吉田秋生の作品を読むなんて10年ぶりくらいだ。前は「YASHA」の1巻目で挫折したからな。なんで挫折したんだったかなあ。別にアクション物が気に入らないとかじゃなくて、なんかリズムが合わなかったんだったような気がするが。

さてそんな訳で超久しぶりの1冊「海街diary 第1巻 蝉時雨のやむ頃」(吉田秋生、フラワーコミックス、530円)はまず表紙の絵に惹かれて手に取ったのだが、家にまだ読んでいない積ん読の本が山のようにあるので一旦は買うのをやめのだった。しかし本屋に行くごとにやはり気になるので、ついに買ってしまいました。

……いやあ、よかったです。しみじみ。収録されている話は「蝉時雨のやむ頃」、「佐助の狐」、「二階堂の鬼」の3編で、どの話も読みきり短編。主人公の幸(長女)、佳乃(次女)、千佳(三女)の3姉妹は父母も無く一緒に住んでいた祖母も亡くなってからは、鎌倉の古い大きな家に3人で住んでいた。そこに大昔女を作って出奔した父親が亡くなったとの知らせが入り、父親の葬儀の場所で異母姉妹のすずに出会う……。何気ない日常の日々の描写が実にいいですよ。話作りがなんだか上手すぎて「あざとい」という言葉すら一瞬浮かんだのだが、いやあ、でもそんなことどうでもいいよ。私は同じ作者の「BANANA FISH」は最終巻に収録されている「光の庭」が一番好きで、「BANANA FISH」の最終話までの物語はこの「光の庭」のための前フリと思っているのだが(前フリにコミックス19巻分って……)、この「光の庭」の読後感を思い出しましたよ。まあ、絵柄がちょっとポップで今風な感じがなくもないけど。

すずを入れて4人になった姉妹のキャラがまたよくって、魅力的。厳しくて口うるさく「大人」の長女・幸は下の二人から「シャチ姉」と呼ばれているが(でも実はとても細やかに気がつく人で思いやりあふれているのだが)、そのシャチ姉が「大人」にならざるを得なかった状況が、複雑な家庭の中で、義母の陽子よりも格段に「大人」な、でもまだ中学生の四女・すずの中に見ることが出来る。シャチ姉はきっとこのすずに、もっと中学生らしく子どもらしくあってほしかったんだね。

これはまた次の巻が楽しみっつーか、他の話も読んでみたいから雑誌のほうも手に取ってしまうかも。でもどこで連載しているのかわからんけど(Flowersあたりか?)。

しかしね、このコミックスの帯の作者(編集者か?)には一言文句を言いたいね。「吉田秋生が新境地に挑む」ってなんだよ。キミは「ラヴァーズ・キス」や「櫻の園」を読んでないのか!? 「河より長くゆるやかに」を読んどらんのか!? 登場人物たちの静かに流れる時間と会話、微妙な間がナイスなお笑い要素など、別に全く新しいっていうようなもんではないじゃないの。。「BANANA FISH」とか「YASHA」しか読まずに適当に通り一遍の宣伝文を書くこと無かれ。
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コメント
今日は時効警察の日ですね。特集がある(たった6ページ!)というのでTVナントカ買っちゃいました。最終回は三日月の元彼がでてくるらしいし、その前の回はオダギリジョーが脚本ですと。とーっても楽しみですわ。

吉田秋生の世界は独特だよね。Kさんがそんなに推すならわたしも読んでみようかな。
まだ映画は観てないけど、さだまさしの「眉山」、文庫で読みました。今年の夏は阿波踊り見に行きたいなーと思うほどよかったよ。お母さん孝行してない人はぜひ読んでみてください。薄い本だからすぐ読めるよ。
(といいつつ、週末はパイレーツオブカリビアン♪)
2007/05/25(Fri) 12:57 | URL |  | 【編集
あーーー、この期に及んでまだ先週の時効警察を見ていないーー(しょぼーん)。こんなことで今日の分をちゃんと見ることが出来るのか、わし?

>その前の回はオダギリジョーが脚本ですと

トム・ジョンイル、ですね? オダジョーはアメリカの大学で演出の勉強がしたかった(が、間違えて俳優科を選んでしまった)そうですからこれは楽しみですね。今週のザ・テレビジョンにも4ページの時効警察特集が載っていたのにほとんどみてないし。

>Kさんがそんなに推すならわたしも読んでみようかな

でもお話は淡々としているので、劇的な話が好みだとちょっと物足りないかも。
2007/05/25(Fri) 13:50 | URL | tsumire | 【編集
吉田秋生って、「カルフォルニア物語」の?・・って古すぎるか?
あの頭のちょと弱い男の子がかわいかったなぁ。
これ今日の夕刊の新刊紹介欄に載ってたけど、絵が別人みたいじゃない?妙に普通の少女マンガタッチで。
ところで、一昨日の君のブログの「マザ-ファッカ-ズ底辺・・」のとこクリックした後、アマゾンで買いたい本(全然別の本だよ!)があって開いたら「マイページ」のお勧め本がいきなりBL一色になってて焦ったよ。
なんか強力な一冊だったのか?アマゾンってそういう仕組みなのか?今まで意識してなかったけど、ネットビジネスの恐ろしさ、というか大きなお世話ぶりにびっくりしたわ。


2007/05/25(Fri) 23:35 | URL | oha~ | 【編集
「カリフォルニア物語」……別冊少女コミック,1978.12-1981.12連載でもう30年近く前かよ……吉田秋生も息が長い作家だったんだねぇ。
絵柄はね、線が軽くてちょっとポップな感じ。特に四女のすずなんかおめめにちょっと星が入りかけな感じで幾分「萌え絵」が入っているかもね。

>「マイページ」のお勧め本がいきなりBL一色になってて焦ったよ。

それはAmazonがohaさんの心の声を読んでおるからじゃ。ちなみに今見たら私のマイページはBL本は3冊だけだったよん(うふっ)。
2007/05/26(Sat) 06:33 | URL | tsumire→ohaさん | 【編集
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