「戦後少女マンガ史」米沢嘉博一番最初に出た新書版(新評社、1980年発行)の原著も持っているのに、なぜまたもや買うのかといえば、ほかの人にもぜひとも読んでほしいからに他ならない。という訳で今月、ちくま文庫からあの世紀の名著(←え? 言いすぎ?)「戦後少女マンガ史」(米沢嘉博、924円、393p)が出た。原著と違うのはさまざまな人の手によって書誌データ・年表他データの訂正が加えられていることと、巻末に米沢夫人によるあとがき「文庫版へのあとがき アベ荘の日々」4p、そして編者による解説「基底をつくる力」7pが載っていることだ。

何分にも1980年までの少女漫画史を扱っているので、いまどきの若いお嬢さんにはもはや古代史を習うようなもんかもしれないけれど、日本史の授業だって普通、現代史をやらずに第二次世界大戦が終わったところまでを習うようなもんだし(え?)、少女漫画史の基本バイブルだと思って、まずは手にとって見てほしい(別にAmazonでまとめて20冊買いでもいいがな)。

私はこの本が出たときの感激は今でも忘れられない。本当にちゃんと少女漫画のことを、ちゃんと読んでちゃんと書いてくれた本が初めて発行されたのである。それまでそれなりに漫画を扱った本や特集は出ても、少女漫画は「漫画」扱いされていなかったし、取り上げられれていてもほんのちょっとだけで、少女漫画をこよなく愛する私としては、非常に悔しく残念な思いをしていたのだ。

昨年米沢嘉博氏が亡くなったときも、私は30年近く参加し続けているコミケの代表者としてよりも、漫画評論家としての氏が亡くなったことのショックのほうが大きかったくらいだ。

この原著が出た後にさまざまな漫画評論本が出て、私はどれも結構面白く読んだが、少女漫画に関してはこの本がいまだに一番だと思う。ずっとこの本の続きが出るのを楽しみにしていたのに、それはもう二度とかなわないのが本当に悲しい。なお、この本の編集者は、私がこの本に次いで少女漫画評論本として大好きな「私の居場所はどこにあるの?」(藤本由香里、学陽書房、1998年発行)の著者の藤本由香里氏である。

米沢嘉博氏にはもう二度と会えないが、この本は幸せな再生を果たしている。
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コメント
tsumireさんがそこまで激推薦するなんて、是可否でも読んでみたいじゃないの。てことで、明日久しぶりに(外へ出て)本屋に行ってくるかな。なんかもうこの暑さで(北海道はどうだい?)、へたに外に出るとチビクロサンボの虎のように溶けてバターになってしまいそうで、引きこもってました。
あー、でも、日焼け止め、化粧、日傘の三点セットを準備するのが面倒くさいなぁ・・・・・・・・・・(本屋は歩きで充分な距離なので、車で行った日にゃ人間おしまいだなと思ってるので)
2007/08/14(Tue) 22:30 | URL | suika | 【編集
でも昔の漫画作品についてばかりなので……あ、でもsuikaさんなら全然OKか。

>なんかもうこの暑さで(北海道はどうだい?)

北海道でこの暑さは異常だって。全国ニュースで流れる北海道各地の最高気温を見てもピンとこないだろうけど、札幌、帯広の高温はまだしも、釧路や稚内の最高気温が20度台っていうのは、アラスカが20度台みたいなもんだからな(←大げさ)。

まあ、お出かけするときは十分お気をつけて。お互い干からび始めているトシだしな。

2007/08/14(Tue) 23:21 | URL | tsumire→suikaさん | 【編集
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