昨年に引き続き今年も前年に見た映画についてちょいと書き残しておきます。なお、昨年までの記事はこちら。

2020年に見た映画」(2021年1月2日)
2019年に見た映画」(2020年1月3日)
2018年に見た映画」(2019年1月10日)
2017年に見た映画」(2018年2月28日)
2016年に見た映画」(2017年1月15日)

私が2021年に映画館で観た映画は以下の作品。

2021/02/18 映画「KCIA 南山の部長たち」
2021/03/04 映画「すばらしき世界」
2021/03/04 映画「世界で一番しあわせな食堂」
2021/03/11 映画「あのこは貴族」
2021/03/11 映画「ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実」
2021/03/26 映画「グエムル-漢江の怪物-」
2021/04/07 映画「騙し絵の牙」
2021/04/14 映画「JUNK HEAD」
2021/04/23 映画「るろうに剣心 最終章 final」
2021/05/14 映画「ブックセラーズ」
2021/06/10 映画「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」
2021/06/25 映画「王の願い ハングルの始まり」
2021/07/08 映画「ヒノマルソウル」
2021/07/08 映画「ファーザー」
2021/07/17 映画「サムジンカンパニー 1995」
2021/07/17 映画「竜とそばかすの姫」
2021/08/23 映画「サマーフィルムにのって」
2021/08/23 映画「フリー・ガイ」
2021/10/07 映画「クーリエ:最高機密の運び屋」
2021/10/28 映画「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」
2021/11/03 映画「モーリタニアン 黒塗りの記録」
2021/11/05 映画「DUNE/デューン 砂の惑星」
2021/11/22 映画「劇場版 きのう何食べた?」
2021/12/23 映画「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」
2021/12/23 映画「老後の資金がありません!」

以上25本。

2021年の東京都の緊急事態宣言期間は
2回目:2021/01/08(金)~03/21(日)
3回目:2021/04/25(日)~06/20(日)
4回目:2021/07/12(月)~09/30(木)
と、超細切れながらも結構期間は長かったけど、2021年は2020年と違って映画館も図書館も他各種公共施設も開いていたので(公立公園はほとんど閉鎖されていたので花見は出来なかったけど)映画はそこそこ見ることができました。でも2021年のヒット映画は「鬼滅の刃」も「花束みたいな恋をした」も「シン・エヴァンゲリオン」も見ていないという地味な作品鑑賞歴。この中でベストはどれか?と言われたら、どれもそれなりに面白かったけどコレ!という1本はないかも。

2021年に見た映画

「劇場版 きのう何食べた?」
よしながふみの漫画作品「きのう何食べた?」のTVドラマ化作品(2019年、テレビ東京)の続編的劇場版作品。原作もドラマも見ていて面白いし好きだし、ドラマ作品はとても幸せな漫画原作の映像化作品だと思うけど、何もわざわざ映画館で見なくてもいいかな?と思いつつ鑑賞。でもいつもの何気ない日常とクスリと笑えるエピソードの数々を見ていると気にならなかった。大きく派手な山はないけど家族とは何か、大事な人の幸せとは?を描いていて、見てて幸せになる作品でした。

「DUNE/デューン 砂の惑星」
原作は1965年発表のフランク・ハーバートのSF「デューン 砂の惑星」、石ノ森章太郎版表紙の文庫本を大学時代に読んだけど、当時はこれってSFなのかなあ?と思った記憶がある。1984年公開のデビッド・リンチ版も大昔に見たけど、こちらは微塵も記憶にない。この原作の映画化に至るまでの紆余曲折エピソードをラジオでやっていて面白かった(アフター5ジャンクション「特集:『DUNE/砂の惑星』をより楽しむための『DUNE』一夜漬け特集! by 添野知生 さん」)。遅めの昼食後に見たので途中で寝ちゃうかなと思ったけどそんな事はなく、久しぶりにSFらしいSFを観たような感じだった。でもこれ原作の世界観をある程度わかってないとツラいのでは?世界観はずっしりと重く暗く、砂漠の中での生活や戦いが描かれるので楽しい訳ではないけど、面白かったし次も見てみたい。

「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」
コロナ禍で公開が何度も延期された007、ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド最終作、こうなるんじゃないかなと思った通りの最後で、こういう終わり方は私は好きではないけどそれは置いておいて、やっぱり007の型破りな型通りの面白さってあるよなー。待ってました!という感じ。最初はイギリス人というよりロシア系では?と思ったもんだったけど、これで最後となるとやっぱりちと寂しい。

「クーリエ:最高機密の運び屋」
予備知識なくスパイ物?と何となく見てみたらキューバ危機時(1962年)の裏側の実話ベースの話。派手なアクションもなく地味な展開なのに、そして結果を知っているのに、途中から緊迫感半端ないせいか見終わった後に肩こりがひどいw 男達の深い友情の物語でもある。面白かった。

「フリーガイ」
ゲーム世界の中の平凡なモブキャラが自我に目覚めて世界を救うというAI成長譚で、おバカだけど自分は一体何者なのかという問いなど思っていたよりも格段に深い。ネトゲをやった事が無いので色々わからないけどバックアップはどうなってるの?とか思うものの結構面白かった。

「サマーフィルムにのって」
「時代劇映画に夢中な女子高生が未来からやってきた武士役のイメージにぴったりの少年に出会い、彼が出演する傑作時代劇を作ろうと奔走する姿を描く」(Wikipediaより)
2021年7月期ドラマ「お耳にあいましたら」の伊藤万理華がよかったので見てみたけど、お耳以上に好きなものを好きと思い切り語りたい、好きを形にして伝えたい、という気持ちが突っ走っていたり、アニメ版「映像研には手を出すな」味もあり(ちょっとアマチュア映画っぽいのはわざとかな)ぎゅっと身が詰まった青春映画で面白かった。

「竜とそばかすの姫」(アニメ)
「50億人以上が集うインターネット仮想世界〈U〉と出会った女子高生を主人公とした物語。歌姫のベルというアバターで〈U〉に参加し、その歌声でたちまち世界に注目される存在になっていく一方で、忌み嫌われる竜の姿をした謎の存在と出会うさまが描かれる」(Wikipediaより)
お話がというか、多分脚本がツッコミどころ満載だし、色々説明不足だし、仮想空間"U"で他のAs(アバター)は何して楽しんでるの?(仮想空間と言っても結構日常と変わらない事やっているような気もするけど)とか思うけど、何よりも主人公すず/ベルの歌と歌から広がる世界がよかった。

「サムジンカンパニー1995」
お茶汲み要員の女性社員達が会社の環境汚染隠蔽と闘う韓国の実話ベースの物語。マンガ的に描かれる場面は笑えるので軽めの話かと思いきや筋の通ったサスペンス社会派ドラマであり、次から次へとどんでん返しがあり痛快なラストになだれ込んで面白かった。

「ファーザー」
「日本を含め世界30カ国以上で上演された舞台「Le Pere 父」を基に、老いによる喪失と親子の揺れる絆を、記憶と時間が混迷していく父親の視点から描き出す」(映画.com)
認知症の80歳の父視点で描かれるので誰が誰だか分からなくなったり、過去と現在の光景が今として見えているので混乱したりでミステリーっぽいと思ったけど、自分もやがてこんな風に訳分からなくなるのかと思うとホラーだった。ラストで父親が子供のようになるのは幸せな事なのかもしれない。そしてアンソニー・ホプキンスは確かにすごいんだけど(娘役のオリビア・コールマンもすごい)アカデミー賞審査員も身につまされたのもあるのでは?と思ったり。

「JUNK HEAD」(ストップモーションアニメ)
遥かな未来、腐海よりも絶望的で、蟲よりも凶暴な生き物に襲われる地下世界、人類再生のため旅を続ける主人公、不死の地上人類と違って死が常に隣り合わせな自我に目覚めた人工生命体マリガン達、残虐な描写の合間のユーモア、何もかも凄いけど、これを一人でストップモーションアニメで作り上げたと言うのが一番怖え。

「騙し絵の牙」
「出版業界を舞台に、廃刊の危機に立たされた雑誌編集長が、裏切りや陰謀が渦巻く中、起死回生のために大胆な奇策に打って出る姿を描く」(映画.com)
今の出版業界や書店にこの作品で描かれているような、それだけの力はあるのか?というのは置いておいて、出てくる一癖も二癖もあるキャラも役者達も楽しく次の局面で次々と駒がひっくり返ってゆく展開も面白かった。でも騙すって割と悪意が含まれているからこのお話的には騙し合いバトルというのはちょっと違うような気がするけど。

「グエムル -漢江の怪物-」
2006年の公開当時に韓国発の怪獣映画と聞いて興味がありつつ見逃してずっと気になっていたけど、やっと映画館で見ることができました。監督は「パラサイト」「殺人の追憶」のポン・ジュノ。「パラサイト」みたいなサスペンスも家族の絆もホラー味もお笑い要素も何もかも全部載せのジェットコースターで、最後までどうなるのか全くわからなかった。そしてあの静かなラスト、よかった。ポン・ジュノって「パラサイト」も「グエムル」も「殺人の追憶」もラストが重いけど静かで素晴らしい。

「あのこは貴族」
「山内マリコの同名小説を原作に、同じ都会に暮らしながら全く異なる生き方をする2人の女性が自分の人生を切り開こうとする姿を描いた人間ドラマ」(映画.com)
ささやかな差異からそれぞれ生きている世界が違う事を見せられるけど、違う世界で生きている二人が直接出会う場面はそんなにない。この二人を結びつけるのは良いお家のおぼっちゃまだけど、二人が一人の男を巡って火花を散らすようなことはないのもいい。それぞれが苦しみながらも新しい一歩を踏み出す。これは幸せなシスターフット映画でもあった。

「すばらしき世界」
「直木賞作家・佐木隆三が実在の人物をモデルにつづった小説「身分帳」を原案に、舞台を原作から約35年後の現代に置き換え、人生の大半を裏社会と刑務所で過ごした男の再出発の日々を描く」(映画.com)
いやー、もう、何というか、この世界で「普通」に生きるってなんと難しい事か。そしてザ役所広司の凄さ。青い空が広がるラストは主人公・三上の視点で、そしてそこに映し出される文字は三上のモノローグなのか、それとも他の人物やこの作品を見る人の疑問なのか。面白かった。

「KCIA 南山の部長たち」
「1979年に韓国の朴正煕大統領が中央情報部部長キム・ジェギュに暗殺された実話を基に映画化した実録サスペンス」(映画.com)
韓国映画はいつも俳優の区別がつかないので今回もキム部長(イ・ビョンホン)とパク部長(クァク・ドウォン)以外のおっさん達が最後近くまで区別がつかなかったけど面白かった。有能な部下が理不尽な扱いを受けた挙句、暴走した主君を討つ。つい2020年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる 」を思い出しちゃうけど。イ・ビョンホン出演作品では「王になった男」(2012年)が好きなんだけど、この作品ではイケメンオーラを消し去っていてなかなかでした。

この中では、、、「KCIA 南山の部長たち」か「DUNE/デューン 砂の惑星」、「クーリエ:最高機密の運び屋」辺りかなあ。全体的に結構実話ベースの作品を多く観ているような気もするけど。

私も普通に家で映画を見る事ができたらもっと鑑賞本数も増えるんだろうけど、家だと全く集中して見られないので、やっぱり映画は今年も映画館に観に行きます。
テーマ:映画感想
ジャンル:映画
今年も自分のボケ防止と記録を兼ねて2021年の連続ドラマを振り返ってみます。今までの記事はこちら。なお単発ドラマ、昼帯はほとんど見ていません。配信ドラマは全く見ていません。しかしこの間テレビのインタビューを見てたら、若い人はテレビで放映されるドラマをほとんど見ないそうですね。配信ドラマを自分が見たい時に見るし、テレビオンエア作品でもリアルタイムや録画ではなくTverとかの配信系で見るとか。視聴率だって昔は世帯視聴率だけだったけど今は世帯視聴率、個人視聴率、タイムシフト視聴率と分かれているし。今やリアルタイムでテレビでテレビドラマを見るのは年寄りの趣味なのかも。

2020年のテレビドラマ」(2021年1月6日)
2019年のテレビドラマ」(2020年1月5日)
2018年のテレビドラマ」(2019年1月3日)
2017年のテレビドラマ」(2018年1月6日)
2016年のテレビドラマ」(2017年1月3日)
2015年のテレビドラマ」(2016年1月3日)
2014年のテレビドラマ」(2015年1月4日)
2013年のテレビドラマ」(2014年1月5日)

2021年は2020年ほどではないけど、やっぱりコロナ禍の影響は大きかったですね。何よりも本来なら2020年に開催予定だった東京オリンピックが2021年夏に延期開催されたせいで、各ドラマ放送回数が変則的な物になり、前年度大河「麒麟がくる」もコロナ禍による撮影・放送中止期間があったために最終回が2021年の2月になり、2021年の大河「晴天を衝け」の開始日が大幅に遅れ2月開始、なおかつオリンピックが1年順延されたためにその分の放送回も削られ、結局全放送話数は41回でした。

大昔の大河「黄金の日日」(1978年)なら全51回、「独眼竜政宗」(1987年)で全50回、年末に3年にわたってSPドラマ「坂の上の雲」(2009年~2011年)が放映された時でさえも、「天地人」全47回、「龍馬伝」全48回、「江」全46回だったというのに。ちなみに他国開催のオリンピックがあった年は2012年「平清盛」も2016年「真田丸」も放送回数は全50回。つくづくアンラッキー。つか、2020年の大河「麒麟がくる」の脚本が池端俊策御大、そして2022年の大河「鎌倉殿の13人」の脚本はもはや大御所の三谷幸喜に挟まれて、もしかして調整可能だったのは大森美香脚本の「晴天を衝け」しかないという大人の事情だったんじゃないの?とか思ったり。

他にも2021年秋ドラマで放送された日テレ「2月の勝者」とテレ東「らせんの迷宮~DNA科学捜査~」は2020年4月放送予定だったのが1年半経ってやっと放送されたようで、「らせんの迷宮」が全7話で終わったのも2020年のコロナ禍による撮影中止期間明け後に撮影再開しようにもキャストのスケジュールの調整がつかなかったのでは?とか思っちゃうよな。

さて2021年のテレビドラマ、例によってランキングサイトから頂いた平均視聴率ドラマは以下の通り(大河ドラマと朝ドラと2クール以上連続ドラマとテレビ東京のドラマがない模様)。

01. テレビ朝日 木21 「ドクターX」 (16.47%)
02. TBS 日21 「日本沈没」 (15.77%)
03. TBS 日21 「天国と地獄」 (15.47%)
04. TBS 日21 「ドラゴン桜」 (14.95%)
05. TBS 日21 「TOKYO MER」 (13.77%)
06. フジテレビ 月21 「イチケイのカラス」 (12.59%)
07. テレビ朝日 木21 「緊急取調室」 (12.18%)
08. フジテレビ 月21 「監察医 朝顔」 (11.96%)
09. TBS 火22 「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」 (11.63%)
10. 日本テレビ 水22 「ハコヅメ」 (11.39%)
11. フジテレビ 月21 「ナイトドクター」 (11.19%)
12. テレビ朝日 木21 「にじいろカルテ」 (11.03%)
13. フジテレビ 月21 「ラジエーションハウスII」 (10.72%)
14. テレビ朝日 木21 「桜の塔」 (10.42%)
15. TBS 火22 「婚姻届に判を捺しただけですが」 (9.95%)
16. 日本テレビ 土22 「レッドアイズ」 (9.84%)
17. TBS 金22 「俺の家の話」 (9.29%)
18. TBS 金22 「リコカツ」 (9.05%)
19. 日本テレビ 土22 「ボイスⅡ」 (8.87%)
20. 日本テレビ 水22 「恋です!」 (8.73%)
21. TBS 金22 「最愛」 (8.70%)
22. 日本テレビ 水22 「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」 (8.66%)
23. フジテレビ 月22 「アバランチ」 (8.61%)
24. フジテレビ 火21 「青のSP」 (8.58%)
25. 日本テレビ 日22 「ネメシス」 (8.55%)
26. 日本テレビ 水22 「恋はDeepに」 (8.37%)
27. TBS 火22 「着飾る恋には理由があって」 (7.99%)
28. TBS 火22 「プロミス・シンデレラ」 (7.92%)
29. 日本テレビ 日22 「君と世界が終わる日に」 (7.77%)
30. 日本テレビ 土22 「コントが始まる」 (7.58%)

うーむ。「ドクターX」は毎回常連だけど、「日本沈没」はいろいろ微妙だな(後述)。「天国と地獄」「ハコヅメ」は普通にとても面白かったです。「イチケイのカラス」も楽しめましたが何から何まで「HERO」味がありすぎるんですよね。「ドラゴン桜」はここ数年のTBS日曜劇場の悪い癖が出ていて、あちこちで「半沢直樹」チックなところが目について何だかなーでした。「おかえりモネ」の坂口健太郎が良かったので「婚姻届に判を捺しただけですが」 も見てみましたが、「#俺たちの菅波」がいないのは当然として(笑)、お話が非常に古いというか昭和みたいでした。「恋です! ~ヤンキー君と白杖ガール~」は第1回だけ見ました。障がい者を描くということに対して非常に丁寧に細やかに神経を使っていて、なおかつ障がい者の日常が想像できない私のような人間にもわかりやすい(説明)描写になっていて、それでいてラブコメとしては楽しそうでした。まああまり趣味じゃないので2話以降は見ていないですが。

2021年のTVドラマ

そんなこんなで私的2021テレビドラマは以下の通り。例によってランキングではなくグループ分けです。1、2回観たドラマは結構ありましたが、一応最終回まで全話見たもので。

<第1グループ>
4月、火曜21時フジテレビ「大豆田とわ子と三人の元夫」
7月、水曜22時日本テレビ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」
4月、土曜21時NHK総合「今ここにある危機とぼくの好感度について」

<第2グループ>
1月、日曜21時TBS「天国と地獄 ~サイコな2人~」
5月、月曜23時6分テレビ東京「シェフは名探偵」
10月、金曜22時TBS 「最愛」
10月、土曜22時日本テレビ「二月の勝者-絶対合格の教室-」
1月、金曜22時TBS「俺の家の話」
4月、土曜夜22時日本テレビ「コントが始まる」
1月、日曜夜20時NHK総合 「麒麟がくる」
2月、日曜夜20時NHK総合 「青天を衝け」
5月、帯8時NHK総合「おかえりモネ」

<第3グループ>
6月、日曜22時NHKBSP「ライオンのおやつ」
7月、木曜24時30分テレビ東京「お耳に合いましたら。」
4月、金曜22時NHK総合「半径5メートル」
4月、月曜21時フジテレビ系「イチケイのカラス」
4月、金曜24時12分テレビ東京「生きるとか死ぬとか父親とか」
7月、水曜25時10分テレビ東京「八月は夜のバッティングセンターで。」
7月、木曜21時テレビ朝日「緊急取調室 第4シーズン」
10月、金曜23時15分テレビ朝日 「和田家の男たち」
1月、土曜23時30分NHK総合「ここは今から倫理です。」

<第4グループ>
1月、土曜23時40分フジテレビ「その女、ジルバ」
4月、月曜23時6分テレビ東京「珈琲いかがでしょう」
9月、金曜22時NHK総合 「ドラマ10 オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」

<第5グループ>
8月、土曜23時40分フジテレビ「准教授・高槻彰良の推察」
7月、日曜21時TBS「日曜劇場 TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」
1月、金曜深夜24時12分テレビ東京「ドラマ24 バイプレイヤーズ〜名脇役の森の100日間〜」
4月、金曜22時TBS「金曜ドラマ リコカツ」
9月、土曜21時NHK総合 「土曜ドラマ 正義の天秤」
10月、日曜21時TBS 「日曜劇場 日本沈没ー希望のひとー」

第1グループのドラマは2021年、文句なく面白かったです。「大豆田とわ子と三人の元夫」はとにかくとわ子と3人の夫たちとの日常と会話が面白かったし、とわ子が3回も結婚した割には彼女の魅力が性的魅力ではないところもいい(笑)。毎回変わるエンディング曲も良かったし、最終回のとわ子の母のエピソードにも驚いたし、結局特に何事もなく終わったのも良かった(会社を乗っ取られるとか、大親友がいきなり死んでしまうのに肝心なところが意図的に全く描写されないとか、結婚詐欺師やセクハラパワハラ男に出会うとか、"一般的な"大事件はたくさん起こっていたはずなのに!)。「ハコヅメ」は知らないリアルを本当に面白く見せてくれたし、各キャラもとても魅力的。このドラマもキャラの会話が面白かった。これは原作も連載中だしドラマ最終回の感じから言って続編はいくらでもありなので(有能すぎるハコ長のムロツヨシの謎とか)是非とも続編希望!「今ここにある危機とぼくの好感度について」はさすが脚本・渡辺あや、全5話と言わず、まだまだ見たかった。

第2グループ、「天国と地獄」は今どき入れ替わりネタかよ、と思っていたらどんどん予想を裏切る展開になって毎回次がどうなるのか楽しみでした。「シェフは名探偵」はささやかな日常の謎解きだけど、毎回楽しく安心して見ていられるし、これまたビストロ・パ・マルの各メンバーがすごくいい。これは原作も読んでみたくなりました。「最愛」は登場人物それぞれの"愛する人を守りたい”という思いが複雑に絡まって事態をややこしく見えなくしているのが面白かったし、最終回の二人の男たちの余韻が残る会話がよかったです。「二月の勝者」は中学お受験ネタのドラマだけどゲーム感覚で見られて面白かった。「俺の家の話」と「コントが始まる」はどちらもすごいドラマだと思うんだけど、面白かったかどうかがいまだによくわからない。でも「俺の家の話」の最終回はやられた感があるよね。そう来るかよ!もう根底からいろんなことがひっくり返る展開で驚きました。長瀬智也、もうテレビドラマの世界に戻ってこないのかなあ。「タイガー&ドラゴン」(落語の世界と現実の物語を行き来する長瀬智也と岡田准一、ラストも良かった)や「マイ★ボス マイ★ヒーロー」(あの超絶おバカでピュアな御曹司は長瀬ならではだよ)、「ビッグマネー!」「泣くな、はらちゃん」「クロコーチ」他色々、良かったし好きなんだけど。

第3グループ、「半径5メートル」は地味だけどメディアの様々な問題をしっかりと描いた社会派ドラマ、「ライオンのおやつ」はホスピスの人々をひっそりと描いているんだけど、登場人物たちの死をこれほど丁寧に描いたドラマってないのでは?「お耳に合いましたら。」は主人公(伊藤万理華)が好きなものを好きと宣言して毎回その愛を語りまくる話、伊藤万理華が地味でオタク寄りのキャラだと思っていたら元乃木坂46と聞いて超びっくり。 「和田家の男たち」は和田家の男たちが仕事するそれぞれのメディア(新聞、テレビ、ネットニュース)の問題とかも描いていたけど、何も考えずに見れて良かったです。ラストは納得できるようなオチではないけど(相葉君が売れっ子作家になるのはともかく)現実的だなと思いました。しかもコロナがある日常をごく普通に(取り立ててどうこう言う事もなく)描いているのもよかったです。「ここは今から倫理です。」はちらっと見た原作の先生のキャラがすごく薄気味悪いのでドラマ見るのもどうかと思っていましたが、ドラマでは山田裕貴が「ハコヅメ」とは真逆のキャラを演じていて、しかもNHKでしかできないよなあというような色々考えさせられるドラマになっていました。

さて、第4グループをすっ飛ばして第5グループの「日本沈没」ですよ。一体、なぜ今「日本沈没」で、そしてこの「日本沈没」で一体何を描きたかったのだろうか。そりゃ私は1973年版映画「日本沈没」のファンなので多少厳しい見方をしてしまいますが、物には限度っつーものがあるでしょうよ。確かに今現在日本が沈没するかもしれないとなったら、描かれていたように政府関係者や官僚は会議ばかりやっている事もあるだろうし、学者同士の足の引っ張り合いやデータ捏造もあるかもしれない。国家間の駆け引きも実際にああいうようなやりとりはあるかもしれないので、今のリアルを描くならこういう場面もアリかもしれない。でもそれを全く効果的に描いてないし、何よりも「一つの国が丸ごと驚天動地の大災害に遭う」「一つの国が沈み、その文化や歴史や遺物が失われてしまう」「当たり前のように存在して日々生活していた土地を追われ、友や家族と別れ、二度と戻ることがかなわない」という部分での描写が非常に少なく、そのくせ取ってつけたような無駄な描写が多く、なおかつ微塵も説得力がなかった。

「日本沈没」については言いたいことありすぎで、年末年始に北海道に帰省してこの記事を書き始めてからずっとあれこれ文句を書いていたのですが、長くなるばかりでいつまで経っても終わらなくて(笑)毎年書いてきた前年見た映画の話や前年の墓碑銘とかの記事も進まないので、もうざっくり削除しました(ついでに大河ドラマ「晴天を衝け」と朝ドラ「おかえりモネ」についても長めに書いていた感想を勢いでうっかり消しちゃってとほほだけど)。今、「日本沈没」をドラマ化するなら物理的考証と複雑な今の世界の動きをどう描くか、そして自ら発信メディアを持っている普通の人々の描写が一番難しいだろうと思いました。このドラマの地震関連監修の山岡耕春氏の記事が公式サイトに載っていますが(「地震学者、山岡耕春氏が作品をバックアップ!日曜劇場『日本沈没―希望のひと―』」)、2021年10月9日)監修の中の人も大変だった模様。

「そもそも日本が沈没することはあり得ないのですが、その上で”日本沈没の原因を温暖化にしたい”と言われたときは非常に困りました。気候変動と地震活動は基本的に関係がないというのが我々の常識なので、もっともらしい設定を作るためにはどうしたらいいのか、頭が痛かったですね。作品は沈没の危機に立ち向かう人々の話なので、設定が荒唐無稽になって作品の邪魔にならないように、ある程度科学的にリアルな部分も取り入れています。(中略)もっともらしい設定を作るためにはどうしたらいいか、頭が痛かった」


率直ううぅ!最初から日本沈没は気候変動のせいという設定ありき。今、気候変動は全世界が真剣に取り組まなくてはならない大問題となっているもんね。こういう姿勢だから最終回に安易に感染症ネタも盛り混むんだよ。よくいえば最新のネタをリアルタイムに物語に反映させる、悪くいえば流行りのネタにとにかく飛びつく。気候変動も感染症もワールドワイドに人々が行き交うこの世界では一つの国の問題だけではない。例え気候変動で日本が沈んだとしても日本人が移民完了して終わりな話ではない。また、このドラマは原作と大きく設定を変えているから(主にファンからの?)批判が多いという話もあるみたいだけど、違うと思う。50年以上前の原作の設定を大きく変えてたってそりゃ仕方がない。今物語にするなら今のリアルがあるんだろうから。原作と違ってもいい、嘘っぱちでもいいから見ている人に納得させて欲しいんだよ。物語世界の中にどっぷり浸からせてほしいんだよ。「日本沈没」はとてつもなくドラマチックな設定の話なんだよう。なのにもう100%ツッコミどころ満載なもんだからおちおち見てられない(笑)。本当に残念でした。

最後に(うっかり消しちゃったので)簡単に2021年の大河ドラマと朝ドラ。「麒麟がくる」は2000年代に入ってからの大河で一番大好きな「いだてん」の次の大河で、もうあんなにワクワクする大河は見られないなーと思って割と冷静に見ていたんだけど(「2020年のテレビドラマ」でも書いたけど)、物語の説得力が素晴らしく、画面構成も美しく、追い詰められてゆく光秀(長谷川博己)とあれじゃあ討たれてもしょうがないw織田信長(染谷将太)の二人の愛憎がまた良くて、最初は染谷将太の信長ってどうなの?と思ったけど、この物語世界の中の信長は愛されたい子供のまま大人になってしまった人なので納得、結局最後まで見てしまいました。でもNHK大河でまさか光秀生存ルートを取るとは思わなかったわー。

「青天を衝け」、最初は幕末のイケメン主人公の大河は興味ないわーと思っていたので、これほどまでに見せてくれるとは思ってもみなかったです。渋沢栄一にも主演の吉沢亮にも微塵も興味がないし幕末物も好きではないので第1回だけ見てみようと思ったら、幕府サイドの人々、特に徳川慶喜(草彅剛)が素晴らしくて結局最後まで見てしまいました。大河ドラマ「真田丸」の主役が真田信繁(堺雅人)なら裏の主役が真田信之(大泉洋)だったように、徳川慶喜は渋沢栄一がああいう生き方になってゆくのを納得させてくれる描き方でこの物語のもう一人の主人公でした。また脇の人々、飛び道具の徳川家康(北王子欣也)はともかく(笑)、平岡円四郎(堤真一)や川村恵十郎(波岡一喜)、土方歳三(町田啓太)、西郷隆盛(博多華丸)、栄一の孫の渋沢敬三(笠松将)等々、今まで知らなかったけど確かに生きて、そして亡くなっていった人々が実に魅力的でした。幕末の、あまりにもあっけなく人の命がどんどん奪われていった時代が本当に無念と思わされ、後半は放送回数がガッツリ減ったせいで物語が駆け足になってしまったのも本当に残念でした。

朝ドラは私の場合、放送時間帯が時間帯のせいもあるのか割と挫折しがち。2000年代に入って最終回まで全部見たのは「あまちゃん」「カーネーション」「まんぷく」ぐらい。ピンと来なくて第1回で挫折したものもあれば、子役時代から大人の俳優への切り替えで何となく見なくなったのもあるし、「半分青い。」なんかは東京の漫画家編で漫画の扱いのひどさに見なくなったし、「おちょやん」も道頓堀編は見ていたけどその後はなんとなく見ずじまい。子役があまりにもこまっしゃくれていて嫌になった作品もある。そんな中の「おかえりモネ」、脚本の安達奈緒子と主演の清原果椰と製作のNHKってよっぽど相性がいいんだろうか、期待していたけどやっぱり良くて久しぶりに最終回まで見ました。

それぞれが密かに傷を抱えて生きている中、主人公モネの真っ直ぐな真面目さ、融通が利かないともいえるかもしれないけど考えながら考えながら前に進むヒロインはやっぱり朝ドラっぽい。とはいえ見ていればわかるけど、セリフで説明する部分がかなり少なくて役者さん達の表情やお芝居で見せてくれる部分がすごく多いので、朝ドラにして冒険しているなーと思ったし、橋田壽賀子御大なら絶対こういう描写はしないんじゃね?とか思いました(笑)。

さて。今年も面白いドラマが見れますように。
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謹賀新年(寅)
あけましておめでとうございます。

なんだか今三つ年末年始感がないのは、自分の歳のせいばかりでなく、もしかしたらコロナのせいで忘年会や新年会が無くなったせい?と思わないでもないです(←非常にいかがなものか?)。

このブログもめっきり投稿本数が減ってしまいましたが、怠けている訳でもブログに飽きた訳でもありません。書きたいネタは山ほどあるんだけど下書きしてあれこれ書いているうちに投稿時期を逸してしまったり、書いているうちに飽きちゃって下書きのまま放置しているものが沢山あるあるんですよ。あれ?結局少しは飽きているって事か?でも同人誌の方もコロナ禍でコミケ参加がなくなってから新刊発行をサボっていたら、どんどんボケが進行してきているというか、色んな物事への興味がどんどん薄くなってきて、これはヤバいと危機感は募ってきています。いかんいかん。

あと少し去年も書きましたが、コロナ禍でテレワークが増え同僚と直接会う機会も減り、オフィスもパーティションで区切られていて用件以外の会話も減り、ランチ仲間との昼飯どきのおバカ話の機会もなくなり、年に1、2回くらい会っておしゃべりしていた長い付き合いの友人知人たちとの茶話会・飲み会がゼロになって人と直接話すことが極端に減ったせいか、あまり喋れなくなっていたんですよ。去年の秋?緊急事態宣言解除後に久しぶりにランチ仲間と昼飯時に集まって話してたら、自分が無茶苦茶喋り慣れていない感じになっててビックリ。人と直接話すって大事ね〜。

今年はコロナ禍も収まって(それはないか?)もっと幅広く活動できるようになったらいいなあ……。今年こそ同僚や友人やハゲタカな皆様とまたバカ話ができる様になって、そして今年こそは!保留・山積み・中断していた事項に手をつける予定です(←ここは毎年同じ)。こんな弊ブログですが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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