ハゲタカII-1 ハゲタカII-2
このところ(といってもここ10年くらい)本を読むのが本当に遅くなってきてしまった。読む時間が無いと言うのもあるが1冊の本を読みきるのに時間がかかりすぎて、図書館から5冊くらい借りてきても1冊も読み切れずに返却することもザラだ。やっぱりもうオトシなのねぇ……(遠い目)。そんな中、私としては画期的な早さで読んだのが、前回読んだ「ハゲタカ(上)」「ハゲタカ(下)」(7月19日「「ハゲタカ」真山仁、講談社」)の続編である「ハゲタカ2(上)」「ハゲタカ2(下) 」ですよ。

[内容紹介]
「いつか日本を買収(バイアウト)するーー」。1年の海外放浪を経て、帰国した鷲津政彦(わしづまさひこ)が、まず標的(ターゲツト)に定めたのは、繊維業界の老舗(しにせ)「鈴紡」。一方、鈴紡は元銀行員の芝野健夫(しばのたけお)を招聘(しょうへい)し買収防衛を図る。その裏に、かつての芝野の上司で、UTB銀行頭取、飯島の思惑があった。激烈な買収戦争で最後に笑うのは?(『バイアウト』改題)(Amazon内容紹介より)

いやー、前回人物描写が薄っぺらとか言って悪うございました。前回とは格段に物語性が強くなったせいか、はたまたやっぱり前回よりも格段にキャラクタをしっかりと描ききっているせいか、読み応えがあって面白かったですよ。話は「ハゲタカI」あるいは土曜ドラマ版を見た人に取っては衝撃的なエピソードから始まり、その謎を背景に結構サスペンスタッチで進むところもあるが、相変わらず次から次と小難しい金融用語が出てくるのにも関わらず、やっぱり経済系のゲームをサクサクとクリアして行くような面白さがあります。

ただ、台詞が弱いのが残念(←エラソー)。現在の状況をほぼリアルタイムで反映した経済小説だからしかたないのかもしれないが、いかにもな説明的な台詞も多く(「何? 矢追町3丁目5番地1号で殺人事件が? 被害者はクリーニング店店主の男性? 凶器は刃渡り20cmの包丁、犯人は逃走中、よーしわかった!」みたいなー)、さらに台詞だけでキャラの違いがはっきり出るのは飯島亮介(コテコテの関西人のワル)とリン・ハットフォード(強気のアメリカ女)くらい、あとはかろうじて堀嘉彦(気がいいおじいちゃん)あたりくらいなもんである。まあ主人公・鷲津政彦の獲物をズンズンと追い込むような台詞も魅力的ではあるが。

また、鷲津が手に入れた最終兵器が、あれじゃなんでもアリになっちゃうじゃーんっつーところが残念だ。できれば今後はこれは使わないで話を進めて欲しい。あと、前回登場した老舗ホテルの女性経営者である松平貴子、ラスト近くまで「これじゃこの話の中ではこの人、必要ないんじゃないのか?」と思って読み進んできたのだが……なんというか、鷲津政彦サーガの中では野に咲く一論の花なのね。私的にはこれもアリかなあという気もするけど、話が美しくなりすぎて、せっかく地道に積み上げてきた物語を彼女を出すことによってチャラにしかねない効果もあるんじゃないかという気もする。

あとはアレだな。鷲津が新しく立ち上げたファンドの名前、「サムライ・キャピタル」って……。いくら鷲津政彦が「サムライ魂の男」だからって、これはどうなの? 「サムライ魂」はこの物語のキーワードだけどさー、違和感ありまくり。

そんな訳でこの本を読み終わる頃にはもうドラマ版鷲津政彦(キャストは大森南朋)とはまったく別のこの小説版の鷲津政彦ができあがっていました。で、続きの「レッドゾーン(上)(下)」だが。何分にもハードカバーなので図書館から借りて読もうと思ったけど手元に届くまで時間がかかりすぎて待ちきれず、なおかつ一旦Amazonでポチリかけたものの配送日・翌日の表示にやっぱり待ちきれず、結局昨日会社の帰りに本屋さんで買っちまいました。あーーーー、今月は「ハゲタカ」に本当にリターンのない出資をしすぎだよ……。
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