2017年01月03日 (火)
今年も自分のボケ防止と記録を兼ねて2016年連続ドラマを振り返ってみます。今までの記事はこちら。なお単発ドラマはほとんど見ていません。帯ドラマも「あさが来た」以外は最初の週しか見てないし。
「2015年のテレビドラマ」(2016年1月3日)
「2014年のテレビドラマ」(2015年1月4日)
「2013年のテレビドラマ」(2014年1月5日)
ランキングサイトの2016年連続ドラマ平均視聴率のランキングは以下の通り。20位以内のドラマで一度も見ていないのは月9だけだけど、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」は周りの皆さんの評価が良かったので見よう見ようと思いつつまだ見ていない……。
1.木21テレビ朝日「ドクターX」(21.45%)
2.日21TBS「99.9―刑事専門弁護士―」(17.15%)
3.火22TBS「逃げるは恥だが役に立つ」(14.58%)
4.水22日本テレビ「世界一難しい恋」(12.88%)
5.木21テレビ朝日「スペシャリスト」(12.67%)
6.水22日本テレビ「地味にスゴイ!」(12.37%)
7.水22日本テレビ「家売るオンナ」(11.59%)
8.土21日本テレビ「怪盗 山猫」(10.85%)
9.木21テレビ朝日「グッドパートナー」(10.77%)
10.日21TBS「IQ246」(10.66%)
11.日21TBS「仰げば尊し」(10.58%)
12.金22TBS「砂の塔」(10.18%)
13.木21テレビ朝日「はじめまして、愛しています。」(9.86%)
14.水22フジテレビ「フラジャイル」(9.76%)
15.月21フジテレビ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(9.71%)
16.水22日本テレビ「ヒガンバナ」(9.62%)
17.火22TBS「ダメな私に恋してください」(9.46%)
18.金22TBS「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」(9.03%)
19.日21TBS「家族ノカタチ」(8.99%)
20.月21フジテレビ「好きな人がいること」(8.92%)
21.日22日本テレビ「火村英生の推理」(8.84%)
22.月21フジテレビ「ラヴソング」(8.54%)
23.日22日本テレビ「ゆとりですがなにか」(8.41%)
24.土21日本テレビ「THE LAST COP」(8.31%)
25.日22日本テレビ「そして、誰もいなくなった」(8.27%)
26.月21フジテレビ「カインとアベル」(8.23%)
27.火22フジテレビ「僕のヤバイ妻」(8.18%)
28火22フジテレビ「ON」(8.14%)
29.火21フジテレビ「レディ・ダ・ヴィンチの診断」(8.13%)
30.火22TBS「重版出来!」(8.02%)
そして1月2日放映のNHK「新春テレビ放談2017」の視聴者アンケートによるドラマランキングは以下の通り。今気がついたけど上の視聴率ランキングに「相棒」が入ってないなあ。「あさが来た」や「真田丸」も入っていないからもしかすると1クール3ヶ月以上放映期間があるドラマは除外しているのかな?ちなみに「真田丸」の平均視聴率は16.65%、「あさが来た」は23.5%(Wikipediaより)、「相棒」は14.8%(Wikipedia記載の各回視聴率から算出)。視聴率では「Docter-X」、人気では「相棒」とテレビ朝日、鉄板だな。そして「逃げ恥」は視聴率でも人気でも強い。
1.相棒
2.真田丸
3.逃げるは恥だが役に立つ
4.あさが来た
5.Docter-X 外科医・大門未知子
6.家売るオンナ
7.IQ246 〜華麗なる事件簿〜
8.地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子
9.科捜研の女
10.とと姉ちゃん
私の2016年ドラマランキングは以下のとおり。1位は揺るがないけど2位から5位までは微妙(まとめて「ちかえもん」の次に良かったドラマ、みたいな)、そして5位以下は適当です。
1.木20NHK「木曜時代劇 ちかえもん」
2.火22TBS「火曜ドラマ 逃げるは恥だが役に立つ」
3.土21NHK「土曜ドラマ 夏目漱石の妻」
4.日20NHK「大河ドラマ 真田丸」
5.帯8NHK「連続テレビ小説 あさが来た」
5.火22TBS「火曜ドラマ 重版出来!」
5.水22フジテレビ「フラジャイル」
5.土22NHK「土曜ドラマ スニッファー 嗅覚捜査官」
9.土21NHK「土曜ドラマ トットてれび」
10.水22日本テレビ「家売るオンナ」
10.金22TBS「金曜ドラマ 私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」
10.金22TBS「金曜ドラマ わたしを離さないで」
13.火深夜TBS「ドラマイズム ディアスポリス-異邦警察-」
14.木21テレビ朝日「木曜ドラマ はじめまして、愛しています。」
15.日22NHKBSP「プレミアムドラマ 受験のシンデレラ」
16.日21TBS「日曜劇場 99.9―刑事専門弁護士―」
17.木22フジテレビ「ナオミとカナコ」
18.火21フジ「メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断」
19.水22日本テレビ「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」
20.木22フジテレビ「木曜劇場 Chef~三ツ星の給食~」
20.金23:15テレビ朝日「金曜ナイトドラマ 家政夫のミタゾノ」
20.金23:15テレビ朝日「金曜ナイトドラマ グ・ラ・メ!~総理の料理番~」
「ちかえもん」、本当に面白かったしいいドラマだったんですよ。現代風なアイテムを盛り込み面白おかしく当時のあれこれを描き、まさに「痛快娯楽時代劇」として面白かったし、最終回、何重構造にもなっている曾根崎心中のリアルと人形浄瑠璃の世界の見せ方と切替が見事でした。主人公が浄瑠璃・歌舞伎の作者(近松門左衛門)という設定のせいか台詞・言葉のセンスもいいし緩急のテンポが色々絶妙。そしてどこまでがリアルでどこまでが作者の妄想なのかがビミョーなのもいい。他の役者さんも勿論いいけど松尾スズキがやっぱりよかった。
「逃げるは恥だが役に立つ」は今さら言うまでもない2016年、一番楽しかったドラマ。しかも楽しいだけじゃなくて、登場人物たちにとって「働く事」は当たり前で働けるなら働くのが当たり前、そして家事労働ももちろんお仕事。契約結婚物というのは少女漫画ではまあある設定だけど、その実ここまで突き詰めて描いたものはなかったんじゃなかろうか。それを原作以上にしっかり描写してなおかつとても微妙で絶妙なラブストーリーの展開と見せ方が本当に面白かった。最後に二人の関係が雇用主と従業員から共同経営責任者になり、そして「家族」になっていく様子の見せ方も良かった。キャストがこれまた良かったけど中でも平匡役の星野源とゆりちゃん役の石田ゆり子、これはこのキャストでないと成功しなかったドラマだと思う。最終回、ゆりちゃんがポジモンに突撃されて返す言葉の正しさと優しさには泣けたよ。ちゃんとした50代女性を描いたという意味でも素敵なドラマだった。
「夏目漱石の妻」は戦う夫婦の物語。今だったら二人ともさっさと離婚しているだろうに、その選択肢が最後の手段だった時代だったとはいえ、とことん「家族」であることに苦しみ、闘い、壊し、そして作り上げていく、その過程のすごさに圧倒されました。ま、一番圧倒されたのはハセヒロ(長谷川博己)の顔芸だったけど(笑)。第3回なんかハセヒロvs尾野真千子vs竹中直人の三竦みだよ。
「真田丸」ね、多分全部の回を見ていたら1位か2位にしていたと思うんだけど。じゃ、なんで全部見られなかったかというと、三谷幸喜の映画監督作品でひどい目にあって不信感があったので、今回は脚本だけだとわかっていてもやはり信じきれなかったというのはある。そして女性描写がなんだかなあと思うことが度々あった事。さらに一番の理由は私が40年来の真田幸村ファンであったことかもしれない。女性陣描写はともかくそれ以外の部分はちゃんとしていて面白いしそれぞれの場面の見せ方にもおおっと思わされたし、史実を知っていても先が気になるドラマでした。だから却って見続けるのがシンドかったというか。今になって思えばやっぱり全部見ときゃ良かったとは思うけど。しかしこの「真田丸」の一番の要は何と言ってもとーちゃん(真田昌幸役、草刈正雄)と洋ちゃん(真田信之役、大泉洋)だったよなあ(しみじみ)。このドラマ、所々に昔の大河オマージュな場面があったけど、ラスト、信繁(堺雅人)の手の六文銭と、信之(大泉洋)の手の六文銭の場面、「黄金の日日」じゃねぇか!とじわっと来ました。
「あさが来た」は「カーネーション」「あまちゃん」以来久しぶりに朝ドラをリアルタイムで見ました。キャラクタが魅力的なのもさることながらドラマの作りがしっかりしていて一つ一つの描写が丁寧なのでちゃんと納得できるし、面白いのに安心して見られる(←この表現もどうかと思うけど)ドラマでした。
「重版出来!」は作品を作る人達だけではなく、編集、営業、経営、書店、読者、他周辺の人々も余す所無く描き、でも物語はとっ散らかる事無く、そして主人公・心(黒木華)も嫌味ではなく、作品に関わる人達の様々な愛があるドラマになっていてよかった。「フラジャイル」は何と言っても"長瀬力"がすごかった(笑)。「スニッファー 嗅覚捜査官」は異常な嗅覚で難事件を解決するだけではなく、その嗅覚が「犯人の物語」も嗅ぎ取ってドラマの展開でちゃんとそれを描写するので物語が広がる感じがしました。そして人の気持ちは読めないけど自分の超・能力で理解しようとしている男・華岡(阿部寛)と、人の気持ちはわかるけど色々いかんともしがたい男・小向(香川照之)の超濃いコンビが思いのほかくどくなくていいコンビでした(笑)。
「家売るオンナ」は会社のランチ仲間には総じて不評だったが、私はバカバカしい"お約束ドラマ"としても三軒家万智(北川景子)のキャラにも結構楽しめました。ラストはかなり意外。千葉雄大の毒舌を吐きつつ表裏を使い分ける要領がいいキャラもよかったです。「わたしを離さないで」は臓器を他者に提供するために生まれ、そして提供する事で死んでいく人々の物語。ドラマとしてはあまり響かなかったんだけど、やがて必ず死ぬのに生きるとはどういう事なのか、この絶望的な世界を描く事が目的ではなく生きるとは何なのか、心とは何なのかを描く事がテーマだとわかっていても、この極端な設定じゃなければ描けなかったのか?とか色々思いました。ま、私なんぞはSF者なのでなんで臓器だけを純粋培養して必要な人に提供できるようになっていないの?とか、サイボーグだって別にいいんじゃね?とか、肉体を必要としない精神生命体への進化の道もあるしなとか、実は提供から逃れた者達の秘密の村があってとか色々余計な事もつい考えたりしました。
「ディアスポリス-異邦警察-」はごちゃごちゃして昔の香港みたいな東京の裏社会っぷりや、あり得ない世界(知らないだけであるのかもしれないけど)をガッツリ描いてこのドラマ世界を確かに存在させているのもなかなか凄いし、強いのか弱いのかよくわからない主人公含め全く訳判らん謎のキャラも魅力的。テーマ曲もかっこよかった。「家政夫のミタゾノ」はお話自体はまあ水戸黄門的でもあるんだけど、それよりも女装している男性である三田園(松岡昌宏)に対して周囲のみんなが何か事情はあるんだろうけどそういう人という感じで(ミタゾノの謎を追求する場面はあったけど)割とプレーンな目で見ているのが結構新鮮でした。「グ・ラ・メ!~総理の料理番~」はドラマ本編は特にどうということもなかったけどエンディングの出演陣のダンスが良かったので。
さて、2017年冬ドラマの紹介記事は今週中(遅くても来週月曜日までには)完成させます。今年も面白いドラマに出会えますように。
「2015年のテレビドラマ」(2016年1月3日)
「2014年のテレビドラマ」(2015年1月4日)
「2013年のテレビドラマ」(2014年1月5日)
ランキングサイトの2016年連続ドラマ平均視聴率のランキングは以下の通り。20位以内のドラマで一度も見ていないのは月9だけだけど、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」は周りの皆さんの評価が良かったので見よう見ようと思いつつまだ見ていない……。
1.木21テレビ朝日「ドクターX」(21.45%)
2.日21TBS「99.9―刑事専門弁護士―」(17.15%)
3.火22TBS「逃げるは恥だが役に立つ」(14.58%)
4.水22日本テレビ「世界一難しい恋」(12.88%)
5.木21テレビ朝日「スペシャリスト」(12.67%)
6.水22日本テレビ「地味にスゴイ!」(12.37%)
7.水22日本テレビ「家売るオンナ」(11.59%)
8.土21日本テレビ「怪盗 山猫」(10.85%)
9.木21テレビ朝日「グッドパートナー」(10.77%)
10.日21TBS「IQ246」(10.66%)
11.日21TBS「仰げば尊し」(10.58%)
12.金22TBS「砂の塔」(10.18%)
13.木21テレビ朝日「はじめまして、愛しています。」(9.86%)
14.水22フジテレビ「フラジャイル」(9.76%)
15.月21フジテレビ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(9.71%)
16.水22日本テレビ「ヒガンバナ」(9.62%)
17.火22TBS「ダメな私に恋してください」(9.46%)
18.金22TBS「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」(9.03%)
19.日21TBS「家族ノカタチ」(8.99%)
20.月21フジテレビ「好きな人がいること」(8.92%)
21.日22日本テレビ「火村英生の推理」(8.84%)
22.月21フジテレビ「ラヴソング」(8.54%)
23.日22日本テレビ「ゆとりですがなにか」(8.41%)
24.土21日本テレビ「THE LAST COP」(8.31%)
25.日22日本テレビ「そして、誰もいなくなった」(8.27%)
26.月21フジテレビ「カインとアベル」(8.23%)
27.火22フジテレビ「僕のヤバイ妻」(8.18%)
28火22フジテレビ「ON」(8.14%)
29.火21フジテレビ「レディ・ダ・ヴィンチの診断」(8.13%)
30.火22TBS「重版出来!」(8.02%)
そして1月2日放映のNHK「新春テレビ放談2017」の視聴者アンケートによるドラマランキングは以下の通り。今気がついたけど上の視聴率ランキングに「相棒」が入ってないなあ。「あさが来た」や「真田丸」も入っていないからもしかすると1クール3ヶ月以上放映期間があるドラマは除外しているのかな?ちなみに「真田丸」の平均視聴率は16.65%、「あさが来た」は23.5%(Wikipediaより)、「相棒」は14.8%(Wikipedia記載の各回視聴率から算出)。視聴率では「Docter-X」、人気では「相棒」とテレビ朝日、鉄板だな。そして「逃げ恥」は視聴率でも人気でも強い。
1.相棒
2.真田丸
3.逃げるは恥だが役に立つ
4.あさが来た
5.Docter-X 外科医・大門未知子
6.家売るオンナ
7.IQ246 〜華麗なる事件簿〜
8.地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子
9.科捜研の女
10.とと姉ちゃん
私の2016年ドラマランキングは以下のとおり。1位は揺るがないけど2位から5位までは微妙(まとめて「ちかえもん」の次に良かったドラマ、みたいな)、そして5位以下は適当です。
1.木20NHK「木曜時代劇 ちかえもん」
2.火22TBS「火曜ドラマ 逃げるは恥だが役に立つ」
3.土21NHK「土曜ドラマ 夏目漱石の妻」
4.日20NHK「大河ドラマ 真田丸」
5.帯8NHK「連続テレビ小説 あさが来た」
5.火22TBS「火曜ドラマ 重版出来!」
5.水22フジテレビ「フラジャイル」
5.土22NHK「土曜ドラマ スニッファー 嗅覚捜査官」
9.土21NHK「土曜ドラマ トットてれび」
10.水22日本テレビ「家売るオンナ」
10.金22TBS「金曜ドラマ 私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」
10.金22TBS「金曜ドラマ わたしを離さないで」
13.火深夜TBS「ドラマイズム ディアスポリス-異邦警察-」
14.木21テレビ朝日「木曜ドラマ はじめまして、愛しています。」
15.日22NHKBSP「プレミアムドラマ 受験のシンデレラ」
16.日21TBS「日曜劇場 99.9―刑事専門弁護士―」
17.木22フジテレビ「ナオミとカナコ」
18.火21フジ「メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断」
19.水22日本テレビ「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」
20.木22フジテレビ「木曜劇場 Chef~三ツ星の給食~」
20.金23:15テレビ朝日「金曜ナイトドラマ 家政夫のミタゾノ」
20.金23:15テレビ朝日「金曜ナイトドラマ グ・ラ・メ!~総理の料理番~」
「ちかえもん」、本当に面白かったしいいドラマだったんですよ。現代風なアイテムを盛り込み面白おかしく当時のあれこれを描き、まさに「痛快娯楽時代劇」として面白かったし、最終回、何重構造にもなっている曾根崎心中のリアルと人形浄瑠璃の世界の見せ方と切替が見事でした。主人公が浄瑠璃・歌舞伎の作者(近松門左衛門)という設定のせいか台詞・言葉のセンスもいいし緩急のテンポが色々絶妙。そしてどこまでがリアルでどこまでが作者の妄想なのかがビミョーなのもいい。他の役者さんも勿論いいけど松尾スズキがやっぱりよかった。
「逃げるは恥だが役に立つ」は今さら言うまでもない2016年、一番楽しかったドラマ。しかも楽しいだけじゃなくて、登場人物たちにとって「働く事」は当たり前で働けるなら働くのが当たり前、そして家事労働ももちろんお仕事。契約結婚物というのは少女漫画ではまあある設定だけど、その実ここまで突き詰めて描いたものはなかったんじゃなかろうか。それを原作以上にしっかり描写してなおかつとても微妙で絶妙なラブストーリーの展開と見せ方が本当に面白かった。最後に二人の関係が雇用主と従業員から共同経営責任者になり、そして「家族」になっていく様子の見せ方も良かった。キャストがこれまた良かったけど中でも平匡役の星野源とゆりちゃん役の石田ゆり子、これはこのキャストでないと成功しなかったドラマだと思う。最終回、ゆりちゃんがポジモンに突撃されて返す言葉の正しさと優しさには泣けたよ。ちゃんとした50代女性を描いたという意味でも素敵なドラマだった。
「夏目漱石の妻」は戦う夫婦の物語。今だったら二人ともさっさと離婚しているだろうに、その選択肢が最後の手段だった時代だったとはいえ、とことん「家族」であることに苦しみ、闘い、壊し、そして作り上げていく、その過程のすごさに圧倒されました。ま、一番圧倒されたのはハセヒロ(長谷川博己)の顔芸だったけど(笑)。第3回なんかハセヒロvs尾野真千子vs竹中直人の三竦みだよ。
「真田丸」ね、多分全部の回を見ていたら1位か2位にしていたと思うんだけど。じゃ、なんで全部見られなかったかというと、三谷幸喜の映画監督作品でひどい目にあって不信感があったので、今回は脚本だけだとわかっていてもやはり信じきれなかったというのはある。そして女性描写がなんだかなあと思うことが度々あった事。さらに一番の理由は私が40年来の真田幸村ファンであったことかもしれない。女性陣描写はともかくそれ以外の部分はちゃんとしていて面白いしそれぞれの場面の見せ方にもおおっと思わされたし、史実を知っていても先が気になるドラマでした。だから却って見続けるのがシンドかったというか。今になって思えばやっぱり全部見ときゃ良かったとは思うけど。しかしこの「真田丸」の一番の要は何と言ってもとーちゃん(真田昌幸役、草刈正雄)と洋ちゃん(真田信之役、大泉洋)だったよなあ(しみじみ)。このドラマ、所々に昔の大河オマージュな場面があったけど、ラスト、信繁(堺雅人)の手の六文銭と、信之(大泉洋)の手の六文銭の場面、「黄金の日日」じゃねぇか!とじわっと来ました。
「あさが来た」は「カーネーション」「あまちゃん」以来久しぶりに朝ドラをリアルタイムで見ました。キャラクタが魅力的なのもさることながらドラマの作りがしっかりしていて一つ一つの描写が丁寧なのでちゃんと納得できるし、面白いのに安心して見られる(←この表現もどうかと思うけど)ドラマでした。
「重版出来!」は作品を作る人達だけではなく、編集、営業、経営、書店、読者、他周辺の人々も余す所無く描き、でも物語はとっ散らかる事無く、そして主人公・心(黒木華)も嫌味ではなく、作品に関わる人達の様々な愛があるドラマになっていてよかった。「フラジャイル」は何と言っても"長瀬力"がすごかった(笑)。「スニッファー 嗅覚捜査官」は異常な嗅覚で難事件を解決するだけではなく、その嗅覚が「犯人の物語」も嗅ぎ取ってドラマの展開でちゃんとそれを描写するので物語が広がる感じがしました。そして人の気持ちは読めないけど自分の超・能力で理解しようとしている男・華岡(阿部寛)と、人の気持ちはわかるけど色々いかんともしがたい男・小向(香川照之)の超濃いコンビが思いのほかくどくなくていいコンビでした(笑)。
「家売るオンナ」は会社のランチ仲間には総じて不評だったが、私はバカバカしい"お約束ドラマ"としても三軒家万智(北川景子)のキャラにも結構楽しめました。ラストはかなり意外。千葉雄大の毒舌を吐きつつ表裏を使い分ける要領がいいキャラもよかったです。「わたしを離さないで」は臓器を他者に提供するために生まれ、そして提供する事で死んでいく人々の物語。ドラマとしてはあまり響かなかったんだけど、やがて必ず死ぬのに生きるとはどういう事なのか、この絶望的な世界を描く事が目的ではなく生きるとは何なのか、心とは何なのかを描く事がテーマだとわかっていても、この極端な設定じゃなければ描けなかったのか?とか色々思いました。ま、私なんぞはSF者なのでなんで臓器だけを純粋培養して必要な人に提供できるようになっていないの?とか、サイボーグだって別にいいんじゃね?とか、肉体を必要としない精神生命体への進化の道もあるしなとか、実は提供から逃れた者達の秘密の村があってとか色々余計な事もつい考えたりしました。
「ディアスポリス-異邦警察-」はごちゃごちゃして昔の香港みたいな東京の裏社会っぷりや、あり得ない世界(知らないだけであるのかもしれないけど)をガッツリ描いてこのドラマ世界を確かに存在させているのもなかなか凄いし、強いのか弱いのかよくわからない主人公含め全く訳判らん謎のキャラも魅力的。テーマ曲もかっこよかった。「家政夫のミタゾノ」はお話自体はまあ水戸黄門的でもあるんだけど、それよりも女装している男性である三田園(松岡昌宏)に対して周囲のみんなが何か事情はあるんだろうけどそういう人という感じで(ミタゾノの謎を追求する場面はあったけど)割とプレーンな目で見ているのが結構新鮮でした。「グ・ラ・メ!~総理の料理番~」はドラマ本編は特にどうということもなかったけどエンディングの出演陣のダンスが良かったので。
さて、2017年冬ドラマの紹介記事は今週中(遅くても来週月曜日までには)完成させます。今年も面白いドラマに出会えますように。
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