龍馬伝 第17回
龍馬伝第17回(4月25日放映)。今回は良かったですね。なんというか、部分的どうこうではなく、腑に落ちたという感じでした。ドラマの流れが自然で、それでいて押さえる所はちゃんと押さえていて、いままでちぐはぐだった部分がきれいに綴じ合わされてゆくような感じでした。今回の演出は初御目見得の梶原登城さん、訓覇Pと堀切園Dという、あの「ハゲタカ」チームによる作品「外事警察」(2009年、NHK)で演出をされていた方です。いやはや、おみそれ。

今回は先日放送された「トップランナー」で映し出された「龍馬伝」の撮影風景で見た場面が入ってました。あの時はあの演出一体何!?とわたくし、ぶちきれていましたが(4月18日「龍馬伝 第15回「ふたりの京」」)、今回のこれを見たら、あの大森南朋と演出さん(梶原登城)とのやりとりもなんとなく納得ですねー。お互い初めてだったから探り合っていたんですね。

[あらすじ]
「勝麟太郎(武田鉄矢)の弟子となった龍馬(福山雅治)は、ジョン万次郎(トータス松本)からアメリカの大統領制について聞く。勝は人材を集め、海軍を作ろうと考えていた。千葉道場に戻った龍馬は、佐那(貫地谷しほり)に自分の生きる道を見つけたと打ち明ける。佐那は龍馬との別れを覚悟する。勝は龍馬を連れ山内容堂(近藤正臣)に会い、土佐脱藩を赦免するよう頼む。龍馬は神戸に海軍塾をつくるため、江戸を離れることになる」(NHK番組表より)

今まで「あんたが言っている攘夷って、一体何なのよ」だった龍馬(福山雅治)の「攘夷」もなんとなくわかってきましたし(権平さん(杉本哲太)が思いのほか龍馬の攘夷をちゃんと理解していたのには驚いたけど)、佐那(貫地谷しほり)との別れもすっぱりしていてよかった(あの時代にあの独身宣言ですよ、すげーな)。そして愛する(はい??)武市先生(大森南朋)のために人斬り以蔵と呼ばれるようになったのに、その先生のつれない仕打ちに苦悩し、夜毎悪夢に苛まれる以蔵(佐藤健)の描写もよかったです。京の町中の、薄暗い光と影の中に浮かび上がる以蔵の佇まいは本当に時代劇らしい、そして美しい映像でした。なのに武市先生と来たら「わしはいつまで人斬りを……」とつぶやく以蔵に、何も答えないんですよ。「はて?」みたいな表情しちゃってさ。以蔵はお金がほしいんじゃなくて、先生に頭なでなでしてもらえればいいだけなのに。

しかしなんだ、今回お初の演出さんに好奇心で結構真剣に見ていたのに、いきなり携帯電話がなったんですよ。全くこんな時間に誰だよ、今は無視だぜと思ってみてみたらうちの母。仕方なく電話を取ったら「あのさー、旭川のおばちゃん(多分70代後半)が」というので、もしやまた誰か亡くなったのか? 母から親戚の話が出ると訃報だったりすることも多いので一瞬緊張するが、「(旭川のおばちゃんが)初めて携帯電話を買ったんだって。それで使い方を教えてくれって来たんだけど」という緊張感のかけらもない内容で(泣)、母の超ハイレベルにビギナーな質問にあれこれ答えてたら肝心な場面をリアルタイムでは見逃しちまったぜよ。ちくしょーー。

今週の弥太郎(香川照之)。ギャグの内容もテンポも磨きがかかって、相変わらずナイスです。坂本家では半平太の話題から龍馬はどうしているだろうとなった時に弥太郎が乗り込んで来て、いよいよ本格的に事業に乗り出したものの失敗したので借金のお願いですよ。そしたら権平さん(杉本哲太)が何か思惑でもあるのか、弥太郎が売りそこなった材木100本を買っています。龍馬が脱藩したときにも意外な政治力を駆使して坂本家としての難を逃れた権平さんです。ここは何かの伏線になるのか? この後弥太郎に商売のいろはを教えた中延さん(志賀廣太郎)が再登場したりしないのかなー。

今週の半平太さん。以蔵にはあんなにつれないのに(なんか、ここが今ひとつ掴みきれないなあ。「以蔵は使える道具」以外の何者でもないっつーことか?)、愛妻家っぷり炸裂。嵐の前の最後の静かなひとときでしょうか。

そしてラスボス、大殿様の山内容堂(近藤正臣)、こえーよ。元々「下士なぞ犬猫同然」という意識の持ち主ですからね、半平太さんが三条実美(池内万作)をして「私を慶喜公の前に出られる身分に上げるよう藩に働きかけてもらえませんろか」とおねだりして結局上士身分にせざるを得なかったのが腹に据えかねたどころじゃないんでしょうね。「下士の分際で藩を動かそうなぞ、虫酸が走る!」ですよ。龍馬が大殿様の前で一生懸命半平太の擁護をしても動かないですからね。ここ、半平太がいかに藩のためお殿様のためにつくしているかということを龍馬が訴える場面も、今までのような説明台詞ではなく、心からそう思って言っているように感じられてよかったです。でもラスト、武市さんは上士身分にしてくれたお殿様が今までの活動を認めてくれたもんだと思って感激しているのに、大殿様ときたら「登り坂はここまでじゃ、武市!」ですよ。この半平太と容堂の対比がすごい。あーあ、来週からは坂道を転げ落ちるような(坂道どころか崖から落ちるような、か?)転落が待っている半平太さん。私の願いは唯ひとつ、第2部最終回まで、演出はずっと大友さんか梶原さんでお願いします(泣)。
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テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
コメント
そうか、外事警察の演出家か。今回はわたしも、最後まで気持ちよく見れました(一体どんだけぶりだよ)。半平太も静かで熱くて黒かったし、坂本家の皆様のなごみ空気も充分だったし(以前は父上と兄上、龍馬の男三人衆が並んでたのに、寂しくなったことよのぉと感慨にふける余裕まであったり)、弥太郎の「大事なことなので三回言いました」シーンも笑えたし。でも勝は端々に金八臭がただよってたけど。
やっと半平太の人物像が納得出来るものに♡と思ったら、もう暗雲たちこめ始めちゃったのね。短い命だわぁ(色んな意味で)。
いっけいは期待していたほど印象深い役では無かったなぁ。多分これで出演終了だよね?
それにしてもラスボス山内容堂、すんごい濃さだったね。武田勝とどっちが?って思ってたけど、全然勝負になりませんでした。吉田東洋亡き今、勝てる人がいません!そういう意味じゃ、半平太が東洋を暗殺してくれたおかげで特濃ポジションを独り占め出来たわけだから、感謝してもらわないと。まぁ二人の思いのズレが哀しい、今週の「龍馬伝」でした。

どうでもいいことだけど、饅頭屋のとってつけた感ありありの千葉道場玄関待ち伏せシーンは、「クーロンズゲート」の振り向いたら双子屋がいた的な、ちょっとびっくりさせられるものがありました。(饅頭やの場合は「あ、そういえばこの人いたんだった」で、双子屋は「こえーよっ!」っていう種類のびっくりだけど)
2010/04/27(Tue) 08:28 | URL | suika | 【編集
本当に、久々にスッキリ楽しめた回でした。
ストーリーもセリフも、無理なくスーッと受け止められて、このところ続いていたギクシャクした感じや胸のつかえや胃のもたれ(←これは原因が違うか)が無くなって、なんか晴れ晴れ。
『龍馬伝』のせいで縮んだ婆の寿命も、また延びたですよ。

>>なんというか、部分的どうこうではなく、腑に落ちたという感じでした。

そうなんです!
ドラマをあまり観ない私ごときが言うのは僭越ですが、いつもながらマダムtsumireの『龍馬伝』レビューには
「あなたは、私なんだ!」(by 鷲津政彦)
の思いでございますよ。

『トップランナー』で放送された撮影風景を観て、「えっっマジ?大丈夫?」と思ってしまい、こちらでも自分のところでも、梶原さんに無礼なコメントを吐いてしまいました。
いやはや、申し訳ない。
梶原さんは、ハードな『外事警察』で手腕を発揮されていましたが、大河ドラマを初めとする時代劇の経験も豊富なようなので、そのあたりのバランス感覚が優れているように感じる仕上がりでした。(偉そう…)
それにしても、大友さん、堀切園さん、梶原さん…と、訓覇Pの下で仕事を任されたディレクターさんは、皆さん腕がありますねえ。
やはり、訓覇さん最強ってことですか…。
訓覇さんには、『外事警察』続編に本腰を入れちゃう前に、『ハゲタカ2(仮)』または『帰ってきたハゲタカ(仮)』をなんとかしていただきたいものですが。
でも、未だ原作が無いしなぁ…。

>>意外な政治力を駆使して坂本家としての難を逃れた権平さん

龍馬が家出(違)するまでは影が薄くて、人は好いけど頼りなかった兄上ですが、今や強かになられたようですね。頼もしい。
『官僚たちの夏』では、佐藤浩市と堺雅人を裏切って事務次官レースを突き進む、陰気で腹黒い黒縁メガネのキャリア官僚でしたし。(笑)

>>龍馬が訴える場面も、今までのような説明台詞ではなく、心からそう思って言っているように感じられてよかったです。

そうなんですよねえ。
今までは、こういう場面だと、「けっ、また龍馬ageシステムだろ?」と、ガラの悪い婆さんになりきってグレてましたけど、今回は龍馬の必死な思いが伝わりました。
どうして、こう違うんだろうなあ。
ここは本当に、仮想孫のことを思ってくれる坂本クン(←法人担当の、じゃないですよ)に、「おおきに」と頭を下げたくなったほとでした。

>>第2部最終回まで、演出はずっと大友さんか梶原さんでお願いします(泣)。

まっこと、精神衛生のためにも、NHKにお願いメールでも出したいくにらいです。
もう間に合わないけど。(泣)
『外事警察』のスケジュール上、しょうがなかったですが、梶原さんが、もっと早く入っていてくださればなぁ…と思いますわ。


半平太が退場するまででいいんだげとなー。(孫かわいさの身勝手)

2010/04/27(Tue) 21:05 | URL | 美冬 | 【編集
不憫萌え
いや~、まっこと良かったです。
第17回梶原さん演出を見た後、気のせいかとも思いつつ、思わず喜びだけをウチでぶちまけてしまいましたが、tsumireさん宅で改めて喜びを確認いたしました(笑)
もういよいよ脱落かというテンションでしたが、またしても引きあげられてしまいましたよぉ(うれし泣き)
改めて、演出って大事、と、思い知りました。

tsumireさんに命名された「不憫萌え」も満喫できる出来でしたし喜ばしい限りですね。
あ~、こんなことで一喜一憂してるっておめでたいですよね(苦笑)
2010/04/27(Tue) 23:47 | URL | nanako | 【編集
今回は自然に見られたと言う意味では、大友さんの時よりも話の中に入り込めたとも言えるよね。

>弥太郎の「大事なことなので三回言いました」シーンも笑えたし。

弥太郎、龍馬伝の語りで陰の主役なのに、完全にギャグパート担当。「わかっちゅう」は3回だったけど、「なんぼでも」は4回ときたもんだ(笑)。

>やっと半平太の人物像が納得出来るものに♡と思ったら、もう暗雲たちこめ始めちゃったのね。

6月末あたりの第2部最終回まであと2ヶ月しかないからねぇ。5月中旬には収が切腹、その翌週には半平太が投獄だし、テンポ早いよ。しかし半平太が出なくなったら、楽しみが本当にもうないよなー。

>いっけいは期待していたほど印象深い役では無かったなぁ。多分これで出演終了だよね?

江戸に戻ったりしているのか?と思って龍馬の生涯年表を見てみたけど、あっちこちに飛び跳ねてて落ち着きがない男だというのは判ったよ(笑)。まあ、これからどんどん歴史的な人物が出てくるから、わざわざ千葉親子を出す必然はないだろうし。

>半平太が東洋を暗殺してくれたおかげで特濃ポジションを独り占め出来たわけだから、感謝してもらわないと。

え? 特濃ポジションってそんなに人もうらやむポジションなのか!?(笑)まあ、他のドラマならテツヤも十分特濃なのに、「龍馬伝」じゃあ全然まだまだだもんね。1部の吉田東洋、2部の山内容堂ときたら3部4部でさらに新たな特濃ジジィが出てくるのか楽しみだけど、でも今の時点で特に発表されてないっつーことは結局特濃ジジィは山内容堂一人で最後まで引っ張るのか!?
2010/04/28(Wed) 02:16 | URL | tsumire→suikaさん | 【編集
>『龍馬伝』のせいで縮んだ婆の寿命も、また延びたですよ。

でもまだまだ油断出来ないですからねぇ(遠い目)。

>『トップランナー』で放送された撮影風景を観て、「えっっマジ?大丈夫?」と思ってしまい、

いや、だってねぇ、これはそう思いますよ。言い訳がましいけど(笑)、大森南朋はこうじゃないのか?という自分なりの解釈を相手を窺いながら言うし、相手はちょっと自信無いのか?って感じでキャラの気持ちよりはまず形から入っているように見えたしさ。今までの演出にいい加減キレかけているところにアレ見ちゃね、そう思っちゃうよね。それがまさかの今回のあの演出、いやーびっくりですね。

>訓覇Pの下で仕事を任されたディレクターさんは、皆さん腕がありますねえ。

本当ですね。俳優を選ぶのは監督(やプロデューサー)でしょうけど、演出をえらぶのはプロデューサーですからねー。次、何をされるのか目を離せませんね。

>でも、未だ原作が無いしなぁ…。

真山さん、スピンオフなら延々と連載してますけど、あとは新しい話ばかりですもんね。本人は書く気満々なんだからそろそろ書いて欲しいですね。原作さえあれば、中身はこの際置いておいて(え?)製作のとっかかりができますもんね。もっとも、鷲津役が他の人になったりしたら身も蓋もないけど。

>今回は龍馬の必死な思いが伝わりました。どうして、こう違うんだろうなあ。

本当にそうですね。まあ今まで演出がこんなにとっかえひっかえ違うドラマを真剣に見た事がなかっただけなのかもしれないけど、脚本がクソだからよけいに演出技術の差が際立ちゃうんですかねぇ。

>梶原さんが、もっと早く入っていてくださればなぁ…と思いますわ。

まったく。Eさんのタレコミによれば22話は大友さんだそうですけど。
2010/04/28(Wed) 08:27 | URL | tsumire→美冬さん | 【編集
>思わず喜びだけをウチでぶちまけてしまいました

nanakoさん、いつも行動迅速ですけんど(笑)、でも早速のあのレビュー、喜びが本当に伝わってきましたし、私もそうそうそう!とモニタの前でうなづいてましたよ。

>改めて、演出って大事、と、思い知りました。

この「龍馬伝」は演出の差がすごいですよね。脚本がどうしようもないから余計にその差が目に見えて来ちゃうんでしょうけど。

>tsumireさんに命名された「不憫萌え」も満喫できる出来でしたし喜ばしい限りですね。

今回の以蔵の不憫っぷりたるや、たまらないものがありますね(by大河内伸彰)。半平太を窺いつつ報われない愛(違)に一人苦悩する以蔵に、血も涙もない私もぐっときたぜよ。

>あ~、こんなことで一喜一憂してるっておめでたいですよね

人生は楽しい、っつーことです(ふふ)。
2010/04/28(Wed) 08:34 | URL | tsumire→nanakoさん | 【編集
今日やっと見ましたんで、遅ればせながら参戦(?)させて(笑)
皆さんと全く同じ感想なので、一言だけ!
「以蔵~切なすぎる~!!」
あの半平太の「はて?」ってな、そらっトボケた顔は健ファンの怒りを買うだろうねぇ。
ちょっと嫌な予感がしてきたんですけど、以蔵の暗殺の責任は半平太、認めるのかね?
今まででも十分セコ半(平太)に描かれてた訳だけど、「秘書が勝手にやった」みたいなことになるのかしらん?

PC開いたら大森南朋熱愛報道が...ふ~ん。
2010/04/28(Wed) 18:03 | URL | oha~ | 【編集
>「以蔵~切なすぎる~!!」

今回は色んな事がきちんと描かれていたせいか、なおのこと以蔵の不憫さが際立っていたわね~。まあ佐藤健ファンは若いから仕方ないけど。

>以蔵の暗殺の責任は半平太、認めるのかね?

どうなんだろうねえ。史実では半平太は認めず以蔵が拷問に耐えかねて全部しゃべっちゃったみたいだけどねー、この龍馬伝じゃあ史実は関係ねーからなー。

>PC開いたら大森南朋熱愛報道が...ふ~ん。

お互い元カノ元カレが別れた直後に電撃結婚したもの同士、とか言われていたね(笑)。
2010/04/29(Thu) 23:28 | URL | tsumire→oha~さん | 【編集
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