龍馬伝 第24回2
龍馬伝 第24回(6月13日放映)。今回リアルタイム放送の時は夕飯の支度をしていたので(←なんとか8時までに終らそうと思っていたのに間に合わなかったぜよ)、細切れにしか見られなかったせいかあの蛍のシーンを見てても「これはないわーーー」と思ったんですけど、今日改めてちゃんとみたら、……よかったです。

[あらすじ]
「池田屋に向かった龍馬(福山雅治)は、亀弥太(音尾琢真)の死を目の当たりにする。運よく逃げ延びた桂小五郎(谷原章介)は、新選組に挑もうとする龍馬を引き止める。龍馬はお龍(真木よう子)の家に身を隠すが、亀弥太の死を防げなかった自分自身にいらだっていた。一方、勝麟太郎(武田鉄矢)は池田屋の策謀に加わった浪士が海軍操練所にいたと責められる。龍馬は、お龍に亀弥太の志を認めるべきと諭され、海軍操練所に戻る」(NHK番組表より)。

いやあ先週バッサリ切って見せてくれた池田屋の顛末をオープニングでこんな形で見せるとはニクイですね。そしてやっとここで初めて新撰組がどういう連中なのかと言う解説が入る訳ですが、もう、気が遠くなるくらい言葉だけ、台詞だけで背景描写や情景描写をしやがるこの脚本で、この新撰組だけは説明が一切無く、まずビジュアルとインパクトで訴えて見る者の心情に切り込んできておいて、これですよ。日本史の中でも何が興味が無いって、坂本龍馬と新撰組くらい興味が無い物はない私だが(ま、徳川家康とか前田利家とか毛利元就にも興味ねーけど)、これはこのドラマの本当にいいアクセントになってます。しかもお龍(真木よう子)が働く扇岩にやってきた新撰組も、ここでお約束の「御用改めである」と来て、近藤勇(原田泰造)とお龍の一騎討ち、どっちも負けてねえぇ。その合間に描かれる龍馬の陰の薄い事薄い事、「あれ、いたの?」って感じだ。

一方土佐では牢番の野中さん、ちゃう、和助(小市慢太郎)という強力なサポータがついたおかげで富さん(奥貫薫)と文通ができている半平太さんですけんど、日がな一日以蔵(佐藤健)の悲鳴を聞かされて苦しみ続けているところに、ドSのしょうちゃん(後藤象二郎、青木崇高)の手によって送り込まれた刺客(違)の弥太郎(香川照之)、ここの弥太郎と半平太の会話がね、もう真剣勝負。弥太郎は口では商売ができんのは困るから本当の事を話せというものの、半平太のためにも富さんのためにも、もう「楽」になってもいいじゃないかという弥太郎流の気遣い、それに対して半平太さんは毅然と「わしがやってきたことは全て大殿様のためぜよ。それが大殿様に背いた逆臣じゃと思われるがは、こればあ悔しいことがあるかえ。このままでは終れんがじゃき。自分の夫が侍ではなかったと言われて、富を悲しませる事は断じて出来ん」と言い放つんですね。すごい重量感がある場面だ。

一方なんだかいっちゃってる感じのお殿様。うーむ、これは一体何だろう? 大殿様って、罪のないものを捕らえるわけにはいかんとか、現在の半平太の身分の者を拷問はできんと言ってたり、ドSのしょうちゃんのもっといじめていい?というお伺いも却下してるんですよね。当時の各藩の行政って今現在の県単位の地方行政よりももっと独立性が高かったように思うのですが、お殿様は下士ははっきり差別しているけど、土佐と言う藩はちゃんとした法治国家なんですよね。そこらへんの葛藤から大殿様も苦しんでいてなんとか楽になりたいと思っているという描写なのか? わかんねーなー。

そして今回のメインイベント「愛の蛍」……。もう、サブタイトルがアレなんですけど(泣)それは置いておいて、一番の泣かせどころです。弥太郎には富さんのためにも意志を貫き通すということを宣言しちゃった半平太さんですが、やっぱり富さんには「おまんに辛い思いをさせてすまん、まっことすまん」と和助に伝言するわけですよ。じっと耐える富さんと、富さんが和助に託した蛍を半平太さんがじっと見る場面、非常に美しく切ない場面です。

で、ここなんですけど、普通だったらここでじーんとくるはずなのに、わたくし「美しいシーンだなあ」とは思ったものの、最初に見た時は「富さん、こりゃマズイですって。もし見つかったら力になってくれている和助にだって迷惑かけるんじゃないんですかい?」「蛍はちゃんと隙間から外に飛んでいくことが出来たのか?」とか思ってしまいました(いつだって雑念だらけなのよ)。

獄中にある半平太に、富さんが毎日の食事とか手紙とか花とか果ては死装束まで差し入れたと言うのは有名なエピソード(ということになっている)ですけんど、そういうことが出来たのは半平太を支えるサポーターが和助のような牢番だけじゃなくて、幅広く色々な支援者がいたからこそ出来たことだろうし、半平太さんの獄中闘争も全然無駄なものではなかったということでもあるし、しかもこんだけじゃんじゃん差し入れしても全然OKだったということは、その状況下なら蛍の差し入れも問題がなかったんだろうなと思うんです。

でもこのドラマの中では、前回は「半」の文字のみの署名の短い手紙、そして今回は手紙ですらなく口頭での伝言、半平太さんが追い詰められ状況が切羽詰っているのを伺わせるのに、蛍……。このドラマのこの状況で蛍の差し入れは、いくら場面的に美しくて切なくてもちょっとマズイんじゃないのか!? せめて今回も手紙での便りにすれば切迫感が中和される分蛍の差し入れが孕む緊迫感を相殺してまだよかったんじゃないのか!?とか思ってしまいました。ええ、血も涙もないやつなのさ、わたくし(←開き直り)。なーんか脚本家さんがさー、おいしいところだけつまみ食いしているように見えちゃったのさー。

けんど、今日もう1回ちゃんと見たら、(おいしいところのつまみぐいには違いないけど、でも)この状況だからあの蛍でよかったの鴨と思った事であるよ。半平太さんからの言づてによる言葉、それに対して一種の消え物である蛍を送る事で応える富さん。この状況だからこそのあの蛍。ベタベタな展開ですけど、このね、手ぬぐいの中から舞い上がるように飛ぶ蛍(ま、CGだけどさ)を見る半平太さんの表情がよかったんです。呆然というのとはちょっと違うんだけど、何かこう、尊い物を見るかのような感じで。

また今回は場面場面の対比がこんちくしょうというかね。月明かりのみの暗く広い家の中にポツンと一人でいる富さんとそのそばに手つかずで置かれているまるまんま1個のスイカ、対して明るくにぎやかに皆でスイカを食べながら富さんの噂話をしている坂本家(ここは説明台詞が多すぎだっっ)。暗い牢の中で微かな命の火を見つめ、泣き笑いのような表情の半平太さん、対して生まれたばかりの幼子を抱きしめあやしつつささやかな幸せをかみしめている岩崎家と、安らかに眠る家族を静かに見守るお龍……。あざといっちゃああざとい場面連写なんですけんど、嵐の前のひと時の静の描写がね、よかったです。

ここでお龍が龍馬に思いを馳せているのかもしれんというところで、川を下る龍馬の場面になり龍馬の周りを舞う蛍。これまた龍馬の周りで散っていった若い命を象徴しているのかもしれんですけんど。で、ここでやめときゃいいのに、「亀弥太、お前の命は決して無駄にはせん」となんとか言っちゃうもんだからさ、ついつい、もうアンタはなんもしゃべらんでええですから!と言ってしまう私です。もちろん福山雅治が悪い訳じゃないんですけどね。

そんなわけでこの「半平太伝」も残す所あと4回、もうさ、いいじゃん、龍馬が全く登場しない回があっても。別に邪魔っつーんじゃなくて(←明らかに邪魔扱いしているように見えているかもしれないが、それは気のせい)龍馬を登場させずに龍馬を描くというのもこの大河ではアリなんじゃないですか? この間の美冬さんの「ストップ・ザ・サカモト!」を聞いてからずっと、結構真剣に「龍馬が登場しない「龍馬伝」があってもいいよなあ」と、本屋さんで高校の日本史の参考書を見て、龍馬を消すならどの回かなあとか妄想しております。……で、もしかするとそれは今回だったかも。
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テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
コメント
いや~、ここにきてツケが回ってきたというか、吉田東洋を私怨で暗殺し、以蔵を殺人マシーンとして便利に使っていたという今までの半平太の描写のせいで、勤皇党の面々や以蔵の拷問シーンが出るたびに、「半平太が軽挙妄動を慎んでたらなぁ」と同情してしまって、彼らには彼らの信念や正義があっての行動だったと全然思えないし、のせられた勤皇党の皆様が気の毒に思えてきちゃうのは、誰のせいなんだろう………

>一方なんだかいっちゃってる感じのお殿様。

いっちゃってたねぇ………あれ、何が言いたいのかよく分からんかったなぁ。右手で拷問を命じておきながら、左手で極楽を夢見るという、傲慢で矛盾のある容堂像?じゃ、お茶のシーンは、半平太や以蔵と容堂の状況の対比?(ちゃんと分かる人もたくさんいるんだろうけど、そこは大河なんだから、おばちゃんにも分かるような描写、あるいはお得意な説明をお願いします)
あと、大きな声で独り言をいいながら弁当を食べてる弥太郎も、けっこうアブナイ奴かも。


>普通の人だったらここでじーんとくるはずなのに

ああ、やっぱりわたしは普通じゃなかったんだ………
このシーンで最初に思ったことは、「蛍ってけっこうトロいんだな。お富さんにでも簡単に捕まえられちゃうんだ。和助さん、つぶさず、逃がさずで大変だったろうなぁ」でしたからね。でもまぁ、きれいなシーンでしたよ。ここにきて武市夫妻のエピソードを乙女ねえやんに語らせたりして、先への思惑が見え見えだけど。

>もうさ、いいじゃん、龍馬が全く登場しない回があっても。

こちらのブログじゃ、龍馬が登場しないのは、日常茶飯事だけどね。

>もうなんもしゃべらんでええですから!

そして、明らかに邪魔扱いしてるし(笑)

冨さんがもらったスイカ、縞が無いのが気になってwikiで調べたら、今の縞スイカは昭和初期からですって。さすが、NHK、時代考証はしっかりしてらっしゃる。(ま、アメリカンショートヘア柄の猫は出しちゃったけれども)


2010/06/15(Tue) 08:27 | URL | suika | 【編集
>いや~、ここにきてツケが回ってきたというか

ま、ここにきていきなりな感じの、武市さんはあんなにいい人描写が続いちゃってあれれれれ!?でさー、今までのアレはなんだったのよっつーかねぇ、もう文句言い出したらきりがないので今回はすっごく控えてみました(笑)。だいたい亀弥太が池田屋にいたせいであとあと龍馬とかその周辺がすっごい大変なことになるって言うなら、1回目から登場していた亀弥太をもう少しちゃんて描いているべきだったのにもかかわらず、突出してきたのはここ数回だよね。しかも幼馴染だったとか友達じゃったとかお前の死を無駄にはせんとかいうならなおの事、もう少し龍馬にからめて描写しておくべきだったのにっっ……あら、また文句を書き出したらとまらなくなっちゃったわ(笑)。

>>一方なんだかいっちゃってる感じのお殿様。
>いっちゃってたねぇ………あれ、何が言いたいのかよく分からんかったなぁ。

本当にわからんわ。ま、一応あとになって半平太に切腹を命じたのは後悔していたらしいっつーことになっているから、今のうちから苦悩している風なのを盛り込んでいるのかしら。だとしたら全然わからなくて失敗しているよ。それとも容堂は龍馬の桧舞台(大政奉還)で一緒に立つ人だから、半平太殺しには直接かかわってないことにしたいのかしら。わからんわー。

>「蛍ってけっこうトロいんだな。お富さんにでも簡単に捕まえられちゃうんだ。和助さん、つぶさず、逃がさずで大変だったろうなぁ」

そうそう、蛍って生命力弱そうなのに大丈夫だったのかしら、とかね。せっかく捕まえても私だったら踏んづけちゃいそうとか。

>ここにきて武市夫妻のエピソードを乙女ねえやんに語らせたりして、先への思惑が見え見えだけど。

あの有名なエピソードをここで、台詞だけで喋りまくりすぎ。第1部では洋ちゃんが状況説明要員だったけど2部では乙女ねえやんが状況説明要員だよなあ。

>>もうなんもしゃべらんでええですから!
>そして、明らかに邪魔扱いしてるし(笑)

福山雅治が悪いわけじゃないんだけどさっ(しつこい?)、そして別に嫌いなわけでもないんだけど、なんか龍馬が出てくる場面になるといっきにテンションがさがるわ~。これじゃあ第3部鑑賞は難しいかも。

>冨さんがもらったスイカ、縞が無いのが気になってwikiで調べたら、今の縞スイカは昭和初期からですって。

さすがすいかといえばsuikaさん(笑)。私は北海道で売っているでんすけすいか(←でかくて縞がない)かと思ったよ。
2010/06/15(Tue) 10:54 | URL | tsumire→suikaさん | 【編集
蛍ってどうしてこうグッと来て絵になるアイテムなんでしょうか?日本人のDNAに組み込まれちゃってるのかしらん?
それより半平太、というより大森南朋、牢屋に入ってからグンとかっこよく見えるのは私だけ?
TVブロスの兄弟対談もよかったし(今さらな話題ですが)、インタビューと牢屋限定で萌えるわぁ~。大森さん♪
2010/06/15(Tue) 22:05 | URL | oha~ | 【編集
>それより半平太、というより大森南朋、牢屋に入ってからグンとかっこよく見えるのは私だけ?

それはだね、確かに牢屋に入ってからの方が凄みがぐっと増して存在感が半端ないっすけど、なんかoha~さんの好みって結構、野獣系というか、ガチな感じの方向に目が行っていることがあるような気がするんですけど。

>インタビューと牢屋限定で萌えるわぁ~。大森さん♪

守備範囲、狭っっ!(笑)。
2010/06/16(Wed) 01:32 | URL | tsumire→oha~さん | 【編集
サブタイトルにビビッてましたが、映像的にも美しく、夫婦や家族の絆を情感たっぷりに描いて、しっとりした回でしたね。

サカモトくんと彼を操るフクダくんには、相変わらずイライラさせられることもありましたが、ま、幾ら文句を言ってもどうしようもないので、我慢我慢。
もうすぐ最終回だし、なるべく心穏やかに観たいものですが、やっはりフクダくんには…もう…ねえ…はあぁ…。

『半平太伝』を観ている者にとって、7.11は選挙の日ではないですからね。(爆)

>>弥太郎と半平太の会話がね、もう真剣勝負。

私も、あのシーンは「真剣勝負」という言葉が浮かびました。
2人とも、尋常ならざる気迫で、観ていてドキドキしてしまったですよ。
特に、武市の眼光が凄すぎました。
なんだか怖いくらいで…。
かつて、武市半平太が、あんな眼をしたことがあったろうか…。
ゾクゾクしました。

ゾグゾクといえば、近藤泰造vs真木お龍の対決もシビレましたよー。
両者一歩も退かない、ビリビリするようなハードなガンの飛ばしあい。
ちっくと『外事警察』の住本vs倉田を思い出しました。
あっちは黒い薄笑い付きで、もっと怖かったけど…(笑)

>>ここでやめときゃいいのに、「亀弥太、お前の命は決して無駄にはせん」となんとか言っちゃうもんだからさ、

本当にねー、ここは私も「船頭さん、コイツの後頭部を殴ってください!」とレディに相応しからぬことを考えてしまいました。
あそこを無言にしておけば、しっとり美しく終わったのにさ。
マジで、「ストップ・ザ・サカモト」ですよ。
次回のマザコン炸裂が怖い…。
2010/06/17(Thu) 18:36 | URL | 美冬 | 【編集
>もうすぐ最終回だし、なるべく心穏やかに観たいものですが、やっはりフクダくんには…もう…ねえ…はあぁ…。

もう言ってもしょうがないですからね、なるべく私も控えめにしているんですよ、これでも。でもさー、ドラマ的にはあの渡辺さん演出の回ですらいい感じになっているし、製作の各スタッフさんは本当にいい仕事しているし、役者さん達がこれまた見応えのある芝居をしてくれているから余計に、このクソダメとんでも脚本がっっっ! この脚本がもっとちゃんとしていれば伝説のドラマになったろうにと思うくらいですからねえ……。はぁ。

>『半平太伝』を観ている者にとって、7.11は選挙の日ではないですからね。

選挙演説の車が通り過ぎる度に聞こえてくるウグイス嬢の、「あと○日です、よろしくお願いします」とか「7月11日に勝負を掛けています」というのも、やっぱりあれは「半平太伝」のことを言っていたんですね!(違)。

>2人とも、尋常ならざる気迫で、観ていてドキドキしてしまったですよ。

舞台劇みたいな感じでしたね。いやあ、いい勝負でした。場面的に動きが非常に少なく説明台詞も多かったのに、全部この二人の力業でやられちゃったっつー感じですよね。

>あそこを無言にしておけば、しっとり美しく終わったのにさ。

言わずに語る、ということができねー脚本だからなあ。もちろん、大殿様のご意向とかもまーーったくわからない私のようなうすらとんかちにもよーーーくわかるように、ああいう台詞を入れて下さっているんでしょうけどねー(棒読み)。

>次回のマザコン炸裂が怖い…。

……えっと、あれ、なんですかね? 夢の中の話? あの予告編のあの台詞で目ん玉どっかにころがりおちてしまいそうでした。あ、そうそう、次回のマザコン龍馬伝(違)、演出は我らの渡辺Dですよ~。
2010/06/19(Sat) 00:45 | URL | tsumire→美冬さん | 【編集
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