龍馬伝第1回
龍馬伝 第1回「上士と下士」(NHK、1月3日20時放映)。オープニングは功成り名遂げた岩崎弥太郎(香川照之)の祝賀パーティ?のシーンから始まる。歴史は……生き残った者が語る物語である。明治維新から15年、すでに歴史の中に埋もれて知られざる人物となっていた坂本龍馬(福山雅治)を掘り起そうとする記者に対して、弥太郎は「龍馬はのう、わしがこの世で一番嫌いな男やった!」と嫌いさ加減を語り始めるのだが、その眼には涙がにじんでいるのである。

[物語紹介]
「坂本龍馬(福山雅治)の生涯を岩崎弥太郎(香川照之)の視点で描く。ある日、幼い龍馬(濱田龍臣)は上士を怒らせる事件を起こす。母・幸(草刈民代)が頭を下げ、その場を収めるが、ほどなく幸は病気で亡くなる。数年後、成長した龍馬は弥太郎のけんかの仲裁に駆け付ける。そこで、龍馬は謝らない弥太郎に代わり、上士に頭を下げる」(webザテレビジョンより)

龍馬の子ども時代を演じた子役(濱田龍臣)がいいですね。のちの大人龍馬である福山雅治を彷彿させる容貌と、誰にでも愛されたという魅力をすでにこの時点で備えていたというのがちゃんと出ている。そして子ども龍馬から大人龍馬への移行に違和感がないのもすごいですね。一方岩崎弥太郎の子ども時代の子役(渡邉甚平)もまた、力強い目を持った少年で、これまたのちの大人弥太郎を思わせてくれます。でも大人弥太郎は今回はやりすぎの感もあるけどな(まあ、元々そういう「過剰」なキャラなんでしょうけど)。

さて今までの大河ドラマとは違う、新しい大河を描き出すというのがキャッチフレーズでしたが、確かに今までの大河とはまず質感や描き出される空気が違いますね。無駄に埃用のコーンスターチを大奮発してなかったようで(笑)。まんべんなく振り撒かれた埃が当時のリアルな空気をただよわせているだけでなく、埃のもやの中から浮かび上がる人物たちがこれから話が進むにつれてもっと明確にはっきりと描かれてゆく前フリにもなっています。ただ画面がやたら黄色過ぎな感じもするけど、去年放映の「白洲次郎」(NHK、演出・大友啓史)でも最初の方が黄色っぽ過ぎていたものの時間が経過するにつれてそれが抜けて行っていたようにも見えたので、これはわざわざやっている事なんでしょうね。

登場人物たちも、上昇志向がすさまじいまでに強い香川照之の岩崎弥太郎、まじめでルールを守るがゆえに融通が利かない面もある大森南朋の武市半平太、そして対立やけんかが当たり前の世の中にあって一人争わずに物事を解決しようとする福山雅治の坂本龍馬、母と弟・龍馬の一番近くにいて龍馬の何よりの理解者だった寺島しのぶの坂本乙女、他大勢のキャストによるキャラがそれぞれ描かれていました。しかし香川照之は技巧派だよなー。それが目に付いてしまうのはどうかとも思うけど、第1回目だから力が入ってしまうのは仕方がないのか? 一方大森南朋は、予告編を見たときは土佐弁は大丈夫か?と思ったんだけど心配することは全くなく、っつーかドラマの中に溶け込みすぎていてちっと影が薄いような気さえしましたよ。でもあの地味っぷりにも、香川照之とは対照的な抑えた演技にも、あの変な顔にもかなりやられちゃっている私です(笑)。前に香川照之は姫川亜弓で大森南朋は北島マヤではないかというどうかと思われる感想を書きましたが、あながちハズレではないかも(2009年12月22日「平均年齢が下がり気味(2010年NHK大河ドラマ「龍馬伝」」)。

そして福山雅治の坂本龍馬は、なるほどなあ、確かに他とは違う、透明感のあるキャラでした(顔もあんまり汚れてないしーヅラもかぶってないしー)。しかし下士は上士に不当に差別され殺されても上士にはおとがめなしという状況で(「土佐だけじゃ」という台詞があったということは、他の藩ではそうではないということを下士も認識しているっつーこと?)、下士たちが怒りや憤懣を溜めこみ続けて対立を深めてゆく中、上士も下士も同じ人間であると、対立からは何も生まれない、憎しみからは何も生まれないと(もちろんハゲタカ廃人には刺激的な台詞ですよね(笑))、いつか上士も下士もなくなる世の中が来るという視点を持っていた坂本龍馬という人物は、確かに当時の人たちから見たら軟弱に見えただろうし、かなり浮いていたことでしょう。いきり立つ下士たちの中でも違う存在であることを際立たせていました。でもこのドラマの中で描写される坂本龍馬というのは、歴史上の偉人でありながら、一番私達視聴者に近い存在でもあると言えるでしょうね。

第1回目はつかみはOK、物語もぼちぼちという感じですが(←えらそー)、何分にも先は長いのでまだ油断はできないかなー。1年近くも続く歴史ドラマの第1回目というのは、物語はとかく説明的になりがちだしキャラクタもかなり過剰に描き出されがちなので、ちょっとしょうがないところもありますが、まずは次回にも期待、です。

龍馬伝第1回メモ
さて、例によってメモをとりながら見ていたのだが、酔っ払って見ていて酔っ払ってメモしていたので(相変わらず……)何書いてあるんだかさっぱりわからねーー。とほほ。
追記:1月4日
温いな……。温すぎだよ、文章が。でも1月4日になってもまだ実家でダラダラ食っちゃ寝生活しているもんだから、気がすっかり緩んじゃっているのかもなー。もしかすると酔っ払って見ていたせいもあるかもしれんが(じゃ、来週分もまた温いっつーことか?(笑))。
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テーマ:大河ドラマ
ジャンル:テレビ・ラジオ
コメント
子役かわいかったね。
外事警察の時も渡部篤郎の子役、よく似た子を探してきたなと感心したけど、NHKは「鳩子の海」(古!)の時代から子役の使い方が上手いわ。

カメラが特殊なのかな?古い映画を見てるような不思議な画面で私は好きだけど、TVの調節始めちゃう人もいそうだね(笑)

福山は予想に反して違和感なかったし、大森さんは正面上方(オデコの位置)からのカメラがなかなかいい感じ(笑)。映画鷲津はぶんむくれオヤジにしか見えない私には(あっまた言っちゃった、失礼)こちらの大森さんは好感度上昇中です。
香川照之はさわやかな主人公との対比か、いつもに増してババチクてギラギラね(笑)

私、番宣見てないのでよく分からないけど、技術的にもいつもの大河と違うもの作ろうという意気込みがあちこちに見えて、かなり期待大です。tsumireさんの感想も今から楽しみ♪
・・・しかしたぶん、大河の主な視聴者はうちの父みたいな人たちだろうから、視聴率は下がるかもね~。(世間て「外事警察」「行列48時間」といい、どうして面白いものには反応しないのかね?)

そうそう義父が高知出身なんだけど、土佐の上士と下士って元からの長宗我部(下)と後から入って来た山内氏(上)の関係が続いてたみたいなこと、夫が言ってたわ。
高知の人って飲んべが多いから、ドラマの中のように酔っぱらっちゃ切られてちゃ堪らんわな。



2010/01/04(Mon) 12:15 | URL | oha~ | 【編集
癖?癖だったの?メモを取りながらの鑑賞。「ハゲタカ」限定かと思ってたわ。(ま、tsumireさんは根っからのオタクなんだから、考えてみれば当たり前か)
いや~、濃かったね、香川照之。岩崎弥太郎が主役みたいだったもん。力技で主役を取るってこういうことなんだと感心しつつ、画面を見ておりました。そんな流れの中、福山雅治と大森南朋が一服の清涼剤のように思えましたよ。それでいて二人とも存在感もばっちりで、引き込まれて見てました。それにしても大森南朋、ほんと大した役者だねぇ。福山はまだどっかに福山色が見えたけど、大森南朋、全く今までのどのキャラともかぶってないわ(それほど出演作品を見てるわけじゃないけど)。あの地味さは曲者だよね。要注意!まさしく、「ナオ、おそろしい子……」
今までの龍馬像とは違う龍馬、そこへたどり着くまでの龍馬を作っていくという姿勢がよく出ていて、これからも楽しみです♪(JINの龍馬は完成形だよね)

oha~さんの上士と下士の由来、納得だわ。なるほどねぇ。
2010/01/04(Mon) 12:54 | URL | suika | 【編集
>NHKは「鳩子の海」(古!)の時代から子役の使い方が上手いわ。

そうそう、今回は他の子役もよかったし、今人気の子ども店長だって去年の大河の主人公の子役だったもんね。

>カメラが特殊なのかな?

今回新機軸のカメラでプログレッシブカメラというのを導入しているんだって。かなり映画に近い質感だよね。

>大森さんは正面上方(オデコの位置)からのカメラがなかなかいい感じ

それはハゲ専ならではの台詞では(笑)(oha~さんの「私は違う!」という台詞がきこえてきそうだけど)。

>視聴率は下がるかもね~。(世間て「外事警察」「行列48時間」といい、どうして面白いものには反応しないのかね?)

昨日の大河の関東地区視聴率は23.2%で去年の初回よりも低かったようですよ、奥様。でも「篤姫」の20.3%よりは高いけど。これからどんどん下がる一方かしらね……。はっ、もしかして視聴率を下げているのは私達!?(笑)
http://www.asahi.com/culture/update/0104/TKY201001040107.html

>土佐の上士と下士って元からの長宗我部(下)と後から入って来た山内氏(上)の関係が続いてたみたいなこと、夫が言ってたわ。

さっき見たどこかのブログにも書いてあったな。差別の構造がそうなってちゃそうそう解消できそうにもないし、「怨むなら親を恨め」という台詞もなんだかわかるわね。
2010/01/04(Mon) 12:56 | URL | tsumire→ oha~さん | 【編集
>癖?癖だったの?メモを取りながらの鑑賞

癖じゃねーなー。今回は初回なのでとりあえずメモ取ってたんだけど、何分にも酔っ払っていたもんでこんなザマですよ。はっ、もしかして酔っ払うとメモをとる癖があるっつーことか?(笑)

>いや~、濃かったね、香川照之。岩崎弥太郎が主役みたいだったもん。

ほーんと、力技。のほほん福山とひっそり大森を踏みつぶす勢いのブルドーザーぶりに「何もここまで……」とつぶやいてしまいましたよ。また、汚さが半端じゃないし。広末もあれじゃあやっぱ香川照之よりも福山の方を見ちゃうよなー。

>大森南朋、全く今までのどのキャラともかぶってないわ

鷲津や佐伯(「笑う警官」)や陣内(「チルドレン」)と同じ人物とは、言われてもなかなかわかんないくらいかもね。あの地味さに油断していると、いつしか主役を乗っ取られて「舞台荒らし」と言われるようになるわけだよ、ほんと、「ナオ、おそろしい子……」 。ま、わしらはいくらでも主役が龍馬から半平太に移っても無問題だがな。
2010/01/04(Mon) 13:12 | URL | tsumire→ suikaさん | 【編集
こんばんは。

いやはや、tsumireさんは、どこまでも自分に厳しい方ですのね。
これで温いとは…。
私なんか、もう最初から大友Dのママンになった気分で「よしよし、いい感じじゃないの、啓史…」などと呟く始末で、はなから感想を書く気もなく観てしまいました。(笑)

>>しかし香川照之は技巧派だよなー

『坂の上の雲』プロモでスタパに出た時には「技巧派と言われたくない」と言ってましたが、あれを自然体とは言えないですなぁ。
皆さんが仰るように龍馬との対比で、あのハイテンションなんだろうかとも思いますが、回を重ねていくうちに、少し落ち着いて(?)全体に馴染んでくるかもしれませんね。
そして、前のコメントでも書きましたが、大森くんの半平太さんは、イイ!
地味で、堅物で真直ぐで誠実な半平太がそこにいましたよ。

>>大森南朋は北島マヤではないかという

あの子は天才よ!
やっぱ、南朋さんは天才すか!
香川照之は秀才タイプだし、間に入った福山龍馬はんが、どう化けていくかも楽しみですね。

2010/01/04(Mon) 19:56 | URL | 美冬 | 【編集
CafeTsumireにお集まりの(廃人の)皆様、
あけましておめでとうございます<m(__)m>
今年も大森南朋を温い目で見守ってやってくださいませ。
「南朋のためなら、母の命など惜しくないきに。」(←こんなセリフでしたっけ?)

いやぁ、心地いいっ!
なんてパラダイス!!

>大森南朋は、予告編を見たときは土佐弁は大丈夫か?と思ったんだけど
心配することは全くなく、っつーかドラマの中に溶け込みすぎていて
ちっと影が薄いような気さえしましたよ。
でもあの地味っぷりにも、香川照之とは対照的な抑えた演技にも、
あの変な顔にもかなりやられちゃっている私です(笑)

>大森さんは正面上方(オデコの位置)からのカメラがなかなかいい感じ(笑)。
映画鷲津はぶんむくれオヤジにしか見えない私には(あっまた言っちゃった、失礼)
こちらの大森さんは好感度上昇中です。

>(福山雅治と)大森南朋が一服の清涼剤のように思えましたよ。
それでいて二人とも存在感もばっちりで、引き込まれて見てました。
それにしても大森南朋、ほんと大した役者だねぇ。
福山はまだどっかに福山色が見えたけど、大森南朋、全く今までの
どのキャラともかぶってないわ

>あの地味さに油断していると、いつしか主役を乗っ取られて
舞台荒らし」と言われるようになるわけだよ、
ほんと、「ナオ、おそろしい子……」 。
ま、わしらはいくらでも主役が龍馬から半平太に移っても無問題だがな。

>大森くんの半平太さんは、イイ!
地味で、堅物で真直ぐで誠実な半平太がそこにいましたよ。

南朋さんは褒められて伸びる子なので、もっともっと褒めて欲しいですぅ。
ま、南朋さんがこのブログを読むわきゃないってのはわかってますが・・・

もうずっとこのCafeの椅子に座ってたいです♪
ウエイトレスさん、お冷、おかわりね!
2010/01/04(Mon) 21:02 | URL | Macky | 【編集
えーー、極ぬるだよ、人間ダラダラしていると物を見る目もぬるくなっちまって駄目だな。……まあ、かといって普段の私がそんなに厳しい生活を送っているかというと、やっぱりぬるいわけだが(笑)。

>あれを自然体とは言えないですなぁ。

香川照之、うまいですけどね、ほんとすごいですけどね、やっぱりあれは技巧派ですよね。しかも1回目だから龍馬との違いを鮮明にするためにもさらに過剰になっている感がありますからねぇ。まあ、本当にこれからこなれてくるんでしょうけど(←えらそー)。

>大森くんの半平太さんは、イイ!

ドラマの中に静かに溶け込んでいるのが、またよかったですね。鷲津でも陣内でも佐伯でもない、武市半平太が確かにそこにいるのを感じさせてくれました。今回の「龍馬伝」を見たほとんどの人が今は福山のカッコよさや香川照之のブルトーザーのような演技の方に目を奪われていたのだとしても、そのうちあの半平太の存在感に目が行くことでしょう。楽しみですね。
2010/01/04(Mon) 21:31 | URL | tsumire→美冬さん | 【編集
そんなに赤字、青字で強調して引用しなくても(笑)。そしてさりげなく「変な顔」の「変な」を消してるし。ふふふん、武市半平太は変な顔!(笑)

>ま、南朋さんがこのブログを読むわきゃないってのはわかってますが・・・

読んでたら読んでたで、去年は散々ハゲ呼ばわりしてたんだから問題なんじゃないのか?(笑)。しかも今年はヅラかぶっているから(1年間も!)表向きもアレだし、ヅラかぶっているせいで色々進行する可能性ありだし。ま、私的には楽しみだがな。

>もうずっとこのCafeの椅子に座ってたいです

ウェイトレスは廃人かゴリラ仲間ですが、それでよければ(笑)。
2010/01/04(Mon) 22:10 | URL | tsumire→Mackyさん | 【編集
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