龍馬デザイン
ドラマや映画の設定資料集や製作裏話などが好きなのでついAmazonにポチしてしまった「龍馬デザイン。」(柘植伊佐夫、幻冬舎、1,890円)が届いたので読み始めましたが、まず、最初、ビジュアル資料(設定資料の写真集や画集)だと思っていたのに、2段組でびっしりと文字が詰まったハードカバーの本が届いてびっくり。そりゃ中身に興味はあるけど、年とともに文字を追うスピードがとんでもなく遅くなってきているので、これじゃあ読み終わるのは来年以降の話だよ、ママン……(遠い目)。

[内容紹介]
「NHK大河ドラマの歴史上、初めて誕生した「人物デザイン監修」という仕事を一手に引き受けた男の、苦悩と歓喜の日々―。「龍馬伝」を支える仕事人たちの、情熱とエネルギーのぶつかり合いが胸を打つ、感動の記録」(「BOOK」データベースより)。

まだ61ページ目までしか読んでないので(全381p)読んでいるとはいいがたい状況なのだが、その最初の部分だけでも結構面白いし、時期的に今が一番求められている本だと思うので、とりあえず記事に残しておきます。ちゃんとした感想は読み終わったら「追記」で載せます。

この本、てっきり作者である柘植さんのご自身の話がメインの内容かと思ったら違ってましたよ。NHK大河ドラマ「龍馬伝」に外部スタッフとして関わった柘植さんから見た「龍馬伝」製作日記です。外部スタッフと言っても外側から関係する部分の仕事だけに関わったと言うレベルではなく、「龍馬伝」と言う作品がどのようにして作られて行ったか、どれほど深く「龍馬伝」と言う作品の根幹の部分に関わり作り上げて行ったかという戦いの記録でもあるようだ。何せ相手は47年49作の歴史を持つ大NHKの時代劇、全てにおいて作業が効率的に進むように完成されたメソッドが出来上がっているのである。それはこう、と指示を出せば機械的にこう、と完成度の高い成果物が出されると言うだけでなく、一つの部署(衣装とかかつらとか小道具とか諸々)が機能的に動くために余計な者が入る余地等全くなく、そこに各部署を横断して入り込んで行く柘植さんのオトナな戦いっぷり((笑)←別に皮肉て言っているのではなく、専門分野の才能の他にコミュニケーション能力は非常に重要ということですね)にも感嘆。

そして「新しい大河ドラマを創ろう」というスタッフの皆さんのスローガン(?)通り、目で見てわかる部分で具体的に変わっていったいうのがよくわかる。著者の柘植さんはもちろん、人物設計だけでなくドラマ撮影時に登場人物が一貫したキャラクタでいられるようにビジュアルから整えていく役割な訳だが、この本を読んでいると、「形から入る」事の重要さが実感させられる。横浜セミナーの時に大友さんも言っていたが、時代劇のカツラは頭をきつく締め付けるために役者さんにすごくストレスがかかるしろものだそうだ。しかしこの「龍馬伝」では本人の地毛を生かしたヘアスタイリングや七分かつらなどを使用しているために役者さんのストレスが非常に少ないということだが(衣装も裏地をとって軽いものにしてある)、多分役者さんにとっても自分の扮装に違和感がなくなり、よりその時代の人間に溶け込めた感があるのではないだろうか。

また、ドラマのセットも通常なら見える部分だけ作られているものだが(なので普通は役者さんが演じる場所であるセットの反対側には機材が並びスタッフがずらっといたりする)、この「龍馬伝」では「カメラが撮れない所がないようにする」ということで四方が全部セットになっているため(10月19日「生大友Dを見に(「制作者に聞く!~番組制作の現場から~「龍馬伝」)。」より)、いわば「龍馬伝」テーマパークのアトラクションに入り込んだ感もあり、このセットや扮装からしてもしかして役者さんにとっても俳優として仕事をやっている感よりも、この時代の人になりきっている感じの方が強いかもしれない(もちろんプロの俳優さんが「役」を意識せずに演じる事などはないというのはわかっているが)。

ところでこの「龍馬伝」では散々脚本家さんに対して文句を言い続けて来た私ですが、この本を読んだら、もしかして脚本家さんも言いたい事だらけだったかもなーと思いました。例えば、第6話の吉田松陰(生瀬勝久)登場場面、黒船に乗り込もうと海岸から船を出そうとする松陰のところに龍馬(福山雅治)と桂小五郎(谷原章介)がかけつけるのだが、脚本では吉田松陰と弟子の金子重之輔(尾関伸嗣)はともに上半身裸だったそうである。しかし撮影時には演出の真鍋さんの判断ではなく衣装部のなんらかの判断によって吉田松陰の方はちゃんと衣装を着ていたそうである。ここは松陰が龍馬達に長々と説教をする場面であるため上半身裸では生瀬勝久のキャラから言って別の面白みがでてしまうという判断だったようだ(それはそれで見てみたいが、ま、それは「サラリーマンNEO」ネタか)。それを最終的に松陰と金子の2人とも衣装を全部着せたのは柘植さんの判断だったという。大河ドラマって本当にそれぞれのスタッフのプロフェッショナルなお仕事でなりたっているんだと思うものの、脚本のト書きにすさまじく情報を盛り込むらしい福田さんにしてみれば、どんどん自分の作品が変えられてしまっていると思うかも、と思ったことであるよ。

なお、半平太さん(大森南朋)登場場面の所では「武市半平太=大森南朋さんは人物デザインが非常にフィットしている代表のひとりだ。武市の生真面目な性格を折り目正しい着物で表現し、土佐勤王党結成に近づくにつれ黒のイメージが増していく」と書いてありましたよ。

こんな感じで「龍馬伝」製作ネタ満載で、こういう裏方ネタが好きな私としてはこれからも読むのが楽しみである。ただ残念なのは今ひとつ素直に読めない文体である。もってまわった表現が多くするするっとは読めないのであるが、中身については非常に面白いと思います。まだ61ページしか読んでないけど(笑)。
関連記事
テーマ:龍馬伝
ジャンル:テレビ・ラジオ
コメント
ヤッタ~(←マシオカ風に)ハゲタカ上級廃人のtsumireさまに「龍馬デザイン」の布教が成功してこげんうれしかことはなかよ!!
お忙しい最終話直前に記事にしていただきヒデキ感激!!今夜は甘口バーモントカレーさ!!刺激物がダメになった父親のために現在実家で作成中。

その横で家電メーカーのサービスマンさんがパラボナアンテナと液晶テレビを鋭意設置中なんとか龍馬伝最終話迄(BS-hiでは16時15分スタート!)に間に合わせて下さるよう時計とにらめっこです!

両親の布教に成功しました。エコポイントが減らされる前に買い換えようよと、どうせ来年の7月迄には買い換えないといけないからと。いま貯金しておいても来年の7月迄に12000円も利息つかないよって…

お前に任せればよかったのかな…(←by西野昭吾)

とは、先日一緒に行った異常に混雑していた家電量販店での父親の嘆きです。

さすがにブルーレイまではムリでした。
あっ!はじまりました!映ってます!サービスマンさんグッジョブ!!

『ありがとうございます武市さん!!』
『みんなのおかげぜよ!!』
素敵なオープニングです!隅に余計なメッセージが入っていても32インチですが私にはスゴすぎです!

ブツのほうは如何でしたか?
2010/11/28(Sun) 16:27 | URL | むぎこがし | 【編集
読むスピードが致命的に遅い私なので、やはり読み終えるのは来年の春頃になりそうですが、毎日数行ずつ読み進んでおります。これはなかなか貴重な記録ですよね。今までにない大河をというスタッフの元に、わしら普通の視聴者にはうかがいしれない部分で色々な新しい事をやり続けて来たスタッフさん達の戦いの記録ですからね。

そういや「龍馬伝」最終回をBShiで見たということは、例のテロップ事件は目撃されてないんですね(笑)。ま、私もリアルタイムでは見てないんですが、録画した総合放送の方を見てみたら本当に絶妙なタイミングでテロップが入っていて、さすがにこれは、、と思いましたわ。

>ブツのほうは如何でしたか?

ありがとうございます、おかげさまでなんとか……といいたいところですが、むぎこがしさんの心配が的中で、うちのイカれたDVDレコーダはもちろんのこと、うちのおとぼけ政彦(PS3)でもPCでも(ま、PCはMacなのではなからダメなんですけどね)再生不能でした。とほほ。せっかくダイジェストまで入れて下さったのに、最終回には間に合いませんでした。多分、他のDVDレコーダか、あるいはPCでならなんとかなるかもしれないので、そのうちチャレンジしてみます。色々とどうもありがとうございました。
2010/11/30(Tue) 01:33 | URL | tsumire→むぎこがしさん | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック