この間見た(そして今日はもう第2回目放映の)NHK大河ドラマ「平清盛」第1回の感想を書いていたのだが、毎日ちびちびと書いていたせいか感想以外の部分がかなり多くなってしまったので、感想を書く前にちょこっと残しておきます。

2012年の大河ドラマ「平清盛」が1月8日から始まりました。見応えがあって面白かったですけど、視聴率は17.3%で歴代ワースト3だそうですね。視聴率が悪いという記事を読んだ時は「ああ、私が気に入るドラマはみんな、やっぱり視聴率が悪いのね……」と思ったもんですよ(泣)。「ハゲタカ」(2007年、NHK)もそうだけど、去年のドラマだと「鈴木先生」(テレビ東京)や「それでも、生きていく」(フジ)なんかも良くなかったしさ。

「鈴木先生」の低視聴率ぶり(平均2.1%)については「河合監督は「小学生や中学生が妊娠するという『岬事件』という話があるのですが、そのような過激な内容を最初に持ってくることで視聴者をびっくりさせてやろうとおもった」とあえて物議を醸すことで高視聴率を期待したという。しかし、「テレビでやったらものすごい苦情の電話が来るんじゃないかと、苦情対応のマニュアルまで作って待ち構えていましたが、悲しいことに電話があまり鳴らなかった。そのときに嫌な予感がしました」と結果として本作の視聴率が低迷したことに恨み節」だそうで(笑)(Cinema Today「視聴率が低すぎたドラマ「鈴木先生」は名作で数々の賞を受賞!大震災で視聴者の意識に変化?制作サイドも困惑」より)。

で、「平清盛」。

「これまで最も低かったのは1989年の「春日局」14・3%、次いで77年の「花神」16・5%、72年の「新・平家物語」17・3%で、皮肉にも同じ「平家」で3番目タイで並んでしまった。最近では07年「風林火山」21・0%、08年「篤姫」20・3%、09年「天地人」24・7%、10年「龍馬伝」23・2%、11年「江」21・7%と20%を超えていたから、NHKにとって17・3%は「想定外」の低視聴率だろう」(JCASTテレビウォッチ「平清盛」初回視聴率ワースト3位―やっぱり平家ものは難しい!?」より)

ううむ、私も「春日局」は徳川物が好きじゃないので見てなかったし、「新・平家物語」は大河ドラマスキーな父が第1回放映前に「つまらないから見ない」と宣言して見なかったものだから(その根拠はなんだったのか?)子どもの私も見ませんでした。「花神」はすっげー面白かったですけどね、主役が原作者の司馬遼太郎も大絶賛の実力派の中村梅之助でしたが華やかさナッシングで(←ヒドイ)、しかも初回で襲われて瀕死の重傷を負うという展開だったから? わたしゃ大河ドラマの最終回を見て号泣しちゃったのは後にも先にもこの「花神」だけなんだが。で。視聴率17・3%っつうたって民放だったら大ヒットの予感!な数字ですけど何十年にも及ぶ古参の定期視聴者層を大量に抱えている大河ドラマじゃそうはいかないのね。

でもさ、それって去年の大河ドラマのせいもあるんじゃないかという気もするんですが。この2年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」と「江」のトラウマは本当に大きかったよなあと実感したのは、NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」や朝ドラ「カーネーション」を見た時でしたよ。「なんてしっかりキャラクタを構築してきちんと描いているんだ」「物語の軸がしっかりしていてエピソードがちゃんと有機的につながっている」「言葉による説明ではなく、ちゃんと場面やエピソードで見せてくれる」などとあまりにも当たり前の事にしみじみとしてしちゃったもんなー(なお、その前の大河「天地人」は第1回して見てないのでコメント出来ず)。

「龍馬伝」は脚本がアレだったために毎回憤慨しながらもそれ以外がよかったので結局最終回まで見てしまいましたが、「江」はどうにも耐えられず確か8回目くらいでリタイア、それでもチャンネルをNHKのままにしておくとうっかり目に入る事も度々あったしとりあえず最終回は見てしまいました。「江」はドラマとして本当にダメダメでしたが、でも思い返してみればダメドラマの最低基準を見せてくれたのだとも言えるのかも。これがあったからこそ、なおのこと他のドラマの有り難味を感じられるっつーか(←ヒドイ)。ドラマの見方としては完全に間違っているとは思うが、どこか無意識に「江」とはここがこんなに違うと思ってしまうこともあり、ある意味大河ドラマはbefore「江」、after「江」でわけられるかもしれない。で、きっとここで大河ドラマスキー脱却な視聴者もいたんでないの? とか思ったですね。

そんな訳でかなり構えて「平清盛」の第1回を見たんですが、「龍馬伝」と「江」から受けた傷が余りにも深かったので(←しつこい)新しいドラマに対してもどうにも腰が引けてしまっているんですよ。なんでしょうか、大失恋をしたからしばらくはもう恋なんかしたくない、みたいな?(笑)でも予告編なんぞを見たりすると、もしかして今度の恋は違うかも、とか思ってしまうのね。そして実際第1回を見たら面白かったんですけど、やっぱりまだ新しい恋に臆病になっていると言うか(←大バカ)、信用しきれないところがあるのでしばらく様子見しようと思います。「龍馬伝」だって1回目は掴みはOKだったもんなー。

ところで、「平清盛」の音楽は吉松隆さんと言う方、「平清盛」の画面が「龍馬伝」みたいにコーンスターチまみれなのに、音楽は佐藤直紀さんじゃないのねなどと馬鹿な感想を抱きつつ、ちょっと吉松さんのコラムサイト(「月刊Classic音楽探偵事務所」)とブログ(「八分音符の憂鬱」)をのぞいてみました。プロフィール欄に「世にも珍しい交響曲作曲家」ってありますが、クラシック音楽に、というか音楽自体にまったくもって疎いので交響曲作曲家が世にも珍しいのかどうかもわからない。

でも最新コラムの「大河ドラマ「平清盛」音楽制作メモ」(1月10日)がこれまた面白い。「もともとは朝廷の雇われ用心棒集団にすぎなかった「武士」を、政治と経済の中心にまで引き上げた人物」「武力で無理やり天下を取るような独裁的な制圧ではなく、貿易による経済立国を一家(つまり平家)あげて目指した」「厳島神社や平家納経などに見られる美的センスも心くすぐられるし、平家一門には笛や琵琶などの名人がいて音楽の素養もある。なかなか文化的なレベルも高い」「敵の子供(後の頼朝と義経)を「まだ小さくて可哀想だから」と命を助けたりしているほど(そのおかげで滅びてしまうわけなのだが)人道的だったりもする」。今まで歴史上の人物・平清盛にはまったく興味がなかったけど、この吉松さんのコラムを読んで俄然興味がわいてきちゃったよ。しかも大河ドラマ「平清盛」のドラマ世界作りがこれまた面白そうで、「龍馬伝」と「平清盛」の人物デザイン監修の柘植さんの「龍馬デザイン。」みたいな面白い話が期待で来そうな予感……(何分にも私は俳優さんよりもドラマ作りの方に興味がわく方なので)。

「平清盛」のメインテーマの「遊びをせんとや生まれけむ」なんかは「ちなみに、このメロディ、「初音ミク」というヴォーカロイド(歌声をサンプリングし日本語で歌を歌わせることが出来るソフト)で試作を重ねて作成している。もともと「歌詞を歌わせる」ことが目的のソフトなので、こういう「歌」の作曲には向いているのだが、平安時代の「今様」をコンピュータのヴォーカロイドで歌わせる…というのは、考えてみれば結構不思議な組み合わせと言えなくもない。」ですって。さらに「もうひとつ、演出側から出されたリクエストが、一昨年私が制作した「タルカス」のオーケストラ版を使いたいということ。(中略)平安時代を描く大河ドラマに「タルカス」のようなロックの作品を使うというのは奇妙な組み合わせだが、今回の「平清盛」の世界は、雅楽や箏が鳴り響くような「雅な平安時代」ではなく、ダイナミックでプログレッシヴ(先鋭的)な世界=《平安プログレ》がテーマ。その「イメージソング」的な音楽という位置づけである」と、こういうリクエストをする制作サイドも実に興味深い(←エラソー?)。「タルカス」の作曲者のキース・エマーソンといえば音楽に無知な私にとっちゃ映画「幻魔大戦」のヒトだが(笑)。

そんなわけで今夜の第2回も腰が引けてながらも楽しみにしています。
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