笑う警官
10月23日の東京国際映画祭での上映を見たすぐ後にこの感想(「笑う警官」)を書かなかったのは、もちろん作品が公開前であったからというのが一番の理由だが、その次の理由はやはり見た直後の感想が「どうしてこんな、もったいないことをするんだろう」というものであったからだ。どうしても文句の方が多くなってしまうんである(ま、元々常に好き勝手なことしか書いてないから自分でもそーんなに中立的な文章など書けるとは思っちゃいないし書く必要があるとも思ってないが)。それで少し時間を置いてから書いてみようと思ったのだが……そしたら案の定、どんどん忘れていっちゃうのな(笑)。かといってもう一度みるほどの興味も愛も時間もなし。っつーことでほどよく忘却して残念感が薄れてきた本日、11月6日の感想(参照:10月24日「東京国際映画祭の「笑う警官」を見に行ってきました。」)。

[作品紹介]
「札幌市内のアパートで女性警官の変死体が発見された。まもなく被害者の元交際相手の巡査部長・津久井に容疑が掛けられ、さらに異例の射殺命令までも下される。かつて津久井と同じ任務にあたったことのある警部補・佐伯は、この一連の流れに違和感をもち、女性刑事の小島、新人刑事・新宮ら信頼できる仲間とともに秘密裏に捜査を始める。やがて、彼らは北海道警察内部に隠された闇に踏み込んでいくのだったが……」(goo映画作品紹介より)

この映画、あの角川春樹(以下、ハルキ)が脚本・監督・製作ということで全く期待をしないでいたので、見始めた当初は「あら、思っていたよりもちゃんと見られる作品になっているんじゃ?」と思いました。最初っからこういうバイアスかけて見るのもいかがなものかとは思うが、まあハルキだからしょうがない(え?)。それにハードルは低めの方がもしかすると後の感動の方が大きいかもしれないし。

さて。刻々と時刻表示がされて限られた時間の中で友の無実を証明できなければ彼は殺されてしまう、それは何よりもかけがいがない無二の親友の生死がかかって押しつぶされそうな時間、いわば現代版「走れメロス」ですよ。普通ならもっとスピーディで緊迫感がある画面になるものですが、この作品の中で「まったり」と時間が進むように見えるのは、あえてやっているのだろうと思いました。切り刻まれた時間の中で必死にあがく様を描くことでそれぞれの「一瞬」が何倍にも引き伸ばされて時間が止まっているかのように見える、こういう緊迫感のあるドラマを描く手法としては却ってアリ、だと思いました。

また、大友康平がマスターをやっているあのバー(名前は全く思い出せない)のアウトサイダーな雰囲気も頑張っていたとは思います。そこにまるで呼び寄せられるようにして集まってきた刑事たちという設定も実に魅力的です(八犬伝とか梁山泊とか十勇士?という種の別の期待も一瞬してしまったが、それは置いておく)。レトロっぽい雰囲気も結構頑張って出していたと思います(それがハルキの狙い通りスタイリッシュだったかどうかは置いておく)。あとバカバカしいまでに大げさな機動隊出動場面もカッコよかったです。ここはそこまでやるか?感が実にナイスでした。そしてやっぱり配役が絶妙ですよね。結果的に佐伯役の大森南朋がマリオ化してるとか小島役の松雪泰子はなんでいつも細目で遠くを見ているの?とかは置いておいて(笑)、それぞれのキャラへのキャスティングはよかったと思います。あとはえっとーーー(遠い目)。

うううむ。どうも、「もう少しなんとかしてくれたら」「これだけのキャストとスタッフを使って、これだけのスケールのものを作って、これだけ宣伝に力を入れるなら、やっぱりそれなりの作品に仕上げて欲しい」という思いがわきあがってしまうんですよ。そうでなくては本当に「もったいない」。という訳で、以下非常に辛口になってしまいますが、あらかじめ謝っておく。読みたくない人やまだ見てない人は飛ばしてね。超ネタバレなので折りたたみます。なお、1回見ただけなので場面の詳細についてはちょっと間違っている鴨。

追記:(11月13日)がんがん放映されるTVの予告編やポスターや告知情報を目にしたり、この感想文を書いたりしてたら、だんだんともう1回見てもいいかもって思ってきちゃってて、本当にもうどうしようかなあ(笑)。なんでしょうか、あんなヤツ嫌いなんだから、って言いながらその嫌いさ加減を考えていたらすっかり虜になっていたというヤツか!? ツンデレ? はっ、もしかしてそれがハルキの狙いか?(←違います)。
追記:(11月14日10時)まあ、結局「笑う警官」にはそれだけの魅力があるっつーことですよね(遠い目)。完全に私の負けかも(一体、なんの勝負だ?)。
テーマ:邦画
ジャンル:映画