

武部画伯が亡くなられた後確か15年か10年くらい前に一度3冊組の画集が出たのだが、当時は高くて買えなかった(何せ1冊3000円もしたのだ)。しかし、その画集は結構さっさと絶版になってしまい、たまにオークションなどで見かけると1冊3万円とかというとんでもない値段になっていて、「あの時買っておけばよかったーーーーー」と何度も思ったものなのだ。

今回発行される画集がそれと同じものかどうかはよくわからないが(版型や装丁が全く違うし)、そして今度も画集としてはかなり高いお値段だが、今度こそ買い逃さないようにしたい……と思う。高いけどな(そして場所も取りそうだが)。
テーマ:日記
ジャンル:日記
以前、ロバート・サブダの「不思議の国のアリス」を買ってその非常に美しくて精巧な作りに感動したが(9月4日「ポップアップ絵本「不思議の国のアリス」」)、この人は他にも色々本を出しているので、特にクリスマスの絵本は時期が近くなったら買おうと思ってチェックしていた。しかしうかうかしていたら先々週の「王様のブランチ」(土曜、TBS)でこのサブダの絵本が紹介されてしまった。これは油断していると品切れになってしまうと思って早速注文、そして注文した2冊が届いた。

ナイト・ビフォー・クリスマス」はサンタクロースとトナカイが活躍するとてもシンプルな絵本。もう1冊の「クリスマスの12日」は絵(ポップアップ)に添えてある文章がマザーグースで、韻を踏んだ文章だから原文で読むのをオススメすると書いてあったので英語版(「The 12 Days of Christmas」)にしてみたのだが、「ナイト・ビフォー・クリスマス」の方はクリスマスのお話だろうと思って子どもが読めるように日本語版にしてみた。しかし届いた絵本を見てみると、これも日本語を読む限りでは原文はかなりリズミカルな詩のようなので、これも英語版(「The Night Before Christmas」)にすればよかったかなーという気もしている。まあ、子どもはポップアップの見事さに目が行っているので文章なんか全然よんでやしないが。

もう1冊、「クリスマスの12日」は推薦文によればマザーグースをベースにしたクリスマスの絵本(らしい)。私のマザーグースの知識といえば「ポーの一族」(萩尾望都)の「誰が殺したクック・ロビン」程度なので、文章についてはノーコメント。でも中身の美しさは本当に素晴らしい。クリスマス用のディスプレイにもいいかも。

添えてある文章はもちろん英語。以前買った「不思議の国のアリス」は原作のテニエルの絵を立体化したカラフルなものだったが、これは白を基調にしたシンプルで美しいポップアップに目を奪われる。

この宝石箱のポップアップの後ろにはちゃんとネジもついている。

しかしこの本にしても上記の本にしても、本を閉じる時に注意して閉じないとせっかくのポップアップが壊れてしまうので、簡単に子どもには渡せない代物かもしれない。

さてそんなんで私がよかったよーと言っていたせいか、同僚のH杉も甥っ子たちへのクリスマスプレゼントに注文してみようと昨日Amazonやイーエスブックスを見てみたら、やはり品切れになっていたそうだ。「英語版しかないんですよねぇ」と言っていたが、この本は別に英語でもかまわないと思う。どうせ文章なんか読みやしないし。
テーマ:クリスマス
ジャンル:日記
捨てる! スッキリ生活」(辰巳渚、幻冬舎、2005年11月発行、119p、1,155円)。以前に出て大ヒットしていた同じ著者の「「捨てる!」技術」とほとんど同じ内容だと思う。しかもね、内容が簡潔明瞭なので30分くらいで全部読めてしまうのだ(だから記憶力さえよければ立ち読みでもいいんじゃないのか?)。これで1,115円は高いとも思うのだが、この本は捨てるための項目を1週間ごとにやるマニュアル形式になっているので、例えば「第3週 年賀状……去年の年賀状は捨てる」「第21週 冬物の靴……この冬一度もはかなかったブーツは捨てる」というように、毎週少しずつやって確認し、そして自分なりの満足感や達成感が(多分)得られるようになっているのが、ポイントだな。

片付けられない人間はどこがダメなのかというと、いっぺんにあれもこれもと片付けようとし、当然のことながらいっぺんに片付くわけもないので嫌になって挫折してしまうというパターンになってしまうところなんじゃないかと思うが、この本では、まずは、いっぺんにやろうとするな、というあまりにも当たり前なことを順序だてて書いてあるのだった。

まあ、この手の本を読んでもなかなかそうはうまくいかないけどさ。そして今週号のクロワッサンの特集『合理的な発想で、気分よく済ませたい手早い家事の技。』にも心動いているダメダメな私。もちろん中学・高校時代は参考書を買っただけでやったような気分になって、1ページも開かなかったことがあったという過去の持ち主。
テーマ:日記
ジャンル:日記
今日本屋さんでチラッと見かけた新刊案内のポスター、一瞬韓流スターか大昔のジャニーズ系タレントの自伝かと思いましたよ。そしたらなんと洋ちゃん特集の本だったとわ。んーーーーー、しかしどうでしょう、このポスターのこのポーズは……。もしかしたら大泉洋だから「買って、お願い……」と言っているポーズなのかもしれんが。

タイトルは「鈴井貴之編集長 大泉洋」(新潮社)で10月19日発売予定。新潮社のウェブページに載っていた目次は以下の通り。

・はじめに 鈴井貴之編集長より
・大泉洋さんへのlOの質問
・子猫ちゃんたちに捧ぐ/魅惑の大泉洋/グラビア撮り下ろし
・札幌一日観光/With鈴井貴之~鈴井&大泉、北海道を語る
・1週間「食」日記/料理撮影:大泉洋
・抜き打ち!持ち物検査/大泉さんの所持金はいくら?
・大泉洋を占いつくす/人相、手相、星占い、九星気学、カバラ占星術
・ご両親インタビュー!!
・僕たちの大泉洋/鈴井亜由美 クリエイティブオフィスキュー取締役、北村一輝 俳優、PUFFY 大貫亜美、吉村由美、根本要 スターダストレビュ一、高坂希太郎 マッドハウス、「茄子アンダルシアの夏」監督、藤村忠寿、嬉野雅道 HTB「水曜どうでしょう」ディレクター
・舞台裏秘話/「COMPOSER」ができるまで
・Yo's Favorite/大泉洋が愛する食べ物、お笑い、テレビドラマ、映画、コミック、音楽、そして……
・大泉洋作品リスト/DVD、CD、本、スープカレー
・生い立ちから将来まで、すべて語りつくすロングインタビュー/大泉洋という人生 そして、その後 さらに、これから
・大泉洋年譜/テレビ、ラジオ、舞台、等々、仕事と人生の記録
・編集後記/鈴井貴之編集長

……いやぁ、完璧にアイドル本だよね……。
テーマ:日記
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この間の日曜日(9月11日)は選挙の投票の前に、子どもの小学校の図書ボランティアの仕事をちょいとやってきた。小学校の図書ボランティアに応募したもののほとんどの活動が平日の昼間であるため出番がなく(5月17日)、お呼びがかかったときは会社を休んで参加し(7月1日)、図書ボランティアの仕事は結構好きだけど来年は応募しないでおこうかなーとか思っていた矢先、またお座敷がかかりましたよ、しかも今度は日曜日、大丈夫、everything OK, 参加できます! と久しぶりに、ない胸を張って参加表明。

さて今回の仕事は、小学校の生徒達のために区立図書館から借りる本を選び出すという結構楽しい仕事だった。朝9時に区立図書館に集合し、1クラス80冊1学年2クラス分で今回は1年生と3年生と6年生の分合計480冊を選んだ。集まったボランティアスタッフは8人ほど。手分けして選ぶより一気に1年生の分から順にさっさと160冊分ずつ選んじゃおうと決定。みんな日曜日は色々忙しいのだ。

1年生。まず先生からリクエストのあった数冊をピックアップした後は、各自で絵本をメインに各ジャンル(自然とか算数とか歴史とか)も適当に入れて好きな本を選んでしまうことにする。これは自分の子どもが好きそうな本を選べばいいから結構楽。私はデヴィッド・ウィーズナーの「かようびのよる」とか黒井健の「ミシシッピ」とか好きなんだけど、1年生には難しいかなぁ。「かようびのよる」なんか文字がほとんどなくて、夜中にかえるたちが空を飛んでいるというだけの話なんだが。

3年生。どんな本を選んだらいいのか分からないので3年生の子のお母さんに聞いてみたら「漢字が少し入っている短い文か、ひらながの長い文が入っている本なら読めるはず」とのことだ。しかし別のお母さんは「うちの子、絵が沢山入っている本ばかりで、字が入っているともう見ないのよね~」なんて言っている。「でもそっち方面(絵とかイラストとか?)で伸びるかもしれないじゃないですか」と言うと「そういう考え方、好き!」と言われてしまった。

私が小学3年生のときは子供向けの全集の「トム・ソーヤーの冒険」とか「アルプスの少女ハイジ」とか読んでいたな。あと、SFを読むようになったのも2年生か3年生からだった。初めて読んだ「星雲から来た少年」という本が面白かったので、同じシリーズ(少年少女世界科学名作全集)の本を次から次と読んだものだった。今回それで面白そうな子供向けのSF本を探してみたものの、残念ながらなかった。しかたないので理科系の絵本「おっぱいのひみつ」とか「ちのはなし」「おへそのひみつ」あたりをピックアップしてみた。「みんなうんち」も入れたかったが貸し出し中らしく本棚になかった

6年生。これは先生からのリクエスト本がすごく多かった。今度伊豆地方に行くので伊豆地方に関する本や、あるいは「赤毛のアン」のような読み物が30冊くらい。6年生になるともう、本を読む子はすごく読むけど読まない子は全然読まなくなるんだよな。

私は5、6年生のときに「ナルニア国ものがたり」や学研の「新しい世界の童話シリーズ」にはまって読んだものだった。もちろん、ナルニアシリーズと「小さいおばけ」「小さい魔女」を入れ、他にも「長くつしたのピッピ」や「風にのってきたメアリー・ポピンズ」などを入れてみた。他のお母さんのセレクトを見てみると伝記や理科系、社会科系の本もちゃんと入れてある。仕方なく(?)そっち方面の本を見てみるものの、チャチな漫画イラストの解説本が多くていやになりギブアップ。職業解説(「スタイリストになるには」みたいな本)の本とかいいんじゃないかと思ったが漢字が多すぎるので断念した。「13歳のハローワーク」なんかあったら入れてみたかったところだ。

そうこうしているうちにあっという間に本が所定の冊数になって、今回のお仕事は終了した。480冊の本は図書館のほうで学校に運んでくれるという。よかった、こんだけの本を学校まで運ぶのはさすがに大変だよ。さて、次にお座敷がかかるのはいったいいつだろうか。帰宅してからビールをガッっと飲んで投票に行き(飲酒投票!)、やっぱり来年も図書ボランティアをまたやってみたいような気になってきた日曜日だった。
テーマ:育児日記
ジャンル:日記
ウェブで見て気になっていた飛び出す絵本の「不思議の国のアリス」(Robert Sabuda、Lewis Carroll著、Little Simon発行、12p、2003年、2,266円)。こどもがメイシーちゃんの絵本で、開くと3種類の部屋ができる飛び出す絵本「Maisy's Pop-Up Playhouse」が気に入っていて、「他にもこんな絵本ないの?」というので、思い切って購入してみた。本当は日本語版(「メイシーちゃんのおうち」)がほしかったのだが、売り切れ中で、Amazonのユーズド価格がなんと19,500円という金額になっているので、今回は英語版の方にした。

朝注文したら夕方には発送終了のメイルが来ていて翌日はもう届いた。早速開いてみると、これがなかなかすごい作りになっている。左写真は一番最初のページ、このページの右下の折りたたみをのばして(下左写真)、上から覗き込んでみると、これが穴に落ちたアリスの落ちてゆく瞬間が立体的になって見えるのだ(下右写真)。



こっちの写真はもちろんアリスのティーパーティ。3月ウサギもマッドハッターもお茶しています。テーブルもティーカップももちろん立体。

そしてこれは一番最後のページ、トランプの乱舞。いやはやこれはなかなか楽しめる絵本でした。この作者のロバート・サブタという人は他にも色々な種類の仕掛け絵本をだしているらしい。ちょっと他の仕掛け絵本も買ってみようか検討中だ。
テーマ:日記
ジャンル:日記
今朝知人のブログを覗いて見たら「ナルニア国物語」全7巻を読み終えたと書いてあった。そういえば映画化するんだよな、ナルニアシリーズキャストを見ると知っている俳優が一人もいないけど(まあ、ほとんど子役だし)、「指輪物語」レベルで作ってくれるなら大歓迎なのだが(でもお願いですから翻訳はなっちにはしないで……)。

つられてなんだか色々懐かしくなって、そういえば小学校のときに図書館で借りて読んだ学研のシリーズとか読み返してみたい気分になって本屋を漁ってみたのだが(以前近所の図書館に行ったときはほとんどなかった)、今手に入るこのシリーズって「小さい水の精」「小さいおばけ」(オトフリート・プロイスラー著、徳間書店発行)や「小さい魔女」(オトフリート・プロイスラー)とか「スプーンおばさん」(アルフ・プリョイセン、学習研究社)ぐらいしかなくてがっかりだ。他にも「いたずらこ小おに」(ユリア・ドゥシニスカ)とか「空とぶ家」(ウォルター・ホッジス)、「ひかりの国のタッシンダ」(エリザベス・エンライト)とか、今大人が読んでみても(多分)(結構)面白いのではないかと思うのだが。いや、まあ、実家に帰れば何冊か残ってはいるはずだけど。
テーマ:雑記
ジャンル:日記
「桃色トワイライト」(三浦しをん著、太田出版、2005年、253p、1,470円)。三浦しをんの妄想炸裂エッセイである。ボイルドエッグスのweb連載作品「しをんのしおり」を単行本化したものなので、毎週ブラウザで読んでいる私には目新しくはないのだが、今回まとまったものを読み直してみても、やっぱり面白い。

今回は2004年4月12日分の第271回「それぞれのこだわり」から2005年5月2日分の第321回「真の贅沢のみがひとを真に幸福にする」までが収録されている。今チェックして見たら順番が所々変わっているのでもしかしたら見落としがあるかもしれないが、この期間の連載ではざっと見たところ、「273回見えない敵は愛欲(2004.4.26)」「277回終わらない旅(5.24)」「285回根本的原因を探る(7.19)」「288回かぐわしい屯所(8.23)」「289 住んだところが俺には都」「290回愛するところに実りあり(9.06)」「292回バリ島通信 その一(9.20)」「293回バリ島通信 その二(9.27)」「297回誰も頼んでないことについては熱心(10.25)」「298回暗殺剣の道(11.01)」「299回番組の舞台裏(11.08)」「300 大胆旅行(11.15)」「304回打ち鳴らせ除夜の鐘、弔鐘のごとくに!(12.13)」「316回耐久レース(2005.3.21)」が未収録の模様。

三浦しをんのエッセイの何がいいかって、妄想炸裂、オタク心大爆発ながら、それを冷静になおかつちゃんと面白おかしく描き出す作家の目があることだ。とんでもなく暴走する「愛」があるのだが、しかし愛する対象に対して盲目なただのオタクとは違うのである(当たり前か)。しかし妹には「お姉ちゃんが面白いって言っていたから(本屋にあった)文庫本買って読んでみたんだけど、今一つだったわ」と言われてしまった。「あれは、オタク心があると格段に楽しめるんだけどねぇ」と言うと「じゃあだめだわ」と言っていた。まあ40過ぎた妹にいまさら新たにオタク心を持てといっても無駄だし持っていたところで特にいいこともないしな。
テーマ:雑記
ジャンル:日記
マリア様がみてる」(今野緒雪、コバルト文庫、集英社、252p、1998年)、いや~コバルト文庫ですよ~、10年くらい前に読んだ氷室冴子の「銀の海 金の大地第11巻」か「なんて素敵にジャパネスク第8巻」以来のような気がするが(←なんだかんだいいつつ読んでいる?)。コバルトでは王道の女子学園物ですよ。なんでいまさら?といわれると、とりあえず、1.興味本位(今話題の「マリみて」だし)、2.お手軽に読めるから、3.いつも貸し出し中になっているのにたまたまシリーズ第1巻目のこの本が図書館の本棚にあったから、4.結局この手の話が好き、ということだろうか。

さて読んでみての感想だが。話自体は新鮮味などかけらもないが、そしてキャラクタも同様にこの手の話にありがちな造形ではあるが、やはりこの手のファンタジー(異世界物)は読んでいて楽しい。憧れのお姉さま方・赤薔薇様、黄薔薇様、白薔薇様に、ロザリオで姉妹(スール)の契りですよ。主人公とそのパートナーとの出会いは廊下でぶつかって始まるんですよ(この話の中ではその前にもう一つエピソードが入るが)、そしてこの手の学園物につきものの学園祭周辺でのハプニングですよ。ふふふ。そしてこの手の物語のいいところは読後感が「清清しい~~」ことだろう。夏バテと仕事疲れと子どもの相手疲れでヘロヘロな今の私には貴重な1冊といえるかもしれない。今日は会社帰りに2巻目を買ってしまいそうな自分が怖い。
誤読日記」斎藤美奈子著、朝日新聞社、2005年、1,575円。「『チーズはどこへ消えた?』『バカの壁』『セカチュウ』『DEEP LOVE』……、書籍界を騒がせた175冊のベストセラー・話題の書を、「誤読術」を駆使して読みといたミーハー書評決定版。日曜日の新聞各紙の書評欄には登場しない、タレント本、自己啓発系、実用書や政治・経済にもちょっかいを出し、落ち穂拾い的に本を紹介する「書評欄の裏番組」的コラムです。2000年春~2004年秋まで、週刊朝日、アエラに連載されたブックレビューの単行本化。」(Amazon出版社コメントより)。

週刊誌に連載されていたものなのでコラムの1個1個は短いが、いつもならがらの斎藤美奈子節(!?)は健在。長めの評論よりは当たり前ながらやはり物足りない気はするが、電車の中でちびちび読むのには結構最適。そしてこの中で紹介されている「聞いたことはあるけど読んだことない、まあ、読む気もないし」という本を理解した気分、もしくは読んだつもりになれて非常にお得。コラムが短いせいか紹介されている該当本の文体を一ひねりし意地悪く真似て紹介しているので、これまた楽しめる。

いつ、どこを開いてもお手軽に読めていいが、それでいて「野中広務 差別と権力」(魚住昭著、講談社)や「全「歴史教科書」を徹底検証する」(三浦朱門著、小学館)などへのツッコミを読むと、その反骨ぶりに嬉しくなってしまうくらいだ。しかし紹介されている本の中で私が読んだ事があるのは「4TEEN」(石田衣良)と「とんがって本気」(加賀まりこ)くらいしかないとわ。全然本読んでないじゃん。
以前子どもの小学校の図書ボランティアをやることになったが、活動が平日なので私の出番はほとんどなかったと書いたが(5月17日)、やっと私にも出番が来たので昨日は会社を休んで学校の図書室に行ってきた。前にも書いたようにここの学校の図書室はちゃんとした蔵書目録がないので、この際一定期間図書の貸し出しを中止してその間に一気に図書の整理をしようということになったのだ。

整理期間は1週間で作業は色々とあったが、まず最初に図書室内にある蔵書の登録番号をチェックするという作業は終わっていて、図書室内の書棚にある図書を、絨毯攻撃でひたすら登録番号のみ短冊のような紙に書き出してあった。私が行った昨日の午前中は、その短冊を番号順に並べて、購入台帳と照らし合わせて蔵書を確認するという作業が進んでいた。こういう照らし合わせ作業をすると必ず登録番号はあるのに台帳に記載がないとか、台帳では既に廃棄処分になっている(はずなのに図書は書棚にある)とか、チェックした短冊に書いてある登録番号と照らし合わせて書き出してみた書名の図書が本棚にないとかが生じるが、やっぱりそういう、どうしたらいいのよこの本(と登録番号をチェックした短冊)というような図書が山ほどが保留段ボール箱の中に入っていた。

最初に図書の照らし合わせをした人とは別の目で、もう一度該当登録番号の図書を探してみてください、と言われて本棚を探してみるがやっぱりない。登録番号を書き間違ったんじゃねーのー?と思いつつ本棚を眺めていると、これ、私の小学校の頃にも図書室にありましたよ! というような古い本があったりする。なつかしーーー。でも、もう捨ててもいいんじゃないのか?

あと、寄贈図書の登録用の項目書き出しっていうのもやった。でも寄贈図書って、本当にどうでもいいような本が多い。みんな捨てるよりは学校の図書室で役立ててくださいって持ってくるのだろうが、あんまり役立ってませんよ。他の人と「これ、捨てちゃっていいですよね?」と言い合いながらどんどん廃棄処分に決定。さらに別の人は「この本の山、うちにあった本のような気がするんだけど……」と自分の息子に疑惑の目を向けていた。そういう寄贈図書の中でもこの本ならちょっとはマシなんじゃないの?と思うような本は別の図書館の蔵書印が押してある。もちろん「リサイクル図書」(一旦図書館で廃棄処分にした本)のシールも、「廃棄」印も押していない現役の蔵書である。他からくすねてきて返すのが面倒だからって寄贈図書の中に入れておくんじゃねぇ。

作業はまだまだ終わりそうになく、私も参加したのは昨日一日だけだったが帰りがけに「また大規模な整理作業とかあったら呼んでください~。会社休んで参加しますから」と言いながら退出したら、今朝早速ボランティアのリーダの人からメイルが来ていた。夏休み中に2日間だけ生徒に図書室を開放するのだが、その担当希望者(留守番? 見張り役?)を募っていた。もちろん、平日だ。小学校の夏休みの図書室、ちょっといいかも。他の教室と違ってちゃんと冷房入っているしな。でも会社をサボることに迷いは全くないものの(おいっ!)、留守番担当参加には少しばかり迷っているのだった。
snakemans.jpg「これ、なんですか? スネークマンショー」(桑原茂一2監修、新潮社発行、2003年)。昨日図書館から借りてきてまだ読み始めたばかりなのだが、スネークマンショーの再録掲載部分が文字メディアなのにラジオで放映されたスネークマンショーの雰囲気をよく伝える造りになっていて、なかなか楽しめる。「国際越谷カントリークラブ」とか「特別教養講座マリファナの弊害について」とか。中身はスネークマンショー成立前後から終了(??)までのいきさつや裏話など満載(と、思う。まだ読み終わってないけど)。あのガンダムのセイラ・マスの声をやった井上遙がスネークマンショーに加わっていたとか、彼女の霊感占いにより伊武雅之が伊武雅刀に、桑原茂が桑原茂一にそれぞれ改名したとか、へぇ~へぇ~へぇ~な事が盛りだくさんだ。

この本を見て、そういや私の初スネークマンショーは「トヨタスターレット」のラジオCMだったんだと改めて知った。当時浪人下宿生活を送っていてTVなしの生活だったので、ラジオばかり聞いていたのだが、どの番組だったのか忘れたがその合間に入ったCMが無茶苦茶面白くて珍しく録音したのがこれだった。勿論その頃はそれがスネークマンショー製作のCMだったとは知らなかったが。

その後、大学に入ってから仲がよかったサークル(美術研究部)の後輩の子が飲み会を断る理由に「今日はスネークマンショーを聞かなきゃならないから」と言っていたのを思い出す。それから別のサークル(漫画研究会)の後輩の子が「これ、面白いですから」とYMOの「増殖」をコピーしてくれたこともあった。あとは実家に帰省したときに妹がYMOやらスネークマンショーやらのCDを持っていて聞いたような気もする。どちらにしてもラジオでリアルタイムではいていないのだが、今聞いてみても結構新鮮な気がする。

再録部分の「たんつぼ小僧」なんか、思い出して気が遠くなりそうだった(インパクト、ありすぎだったし)。「ポール・マッカトニー取調室」とか「若い山彦」、「ここは警察じゃないよ」なんかいまだに話のネタになったりするし。つい、Amazonでスネークマンショーをポチリそうになってしまうのだった。あぶない、あぶない。
子どもの小学校からのお知らせに「図書ボランティア募集」というのがあり、学校の図書室の本の整理などをやってくれる人を募集していると書いてあったので「働いているので平日のお手伝いは出来ませんが、土日お手伝いできることが何かあるようでしたら応募させていただきます」と書いて学校に提出した。

するとなんてこったい、先週の金曜日に図書ボランティアの皆様の集まりを5月17日の午後3時から行いますっつー連絡が。平日の昼間は参加できないってちゃんと書いたのになぜ私をエントリーするんだよーー。でももしかしてこれからの活動方針次第によっては私が何か出来ることもあるのかもと、気を取り直して本日の午後、会社は午後休とって学校に行ってみた。しかしお集まりになっている皆さん、やはりほとんどが専業主婦の皆様ばかりで、通常の活動は平日(火曜日、木曜日)の真っ昼間にやることが決定、わたしゃ居場所がありませんでしたよ。「すみません、平日は参加できないので補欠にカウントしておいてください」と言ってすっかり小さくなっていた私だ。他にも数名兼業主婦のボランティアの方もいらしたらしいが、もちろん4日後の昼間に集合! なんていきなり言われても参加できる訳もなく、皆様欠席されていたようだ。

今読んでいる「ワタシの生活微向上作戦2」(清水ちなみ、中央公論新社、2005年)で、OL委員会のメンバーの「年金っつーたらすぐにサラリーマンの妻がやり玉にあがるけど、でも地道に地域活動やPTAの活動とかやっているんだからいいじゃないか」みたいな発言が載っていて、う~~むと思ったのだが。今回集まったメンバーはこういうことに積極的な方々らしく、他にもPTAの役員とか学校の他の何かのボランティアをやっている方々がかなり多かった。今日の集まりでも子ども達への読み聞かせもやりたいと発言される方々も沢山いて、読み聞かせなんかまっぴら御免な私はびっくりでしたよ。なるほどなー、確かに学校内の校外活動やら何やらのほとんどがこういった専業主婦の皆様の活動に支えられて成立しているということを初めて実感いたしました。

さて図書ボランティアの方は、学校の図書室があきれるほど整備されていないということがわかって、やることがやたらと沢山あるため補欠の私でも多少の出番はあるようだ。しかし、ちゃんとした蔵書目録すらないって、どうなの?(購入目録はあるが、現実の図書室の本と一致していないらしい)。今年度は図書ボランティアでこれからちゃんとした蔵書目録作りをやるというのも驚きだが、新しい本棚が放置してあってその本の総入れ替えをを図書ボランティアがやるって、そういうもんなのか? 普通の小学校の図書室ってこんなもんなのか?? 色々よくわからないことだらけなのだった。