今年も6月6日がやってきました。そう、映画「ハゲタカ」(2009年、東宝)の公開記念日です。去年、10年を区切りとしてもうそろそろ公開記念日特集はやらないとかなんとか書いたような気もするし、なんたってもう11年目ですから今年はスルーしようかと思っていたんですが。先日、我らが政彦ぼっちゃま(鷲津政彦:大森南朋・演)のじいやこと中延さんの中の人、志賀廣太郎さんがお亡くなりになってしまったんですよ……。

志賀廣太郎さん死去 “遅咲きの名脇役”昨年4月に脳梗塞、復帰かなわず…
・「俳優の志賀廣太郎さん死去 「三匹のおっさん」など出演」(2020/4/30、朝日新聞
・「志賀廣太郎さん死去 “遅咲きの名脇役”昨年4月に脳梗塞、復帰かなわず…」(2020/5/1、スポニチ

体調を崩されて舞台やドラマの撮影を降りられたときいてからずっと心配してましたが、中延じいやがとうとう……(泣)。せっかく鷲津が焼け野原から戻ってきてもじいやがいないなんて、なんてことだーーーー。政彦だって、ないちゃうぞ!……想像できないけど。

ドラマ「ハゲタカ」
ではここでドラマ「ハゲタカ」(2007年、NHK土曜ドラマ)と映画「ハゲタカ」の中延さんを偲んでみましょう。なお、原作「ハゲタカ」(真山仁)の中延さんはドラマと同じく不動産のエキスパートという設定ですが、じいや感はゼロ。つーか、じいや感はドラマが進むにつれてにじみ出てきちゃったのね。

ドラマ「ハゲタカ」 ドラマ「ハゲタカ」
左はドラマ第1話の会議場面、キリッとしています。その後はアラン(ティム)と一緒に鷲津をサポート。でもデューデリとはいえ池袋のラブホに行ったり、ライバルの三葉銀行との勝負に勝つためにサウナで怪しい会話をしたりして、前半はまだじいやと言うよりは結構オヤジ感の方が強め。

ドラマ「ハゲタカ」 ドラマ「ハゲタカ」
やっぱり鷲津に三島製作所についてこっそり調べて、とか言われて調べてみたら鷲津のトラウマな過去が見えてきちゃったあたりから、じいや感がマシマシですよね。第5話ではこんな会話をしたりして、
中延「本当に、大丈夫ですか?これからやろうとしている事はホライズン本社への重大な裏切り行為になります。相当危ない橋を渡ることになりますが」
鷲津「……覚悟の上です」
あんた(鷲津)が覚悟しているのはいいけど中延さんが巻き込まれてるんだから、バレたら中延さんだってヤバいよ、鷲津!そして最終回では三島製作所にいく鷲津に付き添って「ようやくですね」なんて声掛けして見送るじいや。でもちょっと心配そう(笑)。

映画「ハゲタカ」
そして2年後、映画で戻ってきた鷲津と中延さん、中延さんのじいや感は半端ないです(笑)

さて、私にとって志賀廣太郎さんと言えば「ハゲタカ」の中延さんですが、長くサブの役者さんとしてご活躍されていたので出演作も結構多いです。でも訃報を聞くまで俳優になる前は演劇科の先生だったなんて知らなかったよ。Wikipediaを見る限りでは、「大学では演技の他に狂言、日舞、バレエ、体操などを学」び、「素晴らしいと思える先生に多数出会ったことから大学に残ることを決め」、ドイツの専門学校で「演技の基礎と考えていた体操を1年近く学び、あちこち移動した後、ウィーンで日本人補習授業校の小中学生の国語教師を務め」、帰国してから「母校の演劇科にて非常勤講師を務め」、40前に見たお芝居を学校の「教材としての使用を申し出る。しかし同時に自分が演じていない台本を学生に教えられないという思いが生じ、酔った勢いで平田に「次の舞台に出たい」と言ったところ出演が決まり、1990年、41歳で」デビュー、ってそうとう理屈っぽいんだか、やると決めたら突っ走るんだかよくわからない。

志賀さん、2019年NHK大河ドラマ「いだてん」でも春野先生役(スヤさん(綾瀬はるか)のお父さん役。つうことは四三(中村勘九郎)の義父役)を予定していましたが、体調不良のため降板しています(涙)。代役はドラマ「ハゲタカ」では芝野先輩(柴田恭兵)の同僚役だった佐戸井けん太さん。

・「志賀廣太郎、19年大河『いだてん』体調不良で降板 代役は佐戸井けん太」 (2018/4/26、ORICON NEWS

その前に「きのう何食べた?」(2019年、テレビ東京)でシロさん(西島秀俊)の父親役で出演していましたが、5話まで出演してやはり降板しています。

・「志賀廣太郎 テレ東「きのう何食べた?」を降板 脳梗塞のため緊急手術」(2019/4/9、スポニチ

あー、そういえば思い出したくもないけど2018年のテレビ朝日版「ハゲタカ」では、中延さん役はNHK版「ハゲタカ」で遠山弁護士役を演じた光石研さんでした。

とても寂しい6月6日になってしまったけど、志賀廣太郎さんのご冥福をお祈りいたします。
テーマ:テレビドラマ
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