第4弾をやっつけたので(9月17日「生大友Dを見に4 公開講座「映画『るろうに剣心』のすべて(8月7日)」」)やっと「生大友Dを見に」シリーズ第5弾(笑)。

先週の日曜日の午前中に新宿で「るろうに剣心 日本語字幕版」を見た後昼飯も食わずにその足で池袋で開催された大友Dの講座に参加してきました。受付番号順受付で私の番号が5番、当日は一番前でかぶりつきとか思っていたのにギリギリのスケジュールで現地に着いたら受付開始しててもう130番とかだったよ……。なもんで満席だった会場の後ろの方でひっそりと今回の講座を聞きました。

 池袋コミュティカレッジ「大友啓史の役者論 映画『るろうに剣心』」

1時間半大友Dのマシンガントーク炸裂で色々面白かったのですが、今回のこの講座はどこまで書いていいのかよくわかんないし、この後「引越日記その3 部屋探し編 クールなKさんに鷲津の幻を見た!」(←あらかじめ誇大妄想予告であることをお詫びし、次回記事が予告と大きく異なる内容になる場合もある事をご注意申し上げます(笑))も書かなきゃならないので、ごくごく簡単にざっくりとだけ。

面白かったのは、役者が全然別の時代の別の人になるために、自分の感情を見つめる事で内面からのアプローチで余計な物を削ぎ落として役に近づいて行くという方法と、それとは別に、その時代のその人物の「空気」を作っている物は何かということを追求し、小道具や衣装、スタイルから入って行く方法があるということ。例えば「龍馬伝」や「るろうに剣心」では役者さん達に刀を本当に持ってもらった。すると役者は自分の心と体で演技をして腑に落としていく人達なので、刀は重いし振り回せるかどうかというところから殺陣に対して一人一人意見が出て来る。役者は体で理解して行く。そして刀を振り回さなくても何かで埋めて行く努力をしていく。演出家がどうこう言うのではなく、役者が自分からその役になりきるためにそれぞれが努力しはじめちゃう。そうなると役者は役者で自分のレールが出来て来る、と。

そして、へぇーーと思ったのは、緋村抜刀斎は職業的習慣で人を斬っていたけど、刀を捨てなきゃならない時代になって、逆刃刀という今までの使い方とは違う刀を持って、今までの習慣を捨てきった刀の使い方をしているのだ、というところでした。今までの習慣で(意識しないで)納刀する(刀を鞘に納める)と(刃と峰が逆になっているので)指を切っちゃうんだと。なるほど、武士に生まれた時から自分の分身のように刀を扱って来て何も意識しないで納刀してきた人が、納刀することにすら常に意識して刀を使う、つまりあの刀を持って使い続ける事で常に「殺さずの誓い」を更新し続けているってことなんですね。

あと、今回の参加者サービスでハゲタカネタもありましたよ(笑)。上の、演出の仕事は役者がその役になりきって演じることができるようにそのための舞台立てをすること、外濠を埋める仕事。泣いて欲しいシーンで泣いてって言ったら(そこで)終わり、演出家の負け、(そうではなくて役者から)そういう芝居を引き出すために、役者に対してボールを投げるのが演出という話の流れで。

ドラマ「ハゲタカ」の第1話の最後で、芝野さんが「おまえが殺したんだ」ってオフィスビルで鷲津に言う台詞があるけど、台本だとすごく強い「おまえが殺したんだ」って行く芝居なんだけど、そこにあの場所を選んでエキストラを通す事で大きな声で言えなくなる。自然と押し殺した芝居になる。大人同士なんだからそういうキャッチボールをしたい。「ここは小さい声で」とか言うのではなく小さい声で言って欲しいなら違う投げ方をして気づく役者かどうか。周りをどう作るかで芝居は変わる。そこで変わらない芝居をする役者はダメ。頭の中でやっているってことだから。場所が違ったら、相手が違ったら、天気が雨だったら晴だったら曇りだったら、芝居は変わる。相手がどう出て来るかで芝居は変わる。そこは関係性だから、その関係性をつくる。主役はそれを受けるのだ、と。

ざっくりにも程があるってレベルで申し訳ない。今回はこの辺で。もうちっくと時間が出来たら追記・補足します。
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テーマ:るろうに剣心
ジャンル:映画
コメント
大友さんのお話は
逆刃刀の納刀話や、
ハゲタカ話もそうですけど、
「そこまで考えてんのか!(;゚Д゚)!」って…
聞かなきゃ到底わかんないレベルですよね(^^;
2012/09/18(Tue) 09:45 | URL | seiu | 【編集
>次回記事が予告と大きく異なる内容になる場合もある事をご注意申し上げます

奥様、それ「もやしもん」の次巻予告の常套句。この文句さえ入れとけば、何やってもいい的な遊びの場になってますよ、「もやしもん」の予告ページは。
クール鷲津もどき記事は、どんなもんじゃろかい。

大友さんは役者に対して、尊敬もしているけど、その分シビアでもある。
たまたまテレビで見た山田洋次監督の演出は、非常に細かな指示が随所に入っていたけど、大友さんは、「そこはスコーンスコーンといきたいね」だもんね(笑)
「お膳立てはしてやった。さぁ、どう出る。」って監督も怖いわぁ。考えなきゃだめだけど、頭の中だけでもだめ。難しー!そうやって鷲津は生まれたわけかぁ。(結局そこ)

やっぱり大友さんの話は面白いです。(生で聞くともっと面白いけど)
こちらではなかなかそういう機会がないので、tsumireさんのレポートは非常にありがたい。
これからも、よろしくね~。



P.S.
先日、洋ちゃん原作の大森南朋主演のドラマを見たけど(ちなみにオリジナルの舞台はDVDで見たけど、こちらはコメディ色がかなり強く、洋ちゃんの役どころも非常にアクが強くて、面白かったよ)、「今の内なら(頭髪的に)まだまだ鷲津いけるよ!」と、密かに胸を撫で下ろしたのは、我々おバカハゲタカファンには、お約束だよね?
2012/09/19(Wed) 08:59 | URL | suika | 【編集
>「そこまで考えてんのか!(;゚Д゚)!」って…
>聞かなきゃ到底わかんないレベルですよね(^^;

ほんとですよ。特に今回は納刀の話にはちょっと(いや、かなり)感心しました。刀を捨てなくちゃならない時代に、人を決して殺さないと誓った人間が何故刀をもっているのか。原作を読めばよくわかるのかもしれませんが、読んでないのでまずそこからわかってなかったんですが、納刀の話を聞くと、「殺さずの誓い」を常に意識しつづけるために必要なものだったんですね。いやー、やっぱすごいですよね。
2012/09/19(Wed) 23:58 | URL | tsumire→seiuさん | 【編集
大友さんDAY?お疲れさまでした。

>演出の仕事は役者がその役になりきって演じることができるようにそのための舞台立てをすること、外濠を埋める仕事

はぁぁ~、なるほど「演劇」ってのは奥が深~いものなんですね。
私はその辺ド素人なのでまったくわかりませんが…
そう言えば台本(本物じゃないけど)を見るとホント役者さんってすっごいなーと思いました。だって状況説明とセリフしか台本に書いてないのに(当たり前だけど)それを読んで「こんな顔や体の動きで演じる」とか想像して演じるんですよね。

>緋村抜刀斎は職業的習慣で人を斬っていたけど、刀を捨てなきゃならない時代になって、逆刃刀という今までの使い方とは違う刀を持って、今までの習慣を捨てきった刀の使い方をしているのだ

明治時代になってただ単に「刀とちょんまげを捨てた」という軽いものじゃないんですね。それがあの演出なんだ、なるほど。

最初、映画見た時は「あれ?」って感じだったけど、この記事を見てもう一回見てもいいかな?って思いましたョ(超エラソー)

おまけ
今やってる土曜ドラマ(この言葉だけで萌えるおバカです)「負けて、勝つ」を見てるんですが、NHKのドラマはもはや映像にフィルターを掛けるのがお約束なんでしょうか?政治家の会議のシーンなんか、ドラマの三葉銀行のシーンとちっくと似てるのよね。それに村田さん(違)も出てるし。

2012/09/20(Thu) 22:48 | URL | ぶるー | 【編集
話違うんですが、「るろ剣」の言葉使いは原作通りなんでしょうか?
一緒に見た友人が「ないでござる」ってなんだ=!?と怒ってた(笑)
確かに「ござらぬ」と言えば済むものを、なぜ、わざわざ「ないでござる」?
この手のセリフが多くて、「行け」という命令形の場面で「行くでござる」ってのも友人が指摘。
(「行くでござる」と)言われた方も却って混乱しそうなこの話し方、もしやちょっとピンボケな主人公のキャラクターを出すため?とか???

でもそういえば龍馬伝の福山もまんま今時の話し方だったし、大友さんて映像の世界観にはこだわるけど、セリフはあくまで今現在見てる観客のリアルを重視して、考証にはこだわらないとか?

2012/09/21(Fri) 00:35 | URL | oha〜 | 【編集
>はぁぁ~、なるほど「演劇」ってのは奥が深~いものなんですね。

私もお芝居って全然わからないですけど(私のそっち方面の知識は「ガラスの仮面」止まりだったり(笑))、大友さんみたいに主役の俳優さんの持てる力を最大限に引き出すために外側から物理的にお膳立てする演出さんもいれば、事細かに指示して緻密に組み立てていく演出さんとか、色々いらっさるようですね。

>だって状況説明とセリフしか台本に書いてないのに(当たり前だけど)それを読んで「こんな顔や体の動きで演じる」とか想像して演じるんですよね。

あー、そういえば私も昔台本を初めて読んだ頃は、こんなんでよくお芝居できるな、とか思ったんだった。まあ、台本は作品の骨格ですよね。それに肉付けて最終的な形にしていくのは役者さんやスタッフや演出っつーことで。「龍馬伝」ではその骨格が歪みまくっていたから問題でしたけど。

>明治時代になってただ単に「刀とちょんまげを捨てた」という軽いものじゃないんですね。それがあの演出なんだ、なるほど。

24時間常に持ち歩き寝る時も枕元に置いて過ごしていて自分の魂だと言っていた人達、人殺しができる道具を持つ事が公に許されていて、事と次第によっちゃ(後々の懲罰はあるにしても)切り捨て御免な階級の人達がいて、明治維新の廃刀令でそれがすべてひっくり返り、今まで士農工商で一番下の階級だった人達が一番の実権を握って色々やり放題だった時代、というのをちゃんと考えての演出だったみたいですよ。

>最初、映画見た時は「あれ?」って感じだったけど、この記事を見てもう一回見てもいいかな?って思いましたョ

うん、私もねー、大友さんの話を聞くとやっぱり確認がてら(←やはりここ?)もう1回見たくなるね。

>今やってる土曜ドラマ(この言葉だけで萌えるおバカです)


ほほほ、当然です(笑)。

>「負けて、勝つ」を見てるんですが、NHKのドラマはもはや映像にフィルターを掛けるのがお約束なんでしょうか?

んーーー。どうなんだろう。現代の話ではないから、というのは関係ないか。

私的には癖のあるオヤジが沢山出て来る楽しいドラマです(笑)。特に「「白洲次郎」では白洲次郎を伊勢谷友介、吉田茂は原田芳雄だったけど、こっちではタニショーが白洲次郎かあ」とか、「総理大臣になったのって70歳じゃん、渡辺謙じゃ若すぎない?」とか「他の人だったらハゲヅラかぶるんだろうけど、渡辺謙なら地毛でOKだな」とか色々楽しい(笑)。

最近ドラマネタの記事書いてないけど、なんか書いてみようかしら。
2012/09/22(Sat) 15:14 | URL | tsumire→ぶるーさん | 【編集
>奥様、それ「もやしもん」の次巻予告の常套句。

ほほほ、子どもの頃、週刊誌や月刊誌の連載の最後のページにいつも「えーーー、どうなるの!?」とハラハラドキドキさせられて、翌週、翌月はまるでそれがなかったんじゃないかというくらい軽く流されたりスルーされた記憶がsuikaさんもあるはず(笑)。今回もそんな感じでよろしく(てへっ)。

>この文句さえ入れとけば、何やってもいい的な遊びの場になってますよ、「もやしもん」の予告ページは。

へー、そりゃ参考のために「もやしもん」を見てみようかしら(違)。

>たまたまテレビで見た山田洋次監督の演出は、非常に細かな指示が随所に入っていたけど、大友さんは、「そこはスコーンスコーンといきたいね」だもんね(笑)

確か映画「ハゲタカ」のコメンタリで大森南朋が大友さんにそんなに指示された事がない、とかって言ってたよね。今回の講座でも大友さんは、指示をする時は脇の人やエキストラに対してするって言ってたよ。あの剣心の頬を斬った侍(清里って言うそうで)の場面も、たけるんには特に指示してないけど、清里役の人にはこまかーーーく指示したんだって。で、たけるんはあの芝居をして、そして何度も何度も斬り掛かって来る清里に対して(←大友さんは「ゾンビ清里」って言ってた(笑))結局止めを刺した後に震えていたけど、それは別に指示してなくてたけるんがそう演技したんですってよ。

>「お膳立てはしてやった。さぁ、どう出る。」って監督も怖いわぁ。

そうそう、自分で考えてその役になりきろうとする人には、それができる状況をセッティングして相手の出方を待つんだよね。だからあの「スコーンスコーン」も大森南朋に対してよりは玉鉄に対して言っているんだし、駐車場の「おまえは、誰なんだ」シーンでも車の中で大友さんは玉鉄には細かく指示していたけど大森南朋は放置だったから「僕にはなかったな、、」とちょっとスネ気味(笑)だったよね。

>考えなきゃだめだけど、頭の中だけでもだめ。難しー!そうやって鷲津は生まれたわけかぁ。(結局そこ)

ドラマ第6話の幻の場面、地下道でキレて暴れる鷲津のシーンも、画面に映し出さなくても鷲津を演じる大森南朋には必要な「体験」だったっつーことだよね。

>やっぱり大友さんの話は面白いです。(生で聞くともっと面白いけど)

そうなんだよね、大友さんって詐欺師の才能もあるんじゃね?とか思うです(笑)。

>先日、洋ちゃん原作の大森南朋主演のドラマを見たけど、「今の内なら(頭髪的に)まだまだ鷲津いけるよ!」と、密かに胸を撫で下ろしたのは、我々おバカハゲタカファンには、お約束だよね?

あの大森南朋さー、私はまことちゃんヘアがすっげー気になったし、やっぱりキているよね、あのおでこ(笑)。
2012/09/22(Sat) 15:42 | URL | tsumire→suikaさん | 【編集
>話違うんですが、「るろ剣」の言葉使いは原作通りなんでしょうか?

わしは原作は見てないのでわからんですが、普通に聞いていて非常にアレレ??と思う部分があったり、台詞の流れ的にはぁ?と思う部分があるのは、多分原作通りなんじゃないのかなあ。いくら大友さんが脚本が苦手といったって(←大友さんが苦手と言った訳ではない。私が「白洲次郎」や「るろうに剣心」を見てそう思っているだけ)他のキャラとの会話を考えてもちょっとこれは、、、とか思うもんね。

>確かに「ござらぬ」と言えば済むものを、なぜ、わざわざ「ないでござる」?

原作で「ないでござる」と言っているかは知らないけど、大友さんの講座でのお話によれば、剣心の和みパート(笑)のあの手の台詞群は、剣心が過去の自分と切り離すためにわざと作っているものかもしれない、とは言ってたよ。

>もしやちょっとピンボケな主人公のキャラクターを出すため?とか???

ま、そう言う事になるみたいね。

>でもそういえば龍馬伝の福山もまんま今時の話し方だったし、大友さんて映像の世界観にはこだわるけど、セリフはあくまで今現在見てる観客のリアルを重視して、考証にはこだわらないとか?

うーむ。「龍馬伝」はるろ剣ほど非常に特徴的な浮いている台詞や、え?と思うような現代的単語はそんなに気にならなかったと思うんだよね。まー、天下のNHKだから修正が沢山入っているけど、今はフリーで映画作っているからNHKほどの修正は入らないのかもしれんけど。

でもまー、今回のこの一連のあれ?な台詞は、原作によるところが多いんじゃないのかなあ。決まり文句みたいなもんだから、「水戸黄門」で印籠を出さないなんてあり得ないようなものなのかもよ(←非常に勝手な推測)。
2012/09/22(Sat) 18:34 | URL | tsumire→oha~さん | 【編集
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