ハゲタカ裁判シーン1 ハゲタカ裁判シーン24回目。もう病気?? でもあともう1回行くよ。だってもう今週末には東京地区はほとんどの映画館で終わっちゃうみたいだし、DVDが出るのは早くたって秋かヘタすると来年かもしれないしーーー。でも4回見てもまだ全然飽きないのだが。

ところであちこちの映画紹介記事で見かけるこの写真↑、最初に映画を見終わった時に「ん?? どこのシーンなんだ?」と思ったんだけど、よく見るとこれってカットされた幻のオープニングの裁判シーンの写真なんだね、多分。映画の中で何度か「ライオンソース買収に失敗」「買収失敗の結果訴えたが裁判所の不当な判決があった」らしいことが、三島由香(栗山千明)の台詞と手にしていた雑誌の見出しや劉一華(玉山鉄二)サイドのアカマ買収チームの説明の台詞でわかるんだけど、肝心のシーンは多分時間の関係でカットされてしまっている。実際にあったブルドッグソース事件をモデルにしているらしく、そこから推測すると鷲津ファンドはライオンソースを買収しようとしたもの超法規的防衛策を取られて失敗してしまい、その防衛策が違法であると裁判に訴えたが裁判所の非常に情緒的と思える判断によって鷲津(大森南朋)サイドは負けてしまった。そこで鷲津は日本に嫌気がさして南の島でやさぐれていたというオープニングにつながるらしい。

でもなー、あのやさぐれっぷりやたびたび「あんな腐った市場」とか日本に絶望したみたいな台詞が出て来てきても、最初の裁判シーンがないと今ひとつピンとこないというか言葉だけでしかないように思えてしまうのは残念。説得力が違うと思うし、それにこのシーンを入れた方があとの「腐ったアメリカを買いたたく」との対比になってよかったと思うんだけど。もちろん裁判シーンを入れるとただでさえ2時間超(134分)と普通の映画よりも長めなのがさらに長くなっちゃうから泣く泣く削ったんだろうけど、だったら西野治(松田龍平)を削っちゃえ。公式ホームページの予告(特報2)の方にほんの一瞬だけ(多分)裁判に負けて鷲津が怒ると思われる場面が出て来るから、これは本当にギリギリになって削られたシーンなんだろーけどさー。

……と、西野を削れと最初から書いて来た私だが4回目を見た今、ちょっと微妙。という訳で以下ネタバレのため折りたたみ。

参照:
6月26日「映画「ハゲタカ」」(1回目鑑賞)
6月28日「映画「ハゲタカ」2回目鑑賞
7月2日「映画「ハゲタカ」3回目鑑賞
7月5日「映画「ハゲタカ」4回目鑑賞」←いまここ
7月8日「映画「ハゲタカ(字幕版)」5回目鑑賞
7月13日「映画「ハゲタカ」6回目鑑賞
7月15日「映画「ハゲタカ」6.5回目鑑賞(ハゲタカ映画祭)
7月17日「映画「ハゲタカ」7回目鑑賞
7月20日「映画「ハゲタカ」8回目鑑賞(DLPスクリーン)
鷲津を支点とする相似形(対象形?)の片方が西野でもう片方が劉一華だとしたら、そりゃ削れないかな??という気もしてきました。方や鷲津に父親を殺され(た訳じゃないけど、本当は)必死になって稼いだ金(と株でもうけたあぶく銭)でIT企業を興し一世を風靡したものの自業自得で没落し、挙げ句の果てに鷲津を殺しかけた男。もう片方もまた苦労に苦労を重ねた上に今の地位を築いた男(といっても実際は兵隊でしかなかった訳だが)。二人に共通するのは鷲津への強烈な憧れと自分なら鷲津を乗り越えられるという自負だ。そして片方(西野)は結局鷲津によって救われているのである。しかしもう片方は鷲津を殺しかける代わりに自分が死んでしまう(別に鷲津に何かする場面があった訳でもなくましてやそのせいで劉が死んだ訳でもないが、まあ比喩で)。だとしたらやっぱり削れないかなあ。

それに、先週届いたテレビ版シリーズ(ハゲタカ DVD-BOX)についていた特典映像の未公開シーンを見ると、このシーンを本編に入れなかったのは正解だよなあと思うところもあって(鷲津と柴野のからみのシーンは、踏み込みすぎててなんか嫌。特にラスト間際の絵に描いたようなわざとらしい柴野と鷲津の握手シーンなんか別に見たくない)、もしかすると今回のオープニングシーンカットの判断は正しいのかも。

それにしても見れば見るほど、劉は最初っから最後まで鷲津に強い思いをいだいていたのがよくわかる。一番最初の日本にやって来た場面、スタッフから「彼は死んだと言う噂もあります」と言われてほんの一瞬表情が曇るのね。多分劉がアカマにTOBをかけることで今までひっこんでいた鷲津が出て来るかもしれないと踏んで調べさせていただけなのかもしれないけど、劉の気持ち的には裁判に負けたぐらいで何引きこもっているんだぐらいには思っていたのかもしれないし、折に触れてこういう時は鷲津ならどうしただろうかと考える事も多かったのかもしれない。また、あのマンダリンでの「ずっと見てきたよ、鷲津さん。オレはアンタを、ずーーっと見てきた。成功も、失敗も」の台詞も聞けば聞くほど、すっげー強い思いを込めて言っているのがよくわかるしね。

だからこそ、「お前の故郷を調べた。劉一華。お前は一体、誰なんだ?」という台詞も鷲津から言われたからあんだけ涙目になったんであって、これが他の人から過去を暴かれたんだったとしたら絶対開き直っているよね。ブルーウォールのバックに中国がついていると言う事が判ってメディアが殺到した時に、開き直って「中国が、日本の会社に出資してはいけませんか!?」と言ったときみたいに。

で一方、2度に渡って劉を待ち伏せしていた鷲津の方ですよ。この究極のツンデレ野郎! とか思わないでもないが、鷲津の場合表面上は「デレ」の部分が全くないから「ツンデレ」とは言わないか。話の流れとしては、鷲津サイドのTOB価格を遥かに超える価格が劉サイドから提示され、しかもバックに潤沢な資金を持つ中国政府がついているのがわかって打つ手がもうないよ~な状況→村田さん(嶋田久作)の「どう出ますか? 鷲津さん」→鷲津熟考→鷲津、マンダリンで劉を待ち伏せ→「お前は誰なんだ?」「オレはアンタだよ」→鷲津熟考→鷲津はドバイへ高飛び→村田さんは中国で劉の正体を調査、だ。電話とかメールじゃないところがミソですよ。

メールでは書いた人や受け取った人の気持ちが10分の1も伝わらないというのは、もう随分とひろく行き渡ってきていると思うが、電話も同じだ。電話で1時間話すよりも直接会って話す10分の方が遥かに得られる情報量は多い。もちろん映画の絵的には直接対決場面を出した方がサマになるからというのが一番の理由だろうけど、少なくともテレビドラマ版でも鷲津は対決する相手あるいはちゃんと交渉したい相手と電話だけで話し合う場面は(多分)ほとんどない(電話で一方的に通告される場面はある)。

鷲津は劉の思惑を「きちんと」探ろうとして(あるいは何らかの釘を刺そうとして??)待ち伏せしていた訳ですね。しかしあそこで守山(高良健吾)が「じゃ、ちょとゴチになりまーす、ミャハ彡」とか言ってついてきちゃったら空振りになるところだったのかしら。それとも3人ですっごく雰囲気悪くしながら無言でもしくは白々しい会話をしながらメシを食っていたとか? それはそれで見物だが。

まずいなー、書き始めたら止まらない。今こんな事している場合じゃないのにーー。

最後にもう一つだけ、劉が死ぬ場面で。ネットであちこち見ていたら中国政府による毒殺説なんてのもあってビックリだ。いくらなんでもそりゃないでしょー。中国政府にとっちゃ劉は兵隊にしか過ぎなくて、アカマ買収後の体制についても(多分)劉は知らされていなかったんだから、わざわざ殺すまでもないぐらいのコマだったんじゃないかなー。そりゃ中国政府にしてみれば多少メンツはつぶされた感はあるかもしれないけど、そこは中国4000年の歴史がある国だもんね、アメリカみたいな単細胞でもロシアみたいなバカでもないですよ、きっと。

ただ、最初に見た時に私もあのナイフの刃渡りの短さじゃ死ぬ訳ないし第一ほとんど出血してないんだから死因も出血多量じゃないのかもしれないなとは思ったけどさ。実際問題、あの刃渡りのナイフで刺されて出血もなく死んだのだとすると、死因はなんらかのショック性のものなのかもね。でもその場合、鷲津に電話できるような余裕があるか?という問題もあるけど。

泥の中から這い上がって足掻き、そして結局泥にまみれて死んでゆくものの象徴として、劉は地に這いつくばって、そして泥だらけになって死ななくてはならなかった。血まみれになって死んじゃいけなかったから出血場面がなかった。しかも多分あの映画の中で劉が血まみれになって(真っ赤に染められて)死んでいってしまうと、それは中国政府(赤)の手による死を暗示させてしまうから、そんなことできないんじゃないのか?

あああ、あと一つ、一番最後、劉の生家(と思われる廃屋)で赤い車の絵を見た鷲津の表情ですよーー。2回目鑑賞の時に劉からの伝言メッセージを聞いている時が「この映画の中で一番鷲津の感情が表に出て来た場面」とか書いたけど訂正。このラストもかなりきています。多分もはや身よりも無く、ニセモノの過去を生きたために記録にも残る事も無く、そしてその真意を誰にも知られる事無く死んで行った劉を、理解し、心から悼む事ができるのはただ一人、鷲津だけだった、、、というのがまたなんとも(柴野はある程度理解はするかもしれないけど悼む必要はなく、三島は悼むけど理解は途中までだ)。

ううう、まだ書きたいネタがたくさんあるのだが今日はとりあえずここまで。
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コメント
今日見て来たよ。(ネタばれあり)
近所のシネコンではゆったりソファのプレミア室での上演だったので、得した気分。
経済音痴の私が見てもすっごく面白かったわ♪まさかこんな泣ける映画だったとは!?劉一華、彼の人生考えるとたまらんものがありますが、Kさんも言ってたけど、彼からの留守電聞いてる時の鷲津のうろたえぶり?が、私的には最大の見物、というか胸きゅんものでした。
でもさあ玉山鉄二ってけっこういい役者かもしれないのに、この顔で損してるのでは?あまりに整ってるよね。彼のアップの後、大森南朋が映ると、とっても生の男感があるもの。
後これが役作りだとしたら大したもんだと思ったのが、はじめ(空港のシーンくらいまで)目の下にクマがあり、下あごがだぶついてた鷲津がスーツ着てファンドマネージャーになったとたん、顔が締まってるのには驚いたわ。
それから腐眼(?)で色々見られる点も楽しめたわね。鷲津と柴野、鷲津と劉、利用される派遣の男の子と劉の関係も絵的にはバッチリだったわね(!?)。
2009/07/08(Wed) 16:16 | URL | oha~ | 【編集
私も今日5回目を鑑賞致しました(鑑賞記については別記事で)。

>まさかこんな泣ける映画だったとは!?

そうなんだよね、「経済ドラマ」だと決めつけて見たら見逃してまうものがたくさんあるようなゴン太な人間ドラマなんだよねぇ。

>でもさあ玉山鉄二ってけっこういい役者かもしれないのに、この顔で損してるのでは?

それは私も思ったわ~。ちゃんとした演技力がある人なのにイケメン過ぎるんだよね。あのイケメンぶりが気の毒になるくらいだよ。

>後これが役作りだとしたら大したもんだと思ったのが

大森南朋のインタビュー記事で「ドラマ版の4年後の世界であると言う事を考えて貫禄をつけてみた」とか言っているからデニーロアプローチしているんじゃないかなー。実際収録終了後のインタビュー画像をみるとちゃんと肉を落としているんだよね。すげーな。
2009/07/08(Wed) 19:17 | URL | tsumire1→oha~さん | 【編集
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