さて昨年に引き続き今年も前年に見た映画についてちょいと書き残しておきます。なお、昨年までの記事はこちら。

2018年に見た映画」(2019年1月10日)
2017年に見た映画」(2018年2月28日)
2016年に見た映画」(2017年1月15日)

私が2019年に映画館で観た映画は以下の作品。

2019/01/17 「蜘蛛の巣を払う女」
2019/01/17 「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」
2019/01/21 「パッドマン 5億人の女性を救った男」
2019/02/07 「七つの会議」
2019/02/07 「未来を乗り換えた男」
2019/02/25 「ファースト・マン」
2019/03/04 「グリーンブック」
2019/03/13 「スパイダーマン スパイダーバース」
2019/04/17 「ハンターキラー 潜航せよ」
2019/04/24 「バイス」
2019/04/24 「記者たち~衝撃と畏怖の真実~」
2019/05/20 「名探偵ピカチュウ」
2019/06/05 「長いお別れ」
2019/06/11 「海獣の子供」
2019/06/13 「RBG 最強の85才」
2019/06/13 「ゴジラ キングオブモンスターズ」
2019/07/02 「新聞記者」
2019/07/05 「ザ・ファブル」
2019/07/12 「シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢」
2019/07/19 「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」
2019/07/23 「工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」
2019/08/15 「アルキメデスの大戦」
2019/09/05 「引っ越し大名!」
2019/09/15 「トールキン 旅のはじまり」
2019/09/15 「記憶にございません!」
2019/09/19 「トイ・ストーリー4」
2019/09/19 「台風家族」
2019/09/25 「サウナのあるところ」
2019/10/10 「ホテル・ムンバイ」
2019/10/16 「ガーンジー島の読書会の秘密」
2019/10/16 「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」
2019/11/14 「キューブリックに魅せられた男」
2019/11/14 「天才たちの頭の中 世界を面白くする107のヒント」
2019/11/16 「イエスタデイ」
2019/12/23 「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」

見た映画は34本、でも見逃している映画も沢山あるんだよなあ。結局「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」も「ジョーカー」も「天気の子」も「女王陛下のお気に入り」も「凪待ち」も「ホームステイ ボクと僕の100日間」も見逃したし、「カツベン!」も「決算!忠臣蔵」も「テッド・バンディ」も「アイリッシュマン」も「2人のローマ教皇」もまだ見てないしなー。そして去年は結構ドキュメンタリー映画を多く見たような気がする。

2019年に見た映画
去年見た映画で一番、ってなんだろう。2018年は1位「タクシー運転手」は迷わなかったんだけど。ここはベタだけど「グリーンブック」鴨。問題提起型の作品かと思ったら理不尽な人種差別もガシガシ描かれるんだけど、どちらかというとほのぼのなロードムービーだった。有名な黒人ジャズピアニスト・ドクター・シャーリーと、粗野で無教養、でも用心棒として頼りにされているイタリア系白人運転手・トニー・リップ、何から何まで対照的な二人の描写は映画「最強のふたり」的。そして役者さんの力なのか役の力なのか孤高の天才ドクターが超絶魅力的だった。

「ホテル・ムンバイ」も「グリーンブック」と同じように実際にあった事をモデルにしている作品。インドで実際に起きたホテル立てこもりのテロ事件からスタッフや宿泊客がいかに逃げおおせるのか。もう息がつまるサスペンスなんてもんではない。緊迫感が半端なく本当に息が止まるので心臓がバクバクして体に悪い映画だった(笑)。ホテル内で同時多発的に起こる出来事や外の描写、そして脱出行の描写はまるで大昔の映画「ポセイドン・アドベンチャー」のようだった。

「工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」も韓国から北朝鮮に潜入したスパイ、黒金星と呼ばれた工作員を描いた実録映画。2018年に見た「タクシー運転手」も「1984」も面白かったけど、韓国の政治映画って面白い。いつバレるかと言う緊張感と緊迫感もさることながら、実は友情映画でもある。でも死んでも工作員にはなりたくないわ。

「ハンター・キラー」は使命を帯びてロシア海域に潜入したアメリカ海軍原子力潜水艦のアクション物。見ている方もつい息を詰めて見てしまうせいか潜水艦ものには独特な緊張感があるけど、次から次と場面が切り替わっても緊張感が途切れない。突っ込みどころも結構あるけど、もし続編があったら見てみたい。

まったく期待しないで見た「アルキメデスの大戦」だったけど、日本の戦争映画にありがちな泥臭さはやっぱりあるものの、いかに数字と論理を使ってダメ戦艦の建造を阻止するのか、サスペンスミステリとして面白かった。ライバルが提示する戦艦建造経費がいかにデタラメかを暴くのがメインなので、法廷劇とかビジネスドラマ風味もあるけど(でも数字で物語を突き詰めた描写がもっとあったらもっとよかったけど)菅田将暉と柄本佑、菅田将暉と田中泯という対照的な2人の描写もよかった。ではなぜ、結局大和は作られてしまったのかというラストは戦争映画っぽい。泣かせに走らない音楽もまたいい。なお、会社のクールビューティな社長秘書Sさんとこの作品について話して、 私が「(菅田将暉が)変人変人って言っても友達や会社の人とか見ても、あんなのはまだまだ変人レベルが足りないよ。それに何だかんだ言ってもお嬢様と仲良くなっているんだから十分パリピじゃん?」 と言うと、Sさんは「もうね、顔が菅田将暉な時点で、変人設定なんか吹き飛んでますよ。これはキャスティングミスですよ」 と。映画「アルキメデスの大戦」、実はキャスティングミス説(笑)。

「RBG 最強の85才」のRBGとは、アメリカで85歳で現役の最高裁判所判事を務める女性ルース・ベイダー・ギンズバーグの事。ちょうどTVでトランプ大統領に抵抗する最強の最高裁女性判事と聞いたばかりで、ババァ萌えとしても見逃す訳にはいかない(笑)。彼女は女性差別に対してだけ闘ってきたのではない。法の下の平等の実現は女性だけでなく男性だけでなく全ての人々の未来を拓く。敢えての反対を貫く姿勢が凄い。でもこの日本版ポスターはひどい。「妻として、母として、そして働く女性としてー」って。そりゃ妻の部分や母の部分の描写もあるけど、それはメインでは全くない。このポスターを作った人はこの映画を観ていないのか??

「新聞記者」は最初、女性新聞記者役のシム・ウンギョンがちょっと棒読みっぽいというか非常に素人っぽいので本物の新聞記者の人をキャストしたのか?と思ったのだけど、知らない女優さんなので先入観なく見ることができて、物語が進むにつれてこの素人っぽさがものすごくリアルに感じられてくる(←韓国では実力派の女優さんらしいのに非常に失礼だけど)。しかも、ここまで政府のことを悪役に描いて大丈夫なの?と思うくらいかなり徹底的に描いていて心配になるくらいだった。

「記者たち」もまた、イラク戦争の大義名分となった大量破壊兵器の存在に疑問を持ち、真実を追い続けた記者たちの奮闘を描いた実録映画で、同じ日に見たのが、9・11後のアメリカをイラク戦争へと導いたとされるチェイニー副大統領をモデルにした「バイス」だったので、裏表というか、非常に対照的な二つの作品で面白かった。「記者たち」では、イラク戦争勃発時に大量破壊兵器はないと伝え続けた記者達の仕事ぶりやそれぞれの生活はそれほどドラマチックには描かれない。"真実"はどこにあるのか?追求する記者たちの姿が淡々と描かれ、メディアから流される情報や政府発表が畳み掛けるように並行して描かれる。それに対して「バイス」の方は肉食系で油ギトギトで戯画的というか漫画的で、時系列入り乱れでブラックジョーク満載。こちらも面白かったけど存命の実在人物をここまで描いちゃっていいのか?

「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」、図書館は本を貸し出しするだけの場所ではない。舞台裏や様々な理由で図書館に集う人々を見せてくれるドキュメンタリーで、図書館が地域と共に生きる姿や、司書(スタッフ)が未来に残すべき情報は何か論じたり予算に苦心してたり、様々な人種、多様な人々と取り組む問題は本当に多い。ちと長いけど面白かった。

「トイ・ストーリー4」は見るかどうか迷った作品。「トイ・ストーリー3」がシリーズ物完結編として実に幸せなラストだっただけに、その後の話なんて余計なだけなんじゃないのか?と思ったのだけど、初期の「スターウォーズ」のような冒険ストーリーの中で「自分は一体何者なのか?おもちゃの幸せとは?」が問われ続け、思いがけずも面白かった。3までが子供達に選ばれるおもちゃたちの物語なら、4は自分たちから(おもちゃの方から)子供達に関わろうとし、自分の生き方を探し求めるのが実に現代的。これは続編というより別の分岐エンディングのような話だった。

アメコミには全く興味がないので基本的に見ないのだが、そして見ていないので新作が出ても話がチンプンカンプンなのだが、「スパイダーマン スパイダーバース」は実に画期的な作品で面白かった。これは漫画であることを最大限に生かしたと言うか、漫画であることを逆手にとって見せている作品と言うか。しかも同名の作品がシリーズ物として長く長く描かれているので様々なバージョンのスパイダーマン、様々な並行世界のスパイダーマンが次々と出てくるのも面白い。

「イエスタデイ」は世界規模の瞬間的な大停電が発生した瞬間に交通事故に遭った主人公が目を覚ますと、「ザ・ビートルズ」が存在しない世界になっていたというお話。主人公がビートルズの曲を発表し続けることでどんどん有名になっていくのだけれど、ビートルズがあそこまで有名になったのは曲のせいばかりではない。彼らが生きた時代もあったし、彼らの行動や発言やファッション、そして彼らをマネジメントした人物の力も大きいので、ビートルズの曲を歌っただけでヒットするわけじゃないとは思う。また、設定の謎を追求する話かと思いきやそっち方面のミステリ要素はなく、意外と恋愛コメディ的だった。おまけに主人公がビートルズをそんなにも再現しきれていないのでちと物足りないというか、「やっぱりビートルズの曲はビートルズで聞きたいよな?」と思ってしまったけど、でもラスト近くに出てくる"あのヒト"の姿には、やはりグッときます。

そして「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」ですよ。うーむ。「スターウォーズ」をそれほど好きでもないのに毎回、全作公開直後に映画館で見続けた私の話は長くなるので置いておいて(笑)。なるほど、というか、エピソード4〜6の韻を踏んでいるというか、はたまたスターウォーズオールスターズというか。色々と盛り込んであるんだけど、途中(プロセス)をちゃんと描かずにポイントポイントの出来事を見せているので、どのエピソードも「は?なんで?いきなりそれ?私、なんか見逃している??」という事が非常に多い。そして物語の展開的にはサプライズは何もないも同然。

私はSWではエピソード4の前日譚である「ローグ・ワン」と非常に評判が悪かった前作(エピソード8)の「最後のジェダイ」が面白かったと思っているので、まあ、今回は残念っちゃあ残念だったかも。「ローグ・ワン」はジェダイでもなんでもない名もなき人々が世界を救うために戦う物語で、夢のようなフォースは出てこないし、犬死にっちゃあ犬死なんだけど、彼らの戦いがあったからこそ一時的にでも平和に近づく事が出来たと言う事がすごく説得力あるドラマになっていて面白かったんですよ。そしてエピソード8の「最後のジェダイ」は、もうツッコミどころが満載だし、お話もスカスカだし、こっちも色々無駄に飛ばしすぎなんだけど、でも宇宙を救うのはフォースを持つ血筋の人たちばかりではなく、希望を持てば誰でも戦士になれるのだと言うことをほんのりと描写していて、今までにない新しいスターウォーズを描いていたのではないかと思ったんですよね。

それに引き換え今回のエピソード9は、結局はフォースを持つ血筋の人たちのお話っつうかね、やっぱお姫様ストーリーが鉄板なディズニーだよねっつーか、はたまたセンス・オブ・ワンダーがないっつうかさー。ちょっとだけスケールが大きい「想定内の話」になっているような気がするんですよ。もしかすると年取ったせいでこういう壮大な宇宙のお伽噺にワクワク出来なくなっているのかもしれないけど、まあ、長かった私の宿題の旅も、これでやっと終わったので無問題です。

さて、今月中になんとか、「カツベン!」と「2人のローマ教皇」だけでも見たいけど、せっかくシニア料金で映画をお安く見られるようになったのに、消費増税のせいでちょっとお高くなってしまったのが残念。でも今年も、あちこち見に行きますよん。
テーマ:映画感想
ジャンル:映画