龍馬伝 第28回
この半年間、大森半平太他の皆様、本当にお疲れさまでした。おしまいっ!(え?)

[あらすじ]
「龍馬(福山雅治)は、投獄された武市(大森南朋)をなんとか助けようとしていた。容堂(近藤正臣)は牢(ろう)の中の武市に会い、武市は自分が吉田東洋殺害を命じたことを認める。その後、龍馬は弥太郎(香川照之)の手引きで武市の牢屋に忍びこむが、武市は脱獄を拒み、「龍馬が日本を変えるのを楽しみにしている」と語る。そして、龍馬は大坂に戻り、仲間たちに「海軍操練所で身につけた航海術を使って日本を変えよう」と語る」(NHK番組表より)。

さてと。やっぱりやっちまったなあ、自白。なんだろ、あの場面見てて、私には仰ぎ見る光り輝くような憧れの誰かという存在が全くないから理解出来ないのかなあとか思いましたよ。上士と下士の間には深くて暗い川がある、誰も渡れぬ川なれど、エンヤコラ、今夜も舟を出す~。じゃなくて。その深くて暗い川を渡って来た大殿様(近藤正臣)と同じ地べたにいるだけでも畏れ多くて(でも嬉しくて)、「オレとお前は同じだ」(by 芝野健夫)……でもなくって、えっと、「おんしとわしは、よう似ちゅう」「おまんは、ええ家来じゃのう」という大殿様の言葉で、自白……。なんか、脱力ですわ。でも、近くにいるだけで震えてしまうくらいの憧れの誰かが、今までずっとその人のためだけに生きて来たと言えるような誰かが、本当にすぐそばにいて自分を「認めてくれた」と思ったなら、猫にマタタビ状態でこうなっちゃうのも仕方がないのか?? 凡人で冷血人間の私にはわからんこってす。

でもさ、愛に目が眩んで信念置いてけぼり。ここであんな自白の仕方をしたことで、あの桜吹雪の中の決意の別れが台無し。半平太さん(大森南朋)が1年以上も犯行を拒否し続けたのは、同じく戦っている土佐勤皇党のメンバーのためであり、あくまでも自分の信念は間違ってなかったと思っていたからじゃなかったんですかい。……そういや罪は認めてたけど、「間違ってました」とは言ってないからOKなのか?(言ってない、よね? 1回しか見てないから確信もてないけど)

でもまあ半平太さんが衣装をあらためて牢から出る時に和助(小市慢太郎)に礼の言葉を言うあたりから切腹の命を受けて答えるまで、そして切腹場面までがすっごく毅然としていて本当によかったです。また言葉自体が文語調なんですよね。最初聞いたときは一瞬、何言っているんだかよくわからなかったくらいだ。そこがまた「武市半平太らしい」んですけど……こういう「武市半平太」をちゃんとした脚本でずっと見てみたかったよ、ママン……。これだけのすごい役者とスタッフが揃っていて、これだけの物を作り上げていながら、脚本がまったくもってクソ。半平太さんの死や富さん(奥貫薫)のひたむきさにではなく、この物語の脚本の人間造形とドラマ展開のとほほさに今更ながらに泣きたくなったことでございます。

なお、武市半平太の有名な獄中絵の上に書いてある文章は「花依清香愛/人以仁義榮/幽囚何可恥/只有赤心明」であり、意味は「花は、その清らかな香りによって人に喜ばれ、人は、仁義によって、人の輝きを増していくものである。いま、私は獄に繋がれてはいるが、少しも恥とは思っていない。なんとなれば、私の行為は、偽りのない忠義の心だけから出たものであることが、はっきりしているからである」(吟剣詩舞漢詩集さんより)だそうですよ。この半平太がどんな風にテロリストになっていったのか、そして失脚して、どうやって獄中で過ごしたのか、あの毅然とした半平太に繋がる半平太をちゃんとした脚本で本当に見てみたかったなあ……(しみじみ)。大友さん、この大森半平太のスピンオフ、作ってくださいよ……、福田さん以外の脚本で。「新撰組!」だってスピンオフはあったじゃないですかー。

で。切腹および富さんの場面が終わって、「あー、この半年、長かったのか短かったのか。今までこんなにひとつのドラマでしつこく脚本とか演出にあれこれ言ったことってなかったよなあ」などとちょっと感慨にふけっていたら、次の場面に龍馬(福山雅治)が出てきちゃっているの。はぁ? 何このヒト、とか思ったんですけど、このドラマ、龍馬が主役だったんだわ。いやー、忘れてた。なんだよ、龍馬かよ、とついつい思ってしまった私を許してつかあさい。

今週の以蔵(佐藤健)。この「龍馬伝」での以蔵は本当によかったです。この「龍馬伝」でなければ見られないオリジナルな以蔵像、佐藤健の以蔵をきっちり見せてくれて、毎週楽しませてくれました。お疲れ様でした。

今週の大殿様。「徳川に失望しながらも忠義心だけは捨てられん。わしやち、心の底から帝を敬い奉っちゅう。この日本は、徳川幕府のものではないき」と今まで苦しんできた胸のうちを独白。つまり半平太に自分を見てきたと。へぇー。いやあ、大殿様の胸のうちはわしのような何も見えちょらんものにはさっぱりわからんかったですきに。「おまんが、長宗我部の人間でのうてこの山内家の人間じゃったら、わしはどればあ、可愛がったことか……」。だーかーらー、なんでそこらへんの上士と下士の確執の原因を、最初の段階でもっとしっかりと描いておいてくれなあんだ。

さて来週からいよいよ、第3部ネゴシエータ編ですが予告編見たら龍馬以外の部分は面白そう。高杉晋作役の伊勢谷友介が写真ソックリだし結構イケてます。タニショーの桂小五郎もトリビアおじさんの西郷どんもよさげ。3部からはアラン(じゃなくて、ティムだよ、ティム。グラバー役)や有賀局長(朝比奈昌広役・石橋凌)も出るし、タッキー(小松帯刀役・滝藤賢一)の出演場面も増えそうだし、今までのことはすっぱり忘れて、来週から始まる新ドラマと思えばかなり楽しめるかも。……はっ、そして見ているうちにやっぱりまた「脚本がクソ」とか悪態つくようになっちゃうのか? ダメじゃん。
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テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
コメント
>そして切腹場面までがすっごく毅然としていて本当によかったです。

この場面を見たいが為に、先週の予告で嫌な予感がしたにもかかわらず、見てしまいました。
本当に半平太、素適でした。この回はもうこれだけで充分。ここだけ何べんも繰り返し放送してくれればいいと思うくらい。

>脚本がまったくもってクソ。

上記のシーン以外は、放送時間中ずっと呪いの呪文のようにそのセリフを頭の中で繰り返してたよ。

それにしても弥太郎、すごくね?
武市から毒饅頭をことづかって以蔵に渡したり、蔵に保管してある吉田東洋暗殺の資料を持ち出したり、脱藩者の龍馬を半平太の牢までエスコートしたり。やけくそで龍馬宛に送った手紙を、偶然ピエールが拾って(お笑いだぜ)、地下に潜伏してるはずの龍馬の居場所を何故だか簡単に探り当て、「怪しくないから開けてちょ」と言ったら開けてもらえて(でも充分怪しい鞍馬天狗だったけど)、結果、本気で書いたわけじゃない手紙で龍馬を呼び寄せることが出来る男。それが弥太郎。もう役名はエスパー弥太郎でいいんじゃないかな?(香川照之も仕事しすぎだけど、弥太郎も便利に使われ過ぎ。あとピエールも)

>この「龍馬伝」での以蔵は本当によかったです。

最初は幼馴染というには年の差がありすぎるんじゃ?と思ってたけど、それがうまい具合に作用して、子犬モード全開。ほんとにこの「龍馬伝」ならではの以蔵像を見せてもらいました。
でも大好きな武市先生に言われたことを守って、どんなにひどい拷問を受けても口を割らなかったのに、肝心の半平太さんが大殿様がちょっと声をかけてくれただけで簡単にゲロしてしまったので、死ぬ前に思い浮かべた姿が先生ではなくなつさんだったとしても、誰も以蔵を責められないよね。

まぁこの「龍馬伝」で書かれた武市半平太は、見事なまでに龍馬age要員でしたね。そういう意味では脚本家、全くブレがないです。切腹の時くらい半平太の人格をあげてくるかと思いましたが、全く手加減無し!お見事!
半平太はこれで死んじゃったからやり逃げも出来たけど、後藤象二郎どうすんだ。あそこまで鬼畜に描いておきながら、この後は容堂公と同じように豹変か?

season3は「洗濯屋りょうちゃん」らしいね。「半平太伝」の時みたいに、特別の誰かに入れあげなければ、心穏やかに(脱力気分で)ぬるーく楽しむことができるのかしら?
それともやっぱりここでtsumireさんと一緒に悪態をつくことになるのかしら。
脚本以外の要素には惹きつけられているので、結局見ちゃうんだろうなぁ………
tsumireさん、あと半年よろしく。
2010/07/12(Mon) 21:51 | URL | suika | 【編集
追記
いろいろ残念な「龍馬伝」だけど、この動画(?)を見ると、けっこう愛されてるなと思えます(笑)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm9503607
2010/07/13(Tue) 09:33 | URL | suika | 【編集
>この場面を見たいが為に、先週の予告で嫌な予感がしたにもかかわらず、見てしまいました。

あの、「おまんがおこした奇跡ぜよ」を聞いた時は、鼻血が出そうだったよ。なーにが、「おまんがおこした奇跡」だよっっっ! 龍馬が罪をかぶることを半平太が喜ぶわけないじゃんっ、あの桜吹雪の別れの時におまんは一体何を聞いちゅううううううっ、常に「侍」でありつづけた半平太の姿勢を、結局はあっちふらふらこっちふらふら、脱藩しちゃ戻り脱藩しちゃもどりのおまんには何一つ理解出来てねーじゃねーか。だいたいおまんが罪をかぶることで、侍としての最後を全うしようとしている半平太の行く手を阻むだけでなく、絶縁状を出したところで上士、しかも藩の重要な役職にある人物を殺したなら家族に累は及ばないわけないんだから坂本一族にだって迷惑かけることになるじゃねーか。なんでお前は目先のことだけ考えてそういう浅い行動をしちゃうんだっ! ……とか、噴火山でしたよ、わたくし(笑)。

でもね、あの薄い浅黄色の裃に白い熨斗目の凛々しい半平太が、実に毅然としていて美しく、存在感があって、確かにこの人はここにいたのだと感じさせてくれて本当によかったです。しかも今までの現代的な台詞ではなく、文語調のあの台詞、私は切腹と言う儀式に臨むにあたってのあの口調なのかと思ったんですが、月曜日にやっと買って読んだステラにちゃんと書いてあったね、大森南朋があえてこれを入れてくれと言っていれた脚本にはない台詞で、本物の武市半平太が本物の牢番に、切腹間際の台詞として実際に言った言葉なんだって。ちょっと聞き取りにくくはあるけど、今までの半平太の台詞の中では一番ちゃんと場面にハマっていた台詞だった。そしてそれは脚本家が頭の中でてきとーに、鼻ホジホジしながら作った台詞じゃあなかったからなんだな。

>上記のシーン以外は、放送時間中ずっと呪いの呪文のようにそのセリフを頭の中で繰り返してたよ。

いやあ、全く。

>それにしても弥太郎、すごくね?
>もう役名はエスパー弥太郎でいいんじゃないかな?

私はここ数回はずっと「便利屋・弥太郎」って呼んでたよ。

>ほんとにこの「龍馬伝」ならではの以蔵像を見せてもらいました。

>切腹の時くらい半平太の人格をあげてくるかと思いましたが、全く手加減無し!お見事!

そうねー、確かにー。ご立派。

>半平太はこれで死んじゃったからやり逃げも出来たけど、後藤象二郎どうすんだ。

ねぇ、歴史上では薩長同盟の立役者なのにさ。もしかすると第4部あたりの龍馬age要員なのかもよ。

>それともやっぱりここでtsumireさんと一緒に悪態をつくことになるのかしら。
>脚本以外の要素には惹きつけられているので、結局見ちゃうんだろうなぁ………

tsumire:ま、ね。脚本以外は本当に魅力的だもんね(遠い目をしながら、時々悔しそうな表情)

>tsumireさん、あと半年よろしく。

tsumire:了解(力なく答えて去ってゆく)
2010/07/14(Wed) 06:06 | URL | tsumire→suikaさん | 【編集
>この動画(?)を見ると、けっこう愛されてるなと思えます(笑)

ちょっ、奥様! 私ももう「残りラーメン」と「いかりやソムリヤ」にしか聞こえなくなっちゃったじゃないの!(笑)
2010/07/14(Wed) 06:36 | URL | tsumire→suikaさん | 【編集
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2010/07/16(Fri) 01:20 |  |  | 【編集
情報ありがとうございます。そういう記事があるというのは昨日の夜知ったんですが、しかしヨソ様では本当に「なお様」だなんて呼んでいるんでしょうかね。まあ今現在、各地からオファーがあるのは事実でしょうし、今までは作品を選ばずに出演して来たとしても、これからは量からいって選ばざるを得ないでしょうね。うーむ、「ハゲタカ2」がますます遠くなるような気も……。
2010/07/16(Fri) 07:41 | URL | tsumire→風来坊さん | 【編集
先ほど再放送見終わりました。何が失敗だったかと考えると大殿様が最初から今まで一度たりとも頭良く見えなかったからかなと思いました。実際は、明治政府でも活躍するし、芸術にも秀でた人だったのに、単なる飲んだくれおやじにしか見えなかった。

何故そこまで彼に心酔するのかが全くもって分からなかったので、武市さんの魅力半減。
やはり「ハゲタカ2」が見たい!!
2010/07/17(Sat) 14:40 | URL | エイト | 【編集
私もさっき再放送を見終わりましたよ、新幹線のコメント付きで(笑)。やっぱり2回目に見ると初回と少し感想が違うな。大殿様の心情を読み間違っていたよ。なので、ちょっとだけだけど、「龍馬伝28回 その2」をあとで書きます。今日はこれから小学校の夏祭りなので、スタッフとしてホットドックを作らなきゃならんのだー。こんなにクソ暑いのに!

>何故そこまで彼に心酔するのかが全くもって分からなかった

本当だよ。史実通りにしろとはいわんから、何かの行動を起こすのに当って、なぜそうなったのか、どうやってそうなっていくのかを、きっちり見せてほしかったよ。

>やはり「ハゲタカ2」が見たい!!

日刊ゲンダイの記事では、大森南朋引く手あまただって話じゃないっすか(読んでないけど)。なーんか、ますます「ハゲタカ2」が遠くなるよなあ。
2010/07/17(Sat) 14:58 | URL | tsumire→エイトさん | 【編集
今日の朝日新聞土曜日版の「フロントランナー」は、大友さんだったね。
「龍馬伝」BSの放送が終わった時点でネットを徘徊されるそうですけど、一度でもcafe tsumireに寄って下さったことがあるかしら。無責任な声が参考になると懐の深いことをおっしゃるのなら、ぜひ我々の言葉にも耳を傾けていただきたい!(ま、半平太は死んじゃったから、もうどうでもいいっちゃーどうでもいいんだけど)

>ホットドックを作らなきゃならんのだー。こんなにクソ暑いのに!

うへぇ~、ご愁傷様です。帰ったらキンと冷えたビールでも煽ってくださいませ。
2010/07/17(Sat) 16:12 | URL | suika | 【編集
ホットドック!
ああ、それで暑くてうんざりだったのね!!
お疲れ様でした。労働の後のビールは美味しかったでしょ(^^♪

『朝日新聞 即買い』の情報を出先で見て、ホント即買ったんだけど(笑)土曜日の新聞やし分厚いの~。
『be on Saturday』以外は邪魔!!
名古屋の講演と被るところが結構ありましたよ♡(バージョンアップしたら♡の大きさが変わってしまった(~_~;))
2010/07/18(Sun) 07:31 | URL | BOOKO | 【編集
>一度でもcafe tsumireに寄って下さったことがあるかしら。

こんな辺境の偏屈なハゲタカバカの所に来る程、大友さんは暇じゃねえ。そりゃ、無責任な感想なら山ほどあるけさ(笑)。

>ま、半平太は死んじゃったから、もうどうでもいいっちゃーどうでもいいんだけど

奥様、そこでスピンオフですよ。ま、ここよりはもっとメジャーなところで叫んだ方が効果的とは思うが。一番効果的なのは「龍馬伝」のDVDの売上げが1部と2部だけ異様に高く、なおかつ「もっと半平太が見たい」と言う声がNHKに届いたりすることだろうけどなー(全部が均等な売上げだと、かえって映画「龍馬伝」の話になっちゃったりするかもしれんから)。

>帰ったらキンと冷えたビールでも煽ってくださいませ。

昨日みたいな暑い日の夜はビールに限るねっ! ぷは~っとしみじみ味わいました。もっともホットドック作りに行くのにすっかり忘れてて昼飯時にもビール飲んじゃってたけどー。
2010/07/18(Sun) 09:10 | URL | tsumire→suikaさん | 【編集
ありがとうございます~。できれば小学校での一仕事が終わった時点でその場で飲みたかったけど、さすがに出来ませんでした(あら、意外と普通のハハ?)。BOOKOさんも昨日の祇園祭は大変だったんじゃないですか? あんだけ人が多いとそれだけで疲れちゃいますもんね。

>名古屋の講演と被るところが結構ありましたよ♡

大友さん、東京でも講演しないかなー。もうこの際「龍馬伝」の話でもいいけど(はい?)、「ハゲタカ」についてもちっくと話してもらえると幸せ(でも「ハゲタカ2」はないとか断言されちゃったりすると不幸せ……)。
2010/07/18(Sun) 10:31 | URL | tsumire→BOOKOさん | 【編集
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