「モリのアサガオ」最終回(12月20日放映)。死刑囚の死刑執行シーンまで克明に描写されるこのドラマを最終回まで全部見るとは、最初は思ってなかったよ。でも毎回見た後に次も見ようという気になったのは主人公・及川(伊藤淳史)のかつての憧れの人であった死刑囚・渡瀬満を演じたのがARATAであったからである。原作を読んでないからよくわからないのだが、このドラマの展開自体はそんなにうまくはないなあと思うし(←エラソー)、及川役の伊藤淳史もワンパターンな演技が多く、また(多分)脚本での及川のキャラクタ描写が浅くて非常に残念な感じだったのだが、脇の死刑囚の皆さん(温水洋一、柄本明、平田満、六平直政他)や刑務官達(塩見三省、ベンガル他)と、特にARATAがよかったんですよ。

今年はNHK土曜ドラマ「チェイス」のあのARATAの逝っちゃってるキャラに目が釘付けだったが(笑)、今回のこのドラマでもARATAから目が離せなかった。田尻勝男(斎藤歩)に両親を殺され腕に怪我を負わされ未来も奪われた渡瀬満(ARATA)は、出所して来た田尻を斬り殺して死刑判決を受け及川が所属する拘置所にやってくる。この渡瀬の絶望と諦めが、その独特な空気と存在感が、そして最後に全てを受け入れた表情がよかったです。

ただ残念ながら脚本がなんかこう、行き当たりばったりな感じがあり、このドラマの肝は死刑執行人でもある刑務官の及川と死刑が来る日をただ待つのみである死刑囚の渡瀬との深い結びつきにあるというのに、最終回の前々回あたりまで他の囚人のエピソードの方に重点を置きすぎていたためか描写が不十分であり、最終回でバタバタバタと急いで二人の関係を描写していったような感じもあった。最後の方なんか「そして3年が過ぎた」って一言で流しちゃってて、いくらなんでもはしょりすぎ。さらに及川のキャラも、恋人との関係や、親だと信じていた人が実は他人で、実の親が死刑囚だったというショッキングな背景も、今ひとつ(今三つか)主人公の上を通り過ぎていっただけのように見えた。苦悩しているお芝居はしていてもそれがあまり伝わってこない。また、恋人である沢崎麻美(香椎由宇)や、及川に思いを寄せる同僚の望月加奈(木南晴夏)にしても多分原作にある設定だからドラマでも登場しているのか、それともあまりにもむさ苦しくて殺伐としているから一服の清涼剤としての配役なのか知らないが、中途半端な描写をするならいっそ削って、その分もっとしっかり渡瀬と及川を描写してほしかった。

しかし、死刑をこんなに真っ正面から克明に描写し、死刑とはなんなのかを考えさせるドラマって、(それが成功しているかどうかは置いておいて)やっぱりすごいわ~と思いましたです。
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テーマ:テレビドラマ
ジャンル:テレビ・ラジオ
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