インセプション
世間的にはもう夏休み、もうお盆休みですよ。てなわけでわが家も子どもが札幌の父方のおばあちゃんちに行っちゃってるし、家人は帰りが遅いし、今日は水曜日でレディーズデイだし、ってえんで会社帰りに映画「インセプション」を見に行ってきました。場所は新宿ピカデリー。ああ、1年前の今頃はこの新宿ピカデリーに何度も通ったもんだったよ、映画「ハゲタカ」を見るために……(遠い目)。あれからもう1年ですよ、月日が経つのは早いもんだ。

[あらすじ]
「ドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)は人がいちばん無防備になる夢の中にいる状態のときに、その潜在意識の奥底に潜り込み、他人のアイデアを盗み出すという犯罪のスペシャリストである。危険極まりないこの分野で最高の技術を持つコブは、陰謀渦巻く企業スパイの世界で引っ張りだこの存在だった。しかしそのために、コブは最愛のものを失い、国際指名手配犯となっていた。そんな彼に、幸せな人生を取り戻せるかもしれない絶好のチャンスが訪れる。そのミッションは、インセプションと呼ばれるものだった。それは彼の得意とするアイデアを盗むミッションではなく、他人の潜在意識に別の考えを植え付けるという難度の高いミッションで、ほぼ不可能だと言われていた。それでもコブは、それを最後の仕事と決め、業界トップの類まれな才能をフルに活用し、万全の準備をしてミッションに挑む。しかし、予測していなかった展開が彼を襲う」(MovieWalkerより)

暑くなってからすっかりうすらぼけーっとすごしているために、TVCMだけ見て面白そうだから見てみようかなーとかうっすら思ってたら、一足先に見て来た派遣のTさん(そう「ハゲタカ」を見て大森南朋よりも鷲津の方がいいと言っていたお嬢さんですよ。7月24日「布教活動は成功したのか、失敗したのか。」、7月28日「布教活動は成功したのか、失敗したのかーーその後」)が、「複雑すぎて訳判らないけど、面白いです」と力説したのである。ふむふむと言う訳で予備知識がほとんどない状態でこの映臨んだ訳ですが……最初の30分は本当にわけわからなかった(泣)。でも面白かったです。まあ、誰にでもお勧め出来るかっつーと、どうかなあと思うけど。

そして派遣のTさんは「あれの主人公はもう、ディカプリオじゃなくて渡辺謙ですよ」と言っていたけど、いやいや、主人公はちゃんとディカプリオでしたよ。すっげーきたないオヤジになっててびっくりしたけど。ただし世界のケン・ワタナベの存在感は確かにディカプリオを上回っていて、なおかつかっこよかったけどさ。あー、言うまでもないけど、これは私がハゲ専だからじゃないですよ(笑)。

と言う訳でネタバレがあるので折り畳みます。
まあ、ここんとこの暑さのせいで疲れが溜まっている上に何せ仕事帰りなもので、もう映画館の中に入って暗くなった時点で眠気が襲って来たの上に、この物語の設定上、登場人物が夢を見るために寝ちゃうのよ(笑)。そりゃますます眠くなって訳判らなくなってくるのも致し方なし……。

ところが主人公が実際のミッションに取りかかり始めた時点からもう、ぐいぐいと引き込まれちゃって目が冴えて来ましたよ。ターゲットを設計された夢の中に引き込んで潜在意識にあるアイデアを植え付ける、って言っても単純なものではなく、夢の中で眠ってまた夢を見て、その夢の中でまた夢を見るという非常に複雑な構造になっていて、それぞれの階層で主人公達のチームは敵と戦って仕事を進めている上に、第1階層(最初の夢)、第2階層(夢の中の夢)、第3階層(夢の中の夢の、そのまた夢の中)が入れ替わり立ち替わりになるために、せわしないことこの上ない。しかしそれぞれの階層場面が特徴的であるために、目の前の場面がどの階層なのか混乱することはない。ここら辺が非常に巧です。でもアクションシーン連発で場面が次から次と変わるために頭がもうついて行けなくって、え?何やってるんだ!?と思う事もしばし。やっぱボケてるのかなあ。それともトシのせい?(泣)

この映画はTVCMで流されていたような、映像的にびっくりな場面の面白さ(道の先がずんずん持ち上がって来て頭上にピタリとかぶさってくるとか、縦横上下の感覚が切り替わるとか、日常場面のなかの無重力状態とか)もさることながら、夢の中の階層ごとに流れる時間が違うとか、上の階層の出来事が下の階層に影響してくるというような設定の面白さもまた楽しい。

物語はSFアクションとしてがんがん飛ばしまくっているがラブストーリーとして見ても切ないものがある。夢のまた夢のずっと奥の階層で本当に夢のような日日を50年もすごして来たがために現実に戻る事を拒否するようになってしまった主人公コブ(レオナルド・ディカプリオ)の妻モル(マリオン・コティヤール)に、コブが施した事によって結局モルが死んでしまいその罪悪感が常にコブを苦しめているとか、それを乗り終えてミッションを成功させた先にあるあのラストとか。

うーむ、あのラストなあ……。途中でラストはこうくるだろうなあと思ったらやっぱりこうきましたよ。色々と普通だったら描かれるであろう場面がバッサリとわざわざ切り取られてコブが「現実」に戻るという描写になっているので、結局問題が本当に解決したのかしてなかったのかがわからず、それによってあの一番最後の場面のあの終り方(←ヒジョーに曖昧な表現(笑))で、全ての判断を見るものに委ねている所が、そんなには好きじゃねーなー。もちろんそう言う所も全部込み込みでこの複雑怪奇な世界を織り上げてはいるんだけどさー。どうせだったら、全部ちゃんと解決した上で、結局ターゲットのロバート(キリアン・マーフィー)がコブ達に植え付けられた意識によって、現実世界で父親(ピート・ポスルスウェイト)が築き上げた世界を壊してしまい、その結果、依頼人のサイトー(渡辺謙)の思惑を大きく外して却って事業で大成功してしまうというどんでん返しがあった方が私的にはすっきりなんだけどなあ(でもまあ、そんなありきたりな現実的なラストにしちゃうと、この映画を見た後に、「もしかすると今ある現実は本当は夢なんじゃないのか?」と一瞬思わせてしまう効果は全くなくなってしまうわけだけどさ)。

あと音楽がなんともまた。もしかしてぼんやりとして聞いていたので気のせいかもしれないのだが、劇中でかかる音楽が特にどうという面白みのある曲ではないものの、微妙に音程が狂っているために、現実感をもの凄く失わせる効果があるのである。

いやー、面白かった。チームのメンバー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット、エレン・ペイジ、トム・ハーディ、ディリープ・ラオ)や脇のオヤジ(マイルス教授役・マイケル・ケイン)も非常に魅力的だったし、「どうせ夢の中なんだ、ハデにやってしまおう」みたいな台詞も楽しいし。ところどころついて行けない部分もありそこのところもはっきりさせてみたいのでもう一度くらい見てみたいが、しかし2度目の鑑賞で2時間半はさすがにつらい。そしてこの映画を他の人にオススメできるか?というとかなりビミョー。無茶苦茶色々縦横無尽すぎ。
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コメント
なにゃかや言ってtsumireさん元気だな~。私なんざ、毎日キミのブログは楽しませてもらっとるが、でハゲタカも見たが、コメントする元気もないくらい、夏バテ(&更年期?)の今日この頃。

インセプション、面白かったね。
ディカプリオ、すっかり首の太いおやじになってしまったが、やっぱなかなかいいのよ。
ここ3作続けて妻に翻弄されてる彼だが、今回もまた切ないんだよね。
ジョセフ・ゴードン=レヴィット、草食顔の男の子がなかなかよかったわ。

この監督、「メメント」でもなにが真実か混乱させたけど、結局「もしかすると今ある現実は本当は夢なんじゃないのか?(by tsumire)」が1番言いたいのかもね。
しかし私は誰がなんと言っても、これはハッピーエンドと決めたけど(!?)。だってディカプリオ最近の2作がほんと陰々滅々で、切ないを通り越して不憫すぎなんだもん。
2010/08/12(Thu) 23:17 | URL | oha~ | 【編集
>コメントする元気もないくらい、夏バテ(&更年期?)の今日この頃。

私もすっかりヘロヘロのバテバテだよ。やっぱトシとると本当に色々弱っちゃってダメだなー。でも励みっつーか目標があると結構頑張れるね。この間までは映画「ハゲタカ」特別編集版ネタを楽しむために色々やったりその前は大人の遠足で色々やったり。今はなんとか映画「ハゲタカ」上映に向けて少し動いているんだけど、ぜーんぜんダメダメだ。東宝系と松竹系以外の映画の上映ならわしらの手にももうすこし負えそうというのだけはわかったよ……。かねてからoha~さんにアドバイスいただいたとおり、やっぱり図書館に働きかけるのが一番現実的みたい。

>ディカプリオ、すっかり首の太いおやじになってしまったが、やっぱなかなかいいのよ。

わたしゃディカプリオを見たのが「タイタニック」以来なんで、すっかり変わり果てたオヤジ感があったよ。

>ジョセフ・ゴードン=レヴィット、草食顔の男の子がなかなかよかったわ。

そうそう、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、よかったね。あのチームのなかではこの人に一番目が釘付けだったよ。ま、スーツ着ているし(笑)。あとはマイケル・ケインの渋さもよかったわ~。

>この監督、「メメント」でもなにが真実か混乱させたけど、結局「もしかすると今ある現実は本当は夢なんじゃないのか?(by tsumire)」が1番言いたいのかもね。

ふむふむ。わたしゃ他の作品を全然見てないのでよくわからんけど、パンフレット見て「メメント」は見てみたいと思ったよ。

>しかし私は誰がなんと言っても、これはハッピーエンドと決めたけど(!?)。

あのラストはちょっとずるいなあとか思わないでもないけど、「もしかすると今ある現実は本当は夢なんじゃないのか?」が描きたいんだとすると仕方ないしなー。この映画自体は本当に面白かったけどさ、でもこういうラストの作品って本当は好きじゃないなあ。はっきりしろよ!って思っちゃう(笑)。

>だってディカプリオ最近の2作がほんと陰々滅々で、切ないを通り越して不憫すぎなんだもん。

でた、不憫萌え(笑)。
2010/08/13(Fri) 11:39 | URL | tsumire→oha~ さん | 【編集
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