ハゲタカ映画版「ハゲタカ」、また見に行ってしまいました……(6月26日「映画「ハゲタカ」 」)。私って、バカ? 今日から家人が出張でいないので子ども(10歳)には留守番させて一人で見に行ってきたのだが、最初のお目当ての映画館は座席指定の窓口に行列がズラーーーーーっとできていて気が遠くなりそうでしたよ。まあシネコンなんで「ハゲタカ」だけをやってたわけじゃないんだけど、外は雨だったせいかカップル率、異常に高し。しかもやっと窓口にたどりついて「次のハゲタカの座席指定をお願いします」っつーたら、「次は6時ですね」「え? 次は3時30分じゃないんですか?」「たった今、満席になって販売が完了しましたので次の分は6時からになります」っつーてことですよ。オーマイガー! しかたなく歩いて10分ほど離れた別の映画館に行ったのだが、ここは場所柄のせいか(新宿歌舞伎町3丁目?)やたらと古めかしくてあちこちがボロボロなせいかガラすきでいいんだかわるいんだか微妙な感じ。

そして家に帰ったら子どもに「映画どうだった?」と聞かれたので「すっげー面白かった」と答えたら「どんな話なの?」とまた聞かれて言葉につまってしまいました。「いやー、子どもには難しすぎて説明できない」とお茶を濁したところ「簡単に説明してよー」「……えっとねー、会社を売ったり買ったりする話」「意味、わかんない!」と言われてしまったのだった。そりゃそーだよな。

鷲津政彦1 鷲津政彦2
それにしても何度見ても大森南朋の鷲津政彦、かっこよかったわー。あー、ほれぼれ。でもネットで「ハゲタカ」関連の情報をあさっていて気がついたのだが、哀しい事に私が気に入っているのは大森南朋ではなく、(大森南朋演じる)鷲津政彦だったのね……。これが大森南朋が好きなだけならこれからもいくらでも他の映画でその姿を見ることができるのに、映画の中のキャラが好きなだけとなると(←中学生か?)続編でもでない限り新しい鷲津政彦を見る事もできやしねぇ。おまけにこれが漫画とか小説のキャラなら20年経とうが30年経とうがこれまたいくらでも新しい作品でお気に入りのキャラに逢うことができるというのに、実写ドラマとなるとそうもいかない。色々とほほ。

また大森南朋もテレビ出演にしても雑誌インタビューにしても舞台挨拶にしても、仕方ないとはいえ、みじんも「鷲津政彦」を感じさせない風体で出て来るの。まあ、観客の事を思えば「鷲津政彦」=大森南朋が定着してしまうと大森南朋が何かする事で「鷲津政彦」のイメージを崩してしまうことになってしまうし、自分の仕事を思えば、「カメレオン俳優」と言われるくらいに完全に別人になりきって各作品の各キャラクターを演じきっているのにここで「鷲津政彦」のイメージのみが強くなったら他の作品が演じられなくなりかねないもんね。そりゃわかっているんだけどさー。

さて、最初に見たときはストーリーについていくのが精一杯だったようで、今回2回目でやっと、出演者の表情をちゃんと見る事ができました。なんか見れば見るほど味が出て来る映画ですよ。そんなわけで超ネタバレのため折り畳みます。

参照:
6月26日「映画「ハゲタカ」」(1回目鑑賞)
6月28日「映画「ハゲタカ」2回目鑑賞」←いまここ
7月2日「映画「ハゲタカ」3回目鑑賞
7月5日「映画「ハゲタカ」4回目鑑賞
7月8日「映画「ハゲタカ(字幕版)」5回目鑑賞
7月13日「映画「ハゲタカ」6回目鑑賞
7月15日「映画「ハゲタカ」6.5回目鑑賞(ハゲタカ映画祭)
7月17日「映画「ハゲタカ」7回目鑑賞
7月20日「映画「ハゲタカ」8回目鑑賞(DLPスクリーン)
最初に劉一華(玉山鉄二)が中国のトップの連中に「日本を買いたたけ」「アカマ自動車の技術を中国にもってこい」と言われたときの劉の表情、かつて夢と憧れを抱き、そして実は今もアカマに熱い思いを持っている事が判って見てみると、あの微妙な表情の意味がわかってくる。

芝野(柴田恭平)同席の場でアカマの社長・古谷(遠藤憲一)からホワイトナイトになってくれと言われた時の鷲津の表情、最初に見たときはあからさまにこんなにボンクラな社長の言い分を聞いてなんでその場で引き受けるんだろうと思ったものだが、見るのが2回目だと鷲津が何を考えて返事をしたのかも見えて来る。鷲津が引き受けたのは古谷社長があまりにもバカだったからだ。もし古谷がもうすこしまともだったら彼は引き受けなかったかもしれない。それはわかりやすいバカがいた方が再建しやすいし首を切るのもたやすいからだ。そして鷲津のOKの返事を聞いたときの困惑した表情の柴野、最初に見たときは「おめーが誘ってて何困っちゃってるだよ~」とか思ったのだが、今回再び見て判ったのは、鷲津の思惑が柴野にも見えてしまっていたからなのね。うーむ。

そして劇中に二度に渡って鷲津から劉に問いかけられる「お前は誰なんだ?」という言葉。最初の問いかけに対して劉は「俺はアンタだ」と答える。確かに劉は中国を出てからは残留孤児3世の仮面をかぶり、そしてアメリカでは鷲津になろうとして鷲津の仮面をかぶり続けた。だから「俺はアンタだ」と答えた。「(他人の仮面をかぶりつづけているが、本当の)お前は誰なんだ?」という鷲津の問いに対して。

二度目の「愛していたんじゃないのか?」「お前だけが、本当に、アカマを愛していたんじゃないのか?」「お前の故郷を調べた、劉一華。お前は一体、誰なんだ?」という鷲津の問いに劉は涙ぐみ始める。最初に見た時は隠して来た過去を暴かれて裸にされたことで動揺しているのかと思ったんだけど、これはそうじゃなくて、過去を目の前にさらされた事で必死になってかぶり続けていたニセモノの仮面がはがれてしまい、アカマの車に夢と憧れを抱き続けていた少年の頃の気持ちに戻ってしまったからなのね。そして一晩中「自分は誰なんだ?」「自分がすべきことは何か?」と問いかけ続け、そしてあのころの自分こそが本当の自分、原点に戻ろうと決意した瞬間が、朝のあの表情だった。だから彼はきちんと自分で考えていた建設的なアカマの再建案をその足で鷲津に送ったのだ。自分がアカマの未来を見ることがないなどとはまったく予想もせずに。

最初に見たときは劉の死も話の流れ的には仕方が無いのかな?とか思ったのだが、劉の思いが見えて来ると、なんでここで死ななきゃならないんだ!?とか思ってしまうわね。でもあの劉が考えた建設的なアカマ再建案が鷲津からアカマに届けられるためにはやっぱり死ななきゃならなかったのかもね。そして多分アカマの社長になった柴野の手で、劉の再建案が使われることになる。劉は死んでもアカマの魂の一部に残った……みたいな形になって。

いやー、それにしても劉からの最後の伝言を聞くときの鷲津の表情ですよ。あの、喜怒哀楽のうち[怒]だけはかなりストレートに出すものの(笑)、他の感情は常に押さえている鷲津が、劉の言葉を、「頼むから…あの車に…俺を乗せてくれよ」というあの言葉を聞いてどんどん表情を変えていく様が、実に見応えありますよ。そして何度も何度も劉へ電話をかけ直そうとする後ろ姿、この映画の中で一番鷲津の感情が表に出て来た場面じゃなかろうか。

そしてラスト、劉が子どもの頃に眺めたどこまでも続く1本の道を眺める鷲津の姿。最初は眼鏡をかけずに見つめ続け、そして眼鏡をかけ直してもう一度見る。眼鏡をかけない鷲津はファンドマネージャではない部分の鷲津であり、そして子ども時代の劉の目で見て見た鷲津だ。眼鏡をかけた鷲津はハゲタカの目で、終わる事無くどこまでも続く市場を見つめ続ける鷲津だ。

あーーーーー、これは続編を是非見たいーーー! とりあえず、この作品はあともう1回くらい見ておきたいな(←やっぱり、バカ?)。
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コメント
うーん、なんかわたしのコメントがFC2の倫理ガイドラインに抵触してるのか?もう一度書こうと思ったけど、何を書いたか忘れちゃったというアルツぶり。大したことは言ってないのは確か。
「ハゲタカ」、二回目ですか。オタク臭がプンプンしてくる内容の記事で、さすが。ここまで書かれちゃうと、同じく「オヤジ萌え」のわたしとしても俄然興味が湧いてきたけど、ドラマの方も原作も全然知らないので、はまれるかなぁ。まぁこんなに熱い状態では、三回目も行かないと、でしょう。またまた違った発見があるかもよ。(煽り)あ、でも、わたしも「スティング」は、五回くらい見に行ったけど、毎回ポール・ニューマンのかっこよさだけ見てて、発見とかは無かったような………
それにしても、お嬢さん、家において映画に行けるほど成長したんだねぇ。一緒に(新刊携えて)コミケに出陣する日も近いね!(脅し)
2009/06/29(Mon) 08:53 | URL | suika | 【編集
「ハゲタカ」2回目!?
確かにドラマは面白かったけど、あまりに経済に弱い私は映画は見る気しなかったけど、渋好みのKさんのツボにはまったとは、がぜん気になるわ~。

私は先日、渋いといえばど渋い「レスラー」を見たよ。主演はあのミッキー・ローク!
もうねえ、ミッキーの皮膚感が苔むした岩のようで、映画はドキュメンタリータッチ、観客は中高年ばかり。よかったわよ~。

大森南朋、ではなく鷲津政彦。
いいねえ、そういうの。
玉木宏じゃなく千秋様。中村敦夫じゃなく木枯し紋次郎みたいな(←古すぎ)





2009/06/29(Mon) 23:45 | URL | oha~ | 【編集
>うーん、なんかわたしのコメントがFC2の倫理ガイドラインに抵触してるのか?

前にやっちゃったのは多分私がスパムコメントを削除した勢いでsuikaさんのコメントも削除しちゃったような気がするんだけど、今回はやってないんだよね。かといってガイドラインに抵触するような単語すらないしね。謎だ。とりあえず削除したのがsuikaさんじゃないらしいのはわかったので復元しておきました。

>オタク臭がプンプンしてくる内容の記事で

ふふふ。骨の髄までオタクですから。書かずにはいられないというやつですよ。もう少し若ければ(そして時間があれば)今の時期、ハゲタカ本を作っていたかもね。

映画は原作もテレビ版も知らずに見に行ってハマっている人は結構いるみたいだけど、多分好き嫌いが別れる作品かもしれないので、強くお勧めできないところが辛いところだ。
2009/06/30(Tue) 07:03 | URL | tsumire→suikaさん | 【編集
>渋好みのKさんのツボにはまったとは、がぜん気になるわ~。

もしかして遅めの「ハシカ」なのかも、という疑念も捨てきれませんが……。でもいいよ~。昨日はテレビ版をTSUTAYAから借りて来て一気に、久しぶりに見たんだけど、テレビ版のラストって結構甘口だったのね(ちょっといただけない)。映画版はあのテレビ版のラストよりも格段に引き締まった出来になってるとおもうし。

>主演はあのミッキー・ローク!

……もしかして30年前にミッキー・ロークがいいって言っていたのは oha~さんだったっけ?それとも別の人だったっけ……。しかしミッキー・ロークの鑑賞ポイントがそんなところにあったとわ。
2009/06/30(Tue) 07:09 | URL | tsumire→suikaさん | 【編集
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