龍馬伝 第5回
龍馬伝 第5回(1月31日放映)。龍馬達にとって黒船来航がいかにとんでもない驚天動地の出来事だったのか、現代のわしらに目に見える形で伝えるのって結構難しいよなー。そーんなでっかい船があんなに沿岸すれすれに航行するわきゃないけど、龍馬(福山雅治)や桂小五郎(谷原章介)の目にはそれくらいに見えてたつーことなんだろうだろうし。でもリアル黒船に対しては現代人の目から見たら「そんくらいの船で?」となっちゃうから、現代人向けにはもっともっと、本当にゴジラが来たんじゃないのか?くらいの衝撃描写があった方がいいんだろうけど、それじゃあいくらなんでも劇中の人物達にとっては嘘になっちゃうかもしんないしなー。

あ、そうそう、NHKの「龍馬伝」ウェブページの「龍馬伝を語る」ムービーに大森南朋編が載ってます。

[あらすじ]
「ペリーの来航を受けて、幕府は各藩に江戸湾の警備を命じた。龍馬(福山雅治)も海岸警備に駆り出されるが、陣を抜け出して桂小五郎(谷原章介)とともに黒船を見に行く。黒船を目撃した龍馬は、圧倒的な西洋文明の強さを感じて、剣術修行を続けていくことに疑問を抱く。佐那(貫地谷しほり)の心配にもかかわらず、龍馬は千葉定吉(里見浩太朗)に剣が役に立たないのではないかと口を滑らせ、道場から追い出されてしまう」(NHK番組表より)

まあそんな訳でゴジラのあまりのすごさに呆然としちまっている龍馬編ですよ。何せ剣を持ったら随一の腕をもち、その剣のさらなる修業のために上京してきたっつーのに、剣なんかなんの役にも立ちそうにない相手に圧倒されちゃあ、自分の寄って立つ所がなくなったように感じて動揺するのも仕方なかろう。龍馬もまだ若いしねー(棒読み)。一方、黒船をニュース速報で知っているだけの土佐の方では異人が攻めて来たら戦さぜよ、そのためにも剣の練習を、と実に対照的な状況なわけです。しかしそんな龍馬の混乱ぶりをちゃんと見抜いてる乙女姉やん(寺島しのぶ)、「おまえが戦さをしたがっちゅうとは思えんきに。世の中を知るゆうことは、みんなと同じ人間になるということではないぞね、龍馬。おまんらしい生き方をさがしなさい。それを見つけてこそ、自分が何を成し遂げるために生まれて来たかが見つかるがじゃ」(だいたいこんな感じ)。実際に龍馬と乙女の手紙は大量に残っている訳だけど(しかも乙女の手紙の内容が本当はどうだったのかまったく知らないけど)、この姉がいたからこその龍馬だったのねー。

さてそんな龍馬は置いておいて(主役なのに!)。今週のメインイベント、山内豊信(山内容堂)(近藤正臣)vs吉田東洋(田中泯)with武市半平太(大森南朋)戦ですよ。うわわわわ、濃いわーー。近藤正臣、いつの間にこんな怪優に? 昔はピアノを足で弾いていたんですよ!(違)。またあの鮮やかな赤いおべべがそれを引き立ててナイス。それに対して全然負けてないっつーか、互角? ハブ対マングース? な吉田東洋、毎週この二人が10分以上一緒の画面に出ていたら胃もたれするかも。でもこの近藤容堂と田中東洋の二人に対抗出来るのはやっぱり大森半平太ですよ。

そしてお殿様ったら半平太の意見書を読んだ時点では評価していたくせに、お庭で頭を下げている半平太には一瞥をしただけで言葉もかけずに去っていく訳です。今週の半平太さんご一家は大喜びでしたけんど(いやあ、先週の予告編で菅井きんの手を握る半平太場面を見た時は、菅井きん、いよいよあぶないのか?とか思ったけど全然違ったな)、来週の予告編の真っ黒半平太はそこらへんから来ているのかしら。すっげー顔してたけど、あれ、本当に半平太ですかい? わたしゃコマおくりして確認しちゃったよ。

今週の岩崎弥太郎(香川照之)。うひゃーー、半平太の意見書が取り上げられたのに、弥太郎の意見書には音沙汰なし。悔しい顔炸裂ですよ。弥太郎の方がよっぽど「鬼のような異人顔」の似顔絵そっくりなんじゃ。でも三菱がなんとか言って来ようとも、香川弥太郎、がんばれー。

そして来週はいよいよ真っ黒半平太編、さらに生瀬勝久の吉田松陰登場ですよ。そういえば「花神」(1977年のNHK大河ドラマ)では篠田三郎がやってたなーとかうすらぼんやりと思い出してました。でもNHKで生瀬勝久と言えばやっぱり「サラリーマンNEO」では。
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
ゴールデンスランバー
友人から試写会のお誘いをいただいて見に行ってきました、「ゴールデンスランバー」。原作(「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎、新潮社)は読んでないし、映画のあらすじすらチェックしてなくて、うすらぼんやりと緊迫感のあるサスペンス物なんだろうなあと思っていたのですが、違いました。そして一昨日の昼飯時にこの映画を見るって話を同僚にしたら、どういう話なのかと聞かれたので「堺雅人が無実の罪で追われて逃げ回る話らしい」と言ったら、私を含めて皆の意見は「逃げなきゃいいのに」でしたよ(笑)。いや、それじゃ映画にならないから。でもまさかあんな風な話とは思わなかったなー。ところで上映開始前に「上映時間は2時間19分になります」とアナウンスされた時は、思わず「ハゲタカ」より長いじゃんっ!とつぶやいてしまいました。

[あらすじ]
「なぜ!誰が!何のために! 首相暗殺犯に仕立てられた無実の男の大逃亡劇、絶望の逃亡者を誰が救えるのか……。野党初の首相となった金田が、仙台市内で凱旋パレードを行うその日、数年ぶりに大学時代の友人・森田に呼び出された青柳は、森田から「お前、オズワルドにされるぞ」「逃げろ。とにかく逃げて、生きろ」という忠告を受ける。爆発音がしたかと思うと、警察官たちが、二人が乗っている停車中の車に駆け寄り躊躇なく発砲する。青柳は、反射的に地面を蹴り、仙台の街中へと走り出す……!」(東宝映画紹介ページより)

1月30日(土)の公開まで沈めとこうかと思ったんですが、30日ってもう明後日じゃん。っつーことで気にせず書いてますよん。ネタバレを含むため折り畳みます。まだ映画を見てない、よいこは見ちゃだめだよおお。
テーマ:邦画
ジャンル:映画
百姓貴族1
私は「鋼の錬金術師」は全く読んだ事がないが、同じ作者によるこの本「百姓貴族」(荒川弘、新書館、714円、2009年12月発行)を手に取ったのは、本屋で見かけたこの本の表紙と腰巻きの文字「私の血には牛乳が流れているのだよ……!!」「知られざる農家の実態を描いた、ウシ年最上級霜降りコミックエッセイ登場!」というおバカなコピーに惹かれたからである。ちなみに裏表紙には「百姓万歳!!!! マンガ家になる前は北海道で7年間、農業に従事していた荒川弘。牛を飼い、野菜を作り、クマに怯え、エゾシマリスに翻弄される-ー年中無休で働き、切ない想いも多々あるハードなお仕事。「水がなければ牛乳を飲めばいいのに」。なんたって”百姓貴族”ですから!! 知られざる農家の実態を描いた、日本初☆農家エッセイ登場!!」とあります。

ところでこの作者が通ったという十勝地方の農業高校って一体どこだ?と思ってWikipediaを覗いてみたら、「名前や作風から男性と間違われやすいが、女性である」と書いてあってびっくりだ。この内容で女性だったのか。不覚。なお、狂牛病問題で牛肉の輸入がストップした時の台詞は「牛がなければ羊を食べればいいのに」である(笑)。

ハガレン荒川弘の農家エッセイ漫画 「百姓貴族」1巻発売(アキバBlog)

いやー、同じ北海道の同じ十勝地方の出身ですがね……北海道、すげーなーって思っちまうよ。とにかくワイルド。しかし私もこの著者とほぼ同じ地域に住んでいたはずなのに、クマが出没するから遠足が延期になった、なんてことはまったくなかったよ。そういえば隣町(帯広市芽室町)の出身であるTBSアナの安住紳一郎もクマがいかにおそろしいか小学校でさんざん叩き込まれたために、ハイキングに行った先で(もちろん関東圏内での話だ)「クマ出没注意」の看板を見たか話を聞いたとかで、クマに異常に怯えながらハイキングをしたというネタを「日曜天国」で話して、また大げさなと思っていたが、もしかして私が小学校でのクマ危険教育を忘れているだけなのか?

そして荒川一家ですよ。確かに私も氷点下20度になることもある帯広の冬場に素足にサンダルで外に出る事もあったが、さすがに風呂上がりにパンツ一丁で真冬の牛舎に行く荒川父には負けた。さらに荒川家のサバイバル状況に笑いながらも圧倒される。この一家なら北海道、独立出来るかもな。そして実は書いてある事は結構マジメなのに(食料自給率とか生産調整の話とか命あるものを食料にして生きて行くという事とか)大笑いしながら読んでしまうのでそれを感じさせないのは……いいことなのか??

この本の続きを読みたいのはもちろんだが、今まで全く読んだ事がなかった「鋼の錬金術師」も読んでみようかな、などと思って見たものの、最新刊は24巻か。だめだな、こりゃ。最近長い漫画が読めないんだよな(しみじみ)。
テーマ:漫画
ジャンル:アニメ・コミック
龍馬伝 第4回
龍馬伝 第4回(1月24日放映)。ここんとこ頭の中で龍馬のテーマが鳴ってたりするのだが、それが気がついたらいつの間にやら「ゼルダの伝説」の曲にすり替わっとる(似たような曲があるのよ)。そうか、「龍馬伝」はハンシ・リョーマの大冒険ファンタジーだもんね(違)。弥太郎のトルコ行進曲みたいなテーマ(昔NHKでやっていた「阿修羅のごとく」でかかっていたみたいな曲)もいいし、サントラ(「NHK大河ドラマ 龍馬伝 オリジナル・サウンドトラック Vol.1」)買っちゃおうかなー(早っっ!)。

[あらすじ]
「江戸の千葉道場に入門した龍馬(福山雅治)は、師範・千葉定吉(里見浩太朗)の娘・佐那(貫地谷しほり)の素早い剣に打ち込まれてしまう。龍馬が厳しいけいこを始める一方、佐那はひそかに龍馬に恋心を抱き始めていた。ある日、溝渕広之丞(ピエール瀧)に連れられていった飯屋で桂小五郎(谷原章介)と出会う。桂は日本に異国船が迫ってきていると説く。まさにそのころ、ペリー率いるアメリカ艦隊は日本を目指して航行中だった」(NHK番組表より)。

今回の演出は大友Dですよ。さて、花のお江戸にやってきてうきうき気分の坂本龍馬(福山雅治)ですが、根が真面目なんだかさっそく千葉道場にご挨拶。そこで千葉定吉(里見浩太朗。大仏みたいな顔だったな)の娘・佐那(貫地谷しほり)に負けちゃう訳ですが、田舎の保守的なな男女観を持っている人間にとっては(たとえ龍馬のようにかなり固定的観念にとらわれない人物であっても)、女性に負けたというのはちょっと衝撃だっただろうなー。

でも一方、佐那の方はいわば剣術ロボットとしてただひたすら剣の道を究め続けて来たのに、龍馬によって剣術の楽しさや、人とふれあう事の楽しさ(多分今まで道場での指導もしたことがなかったんじゃないだろうか)を知って、ロボットから人間に、女になってゆく。そうなるともう龍馬には勝てない。これはキャリアウーマンの挫折の物語でもあるよなー。今まで男も女もなくやってきたし実際に自分に勝った男はいなかった。実力は自分が一番と思っていたのに、そこにド田舎からやってきた異物によって、別の現実を知ってしまう。自分より強い男の前で無力感を噛み締め、しかもとーちゃんにも「だがお前は女だ。それを認めなければいけない時が来た」とか言われちゃってさ、心がささくれ立つ訳だよ。しかしなんだ、歴史の方をまだ全然チェックしてないのだが、確かこの千葉佐那さんという人は龍馬と婚約して龍馬が江戸を去ってもずっと待ち続けて終生独身だった人だよね(大昔、少女漫画で読んだような気がする)。本当にまっすぐな人だったのかもね。

そして今週の由美かおる。裸龍馬、キターーーーーッ! ……ちぇ、全然心動かないや。もしかして「水戸黄門」の由美かおるみたいに毎週定時に龍馬の裸シーンがあるのか?とか思ったけど、早くも黒船来ちゃうんじゃ、脱いでられないな(意味不明)。

定番(え? いつの間に?)、今週の武市半平太(大森南朋)。半平太の人望や実力もさることながら営業活動の成果もあって、塾の方も盛況。都会の千葉道場のカジュアルな剣術と違って、真剣を使ったリアル道場ですよ。しかし弥太郎(香川照之)に、龍馬がお江戸から戻ってくるまでだもんねとか「武市半平太にも嫉妬心があったかのう」なんて言われちゃうのよ、弥太郎、やなやつ最高だな(鳥かごを門にぶつけながら出て行くところもナイス)。核心を突かれて一瞬のたじろぎを見せる半平太ときたもんだ。黒くなってる黒くなってる!! あああ、半平太のじりじりする心境が伝わって来てやるせないわ~。ラストを見たくないばかりに「フランダースの犬」も見なかった私なので、実は悲惨な死に方をするとわかっている半平太には肩入れしたくないのだが……もう、すでにやられとる(泣)。

でもさ、先週の「龍馬伝」をにたにたしながら見ている時に子ども(11歳)に「大森南朋が出ているから見ているんでしょ?」と言われて「違うのっ、大森南朋じゃなくて武市半平太を見ているのっっ!」と意地になって説明していた私だが、実は大森南朋同様に歴史上の武市半平太にも興味は特段ないんだよな。大森南朋がやっている武市半平太だからやられちゃっているんであってさ。あ、そういえば私は携帯電話の待受けに写真は入れないのだが、秘匿ファイル(笑)に新しい写真を入れてにまにましながら見てそのまま放置してたら、子どもが私の携帯を見て一言、「あ、鷲津だ」と言ってたよ……。

今週の意味不明。魔性の女(?)・加尾(広末涼子)、何も弥太郎に弟子入り、じゃないか、えっとー勉強教わらなくても。土佐には他に塾がなかったのか? 君は一体なにがしたいんだい? これで最後の最後に実は龍馬の暗殺を指示したのは加尾だった、なんてことになると面白いかもしれないが。

ラスト、いよいよ黒船来航、町の混乱ぶりはなんかゴジラの襲来のようですよ。いっそテーマ曲も「ゴジラ」の曲っぽくした方がよかったんじゃないのか? そしていよいよ来週は加藤さん(田中泯)、キターーーーーッ! ……いえ、加藤さん(ドラマ「ハゲタカ」)ではなく吉田東洋でした。「失礼しました、つい熱くなってしまって」(by 鷲津政彦)(←美冬さんのマネっこ)
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
映画「ハゲタカ」オーディオコメンタリー
見に行きますよ、「ハゲタカ」を……三軒茶屋までね……。

さて前回1月10日の29回目鑑賞では雑念だらけで無我の境地とは程遠かったと書いたが(参照:1月11日「映画「ハゲタカ」29回目鑑賞(やっぱり無我の境地からはほど遠く)」)、今回はどうだったのか。ちなみに見に行ったのは1月16日(土)で、実は前日に某所で発売されたばかりの映画「ハゲタカ」のDVD鑑賞会があり、オーディオコメンタリーを90%がた見たところで終っていた。なぜ全部じゃなくて90%なんだというと、まあ大人の事情だ。そんな訳で、まあ、見る前から前回よりもさらにパワーアップして雑念だらけなのはわかっていたのよ……。

いや、この日は雑念だらけで見られないとかなんとかいう以前に午前中から二日酔いだった(←ダメ社会人)。前日のDVD鑑賞会の時にワインをちょっと飲んだだけだったのだが、何せ人見知りが激しいため(これが本当なのよ。ここに書いている失礼極まりない文章からは想像できないと思うが)、初めてお会いする方々ばかりの場所で緊張していたのか、DVD鑑賞時は特にそんなには酔っ払ってなかったのに、翌日は完全に二日酔いで青息吐息ですよ……。くーーー、ワインたった6杯で二日酔いか……弱くなったもんよのう。若い頃にスポーツをやっていた人が年をとってから同じような気分でスポーツやったら怪我をする、ってやつか? しかたなく二日酔い対策で味噌汁をがぶ飲みする。

そして二日酔い症状も大分緩和されたので三軒茶屋に向かうが、家を出るときに子ども(11歳)に「どこに行くの?」と聞かれたので「渋谷と三軒茶屋」と答えた所、「えーーーー、渋谷って若い人が行くところでしょ!」って言われちまったよ……。ごめんよ、気は若いんだよ。そういえば前回のイベントの時は「誰と会うの?」と聞かれて「インターネットのお友達」と答えたら、「お母さん、殺されちゃう!!」と言われたんだったな……(2009年11月26日「映画「ハゲタカ」25回目鑑賞(聖地・池袋を目指せ)」)。

そんな訳で三軒茶屋シネマに到着し、昭和感を目一杯満喫出来るレトロなシートに腰を下ろす。さて私は映画を見る時は、体調がなるべくいい時にトイレ等もちゃんと済ませて、おなかも腹八分目、空腹でも満腹でもないという万全の体制で望んでいるのだが、この日は何分にも二日酔い明けである。万全とは言いがたく一抹の不安があったのだが、だが映画「ハゲタカ」にはかえられない。そして例によって東宝のロゴとnepのロゴが映し出されて映画が始まったのだが。

……うわーーーっ、なんてこったい、頭の中で昨日聞いたコメンタリーが場面場面でリピートしちゃっているよっ! 南の島でやさぐれている鷲津(大森南朋)のところに芝野(柴田恭兵)がやってきた場面も「ビーチでスーツという芝野のダンディズムが」とか「近っ、近っ」と大森南朋のコメントが響いているし、マンダリンで劉(玉山鉄二)を待ち伏せしている鷲津の場面でも「愛想、悪っ」という玉鉄のコメントが、NYホライズンシーンでも「この拍手、アドリブなんですよ、よかったです」という大友Dのコメントがいちいち思い出されて、無我の境地どころか雑念煩悩だらけの鑑賞に!(泣)。

さらに、そうこうしているうちにおなかの調子がどうも良くない状況に。たまに二日酔いの時に下痢気味になることがあるのだが、まさか「ハゲタカ」を見ている時にこんなことになろうとは。映画「ハゲタカ」に関しては、鷲津政彦甘党疑惑を追求してみたり、TOBに応募してみたらどんな感じになるかとか妄想してみたり、劉一華の眼鏡について考察してみたり、酔っぱらって見て寝ちゃうとか、超満員で椅子に座れなくて床に座って見たり、色々あったけど、見ている途中でトイレに行きたくなったのは初めてだ。うーむ、新機軸?(←バカ過ぎ)。

さて場面はドバイ、ステーキ8皿の「誰かになるんだ」場面、「いいからまわせ」の玉鉄ドS場面と流れてゆく。仕方がない、トイレに行くなら今がチャンス! と言う訳で守山(高良健吾)のデモシーンでシアターを抜け出してトイレに駆け込んだ私を許してくれ。しかも古い設備のトイレなので映画の音がガンガン聞こえてくるし、反対にトイレで水を流す音ももしかしてシアター内に聞こえているかしらと多少気が引けたものの流さない訳にもいかないので、守山のデモシーンだからいいっかあとやっちまった私だ。いつもごめんよ、守山くん。

何度もトイレに駆け込むことになったらさすがに嫌なのでしばらく席につかずにおなかの状況をうかがいながら立ち見をする。どうやらもう大丈夫のようなので席について鑑賞続行。しかし、頭の中ではまたもやコメンタリが……。あのコメンタリを聞いて、無心に見ようだなんて不可能だったよ、ママン……(泣)。でも幸いな事に(?)この時点でコメンタリは劉からの電話を受ける鷲津場面までしか聞いていなかったために、この場面以降はやや普通に見ることができました。いかんよなあ、こんなことじゃ(遠い目)。

とかいいつつこの日はこのあと、某所で特定少人数による映画「ハゲタカ」DVDコメンタリ鑑賞会をやった私だ。反省ナッシング。
テーマ:最近見た映画
ジャンル:映画
君たちに明日はない 第1回(1月16日21時NHK放映)&第2回(1月23日放映)。さわやか系坂口憲二にはこれっぽちも興味はないのだが、このドラマをみてしまったのは勿論、NHK土曜ドラマだったからである。しかもあの「外事警察」の後に坂口憲二ときたもんだよ。

[あらすじ 第1回]
「村上真介(坂口憲二)は、リストラ請負会社に勤める面接官。不景気にあえぐひん死の会社に乗り込み、相手を退職に追い込むプロ。今回のクライアントは、東証一部上場の建材メーカー。200人のリストラがノルマ。真介は、どんなに恨まれようと、冷酷な面接で次々と“希望退職”に誘導する。しかし、課長代理の芹沢陽子(田中美佐子)だけは、断固退職を拒否。仕事に一生懸命で気の強い年上の陽子に、真介は徐々にひかれていく」(NHK番組表より)
[あらすじ 第2回]
「真介(坂口憲二)が今回担当するのは、音楽プロダクション。職業観の全く異なる二人のプロデューサーのうち、どちらかのクビを切らなければいけない。真介は激しく悩む」(NHK番組表より)

うーーーん。少なくとも第1回は面白かったです。こつこつとデータを積み上げて難攻不落のリストラ対象社員を落としていく様は(とりあえずドラマの中の話だし)ゲーム感覚で見る事もできるし、会社が社員をどのように見て、これからどうしていくのかというのがまた面白かったですしね。まあ、村上(坂口憲二)の熟女好きはだからどうしたとしか思えないけど(笑)、リストラ請け負い会社で優秀な面接官をやっていながらもそのことに迷いつつ、でも断固として仕事を進めて行く中でこの熟女(あ、田中美佐子ね)との関わりが彼を変えて行くって話なんだろうなー(←棒読み)。

しかし問題は第2回だよ。村上(坂口憲二)のヤツ、陽子(田中美佐子)に退職勧告をしておきながらそのネタで会社外で会った上に、いきなりキスですよ。パワハラじゃん! あ、セクハラか? とにかく超不愉快。今回もリストラネタの方の話はまあまあ面白かったのに(そうはいっても対照的な2人のプロデューサーのどちらか一方を2人の仲が悪いからリストラしなければいけないって、なんか納得出来ないし、ムラがあるけど人情家の方のプロデューサーが残るっていうオチも想定内で、ふーーーんとしか思えなかったけど)、最初のこのパワハラですっげーむかついて一気にこのドラマを見る気がダウンしちまったよ。

来週は辞めたいと言っている社員を引き止めるために必死になるという、今までとは逆パターンの話。余計な恋愛ネタを混ぜたりせずに、もっと徹底的にリストラ請負人を突き詰めていってくれればいいのにー。
テーマ:テレビドラマ
ジャンル:テレビ・ラジオ
映画「ハゲタカ」DVD用01
相変わらず本編はまだ見ていません、映画「ハゲタカ」DVD。見る事、できんのかなー(遠い目)。まあ正確には通して普通のスピードでは見ていない(笑)。マンダリンナイトの翌日の新聞スタンドの新聞の日付をチェックしたり(2月14日だった。つまりマンダリンナイトは2月13日っつーことだな)、鷲津ファンドルームにおいてある卓上カレンダーの日付を何度も止めてみてチェックしたり(話の内容からいって3月のはずなのにどう見てもカレンダーは2月っぽかった)、鷲津ファンドルームのホワイトボードに書いてあったアカマ自動車の最初の株価が1,000円だった(通常株価?1,000円、30%のプレミアムで1,300円)のを確認したりして、本編をちゃんと見てない私を許してくれ。そしてブルーレイだったらここらへんの文字がすっごいはっきり見えるだろうな、いいなあぁやっぱりブルーレイは、と相変わらずの本末転倒ぶりです(泣)。

そんな訳でDVD特典映像のうち未公開シーン編ですよ。ネタバレなので折り畳みます。それにしても公表されているスチール写真、未公開シーンのものが結構多いぜよ。
テーマ:映画DVD
ジャンル:映画
映画「ハゲタカ」DVD
実はまだ本編は見てないのだが、コメンタリはDVDコメンタリ鑑賞会に2回参加、および自宅で2回再生して聞いて(見て)いる。その時に本編の音が小さいので字幕をつけてみているのだが、今回この字幕には著しく不満だ。「ハゲタカ」は映画上映時につけられていた字幕が本当に優秀なのだ。

・2009年07月08日「映画「ハゲタカ(字幕版)」5回目鑑賞
・2009年09月22日「映画「ハゲタカ」21回目鑑賞(深谷シネマは遠かった編)

上記記事でも書いたが、映画上映時の字幕もまた、「ハゲタカ」という作品の一部といってもいいくらい素晴らしいものだった。画面に表示される単語や文字の一つ一つが選び抜かれたもので、しかも作品世界を本当に投影しているものだった。例としては(上記記事でも書いたが)、一番最初に表示される「(風の音)」という文字と、一番最後に表示される「(風が鳴る音)」という文字である。どちらも同じ背景映像で表示され、背後に流れる効果音は(多分)同じである。しかし違って表記されるのは何故なのか。その違いはそこに、風の音を意識して聞いている人物がいるかいないかの違いである(つまりそこで風が鳴る音を聞いているのは、鷲津なのだ)。この違いは大きい。そしてこの言葉選びのセンスの鋭さには脱帽なのである。

しかし、今回このDVDについている字幕はごく普通の、外国語映画についている日本語字幕とほとんど同じで、台詞しか載ってないのである。しかも、たまに実際に言っている台詞と違っているし。最初、喋っているスピードと、表記されている文字を読むのではスピードが違うから省略して短縮表記するのもしかたがないか、と思ったのだが、よくよく考えてみたら、映画上映時についていた字幕はほとんど喋っていた台詞と同じ台詞が表示されていたのである。そしてそれは特に長過ぎるということもなく、自然に目に入って来ていた。さらに映画上映時の字幕では効果音、音楽、説明文字表記等が追加されていて、普通の外国語映画についてくる日本語字幕よりは格段に情報量が多かったのである。でも文字が多すぎて読み切れないということは全くなかった。

今回本編に字幕がつくという情報はかなり楽しみして待っていたのに、こんな字幕だったとは!! 映画上映時についていた字幕をどうしてつけてくれてないんだーーー。普通の人にはあんな字幕は必要ないというのなら、字幕を2種類つけて選べるようにしてくれたらよかったのに。あんな秀逸な字幕はないのに、もう見る事はできないのか。くーーーー、残念。
テーマ:邦画
ジャンル:映画
映画「ハゲタカ」オーディオコメンタリー
さんざん大騒ぎして、台詞集を載っけたり、デューデリしたり、宴会やったり(関係ないか)、同人誌作ったりカウントダウンしたりして待ち続けていた映画「ハゲタカ」のDVDが14日に届いた。映画は映画館で観る主義である私は、あまりDVDを見たり買ったりということはしないのだが、やはり映画「ハゲタカ」は別である。また、手元に届いてもじっくりと見る時間がないためにほとんど見られない可能性の方が高いのだが(実際に今日の時点でまだ本編をみていない)、やはり映画「ハゲタカ」は別である(←しつこい)。

さて、映画「ハゲタカ」のDVDにオーディオコメンタリーがつくと判明した時の、当方の狼狽振り(笑)を覚えてらっしゃる方もいると思うが、あの時は本当にびっくりしたのである(2009年10月2日「映画「ハゲタカ」DVD特典情報その1」)。「ハゲタカ」は常に説明不足の作品である。じっくりよーーーーく見ていれば行間に盛り込まれているものや暗喩などに気がついて多少の解釈はつくが、それでもはっきりとわかるわけではない。しかも後から作品のそれぞれの場面に対してのいい訳がほとんどないために(出演者が病気で撮影延期になったとか、社会状況激変のために台本を大幅に書き直した、などというような製作背景の説明はあるが)、これまたわからないことが色々ある作品である。

その背景や説明や撮影秘話、エピソードはもちろん聞きたい。しかしヘタなコメンタリで「ハゲタカ」世界やキャラを破壊されたくはない。もちろんあれだけの作品を作ったスタッフなのだから、わざわざ自分たちの作品世界を壊すようなことはないとは思うが、どんなものになるのか全く見えてなかったのでオタオタしまくりだったよなー。まあ、ドラマ版の出演者インタビューを見てたら、特に大森南朋などは鷲津の衣装を着ていても「鷲津」の魂が入ってなければ本当にただのコスプレにしか見えないというのがわかったので、徐々に「コメンタリ、楽しみかも」になってきたのだが。

さてそのコメンタリだが、聞き終えての一番の感想は、「この世で最強のハゲタカ廃人は、大友監督である」に尽きる(笑)。以下、ネタバレになるので、一応折り畳みます。
テーマ:日本映画
ジャンル:映画
龍馬伝 第3回
龍馬伝 第3回(1月17日放映)。初々しい龍馬(福山雅治)の青春ドラマに対して、もう、漫画のキャラとしか言いようがない岩崎弥太郎(香川照之)の奇天烈キャラと「殺しても死なない」ようなたくましさとパワー。薄い福山vs濃すぎる香川照之、もちろん元々が対照的だった所に来て、演出でもさらにそれを強調させているもんだからさー、まあ、福山の負けだよね(何の勝負だ!?)。

[あらすじ]
「江戸での剣術修行を許された龍馬(福山雅治)は、溝渕広之丞(ピエール瀧)とともに土佐を出発する。そこに岩崎弥太郎(香川照之)が現れ、江戸行きの手形はもらったが、金がないから同行させてほしいと願い出る。土佐に残った武市半平太(大森南朋)は、剣術に打ち込んでいた。加尾(広末涼子)は龍馬への思いを断ち切れなかった。四国最後の番所で、弥太郎の通行手形が実は偽造したものだということが役人に見破られて…。」(NHK番組表より)

溝渕広之丞(ピエール瀧)と岩崎弥太郎の弥次喜多珍道中記……あれ? 後ろをひっそりと追いかけてくるのは龍馬? ……っつーくらい坂本龍馬、薄かった。弥太郎を庇ってチンピラに刀で襲われてもそれをさっさとかわしてあっという間に立場を逆転させてすごくカッコいいはずなのに、なんだか非常に心もとない。っつーかカッコいいから「だからダメなんだ」?(そんな馬鹿な)。まだ19かそこそこという設定なんだから仕方ないんだろうけど、でも岩崎弥太郎は龍馬と1歳違いという設定だ。20に見えないが香川照之だから誰にも文句は言わせないよ(本当か?)。ちなみに武市半平太は龍馬より7歳年上、そりゃみんなが「武市さん」って呼ぶ訳ですね。

そして今週の武市半平太(大森南朋)。うおーーーっ、黒半平太の片鱗が見えたよっ! 岡田以蔵(佐藤健)に「精進すれば……龍馬にも勝てるぞ」と言う時のあの表情。く、く、屈折しとる。悪鷲津ファンの皆様、いかがですか?(笑) そして橋の上で通り過ぎる上士に跪いて頭を下げつつ、奥さんに「ほんとは江戸に行きたいんでしょー?」と言われた時のことを思い出して(いえ、もちろんこんな口調ではありませんが)半平太が見せる深い葛藤と鬱屈ですよ。様々な、自分の中に渦巻く複雑な感情を、ちゃんと見せてくれるんだもんなー、ありゃ大森南朋ならではですねぇ。しかも半平太の映し方からいってもなんか一瞬、本当に「もしかしてこれって、武市半平太伝?」とか思っちゃったよ。まあ少なくとも龍馬伝ムックの中で言っていたように「龍馬、弥太郎、半平太の3人を中心にした群像劇」で進んで行っているのがよくわかりました(2009年12月22日「平均年齢が下がり気味(2010年NHK大河ドラマ「龍馬伝」)」)

お話自体は先週よりもソフトな感じでわかりやすいような気がしました。物語がなじんできたから? それとも演出が変わったから? 龍馬父(児玉清)と弥太郎父(蟹江敬三)がそれぞれ息子に見せる愛情の形の対比とそれを受け取る側の見せ方もよかったですし、自分の力ではどうしようもない事に対する無力感の表現や、でもそれに対してただうなだれて諦めるのではなくなんとしてでも這い上がって行こうとする弥太郎に、やっぱ頑張れーとか言っちゃいそうになって、これまた「もしかしてこれって、岩崎弥太郎伝?」とか思ってしまいますしね。弥太郎は諦めないんですよね。今回は引き下がったけどでもいつかはまたのし上がってくる。それが本当に感じられてしまうんだもんな。

そういえば風呂に入りながらうすらぼんやりと、福山龍馬のあの薄さと青春ドラマっぷりは、紡木たく描く漫画のキャラ? じゃあ香川弥太郎は誰が描くどの作品? ちばてつや? いや違うな、あのくどいまでの濃さとパワーはもしかして「リングにかけろ」の車田正美か?と思ってしまった私を許してくれ。もっとも大森半平太については職人技を見せてくれる作家で複雑で微妙な表情を見せてくれるキャラを描きそうな誰か、とは思ったものの全然思い浮かばなかったが。

さて龍馬伝カテゴリですが、まだ保留。なーんか福山龍馬(だけ)が出てくると、坂本龍馬に一切興味がない人生を送って来ただけにどうでもよくなっちゃって(「プロフェッショナル」を見た時はそこそこ龍馬ってどういうヤツ?とか思ったんだけど)、もしかしてこれって映画「ハゲタカ」における守山(高良健吾)のポジション??とか、思っちゃダメだよなー。主役なのに!
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
映画「ハゲタカ」DVDがキターーーーーーッ!と大騒ぎしていて、色々ニュースを見逃してましたよ。

 ・鬼太郎の「目玉おやじ」声優の田の中勇さん死去(朝日新聞)
 ・鬼太郎役・戸田恵子が目玉おやじ役・田の中勇さん死去を追悼「大好きでした…」(ORICON STYLE)

つい先日も何かでチェックして、声優さんの現役期間は長いとはいえやっぱりこのトシで現役ってすごいよなあ、でも鬼太郎の目玉オヤジはこの人しかいないし、とか思ったばかりだったのだが。長い間に何度かリメイクされるアニメの「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎役の声優が次々とそれなりに交代しても(野沢雅子→戸田恵子→松岡洋子→高山みなみ→野沢雅子?)、目玉オヤジだけはずっとそのままで田の中勇だった。だからこそ最近のやたらとポップな画面のアニメになっても「ゲゲゲの鬼太郎」は「ゲゲゲの鬼太郎」でありえた、とも思えたのだが(見てないが、最近製作された「墓場鬼太郎」はかなり原作漫画をそのままアニメ化したような作品らしい)。

「ルパン三世」の山田康雄とか、目玉オヤジの田の中勇とか、ロジャー・ムーアの広川太一郎とか、切っても切り離せない役柄の声を演じた方の訃報を聞くと、なんだかそのキャラクター自体がいなくなってしまったかのような喪失感が大きいよなあ……しみじみ。

ご冥福をお祈り致します。
テーマ:日記
ジャンル:アニメ・コミック
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テーマ:邦画
ジャンル:映画
This is It
別にマイケル好きでも何でもない人々がこぞって絶賛する映画「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」を見よう見ようと思いつつ、仕事と同人誌の原稿が忙しくてまったく行けないままの年の暮れ、やっと仕事の山場を越えてかなり定時に会社を出る事ができるようになり、そしてどうにか原稿を描き終えることができた12月下旬の水曜日に見てきましたよ。

[作品紹介]
「最期のコンサート”THIS IS IT”がリハーサル映像により奇跡の映画化! 今年の夏、ロンドンのO2アリーナで開催されるはずだった彼のコンサート”THIS IS IT”。本作は2009年4月から6月までの時間の流れを追いつつ、百時間以上にも及ぶリハーサルと舞台裏の貴重な映像から構成されている。幻となったロンドン公演の監督を務めていたケニー・オルテガが映画も監督し、全世界同時公開された。」(Amazon作品紹介より)。

マイケル・ジャクソンは、気がついたら常にテレビの中にいて、一緒に成長して、一緒に年をとってきたような存在である。そうい意味ではマイケルは意識しないでもない存在だったし、「We are the World」のドキュメンタリーなんかも結構食い入るように見たこともあった(ドキュメンタリー好きだし)。いや、何よりも子どもの頃、映画「Ben」のテーマを聞いた時に、あの美しいメロディに乗せられたよく伸びる澄んだ声に魅せられてレコードを買った事もあったんだった。だからもしかするとマイケルが「好きでもなんでもない」というのは違うのかもしれない。でもここ10年のマイケルは宇宙人だったし、テレビに映し出される彼は常にスキャンダルの渦中にあり、それをなんとなく残念な気持ちで見ていたのかもしれない。だから今現在マイケルに思い入れはないものの、昨年の訃報には本当に驚いたし、何かこう、微妙な喪失感はあったかもしれない。

さてそんな訳で「THIS IS IT」ですよ。祝日の水曜日だったせいか、劇場は激混み。上映開始15分前に劇場内に入ったら見渡す限り空いている席等ほとんどなく、うわー、11月の「ハゲタカ」(そう、あの「剣岳」の木村監督大演説会の時の「ハゲタカ」ですよ)に続いてマイケルも立ち見か!?と思ったけど、なんとか空いている席を見つけて座ることができました。よかった、年寄りには立ち見は堪えるんだよ……。

そして。いやー、これは。完璧な、圧倒的な「力」を見せられるというのはこういうことである。東欧圏の軍事パレードなどで凄まじい人数による一糸乱れぬパレードやパフォーマンスを見せられたときに、思わず「おおぉっ」とつぶやいてしまうが、もっと圧倒的にエンタテインメント性が高く、そして完成度が高く、楽しい。プロフェッショナルな人達によって緻密に組み立てられてゆく一大プロジェクトのドキュメンタリーに、ただただ見入ってしまいましたよ。マイケル・ジャクソンという人はクリエイターとしての才能がすごかっただけでなく、プロデューサーとしてもすごい人だったんだな。

何分にも実際に行なわれるはずだったコンサート直前の死だったために、このリハーサルの完成度も非常に高く、これを生で見ることはできないというのがどれほど大きな損失であったのか、そして今後はもう新しいマイケルを見ることは決してかなわないのだという、失われてしまったものの大きさに、マイケルのファンでもなんでもない私でも愕然とします。

コンサートの歌やダンスの合間に別撮り映像が挟み込まれるのだが、これがまた完成度が高く、それぞれが1本のミニ映画としても楽しめる代物だし、それが歌やダンスと融合されたステージがまた見ごたえがあり、この手のコンサートのダンスにはまっっったく興味がない私でも引き込まれて見てしまいました。ちなみに私がどれくらいダンスに興味ないかというと、コンサートやライブや演劇や映画でダンスの場面になるといつも必ず眠ってしまうくらい興味がない。なので実は今回も見る前は半分くらい寝てしまうだろうと思っていたのだが、しかし私としては画期的なことにダンスシーンでも全く眠ることなく見ていましたよ(←自慢することじゃあねえ)。

またね、この映画で描き出されているマイケルの人柄?にも驚かされる。この映画を見る前はどちらかというと、あのビジュアルやメディアからもたらされる情報などからかなり宇宙人に近いのかもという先入観があったのだが(←ヒドイ)、それは全く払拭されてしまいましたよ。合間合間に見ることが出来るマイケルは常に神と人に感謝を忘れない人だった。なんというか……。童話で「みどりのゆび」(モーリス ドリュオン、岩波書店)と言うお話がある。触れるとそこから芽が出て花を咲かせる不思議なみどりの指を持つ男の子チトは、やがて世界中の武器や兵器も緑で一杯にして使えなくしてしまうのだが、最後に目の前に高く上に延びていた蔓によじのぼって地上から消えてしまうのである。そしてチトが去った後には馬が芝生を食んで文字が残っていた、「チトは天使だったのです」と。まあ何せ読んだのが100万年ほど大昔なので詳細は間違っているかもしれないがざっとこんな話である。私はこの「THIS IS IT」という映画を見終わった時にまず、この「チトは天使だったのです」という言葉が頭をよぎってしまいましたよ。まあ天使にしちゃあえらいケバイが、神様は別にマイケルのケバさは気にしないだろう。

そんな訳で全く期待していなかったこの映画をたっぷりと堪能したのだが、驚いたのは映画が終ると拍手が起こったことである。ここ数年見た映画で見終わった後に拍手を聞いたのは「ハゲタカ映画祭」とこの「THIS IS IT」ぐらいなものである(超微妙作品・東京国際映画祭の時の「笑う警官」を除く(笑))。やっぱ、すげーよ、マイケル。しかしこのコンサートリハーサルにかかわった人々がマイケルの死を知った時の、足元が崩れ落ちるような衝撃はどれほどのものだっただろうか。ごくごく一般の、のほほんとした日常を生きる普通の観客であるが故に、そのあまりにも大きな衝撃と深い絶望に出くわさずに済むのは幸せな事なのか?

さてこの作品は1月27日にはDVDが発売されるのですぐにも見ることができるが、出来れば劇場の大きなスクリーンで見てみて欲しい。10月下旬から2週間の限定上映だったはずが、余りの評判に随分と拡大公開されているようで、今日現在(1月12日)でも256箇所の劇場で見ることができる。

 映画「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」上映情報(Movie Walker)

そして最後に今更だが。仏教徒じゃないだろうけど、マイケル・ジャクソンさんのご冥福をお祈り致します。
テーマ:マイケルジャクソン
ジャンル:映画
三軒茶屋シネマ
ハゲタカ映画祭」を入れたらついに30回目だけど、それは置いておいて。さて、三軒茶屋シネマで映画「ハゲタカ」の上映が一昨日から始まっている。本当は一昨日見に行きたかったのだが、何せ一昨日はお昼から夕方まで(12:00~18:00)NHK BSハイビジョンでドラマ「ハゲタカ」の再放送があったためにそっちの方を見てしまって行けなかったのだ。

DVDで何度も見てきたくせになんでいまさら再放送を!?と思われるだろうが、やっぱり本家本元での放送は嬉しいものなのよ。それにBSハイビジョンなので画像もビューチホーだし。しかし常に雑念だらけの私は、DVDも一緒に流して画面を同期させ、BSハイビジョンの画面がどれだけきれいなのかをいちいち見比べてしまいましたよ。鷲津(大森南朋)や芝野(柴田恭兵)の顔がアップになってもそんなにきれいでありがたいと言う感じはないのだが(まあ、もともと「ハゲタカ」の登場人物に美しさは求めてないし)、文字とか細部のくっきり感が格段に違ってさすがでした。ブルーレイにちょっと心動いちゃったよ。

あと、昼飯時に酒を飲んで、しかも「休日なんだからいいじゃん」とちょっと多めに飲んでしまったせいか、第4話の鷲津の台詞「会長、あなたが死んでも会社は、大空電機は、生きつづけねばならないのです」を聞いたら安心して(後半編で一番好きなシーンなので)、そっからうっかり眠っちまったです。そして気がついたら第5話の鷲津がテクスンのリー社長に振られて別荘でやさぐれているシーンになってたよ。酒で人生を誤るとはこういうことか!?(違)。まあこの後すぐ、後半編で次に好きな西野とのテレビでの対決シーンと、風グッジョブ場面になったので目をしっかり見開いて見ちゃったけど。

と言う訳で映画「ハゲタカ」鑑賞ですが、いやー、三茶シネマ、久しぶりに見たタイプの映画館だった。非常にレトロで懐かしい感じっつーか(←極めてソフトで前向きな表現)。座席もスクリーンもトイレも昭和の映画館に来たって感じを満喫致しました(←オトナな表現)。あと、多分私の気のせいだとは思うのだが、音とか音楽に微かな、微妙な違和感がたまにあったんだよなー。私は元々耳がそんなにいい方ではないし、音楽に対するセンスもゼロなのでほとんど大抵のこの手の違和感は気がつかないのだが、昨日は疲れていたのか、たまにあれ?と思う箇所があって、微妙に声や音が軽めに高めに感じられたんだよなあ。12月の疲れがここにきてぶり返したのか?

それにしても今回はDVD発売直前っつーことで今までよりも格段にいろんな情報が耳に入りすぎてて、いまだかつてないくらいに雑念だらけの鑑賞に! いちいちここに未公開部分が入るのか?とか思っちゃったりしてさ。ちなみに現時点でわかっている未公開部分は

・ライオンソース裁判~鷲津の絶望
・西乃屋旅館前~由香、治を訪ねる
・アカマ自動車応接室~劉の土下座
・鷲津と芝野~日本の誇りと希望
・ドバイから帰国した鷲津と余裕の劉一華     
・守山の告発~ストライキのビラ配り
・さ迷う守山~アカマGTとの出会い
・劉一華の壮絶な最後~ノーカット版

この未公開場面が時系列順に並んでいるのだとすると、上記未公開部分が入る箇所は、アカマGTを見つめるチビ劉がどこに入るかよくわからんけど、ライオンソース裁判→中国の劉→2008アカマGT新車発表会→来日したBWPメンバーの会話→南の島でやさぐれている鷲津と、「きちゃった♡」な芝野の会話→劉「アカマ株を買い占めろ!」→東洋テレビ「TOBです!」→アカマ自動車、古谷(遠藤憲一)と芝野の会話→アカマ自動車西安川工場(劉の土下座)?→守山(高良健吾)を狙う劉、って順番か? 土下座したその足で寸前まで土下座していた相手を陥れるために守山をスカウトって、劉一華やるじゃん、だよな。

そして、鷲津と芝野~日本の誇りと希望は、アカマ自動車・MGS銀行・鷲津ファンドの三者会談の前か後か?と思ったけど、三者会談の時の芝野の表情を見たらもしかすると三者会談のあとなのかもなー(前だとあまり時間もなさそうだし)。ドバイから帰国した鷲津と余裕の劉一華ってのは2人の会話があったのか、それともただ単に2人の対比シーンだけなのか。そして問題の劉一華の壮絶な最後~ノーカット版。やっぱりここはこのシーンを本編に入れないでおいて本当に正解ですよ。だいたい今現在公式サイトで公開されている未公開部分の劉の最後場面が美しくないというのは置いておいて、ここは劉の声だけで見る側に劉の最後を想像させる方がずっと劉の悲痛な叫びが伝わるし、鷲津の衝撃度も違って見えるんですもん。まあ、ここでこのシーンが入ってたらそれこそ主役は誰なんだ!?って話にもなるが(笑)。でも入ってなくてほんと、よかったです。

そして公式サイトの特報に入ってて本編に入ってなくて、DVDの未公開シーン一覧にもない場面がありますよね。誰の手はよくわからないけどアカマ自動車社長室あたりでミニカーのアカマGTを手のひらで転がす場面とか、電話をかけている芝野が「一体ヤツらのバックは誰なんだ?」と言っている場面とか(あの口調から言って相手は鷲津? 事実調査チームの佐藤さんじゃないよなあ。そして鷲津から色々情報を聞いているから即座に、「一気に300円も吊り上げるなんて、それだけでも2400億もの追加資金が必要になる」とか「この価格は絶対ありえない。絶対ペイしない」とか言えたっつーことかしら)、鷲津がかっこ良くジャケットを羽織るシーンとか(笑)。これも見てみたいよなー。

……とか思いながら見ていた訳ですよ。またね、何せ前日にドラマ「ハゲタカ」を一気見してからの鑑賞なので、「3kg増量しただけでこの貫禄って何? 身長が178cmなら(公称)3kgなんか誤差のうちじゃん、もしかしてあの貫禄は気合いか? 私なんかこの正月の食っちゃ寝生活で3kg太ったけど(身長164cm)誤差どころかあからさまに増量感ばっちりなのに!」とか(笑)。玉鉄と栗山千明の場面では「そういえば、熱愛発覚……」とか。マンダリンで劉が階段をおりてゆく場面では、その階段の先の座席に、先日座ったばかりなので「劉が降りてきたら真っ正面から見られたわね」とか(2009年11月29日「11月23日ハゲタカ廃人の休日」)。

1ヶ月半ぶりの再会なのに、こんなにも雑念だらけとは! こうなったらまた見に行くしかないぜ、そしてこの次こそは無我の境地で!(←多分、また無理だろうが……)。
テーマ:日本映画
ジャンル:映画
龍馬伝 第2回 龍馬伝 第2回
龍馬伝 第2回(1月10日放映)。坂本龍馬(福山雅治)を描きながらも、それを語る人々や龍馬に関わった名もない人々が同時に描かれてゆく。もっとも龍馬よりも弥太郎(香川照之)の悔しさや半平太(大森南朋)のやるせなさの方がぐっと胸にせまってきたがの。あ、そういえばラストの福山の土下座を見ていた家人は「日本一土下座がカッコいい男」って言ってましたよ。

[あらすじ]
「土佐から出たことのない龍馬(福山雅治)は、父・八平(児玉清)に世の中を見てみたいと話し、江戸行きの許可を願い出る。だが、全く相手にされず、そのとき藩から命令が来ていた堤防工事の差配役をあてがわれてしまう。一方、弥太郎(香川照之)も江戸で学問を究めたいと願っていたが、ばくちと酒におぼれる父・弥次郎(蟹江敬三)の元では、しょせんかなわぬ夢だった。龍馬が任された堤防工事の現場では、人足に駆り出された農民たちのけんかが絶えず、作業ははかどらない。龍馬は酒を振る舞い融和を図ろうとするが、効果がなく、しまいには地面に手を突き、頭を下げる事態に。そのころ、龍馬の幼なじみ・収二郎(宮迫博之)の妹・加尾(広末涼子)に縁談が舞い込む。龍馬を慕う加尾は、対応を龍馬に相談する」(webザテレビジョンより)

我が家ではちょうど夕飯時であったのである。したがって私はちょくちょく台所に立つことがあり、龍馬に対してあんなに反抗的だった農民が、台所から居間に戻ってきたらなんか急に協力的になってたもんだから、あれえええ? 私が席を外している隙に何が起こったんだ?? と疑問に思って後で録画を再生してそこの部分を見てみたんですけど……なんか、よくわかりませんでしたー。ここの部分はなんか昔の青春ドラマみたいとか思ったぜよ。他が丁寧に描写しているのに、ここはちっくと安易じゃね? あと三味線出してきて歌う所も「坂本龍馬」じゃなくて「福山雅治」だ~と思いました。

でも弥太郎の屈折ぶりと悔しさ、そして半平太のやるせなさはは絶品だったぜよ。やっぱり姫川亜弓(香川照之)と北島マヤ(大森南朋)はさすがです(←違う)。香川弥太郎は流石に先週よりはうるさ過ぎず、でも主役を食う勢いの存在感で(って、福山じたい軽いがなー)、龍馬への屈折した愛、違った(笑)、対抗心ってやつ?や、自分の状況への絶望が伝わってきて、このままの勢いじゃ主役は香川弥太郎にシフトだよ! 福山雅治、多分カッコいいんだろうけど、演技力だってきっとそこそこあるんだろうけど、すごく頑張っているんだろうけど、でも香川照之の力業の前では薄すぎるよな。気の毒に。しかも脇を芸達者な渋い役者さんで固められているだけに余計に福山の軽さが際立っちゃうの鴨(まあ、福山龍馬が他とは違った視線を持った男であるという観点からは、これはこれでいいんだろうけど)。岩崎家は父親(蟹江敬三)も母親(倍賞美津子)もこれまた濃いからなー。

そして大森半平太、この静かな存在感に「うっかり」やられてしまう女子は多かろう。昨日コメントにも書いたけど、半平太には気がついたら後ろからぐさりと刺されて身動き出来なくなっているような……あんな生真面目なキャラなのに、鷲津(映画「ハゲタカ」)よりも格段に魔性の男感をかもしだしていて、非常に危ない。今回は龍馬父(児玉清)と話している時の表情がこれまたよかったですよ。友を思う気持ちと、自分には叶わぬ夢を実現させてゆく龍馬を羨ましく思う気持ちと、でも自分には無理なのだという諦めが混じった、遠くを見つめるあの表情。まいったなあ……。

と言う訳で「龍馬伝」カテを作るかどうかは保留。さて次回は幽霊騒ぎになったというピエール瀧と香川弥太郎(なんかそのうち本気で岩崎弥太郎じゃなくて香川弥太郎って言ってしまいそう)の珍道中記か。あれ、坂本龍馬も出ているんだっけ?(←ひどい)。
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
「武市半平太を演じるにあたってはですね、誠実にやろうかなと思っています。それは実際にいらっしゃった方ですし失礼のないように、まっすぐに演じようかなと思っています」
大河ドラマ「龍馬伝」に関しては、実はまだ腰が引けている私である。なのでまあ積極的に特番を見ようとはしていないのだが、どういうわけだかボケっとしていると次から次と目に入ってくるのは、そんだけNHKが番宣特番に力を入れているからなのか、それともただ単にNHKを入れっぱなしにしている割合が多めになってきたからなのか(笑)。

と言う訳で前回「龍馬伝×プロフェッショナル」(1月3日「NHK「龍馬伝×プロフェッショナル」」)に引き続いて、「あなたが主役 50ボイス」という番組の龍馬伝特集(1月7日放映)もみてしまいました。別に期待も何もせず、本当にボケっと見ていたのだが、面白かったです。この番組自体は毎回テーマに沿った声を、関係者から少しずつ集めるものらしいが、今回の龍馬伝のスタッフやキャストに聞いたテーマは「おまんのこだわりは何ぜよ?」。

大河ドラマって本当に巨大な一大プロジェクトなんだな。関わるスタッフ層の厚さにまず驚くが、彼らのこだわりというかプロっぷりにもうならされますよ。特殊効果担当者の「龍馬が通る時に風を作る」というのを聞いて、ドラマ「ハゲタカ」第5話の鷲津(大森南朋)と西野(松田龍平)のご対面場面で、いい感じ(笑)に風が吹いて鷲津の前髪が揺れていたのもこういう特効さんのおかげなのねと思ったりもしたが(ま、ハゲタカ廃人ですから)。美術進行担当者がキャストやセットにリアリティを加えるために汚してばかりいるので、町中を歩いていてボロボロな家が目に入ると「いい具合に汚しが入っているなあ」とついつぶやいてしまうとか(笑)。照明チーフさんの職人ぽいお顔もよかったけど、彼のこだわりは怒る事。「みんなの積み重ねのやつ、映像として表れる最後の段階を照明係がやっている、おまえどんだけ大事な仕事をやっているか、わかってるの?っていうところがわかってないと滅茶滅茶怒ります」。こういう普段は決して届かない部分の声が聞けたのが楽しかったです。

音楽の佐藤直紀と脚本の福田靖の声では、佐藤直紀は「日常で音楽を聴かない」。なぜかというと「車の中で音楽はかけない。ラジオも突然音楽が流れてくるのでラジオもかけない。携帯を誰かにかけると強制的に音楽を聴かされることがある、待ち時間に音楽が流れるとか、あれ、すーっごく嫌ですね」「自分なりにいつでも曲を作っているというか、何かそれを妨害されている気がする」から。福田靖は「寝たい時は寝る」。「本当に一日中妄想しているんですよ。もう、書くというのは。ずーーーっとドラマの世界で、今江戸時代にタイムスリップしているので言葉まで土佐弁になって、"打ち合わせに行ってくるぜよ"ってなるんですよ、本当に。だから忘れたいなら寝るしかない。夢に出てきたらもう逃げ場はない。どうしたらいいんでしょうね(苦笑)」。寝るしか仕事から逃げられない! しかも夢にまで出てきたらもう逃げられない……好きでなきゃやってられねーなー。

そして大森南朋は「誠実さ」だそうですよ。しかし「武市半平太を演じるにあたっては誠実にやろうかなと思ってます。そこは実際にいらっしゃった方ですし、失礼のないように真っ直ぐに演じようかなと思ってます」という答えがもう、半平太入っているよなー。

大友啓史Dのこだわりは「色付きメガネ」。そんなにこだわっていたのか!?というのが素直な感想だが(←ひどい)、「実はさ、時間もなかったり、思いがけないことが起きたり、俳優さんが言う事聞いてくれなかったり、色んな事がうまくいかなかったりして、動揺するんですよね、監督っていうか、演出も。動揺をちょっと人に見せないようにとか、悟られないといいなーっと思って、こういう眼鏡にしたんですけど。目、見えるよね。自分の気持ちでは見えてないんです。あまり弱味につっこまれないようにしています」ですってよ。まあ大友D演出作品はいつも何がしかのアクシデントがあるもんね。ドラマ「ハゲタカ」では柴田恭兵の病気とか中村獅童の交通事故とか、「白洲次郎」では原田芳雄の病気、映画「ハゲタカ」ではリーマンショック。これが1年続くドラマとなると気が抜けなくて、本当に大変ですよ。

さてそんな訳で「龍馬伝」も今日が2回目、そろそろこのブログのカテゴリに「龍馬伝」を作るかどうか、今日の放送を見てから決めようかなあ。
テーマ:大河ドラマ
ジャンル:テレビ・ラジオ
1月5日は帯広の実家でのダラダラ生活を終え東京に戻ってきたのだが、大雪のせいで飛行機が飛ばないかもしれないとのアナウンスが出ていた。それでも定刻からは遅れながらもなんとか私と子どもが乗った飛行機は欠航する事なく、無事搭乗することができたのだが、何分にも悪天候のため飛行機も揺れまくりで座席に座っていてもしばらくは人心地がつかない感じだった。

飛行機がやっと落ち着くと機内サービスも始まり、電波を発しない電子機器の使用もOKとなったので早速iPodを鞄から取り出して映画「ハゲタカ」のサントラを聴き始める私を、「またか……」という目で見る子ども(11歳)。しかし子どもがいきなり指差して「あれ、ハゲタカだよ!」と言ったので、何事かと思ったら機内のテレビモニタに鷲津と芝野の姿が! 「えーー!」と思ったがほんの一瞬だけですぐに当日朝6時からのNHKニュースの再生が始まったのだった。あー、きっと1月9日のドラマ「ハゲタカ」の再放送の番宣なのね。ドラマの鷲津じゃあ若すぎて萌えねぇーーーーと散々言っておきながらも、ほんの一瞬でもお姿をみると嬉しいのは何故かしら(ちくしょーーー)。

そんな訳で、今朝5時55分あたりからNHK総合テレビを録画してチェックしてみたら、NHKオンデマンドのCMでしたよ。しかも今日のCMは「篤姫」。チェッ(←態度悪し)。

テレビブロス
ところで今週号の「TV Bros」の特集は「どうよドラマ?土曜ドラマ!」特集で、ドラマ「ハゲタカ」についてもちょこっと載ってます。勿論、この写真の真ん中が鷲津(大森南朋)だ。……鷲津が描けないとかなんとか悩む必要なんか、ないな。
テーマ:日記
ジャンル:日記
実家納戸全景 実家納戸先住民族
田舎の実家から遠く離れて暮らしている皆様なら身に覚えがあるとは思うが、私は不要な本や雑誌類は捨てるかBOOK OFF行きにしているものの、資料的価値があってなかなか捨てられないものや思い入れがあって捨てられないものは帯広の実家に送っている。さすがにもういい大人なので(←去年の行動を省みて自分でもあまり大人感は感じないのだが(笑)、それは置いておく)なるべく帯広の実家の納戸収納は頼りにしないようにはしているのだが、去年は、ここ数年ほったらかしにしている新聞記事のスクラップ作業を夏休みの間にやっておこうと思って実家送りしたまま、納戸に置いてあったのだ(参照:2005年08月17日「ナンシー関が抜けた穴は大きい。」)。

これからちょっと時間があるから、このほったらかしにしていたスクラップ作業を東京でやろうと思って、今日東京に戻る前に実家の納戸を発掘してみた。写真右は納戸の本来の先住民族だが、私の漫画本・雑誌の山の陰で小さくなっている。

実家納戸本棚の古雑誌 実家納戸雑誌バックナンバー
雑誌「LaLa」の創刊号からずっととってあるバックナンバーとか、「別冊マーガレット」や「別冊少女コミック」、「ぶ~け」の古い号とか、今は読み返さないけど、老後にはきっと読み返しているはず……(おいっ!!)。ちなみにりんごや缶ビールが置いてあるのは、ここが(納戸全体が)冷蔵庫代わりになっているからである。なんたって今日も最高気温が2度だしな。

実家納戸ベータのビデオ 実家納戸新聞切り抜き
新聞記事のスクラップ箱がなかなか見つからないので置いてある箱を片っ端からあけてみたら、はるか大昔に送っていたベータビデオの箱を発掘。うわー、これはどれも今も見てみたい番組ばかりだ。持ち帰ってプリントショップにダビングを頼んでもいいのだが、確か以前やってもらったときは1本5,000円くらいしたし、第一古い磁気テープだから再生できるかどうかもわからない代物だ。なによりもテープの規格がベータだというのがガンですよ(遠い目)。またどこかでやってくれないかなあ……。

さて、あちこち発掘してたらやっと目的のブツを発見(写真右)。さっそく東京に送り返すことにする。ふっ、次の同人誌の新刊は「ハゲタカ2」の目がなければ(ないないない。まだ今は……)、古いテレビドラマネタのエッセイコミックにしようかなあなどと半年先のこともにらみつつ、そして結局はまた帯広に送り返すような予感もしつつ、帰り支度をする私だ。はぁ~、こんなにダラダラした休日を過ごしていて本当に社会復帰できるのか? 明日久しぶりに会社に出社してもしばらくはリハビリ状態かも(←ダメ社会人)。
テーマ:日記
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子どもが作った雪だるま
今現在帯広の実家でダラダラ生活をしていて、母親のPCを借りて色々書き込みをしたり、メールの返事を出したりしている。そのついでにWindows Updateをチェックしたり、ファイルが変な所にまぎれてたりしてないかチェックをしてPCの掃除や整理整頓をしているのだが(ユーザーが保存場所のディレクトリを考えないで保存することがあるので、変な所に変なファイルがあったりするのだ)、それを見ていた母親が言ったのである。

「色々花の写真が出てくる奴にさ、変な写真が入っているからなんとかしておいて」
「……?? 何それ」
「ほら、パソコンを使わないでいると写真が色々出てくるでしょ」
「あー、スクリーンセーバーね」
「そう、それ。それに変な男の人の写真が出てきて気味が悪いから、片づけておいてよ」
「はあぁ?? 変な男の人? なんだ、それ」
「なんか映画の場面みたいな」
「あーーーーーー……、あれか……」
母親のPCのスクリーンセーバーには、My Pictureに置いてある写真を表示するように設定してあるのだが、置いてある写真は主に花の写真と家族の写真である。しかし去年の夏、ブログ記事を書くために、母親のこのPCのMy Pictureの下に仮置きディレクトリを作って映画「ハゲタカ」関連の写真を置いておいたんだったよ。東京に戻る前に消そうと思ってすっかり忘れていたのだった。うーん、じゃ8月から今まで、ずっとあれが実家の茶の間で表示されちゃってたのか。

↓変な男の人の写真の一部(笑)
鷲津政彦8 「あぶく銭はいいように使ってやらないとな」
ハゲタカ2 鷲津政彦in土曜ドラマ 
ええ、早速余計な写真は削除してスクリーンセーバーには出ないようにしましたともさ。
テーマ:日記
ジャンル:日記
龍馬伝第1回
龍馬伝 第1回「上士と下士」(NHK、1月3日20時放映)。オープニングは功成り名遂げた岩崎弥太郎(香川照之)の祝賀パーティ?のシーンから始まる。歴史は……生き残った者が語る物語である。明治維新から15年、すでに歴史の中に埋もれて知られざる人物となっていた坂本龍馬(福山雅治)を掘り起そうとする記者に対して、弥太郎は「龍馬はのう、わしがこの世で一番嫌いな男やった!」と嫌いさ加減を語り始めるのだが、その眼には涙がにじんでいるのである。

[物語紹介]
「坂本龍馬(福山雅治)の生涯を岩崎弥太郎(香川照之)の視点で描く。ある日、幼い龍馬(濱田龍臣)は上士を怒らせる事件を起こす。母・幸(草刈民代)が頭を下げ、その場を収めるが、ほどなく幸は病気で亡くなる。数年後、成長した龍馬は弥太郎のけんかの仲裁に駆け付ける。そこで、龍馬は謝らない弥太郎に代わり、上士に頭を下げる」(webザテレビジョンより)

龍馬の子ども時代を演じた子役(濱田龍臣)がいいですね。のちの大人龍馬である福山雅治を彷彿させる容貌と、誰にでも愛されたという魅力をすでにこの時点で備えていたというのがちゃんと出ている。そして子ども龍馬から大人龍馬への移行に違和感がないのもすごいですね。一方岩崎弥太郎の子ども時代の子役(渡邉甚平)もまた、力強い目を持った少年で、これまたのちの大人弥太郎を思わせてくれます。でも大人弥太郎は今回はやりすぎの感もあるけどな(まあ、元々そういう「過剰」なキャラなんでしょうけど)。

さて今までの大河ドラマとは違う、新しい大河を描き出すというのがキャッチフレーズでしたが、確かに今までの大河とはまず質感や描き出される空気が違いますね。無駄に埃用のコーンスターチを大奮発してなかったようで(笑)。まんべんなく振り撒かれた埃が当時のリアルな空気をただよわせているだけでなく、埃のもやの中から浮かび上がる人物たちがこれから話が進むにつれてもっと明確にはっきりと描かれてゆく前フリにもなっています。ただ画面がやたら黄色過ぎな感じもするけど、去年放映の「白洲次郎」(NHK、演出・大友啓史)でも最初の方が黄色っぽ過ぎていたものの時間が経過するにつれてそれが抜けて行っていたようにも見えたので、これはわざわざやっている事なんでしょうね。

登場人物たちも、上昇志向がすさまじいまでに強い香川照之の岩崎弥太郎、まじめでルールを守るがゆえに融通が利かない面もある大森南朋の武市半平太、そして対立やけんかが当たり前の世の中にあって一人争わずに物事を解決しようとする福山雅治の坂本龍馬、母と弟・龍馬の一番近くにいて龍馬の何よりの理解者だった寺島しのぶの坂本乙女、他大勢のキャストによるキャラがそれぞれ描かれていました。しかし香川照之は技巧派だよなー。それが目に付いてしまうのはどうかとも思うけど、第1回目だから力が入ってしまうのは仕方がないのか? 一方大森南朋は、予告編を見たときは土佐弁は大丈夫か?と思ったんだけど心配することは全くなく、っつーかドラマの中に溶け込みすぎていてちっと影が薄いような気さえしましたよ。でもあの地味っぷりにも、香川照之とは対照的な抑えた演技にも、あの変な顔にもかなりやられちゃっている私です(笑)。前に香川照之は姫川亜弓で大森南朋は北島マヤではないかというどうかと思われる感想を書きましたが、あながちハズレではないかも(2009年12月22日「平均年齢が下がり気味(2010年NHK大河ドラマ「龍馬伝」」)。

そして福山雅治の坂本龍馬は、なるほどなあ、確かに他とは違う、透明感のあるキャラでした(顔もあんまり汚れてないしーヅラもかぶってないしー)。しかし下士は上士に不当に差別され殺されても上士にはおとがめなしという状況で(「土佐だけじゃ」という台詞があったということは、他の藩ではそうではないということを下士も認識しているっつーこと?)、下士たちが怒りや憤懣を溜めこみ続けて対立を深めてゆく中、上士も下士も同じ人間であると、対立からは何も生まれない、憎しみからは何も生まれないと(もちろんハゲタカ廃人には刺激的な台詞ですよね(笑))、いつか上士も下士もなくなる世の中が来るという視点を持っていた坂本龍馬という人物は、確かに当時の人たちから見たら軟弱に見えただろうし、かなり浮いていたことでしょう。いきり立つ下士たちの中でも違う存在であることを際立たせていました。でもこのドラマの中で描写される坂本龍馬というのは、歴史上の偉人でありながら、一番私達視聴者に近い存在でもあると言えるでしょうね。

第1回目はつかみはOK、物語もぼちぼちという感じですが(←えらそー)、何分にも先は長いのでまだ油断はできないかなー。1年近くも続く歴史ドラマの第1回目というのは、物語はとかく説明的になりがちだしキャラクタもかなり過剰に描き出されがちなので、ちょっとしょうがないところもありますが、まずは次回にも期待、です。

龍馬伝第1回メモ
さて、例によってメモをとりながら見ていたのだが、酔っ払って見ていて酔っ払ってメモしていたので(相変わらず……)何書いてあるんだかさっぱりわからねーー。とほほ。
追記:1月4日
温いな……。温すぎだよ、文章が。でも1月4日になってもまだ実家でダラダラ食っちゃ寝生活しているもんだから、気がすっかり緩んじゃっているのかもなー。もしかすると酔っ払って見ていたせいもあるかもしれんが(じゃ、来週分もまた温いっつーことか?(笑))。
テーマ:大河ドラマ
ジャンル:テレビ・ラジオ
龍馬伝×プロフェッショナル
1月2日21時放映、NHK「龍馬伝×プロフェッショナル」。1月3日よりスタートする大河ドラマ「龍馬伝」と毎週火曜日放送の「プロフェッショナル/仕事の流儀」のコラボ番組。

[番組紹介]
「人を動かし、時代を動かした男・坂本龍馬。その秘密はどこにあるのか。「龍馬の流儀」を探るべく、脳科学者・茂木健一郎が歴史資料を解析。浮かび上がってきたキーワードは「ミラーニューロン」だ。自分のやることは、鏡に映したように相手の脳の神経細胞で表現されるといわれている仕組みのことだ。つまり、龍馬がすべてをさらけ出して相手と向き合ったことが、ミラニューロンの働きによって相手の警戒心をほどかせる事につながり、結果的に人びとの心をつかみ、時代を動かしたのではないかと茂木は推測。龍馬は、脳の天才だったのだ」(「プロフェッショナル/仕事の流儀」番組紹介より)。

いくら2010年の大河ドラマ「龍馬伝」の武市半平太(大森南朋)の顔にやられているとか、オヤジ満載キャストでオヤジスキーにはたまらんっとか、根っからの大河ドラマスキーとかいってても、実際のドラマを見てみないことにはなんとも言えないので(いくら「ハゲタカ」の大友D演出作品といってもハズレの可能性だってないわけではない)、今のところまだ遠巻きに眺めているだけの私だ。したがって「龍馬伝」関係の番組も録画はしてあるものの、まだほとんど見ていない。そして今回の「龍馬伝×プロフェッショナル」も番組チェックはしていたものの、福山雅治メインなら特段興味もないので見るつもりはなかったのだが、昨日家族で泊まりに来ていた温泉旅館でうすらぼんやりとしていたらたまたま入ったので見てしまったのである。

いやあ、なんでしょうかね。やっぱり福山雅治はかっこええ男だな。プロとしては当たり前なのかもしれないが役に対する真摯な姿勢が非常にいいですね。極貧からのし上がって一代で財を築き上げた岩崎弥太郎(香川照之)や、信念を持って剣術の世界に生きた武市半平太(大森南朋)のようなはっきりした役柄とは違って、とらえどころのない、へたすると平凡な男になってしまいかねない、しかし当時のひとくせもふたくせもある各界の人物たちに「偉人なり」とか「これほど度量の大きい男は他にはいない」と(表現しようがないような事を)言われ、多くの人々に愛された坂本龍馬という人物を演じることの難しさを、とても率直な言葉で語っていました。福山ファンには今年は本当にうれしい1年でしょうね。これっぽちも福山には興味がないのが残念なくらいだ。

坂本龍馬そのものに対する紹介もまたなかなか興味深く、私は歴史小説や時代劇は好きなので結構読んだり見たりしているのに坂本龍馬近辺に関してはまったく知識がないのだが、これはいったいどういう人だったのだろうかと気になってきましたよ。たった33歳という若さで亡くなってしまったのが本当にもったいないと、もっと長生きしていればその後どんなことをやってくれたのだろうかと、興味をかきたてられました。それで高知県立坂本龍馬記念館の記事を読んでいたら、坂本龍馬と中岡慎太郎の死に際に駆け付けたのは田中光顕伯爵だったんですね。田中光顕伯爵邸といえばドラマおよび映画「ハゲタカ」の西乃屋旅館ロケ地ですよ!(←何が何でも「ハゲタカ」にこじつけるやつ(笑))。そして坂本龍馬の本家は明治期の北海道開拓期に移住して、今も坂本本家は札幌にあるのだとか。

そして演出の大友Dですよ(上記写真左)。香川照之があちこちで「特異な演出方法」と書いているが、それをこうしてこの番組の中で見ることができたのは面白かったです。一つの場面に対して何台ものカメラを同時に回して(しかもカメラマンは自分が好きな場所に陣取って好きなように撮るのだという。宮迫博之は群衆の中に紛れ込んでいるハンディさん(ハンディカメラ)をかき分けながら演じるとか言ってたが)その中から一番ふさわしいカットを編集するという方法、しかも通常取られているような各場面を切り刻んでのカット割り撮影ではなく、長回しによるずっと続いた時間をそのまま撮影する方法なので役者さんたちはそのほうが楽だと言っていますね(これは「龍馬伝」のムックの方に書いてあったんだっけか?)。私としては福山よりも大友Dの撮影の方をもっともっとみてみたかったけど、でもこれはなかなか面白い番組でした。

さて「龍馬伝」はいよいよ本日放送。どんなドラマになっていることでしょう。18時からの「世界の果てまでイッテQ」(日テレ)をずっと見てて、そのままうっかり「龍馬伝」の方を見るのを忘れたりしないようにしなくてわ(←おいっ!!)。
テーマ:大河ドラマ
ジャンル:テレビ・ラジオ
羽田空港の本屋 取扱注意(DVD)
前日、今年の暮れの一大イベントを終えて(1月1日「コミックマーケット77に行ってきました。」)、12月31日は札幌の子どもの父方の実家に向かったのだが、行く前にその札幌のおばあちゃん(マイケル・ジャクソンファンの73歳。私にとってはいわゆる姑である)から電話があったのである。
「あのさ、「ハゲタカ」って1月にならないと見られないのかい?」
「はい??」
「いや、S子さん(←私のことだ)がそんなにハマっているなら見てみたいんだけどさ」
「あーー……。えっと、ドラマ版のDVDならあるんだけど、私がハマったのはそのドラマ版の続編の映画版の方なんだよね。で、映画版のDVDは1月15日にならないと販売しないからさ」
「あら、でもあるなら見たいから持ってきてよ」
……というわけで、おばあちゃんに見てもらうべく(ま、そうでなくても帯広の実家で自分が見るために持っていく予定だったが)旅行かばんにドラマ「ハゲタカ」のDVDを詰め込んで羽田にGO! ですよ。

羽田では前回同様に本屋の平台をチェック(2009年8月19日「ハゲタカ廃人的バカンス」)。おお、まだ映画「ハゲタカ」原作の「レッドゾーン」が並んでいますよ。……なんでだろう。で、空港の手荷物カウンターで鞄を預けたのだが、「貴重品、壊れ物はありませんか?」と聞かれたので、出しておいてくださいって言われるかなと思いつつ「中にDVDが入ってますが」と言ったらわざわざ壊れ物タグに「DVD」と書き込んで鞄に取り付けてくれたのである。ふっ、わざわざ「DVD」って書くってなんか特別っぽい(ま、私にとっては「ハゲタカ」はもちろん特別だが)。。

さて札幌に到着した12月31日の夜はおばあちゃんと義妹のK子ちゃんのおいしいごはんと酒で「紅白歌合戦」を見てだらだらすごし(いやー、小林幸子の衣装っつーか、装置には開いた口がふさがらなかったよな)、翌日は朝の9時まで寝てて、朝ごはん食べて酒飲んでダラダラして、昼寝をして、昼ごはん食べて酒飲んでダラダラしてたら、おばあちゃんが「さ、「ハゲタカ」見せて!」ときたのである。

ううううむ。ドラマ「ハゲタカ」は表向きは経済ドラマである。若い人や私と同年代の人にだって結構拒否感があるかもしれないような類のドラマなので、おばあちゃんのお口に合うもんなのかちょっとしりごみしつつも、ドラマ「ハゲタカ」のDVDをK子ちゃんに差し出す。K子ちゃんがDVDをセットしていよいよドラマ「ハゲタカ」視聴開始。……ええっと、開始10分ほどで横になってみていたおばあちゃんのいびきが聞こえてきましたよ。うーん、そうだよね、キャストは超地味だし、ドラマ自体もあまりつかみはOKなドラマじゃないしね。しかしK子ちゃんの方の反応は意外と悪くなく(笑)、1話の半分くらいのところで西野昭吾(宇崎竜童)を指差して「もしかしてこの人が(鷲津を)撃ったの?」と聞いてきたり、「実際にこういうことってあるよねぇ、きっと」とつぶやいたりで、なかなかの反応。

3話を見終ったところでいったん休憩し、夕ご飯を食べて酒を飲んでダラダラし、また夜に第4話と第5話を視聴。このまま最終話までいくかと思ったが、「あとは明日の朝イチに見るから」と本日分の視聴はおしまい。私や同僚の練馬のS嬢が自宅に届いたドラマDVDを夜中も続けて見続けてしまったのとは違って、やはり節度ある大人はこうなのね(笑)。

そして翌朝もダラダラ寝ていたら居間の方から「EBOだ」という鷲津(大森南朋)の声が聞こえてきましたよ。K子ちゃん、本当に朝イチで「ハゲタカ」、見てました。私が居間の方に行くと「いや、もう時間がないじゃないの」と言っているので何かと思ったら、この残り時間で本当に物語が終わるのか心配していたようで、鷲津が反撃に出て大賀社長(松重豊)にEBOを申し出たところで「おお」、「社長には芝野(柴田恭兵)を」と言ったところで「あら」と言ってました。ふふふ。さらに未公開シーンも視聴して「これ本編に入っていたほうがよかったんじゃない?」とか言っていましたが、しかし見終わっての反応は(たぶん普通に)「面白かったわ」でした。さすがにK子ちゃんを廃人化するのは無理だったか(笑)。まあ私もドラマ版では別にハマらなかったんだよなー。

しかしこのドラマDVDを見ていた私の方は激しく映画「ハゲタカ」への渇望を刺激され、「ちくしょーーーーー、私が見たい鷲津はこんな若造じゃねええええぇぇっ、映画だ、映画の鷲津を見たいんだようぅぅぅう」と心の中で叫んでおりました(笑)。ああ、映画DVD発売日まであと13日、待ちきれないっ。

そしてK子ちゃんの「ハゲタカ」観賞が終わるのを今か今かとまっていたおばあちゃんは、すかさずケーブルテレビでやっていた「渡る世間は鬼ばかり」にチャンネルを切り替えたのだった。目に飛び込んできた「渡鬼」はなんと第1シリーズ(1990年10月11日~1991年9月26日)ですよ。ちょうど20年前か。なんか20年前とは思えない話の古さだったなあ。男はこうあるべき、女はこうするべき、妻は、母は、という昔ながらの役割の押し付けがましさに、思わず「うっせぇ!」と叫んでしまいそうでした。しかしこの渡鬼に唐沢寿明や香川照之、伊藤敦史(子役)が出ていたなんてしらなかったなあ。

オスカルとジャガポックル
ところで12月30日、帰宅してから自分の顔をあらためてじっと見てみてびっくり。疲れと睡眠不足で肌が荒れてボロボロなのはしかたないとして、目の下のしわと隈がすごいことに。荒れた生活を送っていた12月の付けがやっぱりばっちり来ていたのね。まさに「廃人」そのもの、がっくり……。

そんな訳でその場しのぎのお手当てに買ってみたのがコレ、「密着マスク ベルサイユのばら オスカル深層若潤輝」(笑)。「守り続けたい乙女の輝き」ですってよ。裏には「もう離れない、離さない。守ってやりたい、お前の無垢肌」とあり、ハナから乙女でも無垢でもない私なんぞお呼びでないのだがそれはおいておく。使ってみても感想は……少し潤ったような気もするが、「どう? さっきと違ってる?」と子ども(11歳)に聞いてみたところ「大人のお肌のことはよくわからない」と言われてしまいましたよ。ちっ。
テーマ:日記
ジャンル:日記
コミックマーケット77
12月30日は第77回コミックマーケットに参加してきました。当日スペースにお立ち寄りいただいた皆様、つたない錯乱日記(笑)の新刊「ハゲタカ廃人日記」を手に取っていただきました皆様、本当にありがとうございました(参照:2009年8月22日「コミックマーケット76に行ってきました。」)。今回はなんとか新刊を発行する事ができましたが、仕事の繁忙期と人間ドックと小学校PTAの仕事が重なる12月に同人誌の原稿を描くのは、もう絶対にやめよう……と心に誓いましたよ(とほほ)。連日残業三昧だった仕事の山がなんとか片付いたのが12月18日、同人誌の原稿を印刷屋に送ったのが12月22日、人間ドックを受けたのが12月24日のクリスマスイブ、それから1週間も日にちが経っていたというのに、12月30日は朝からぐったりとしていて、東京駅のドラッグストアでちょっと高めのユンケルを一気飲みしてしまいました。もう、寄る年並には勝てないっつーやつなのね。いやはや。

当日の助っ人(サークルスペースで売り子や留守番をしてくださる方々)はいつもの同僚M様と、今回サークルスペースは落選だった新潟の女教師S川の二人。M様は顔を合わせた早々に「今年はさすがにもう湖南省には行かれないんですね」と言ってくれましたよ(2009年10月26日「茨城県湖南省をめざせ」)。確かに10月11月は「まだあたりに緑色が残っていたら、(映画「ハゲタカ」の)ラストシーンとはちょっと違っているから、まだ行かない」とは言ったがな。今日は12月30日で、明日は大晦日だよ! そしてS川は「あー、知ってる、「ハゲタカ」。あぶデカの柴田恭兵が主役のやつでしょ」と爆弾発言を。「柴田恭兵が主役!? そんな話は聞いた事ないよ」という私に対して、「あの話は柴田恭兵が主人公以外の何者でもないでしょ。彼、あおぞら電機(←本当にこう言った)でがんばってたじゃん」「……」。私は12月のありとあらゆる疲れのピークがマックスに達していて、この日の朝もユンケルでなんとかかろうじて立っている状態だったために、もはやS川に反論する元気もなかったよ。

午前10時いよいよ開会し、ありがたい事に新刊を手に取ってくださる方やお声をかけてくださる方が沢山いてうれしかったのだが、やはり今回の新刊は読む人を選んでしまうせいか(ま、突然婦人科病棟に入院することになったいきさつを描いた前回の新刊も相当読者を選ぶ本だったが)、皆様のコメントもひと味違いますよ。

お客様A「ハマっちゃいましたかあ?(笑)」
私「ええ、大ハマリですよ。もう、どこに落とし穴があるかわからないっつー話ですよ(笑)」
お客様A「それは人生いたるところに、とだけ言っておきましょう。ふふふ」
私「……ナイス!」

お客様B「鷲津ってやっぱり受けくさいですよね」
私「え!? この本を手に取って、開口一番がそれですか!?(笑)」
ちなみに私のスペースの現在地(ジャンル)は「創作少女漫画」であり、新刊は映画「ハゲタカ」にハマった日常を描いたもので、決して腐女子向けの内容ではない。そして同人誌のジャンル分けについては「C77ジャンルコード一覧」参照の事。

お客様C「(映画鑑賞回数が)こんだけあるのはさすがにすごいですね」
私「来月(1月)にまた映画館での上映があるからまた回数が増えますけどね」
お客様C「こうなったらとことん極めた方がいいですよ、108回とかね」
私「もう、煩悩の数だけ、見てみろと(笑)」
お客様C「そういえば知り合いで除夜の鐘の数が801回だと思っていた女子がいましたよ」
私「えー! マジで?」
お客様C「マジで。もうこうなったらどんだけカップリングがあるんだって話ですよ」
私「ちょっとちょっと!」
ちなみにお客様Cは男性である。そして801についてはWikipedia(「その他 801 に関連すること」第1項)参照のこと。

そしてしばらく買い物の旅に出ていたS川が戻ってきて言うには。
S川「そういえばあっちの方にハゲタカ本があったよ」
M様「あら、それは早速K様(←私の事だ)に教えてくださらないと」
私「そうだよ、ハゲタカの本ジャンルは明日だから全然見られないんだよ。今日見られるんだったら見てみたいじゃないの」
S川「だって手に取ってみてみたらオヤジ二人がハァハァ言っている本だったんだもん」
私、M様「……」
M様「それはK様は読まないですわね」
私「それは私の管轄外だな」
S川「だろ? それにしても、同じ映画を29回ってよく飽きないな」
私「飽きてたら見てないっつーの」
S川「絶対おかしいよ、こんな本まで作っちゃってさ。もう、人として終わってるよな」
私「……」
「人として終わっている」という言い回しは自分に対して大きなダメージがあるか他人に対して大きなダメージを与えたときに使う言い回しで、他人に迷惑もかけず本人が満足している場合はそういう言い方はしないのだとか、若い頃「戦場のメリークリスマス」を12回見たと語っていたくせにとか、言いたい事は山ほどあったのだが、しつこいようだが何分にも12月のありとあらゆる疲れのピークがマックスに達していた私はまたもやS川に反論する元気などなかったのだった。S川は更に次から次とたたみかけるようにオタクな話題を振ってきたのだが、もはやぐったりして黙りがちな私に対して、「おまえ、本当にテンションが低いな」と言ったのだった。だって本当に疲れていたんだよ。

さてそんなこんなで午後3時には撤収準備を始めたが。
M様「とことん極めるなら、次の新刊は「ハゲタカ廃人日記2」ですかあ?(笑)」
私「いや、もうナマモノはこりごりだよ。鷲津が描けなくて本当に七転八倒したしな。次はいつもの日常ギャグ本かなー」
M様「でも、もしかして大河ドラマ本だったり?」
私「えー、でも8月じゃ大河ドラマまだ完結してないし」
M様「描く気、あるじゃないですか(笑)」
私「いや、本当にナマモノは今回でこりたよ。時代劇はもっと大変そうだし。それに来年はひっそりと過ごすのさ」
M様「……とりあえず年が明けたらやることは、湖南省に行く事ですよね!」
私「……!」
M様「でも明日(12月31日)は、札幌行きの飛行機大丈夫ですかね」
私「よりによって明日から北海道方面は暴風雪警報が出ているもんねぇ……」
M様「じゃ、そうなったらそれは次の新刊のネタということで」
私「……!」

という訳で昨日は札幌に無事着いて今日はひたすら食っちゃ寝生活三昧なので、次の新刊ネタの札幌遭難記はなくなったのだが、8月の時点でいったい何にハマっているのか全く見えない、「明日はどっちだ!?」な私だ(笑)。今度こそ、締め切りぎりぎりになって原稿を描く事がないようにしたいと……少しだけ反省しております(しみじみ)。
テーマ:同人活動
ジャンル:アニメ・コミック




あけましておめでとうございます。
旧年中は暖かい応援、励まし他ありがとうございました。
2009年は私にとって未だかつてないほどの激動の年でしたが
多くの初めての方々や作品に出会えて本当に幸せな1年でした。
2010年はうってかわってひっそりと過ごそうと思いつつ、、、、
ま、人間、そうそう変わりはしないわね(笑)。
こんな弊ブログですが、本年もよろしくお願いいたします。