まほろ駅前多田便利軒
先日、いつもの廃人な皆様と飲んだ時に4月23日から公開された「まほろ駅前多田便利軒」と3月12日公開の「SP 革命編」の話になり、どう?と聞いた所「ヤマトよりはいいですから!」という返事が来て、「そりゃほとんど大抵の映画はヤマトよりもいいに決まっている!」と言ってたばかりだが(参照:1月13日「映画「SPACE BATTLESHIP ヤマト」」)、5月1日はファーストデイっつーことで見てきました。さすが公開されたばかりとあって朝ネットでチケット状況を見たらもうほとんど埋まってて、慌てて席を取りました。

さてこの映画は三浦しをんの原作「まほろ駅前多田便利軒」(2006年、文藝春秋)の映画化だが、原作は4年前に読んだのに話をさっぱり思い出せないので(ま、ほとんど大抵のことは思い出せないのだが)自分の感想文をチェックしてみた(参照:2007年4月6日「「まほろ駅前多田便利軒」三浦しをん」)。

うわあ、「これは結構漫画やTVドラマにしやすい作品かも。このラストから行くといくらでもシリーズ化も出来そうだし。多田便利軒の多田には「ハゲタカ」の大森南朋とかトヨエツ、江口洋介あたり(←でもトヨエツや江口だと設定よりかなり年上かも)、行天にはオダギリジョーでも」とか書いてるよ。ドラマ「ハゲタカ」の最終回放映は2007年3月24日、その翌々週にこんな事言っているってことはもうこの時点で結構ヤラれていたんだな(笑)。そんな訳でストーリーは全く思い出せないまま、イメージだけは大森南朋とオダジョーという結構最悪な先入観で映画鑑賞してしまいました。

[あらすじ]
「東京郊外のまほろ市に住む多田啓介は、駅前で便利屋を営む真面目な青年。バツイチの彼は、拭えない過去を持ちながらも地道に仕事をこなしている。ある年の正月、仕事からの帰り道で、別の依頼人から預かったチワワを見失ってしまう。必死に探す多田は、バス停でチワワを抱いている男を見つける。その男は中学時代の同級生、行天春彦だった。よくしゃべる男に変貌していた行天は、事情も告げず「今晩泊めてくれ」と多田に頼む…。」(goo映画より)。

毎度の事ながら大したことは書いてませんが、ネタバレもあるので一応折り畳みます。
この映画の最優秀演技賞はチワワのにあげてつかあさい(笑)。

この映画はキャストがいいですよ。松尾スズキと麿赤兒とか高良健吾とか片岡礼子とか柄本拓とか。この映画って役者さんが支えている部分がすごく大きいんじゃないかとは思ったです(←監督に対して非常に失礼?)。まあ原作でもそれぞれのキャラが立っているからそのまま表現されているのかもしれないけど。

松尾スズキは2月期のNHK土曜ドラマ「TAROの塔」の岡本太郎もよかったけど(別に好きでもないしまったく萌えもしなかったけど(笑))、こういうどうしようもない感じのオヤジが一番いいような気も。そしてルル役の片桐礼子、どこかで見たことあるような??と思ったら、「外事警察」(2009年、NHK)の五十嵐さんじゃないっすか。赤ん坊を背負った弁当屋のオヤジ役の大森南朋の「この街、どうなっているんだよぉお!」もよかったし。

高良健吾はこの映画を見ている最中に、今「池袋ウェストゲートパーク」をリメイクしたらタカシ役は高良健吾がピッタリでは、とか思いました。じゃマコト役は誰か?っつーと、岡田准一あたりはどうだろう? 長瀬智也に比べたらバカっぽさは薄まるかもしれないけど、でも原作のマコトはドラマ版の長瀬のマコトほどバカっぽくはないし。ドーベルマン山井に山田孝之は年とりすぎか。どこかに佐藤健も入れたいなあ……って、まほろの感想を書いてたんだった、いかんいかん。

そしてメインキャラだが、最初に書いたようにこの作品の私的キャスティングは多田=大森南朋、行天=オダギリジョーだったらしく(←何せ4年前の感想なので)、多田役の瑛太にはまだ若いせいもあり結局最後まで違和感があったが、でもこれはこれでアリだと思いました(←エラソー?)。やはり原作の二人はもっと「おっさん」なんだと思う(でも本物のおっさんにしちゃとあんまり客が入らないんだろうなあ)。

行天役の松田龍平は思っていたよりもずっとよかった。この映画の中の行天は「天使」のような存在で、多田とつかず離れずの関係を保ちながらもどこか現実離れしているところもあり、でも行き詰まっている関係にさくっと踏み込み、そしていつか消えてしまうんじゃないかと気にさせてくれる。独特の存在感があり、私のイメージの"行天"ではないけど、この"行天"もよかった。

原作をあんまり覚えてないくせにやっぱり読んでいるからたまに思い出す部分でつい比べてしまうのはいいことなのかよくないのか。印象としては原作ってこれほど"親子"というキーワードを網の目のように張り巡らしたドラマだったっけ?という気はしました。まあ、この映画の監督である大森立嗣の父親である麿赤兒と弟の大森南朋が出ているから余計にそういう色眼鏡でみてしまうのかもしれんけど。

「東京から神奈川へ突き出るようにある街“まほろ”。都会でもなければ、田舎でもない。天気予報はだいたい外れる。まほろという街は、人もモノも流行も最後に流れ着く。まほろを出た人でさえ、いつかはまほろに舞い戻る」(映画公式HPより)。そんな街でくりひろげられるまったりムービー。ヤクの売人や娼婦や頭のおかしいストーカーが出て来ても、結局みんなそんなワルじゃない(笑)。温いのかもしれんけど、そこがまたこの「まほろ」という街を表現していると思う。

ところで原作を読んだ時は全く意識しなかったけど、多田と行天がともに離婚経験者であり子どもがいたという設定は、この二人が簡単に語れない過去を持ち、行き場のないいいトシした独身男であるというだけでなく、二人で一緒に暮らしていても決して怪しい方向にはいかないんですよという読者や観客に対する言い訳にもなっているんじゃなかろうか(笑)。

そして、かつてこの原作を読んだ時には「BANANA FISH」を思い出したけど、こうして実写化されると適度にゆるい感じから「傷だらけの天使」を思い出す。あれも最後は死んじゃうけど、でもまほろでは結局行天は刺されても死なない(今の所は)。二人の会話の間や台詞が多少気になったけど、結構面白く見る事ができた映画でした。

また、この作品はウェブサイトのデザインや映画のロゴ(手書きのへたくそな看板)、パンフレット(A5形のミニコミ風の本の形になっている。もしかして新宿ピカデリー仕様かもしれないが)もいい。とくにパンフは関係者による注釈付きのシナリオが載っているのがいいですよ。くそー、「ハゲタカ」のパンフもこういう形での物も見てみたかった(←結局、そこか!)。

さて明日は、この間見た「英国王のスピーチ」の時の予告編の「テンペスト」が面白そうなので見てみたいのだが(ヘレン・ミレンの厳しいババァっぷりが楽しみ)まだやってないのでー、「SP野望編よりは面白いですから」という廃人某嬢のオススメの「SP革命編」でも見てみようかなー。
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テーマ:日本映画
ジャンル:映画
コメント
!WGP、164cmのマコト、162cmのドーベルマンは嫌です。高良は中々いいと思います。
2011/05/04(Wed) 00:15 | URL | 通りすがり | 【編集
>東京から神奈川へ突き出るようにある街“まほろ

先月(そういや地震の前日だった)所用で町田に行ったら、駅前の商店街にいっぱいこの映画のポスターがありましたよ。「町田の皆さんありがとう」とわざわざ書いてあった。
「まほろ駅」は町田駅がモデルだそうですね。その時は「ふぅん」て感じでポスターを見てたんですが、後で大森一家(と言ってもお兄さんは監督か)が出てるって知って「えぇ~っ、大森南朋、町田にロケに来てたのか?ちょっと行って、見たかったなぁ、残念」と超ミーハーなことを思っちょりました(笑)
ちなみに、町田はうちから電車一本ですぐ行けるので、よく行きます。なので、知ってるところが写ってるとなると、やっぱ見たくなっちゃいますね(←やっぱりミーハー)
でもtsumireさんの書いてる映画のイメージだと、再開発される前の昔の町田の方がいいような気がしますね。
今は駅前もかなり整備されて、でっかい道路ができちゃったけど、昔(といっても10年くらい前)はホント小さな店舗が連なっててゴチャゴチャしてたんですよ。
個人的には前の方がよかったんだけどな。
近所には売ってない、マニアックな商品(笑)を探す楽しみとかもあったし、駅前をちょっと離れただけで、畑とかあって、無人の野菜販売があったりして、なかなかおもしろかったですよ。

とりあえず映画はチェックしてみますね。
2011/05/04(Wed) 22:52 | URL | ぶるー | 【編集
>164cmのマコト、162cmのドーベルマンは嫌です。

えーーー、岡田准一って私と同じ身長で、山田孝之は私よりも低かったんか!? 知らなかった~。
2011/05/05(Thu) 07:10 | URL | tsumire→通りすがりさん | 【編集
>「まほろ駅」は町田駅がモデルだそうですね。

そうみたいですね。原作者の三浦しをんが住んでいた街だからっつーのもあるでしょうけど。パンフにも街あげて映画撮影に協力したとか書いてありました。

>「えぇ~っ、大森南朋、町田にロケに来てたのか?ちょっと行って、見たかったなぁ、残念」と超ミーハーなことを思っちょりました(笑)

パンフによれば大森南朋のシーンは小田急線鶴間駅の弁当屋だそうで(町田じゃないよね?)。

>でもtsumireさんの書いてる映画のイメージだと、再開発される前の昔の町田の方がいいような気がしますね。

へぇー、今の現実の町田はもっときれいな街なのか。そういえば30年近く前、初めて吉祥寺に行った時は、おしゃれな街と田舎臭い部分が同居しててびっくりした記憶があるなあ。ぶるーさんの言う昔の町田みたいに、マニアックな商品とか、個別商品だけの店(玉子だけ売っている店とか)とかあって。昔はみんなそんな感じだったっつーことかしら。

>とりあえず映画はチェックしてみますね。

大森南朋の登場シーンはすごく少ないのであまり期待しないように。むしろとーちゃんの出番の方が多い(笑)。
2011/05/05(Thu) 21:34 | URL | tsumire→ぶるーさん | 【編集
またまたお邪魔します。

>小田急線鶴間駅の弁当屋だそうで(町田じゃないよね?)。

えぇ~~っ?!
町田よりもっと近所じゃん…うちから自転車で行けるよぉ~~(驚)
駅前の弁当屋って、あそこかぁーー!?(たぶん駅の近くには一軒しかないので、私が想像してる店で間違いないはず)

この際、大森南朋はおいといて(←ひどすぎる発言)やっぱ、見に行くぞぉ~
ってやっぱり超…(以下略)
2011/05/06(Fri) 12:54 | URL | ぶるー | 【編集
久しぶりに間に電車移動を挟んで、これと「阪急電車」のはしごをしてきました。
案外私の行動も若いのかしら(笑)

tsumiteさんの感想を読んでいたのですけど「多田」に『ハゲタカ』の大森南朋をキャスティングしたところ、鷲津と多田を並べられる所がが凄いな~と思ってしまいました。(←そこかい!!)
tsumire先生! どの辺?ちょっと過去がありそうなところに鷲津臭を感じたの?
4年前のtsumireさんに聞いてみたかったです。

松田龍平の走り方が可愛かったな。チワワを抱っこしているところも。チワワは太ってないけどね。
キャストは豪華でしたが、私、大森監督ってもっと尖がった映画を撮る人だと思ってました。
緩くて…観やすかった。
小説は未読でしたが実家に週刊文春があったので続編(かな?)をちっくと読みました。

「阪急電車」は家人が有川浩好きで文庫ありましたのでこれから読みますが、
映画は、怒って携帯へし折って水につけるシーンが気持ちよかった!←(これもそこかい!ですが)

阪神競馬場への道(仁川駅)だな~と観てしまいました(^^ゞ
2011/05/08(Sun) 09:29 | URL | BOOKO | 【編集
>この際、大森南朋はおいといて(←ひどすぎる発言)やっぱ、見に行くぞぉ~

ほほほ、ご感想をお待ちしています(笑)。
2011/05/09(Mon) 00:52 | URL | tsumire→ぶるーさん | 【編集
>案外私の行動も若いのかしら

BOOKOさんの行動はいつだって思い切りがよくて若いですよ!

>鷲津と多田を並べられる所がが凄いな~と思ってしまいました。(←そこかい!!)

だってこの時はまだ「ハゲタカ」と鷲津にハマってなかったから(当社比)、率直にそう思ったんだじゃないかなあ。実力派の若手オヤジ俳優(なんだ、それ)の一人としてさ。だって多田は多田だし、鷲津は鷲津だしさー。多田に鷲津臭を感じてのキャスティングじゃあないのよ。

松田龍平は期待してなかったけど、あの行天はありですね。パンフを見たら「走るのが下手そうだからああいう走り方をしてみた」みたいなことを言ってたけど。

>映画は、怒って携帯へし折って水につけるシーンが気持ちよかった!

ほほほ、さすがBOOKOさん。でも投げつけたんじゃないのね(笑)。
2011/05/09(Mon) 01:35 | URL | tsumire→BOOKOさん | 【編集
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