そこをなんとかメロディ(隔月刊)に不定期連載している麻生みことの「そこをなんとか」が結構面白いんである。メロディの今月号に載っていた「そこをなんとか」の「今までの話」をそっくりそのまま引用すると、

「楽子は超極貧生活から、夜はお水のアルバイトをしつつ、ギリギリの生活と成績で晴れて弁護士に! しかし2002年以降、大量の司法試験合格者を出したがために、超難関試験突破者も就職にあぶれる世の中に…。成績最低ラインの楽子はもちろん就職難。そこでお水時代のお客様だった菅原弁護士の零細事務所に押し掛け就職! そこは菅原弁護士と、やり手弁護士・東海林先輩、二人だけの事務所。脱貧乏を目指し、以来獲得&解決に励む楽子が今回臨むのは??」。

主人公が弁護士だからとにかく法律用語がバンバン飛び交うのだが、それを実に面白おかしく描いているので苦にならない(それほど邪魔にならない)。今月号は遺産相続ネタだったのだが、しょっぱなから死んじゃったおじいちゃんの遺言状を遺族が息を詰めて見守っていると、内容は「儂の骨はエーゲ海に流してくれ」と書いてあるだけの代物。遺族が「すみません、お騒がせしました」「こんなもので本当にすみません」と恥ずかしそうにすごすごと去ってゆく場面から始まるのだが、ここからそのおじいちゃんの遺産探しと「骨肉の相続争い」の物語が始まる訳ですよ。描かれる状況からはどうしたって堅苦しくなるはずだが、この話は実にライトでポップ。でもどの話も読後感がすっきりしていて面白い。

また主人公の楽子が超現実主義者ながらもお気楽極楽な性格で実に楽しい。まわりの同僚や依頼者たちも一癖も二癖もあってこれまたいいし、楽子との掛け合い漫才のような会話のやりとりもまたナイス。まあ、絵が達者とはいいがたいところがちと辛いが、これはね、コミックスが楽しみな作品です。

しかしメロディは2大看板の「大奥」「秘密」はもちろんのこと、地味で地道でなかなか手堅い(って、エラソー?)成田美名子、私は読んだことないがやまざき貴子の「っポイ!」なんかコミックスが25巻まで出てるということはかなり人気がある作品なんだろうし、昨年連載していた勝田文の「しゃべれどもしゃべれども」も結構面白かったし、ひかわきょうことか川原泉とか山口美由紀の連載もあって、YOUNG YOU亡き後、大人の少女漫画をちゃんと読める雑誌になっているのよね。しみじみ。
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コメント
「大人の少女マンガ」って言葉に食いついちゃったよ。レディースコミックでもなく女性誌でもない。少女マンガの定義ってなんだろうね。昔なら、少女向けに描かれたってことだったんだろうけど、最近はそうとも言い切れないし、ラブが必要不可欠というわけでもない。コミケの創作少女マンガジャンルの妖怪、もとい、生き字引のtsumireさんはどう思う?
「メロディ」って名前だけで、もっと下の年齢層を意識した本かと思ってたけど、そうでもなさそうだね。確かにコミックになるのが楽しみな作品かも。
2008/01/10(Thu) 08:47 | URL | suika | 【編集
>少女マンガの定義ってなんだろうね。

昔は少女マンガは「少女」しか読まなかった訳だね。「大人」は当時の少女向けの少女マンガは読まなかったし、新興勢力の少女漫画はまだ「大人」の読者を獲得できていなかったし、「大人」も少女漫画を読み込む能力を持っていなかったしね(私の知り合いの50代の女性は、少女漫画の読み方を未だによくわかってなかったりするのよ)。

でもわしらは物心ついたときから一応今の形に近い少女漫画があり、そして少女期に少女漫画の黄金時代があり、常に少女漫画の変化や進歩とともにトシをとり、「ちゃんと少女漫画を読むババァ」になった最初の世代なんだよね。ババァになったからといってメンタリティは実のところそんなに変わってないしねぇ。また、少女漫画は男性読者も非常に多いことを考えると、「少女が読む漫画」=少女マンガじゃあないよな。女性が主人公であることが多く女性視点で物語が連会することが多い面白い漫画作品、とかいっちゃうと極論か。
2008/01/10(Thu) 22:04 | URL | tsumire→suikaさん | 【編集
おぉぉぉーこんな流れの漫画だったんですね。
たまにしか読まないので続いているということを考えないで読んでいました。教えてくれてさんきゅー!

最近のP子のブームは勝田文さん。単行本を見かければ購入しているのですが中々良いです。ただ時々絵柄が細かくて読みづらいのが難点ですが。これは老眼のせいかしら?
2008/01/12(Sat) 20:06 | URL | P子 | 【編集
>こんな流れの漫画だったんですね。

でも今までの流れがわからなくても全然困らない漫画ですよね。毎回読み切りだし。第一第1回目も楽子が菅原弁護士事務所に押し掛けるところから始まり、それまでのお水&貧乏生活は台詞の中にあるだけだし。

>最近のP子のブームは勝田文さん。

このかたも味わい深い作品を描く人ですよね。私はまだ「しゃべれどもしゃべれども」しか読んだことないので、他の作品にも手を伸ばしてみようと思いつつt、他にも積ん読本が山ほどあるのでなかなかできないでいるのですが。
2008/01/12(Sat) 23:47 | URL | tsumire→P子さん | 【編集
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