今月一番の目玉、「君に届け 第4巻」(椎名軽穂、マーガレットコミックス、410円)がやっと出た(なお、今月はもう1冊の目玉、「フラワー・オブ・ライフ 第4巻」も多分今週中発売だ)ので土曜日に買ったのだが、また貞子が辛い目にあうんじゃないかと思うとすぐには読めなかったのである。でも昨日意を決して本を手に取りましたよ。「大丈夫、貞子ならきっと大丈夫」……って私は貞子のばあちゃんかーー!?

今回は貞子(本名・黒沼爽子)に、お人形さんのようにかわいい、でも心はドス黒く「計算マコちゃん」なキャラ・くるみちゃん(本名・胡桃沢梅)が、大好きな風早くんから貞子を遠ざけるために色々画策するものの、宇宙一の勘違い野郎(←「野郎」じゃねえ)の貞子にかかっては、その毒気も抜かれてしまうのである。相変わらず貞子がいいですよ。

例えば第3巻のラストで「風早くんが好きだから応援してね」と言うくるみちゃんに対して貞子が「私には無理みたい……」というところで終わっていたのだが、そんなことではめげないくるみちゃん、4巻の最初のページでさらに畳み掛けるように「わたし…爽子ちゃんに応援してほしい」と目薬使って嘘泣きしつつぶりっ子で訴える。でもピュアな貞子は「心から応援できないから手伝うことができないの。風早くんは私にとってとくべつみたい。……役に立てなくてごめんね……」「協力はできないけどでも私くるみちゃんの気持ちはわかるよ! だから話を聞くことくらいは……」と言う訳ですよ。もちろん本心から。そこでぶちきれるくるみちゃん、暗黒キャラさらけ出して「ちょっと陰気で周りどんびきだからって 何もしなくても風早にかまわれて…… わたしなんて…!! わたしみたいに可愛くて人気者は努力するしかないんだからね――!!」と叫ぶのである。おいおいおいおいっ!!なくるみちゃんに対して貞子はっていうと「人気者って大変だったんだな――!!」「そして私は陰気者で得をしていたのか……!!」なんて悟っちゃってるわけですよ。

そして貞子と風早君をしつこく引き離そうとするくるみちゃんにたいする貞子の行動がまたいいですよ。女性って昔は「女同士の友情なんかは成立しない」とか平気で言われていたわけですよ。「間に男が入れば女の友情は壊れる」とかね。そういう男性第一主義の世の中で描かれる少女漫画もまた、彼氏か友達かどちらかを選んでどちらかを犠牲にしなくちゃならないみたいな話が多かったんだがな。2巻3巻で描かれた貞子と吉田さんたちとの関係もよかったけど、ここにきて本来ならライバル関係となる貞子とくるみちゃんの関係というか、貞子のくるみちゃんへの気持ちがね、「おおおお、ここまで描いてくれるようになったのか」と少女漫画通読歴40年の私にはさらに感慨深いものがありますね。ま、もちろん貞子でなきゃありえない展開ではあるが。

しかしこの「君に届け」、映像化の話もちらほら来ているとのことなのだが、もしそうなったら一体貞子は誰がやることになるのか、非常に気になるところだ。
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コメント
>わたしみたいに可愛くて人気者は努力するしかないんだからね――!!

この台詞、読んだ時は貞子と一緒にうなずいたよー。いやぁ~~~奥が深い。
今年1番の名台詞だと思います。
2007/05/29(Tue) 15:18 | URL | P子 | 【編集
暗黒キャラにも、いや違った、可愛くて人気者も色々つらいんだと。くるみちゃんと貞子の会話そのものもいいけど、この会話のギャップまたなんとも素晴らしすぎるよね。
私は可愛くて人気者ででも努力の人ってところで一瞬姫川亜弓様を思い出してしまいましたが。
2007/05/29(Tue) 15:52 | URL | tsumire→P子さん | 【編集
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