007スカイフォール
このところとんでもなく忙しくてしばらく本当の自分の私用で会社を休んだ事はなかったのだが(子どもの中学校の保護者会とか個人面談のために休んだ事は何度かあったが)そろそろ本当にちゃんと休ませてくださいよっつーことで、先週の水曜日、超久しぶりに会社を正々堂々と休んで映画を見てきました。

[あらすじ]
「トルコのイスタンブールで、極秘データを盗んだ敵を追っていたMI6エージェント“007”ことジェームズ・ボンドは、敵ともみ合ううちに狙撃され、川に落ち生死不明に。MI6では007を死亡したと判断する。その頃、MI6本部が爆破され、サイバーテロ予告が届く。これらのテロはMI6を率いる“M”に恨みを抱く者の犯行だった。イスタンブールで密かに生き延びていたジェームズ・ボンドはMI6に戻り、MI6を襲う敵に立ち向かうことを決意する…。」(goo映画紹介より)

007といえば恒例のオープニングアクションですが勿論掴みはOK、実は現ボンド役のダニエル・クレイグには全く興味がないし、ジェームズ・ボンドってもっと洒落っ気がある俳優さんの方が合っていると思っているので、洒落っ気もユーモアも微塵もなさげな、イギリスの諜報員というよりはロシアっぽい雰囲気の今のボンドはどうかなあとか思っていたけど、それは置いておいて(笑)、ダニエル・クレイグのこのボンドはありだよなあと思いました。何よりもカッコいいですよ。スーツを着てカブみたいなバイクで屋根の上をガシガシ追跡したり、破壊された列車にひょいと降り立ってスーツのカフスを直すところとか。あ、ただのスーツ萌えか(笑)。

まあなんだかんだ言っても007って50年も続いているすごいシリーズ物な訳で、映画「ハゲタカ」以降シリーズ物、続編ものをつい意識して見てしまう私ですが、これは……表現が変かもしれんが今回の「スカイフォール」は「007」でなくても面白いと思いました。しかも作品のドラマ、アクション、サスペンス部分での面白さとは別に、色々なものの対照ぶり、対比の描写とか、画面構成の美しさとか、古典007からのナイスな引用とか、前半がサスペンスアクションなのに後半がまるでシェイクスピア劇的風味だったり(なので後半部分を退屈に感じたり、これは007じゃないと思う人もいるかもしれない。とかいっても大昔に何回か見たシェイクスピア劇の記憶が全くないけど。←多分寝ちゃったものと思われる)色々面白かったです(あれ?エラソー?)。

8月に新バットマンシリーズ3部作の3作目「ダークナイト・ライジング」を全くの予備知識なし&前作(「ダークナイト」)、前々作(「バットマン・ビギンズ」)未鑑賞状態で見て「こりゃあ面白いわ」と思って前作前々作のあらすじをチェックしてみたら(←遅いよ)、これ今までのシリーズを見てから見るともっと面白かったんじゃねーかと、ちと愕然としました(笑)。そんで今回の007ですが、いやあシリーズ過去作からの引用がまた楽しい。私はスクリーンで見た007は「007私を愛したスパイ」からですが、それまでの作品もテレビで見ていたので一応007シリーズは押さえている方だと思う。別にそれぞれの作品の大ファンではないけど、やっぱりジェームズ・ボンドがアストン・マーチンの横に立つと、うっひゃ〜だし、「ペン型の銃なんてアンティークですよ」なんて台詞にはニヤリとしちゃうし、お決まりのところで例の007のテーマやBGMが流れるのもシリーズならではの楽しさでした。しかもね、9月に見た「踊る大捜査線ファイナル」では、シリーズ物ならではの「お約束」を消費しきって(貯金を使い果たして)の最終回だったので、映画作品としては非常に残念なレベルだったとはいえ、それはそれで作品にとってもファンにとってもここで終った事は幸せなのかもしれないとか思ったんですよね。でもこの007のお約束描写は引用の仕方がうまいだけでなく、ちゃんと現作にも生きたものになっているので、まるで韻を踏んでいるかような感じで「お約束」がきちんと広がっていて、正しい続編、正しいシリーズ物ってこれだよなあとか思いました。

そんな訳で大した事は書いてませんがネタバレありなので折り畳みます。
007(Q)
弊ブログを読んでいただいている皆様ならおそよ推測がついていると思うが(笑)、私は007シリーズでは「Q」のファンなんですよ。マッドサイエンティストチックなジジィの科学者で、ジョームズ・ボンドの必殺兵器(トンデモ武器?)を次から次と繰り出して来る場面は、どの007でも楽しみな所です。上のQの写真(イギリスのWikiより)が歴代のQですが、さすがに初代のピーター・バートン(「ドクター・ノオ」1962年)の記憶はないけど、2代目のデスモンド・リュウェリン(「007 ロシアより愛をこめて」1963年〜「007 ワールド・イズ・ノット・イナフ」1999年)、Qといえばこの人ですよね。36年間17作品に登場しているし、枯れ具合がまたナイス(笑)。3代目のジョン・クリーズ(「007 ワールド・イズ・ノット・イナフ」1999年〜「007 ダイ・アナザー・デイ」2002年)も、「ネバーセイ・ネバーアゲイン」(1983年)出演のアレック・マッコーエンもみんないい感じのオッサンでした。

007(アルバート・フィニー&ベン・ウィショー)
で、そこに今回のQのベン・ウィショーですよ(写真右)。今回ボンド(ダニエル・クレイグ)の前に登場したのはひょろっとした草食系若造、コンピュータに詳しいいかにもな感じの今風な青年のQ(ベン・ウィショー)ですが、もうトシだとかなんとか言ってロートルを気取っているボンドとの対比が効いていて、現場のボンドと会議室のQが非常にいい感じのコンビ感をかもしだしていました。でも「Q」なのに秘密兵器は掌紋認証機能付き銃と発信機だけかよとか思ったら、これは後半に登場する人物のための前振りだったんですね。その人物とはボンドの故郷スカイフォールの管理人キンケイド(アルバート・フィニー、写真左)ですが、敵のシルヴァ(ハビエル・バルデム)の軍団と戦うために、ボンドとM(ジュディ・デンチ)の前に非常に原始的な武器の数々を並べて行くんですよ。ボンドを間に挟んで人住まぬ荒れ地スカイフォールの「Q」(過去)とコンピュータヲタクの若造の「Q」(現代)が成立していて、「Q」好き(って何だ)にはたまらんシチュエーションです(笑)。

そして今回残念なのはジュディ・デンチのMの出番が今後は無くなってしまった事ですね。最後の最後で助かっちゃうんじゃないかと思ったんだけどなあ。実は私はジジィも好きだがババァもすごく好き(笑)。マイフェイヴァリット三大ババァ(←自分だってもうババァに片足突っ込んでいるくせにヒドイ)はジュディ・デンチ、ヘレン・ミレン、ヴァネッサ・レッドグレーブなので、非常に残念。しかしまあ、今回の007のテーマが"母殺し"みたいなもんで、それを乗り越えての世代交代劇でもあるから仕方ないのか。

突っ込みどころもそれなりにあるんだけど(捕まえたシルヴァの身体検査をなんでもっと徹底的にやらなかったの?とか、MI6のセキュリティかなり甘くないか?とか)それは置いておいて、最後には007ってあり得なさをとことん楽しむ作品なんだなあとか、「やっぱりこれでなくちゃね!」と思わせる所がシリーズ物の醍醐味だよなあとか実感いたしました。また、新Qのベン・ウィショーが思いのほかよかったし、新Mのレイフ・ファインズがこれまたいい感じのオッサンなので次回の007にも期待したいところです(←期待のしどころが間違っている?)。
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テーマ:007シリーズ
ジャンル:映画
コメント
こんばんは むぎこがしです

とうとう清盛も終りいよいよ押し迫ってまいりましたね。

さすがの007シリーズ、何を見てもヘエーと思ってしまう感じでした。

総制作費は1億5000ドルとからしいですし
あの冒頭のシーンのスーツは1着70万円する
らしいですがハードなアクションでどんなに
破れても大丈夫なように80着用意されたとか。

お金も時間も人手も技術もかけられるだけかけられる
成功がある意味約束されているコンテンツだからかも
知れませんね。しかしスゴい映画でした。

でももしかするとダニエルも交代しちゃうんじゃ
ないかなとか思いますけどねえ、どうでしょうか。

私もジュディ・デンチはしぶといと思っていたのに
残念です。まあ、今度のM役の人は今回みたく
アクションの方に出張って来ちゃいそうですが。

私が好きなババア(失礼)女優さんのおひとりの
グレン・グローズの新作が1月に公開されるんですね。
予告編を観てもう楽しみにしています。

http://albert-movie.com/

tsumireさんもお時間があったらご覧下さいませ。
ホビットなんかより面白いのでは?
2012/12/24(Mon) 00:18 | URL | むぎこがし | 【編集
いやー、わたしも今までジェームズ・ボンドと言えば、キザで洒落っ気のあるロジャー・ムーアが一番と思っていたんだけど(ショーン・コネリーは、あの野性味が苦手)、ダニエル・クレイグもありだなと思いましたよ。言われてみれば、ロシアっぽい顔立ちで、キザとは対極にいる感じだけど、この泥臭いボンド、好きだわ(笑)
そしてわたしも二代目Qがお気に入りだったんだけど(インディージョーンズでも、ハリソン・フォードもさることながら、友人のマーカスに目は釘付け)、新しいQも良いではないの。オタクっぽい雰囲気が好印象。

ジュディ・デンチの退場は確かに惜しいけど、新Mも好みのタイプなので、ショックは小さめ(笑)
ちなみに、マイフェイヴァリット三大ババァは、ジュディ・デンチ、マギー・スミス、佐々木すみ江でごじゃりまする。

ここまで結構大風呂敷を広げてきた007、核兵器や宇宙ステーション物が当たり前だったけど、ここにきて原点回帰と世代交代を上手にクリアしたなというのが、映画館を出た時の感想だったよ。

あ、それから、くらげの浮遊映像はきれいだったわー。あそこだけスタイリッシュな007が生き残ってたなぁ。
殺されちゃったボンドガールも綺麗だったし。
そして、新マネーペニーは武闘派なのね(笑)
2012/12/27(Thu) 01:59 | URL | suika | 【編集
>とうとう清盛も終りいよいよ押し迫ってまいりましたね。

今日、12月31日ですけども(しかも21時ですけども)「平清盛」の最終回とその前の回、まだ見てないのよね。年内に見ておきたかったわ……。

>さすがの007シリーズ、何を見てもヘエーと思ってしまう感じでした。

ヘエー。なんつーかね、007は何でも有りだと思うのでそれほどへぇーとは思わないんですよね。50年、生き残って来ただけに時代の波に合わせる能力のすごさにはさすがにへぇーとは思うけどさ。

>あの冒頭のシーンのスーツは1着70万円する

あのスーツ、かっこいいよね。スーツであんだけのアクションをやるというのもいいわ〜。

>お金も時間も人手も技術もかけられるだけかけられる
>成功がある意味約束されているコンテンツだからかも
>知れませんね。しかしスゴい映画でした。

いや、成功は必ずしも約束されてはいないと思うんだよね。それどころか007のブランドとクオリティ(まあ007のクオリティって何よって話だが。こんだけ徹底してエンターテインメントしているとやっぱり「ん?」って作品もあるしさ)を維持するのは大変だし、50年もやっているとシリーズ物ならではの難しさも一杯抱えていると思うしさ。

>でももしかするとダニエルも交代しちゃうんじゃ
>ないかなとか思いますけどねえ、どうでしょうか。

まー、こんだけ随時主役が変わっているし、3回もやっているしね、そろそろやばいかもね。

>私が好きなババア(失礼)女優さんのおひとりの
>グレン・グローズの新作が1月に公開されるんですね。
>予告編を観てもう楽しみにしています。

おお、グレン・クローズもナイスなババアですよね。しかもストーリーもちょっと面白そう。ちょっと見てみるかも。

>ホビットなんかより面白いのでは?

ホビット、三部作って聞く前は見る気満々だったんだけどさー、まだまだ続くっていうので見る気が無くなっているです。
2012/12/31(Mon) 21:32 | URL | tsumire→むぎこがしさん | 【編集
>いやー、わたしも今までジェームズ・ボンドと言えば、キザで洒落っ気のあるロジャー・ムーアが一番と思っていたんだけど(ショーン・コネリーは、あの野性味が苦手)、ダニエル・クレイグもありだなと思いましたよ。

007のショーン・コネリーって脂ぎっている感じだしイギリスのスパイというよりアメリカっぽいなあとか思ってたんだよね。ショーン・コネリーってジジィになってからがやっぱり(略

>言われてみれば、ロシアっぽい顔立ちで、キザとは対極にいる感じだけど、この泥臭いボンド、好きだわ(笑)

そうなんだよね、これはこれでアリな007で。私としては好きからはかなり遠いんだけど、これはこれでありだよね。

>そしてわたしも二代目Qがお気に入りだったんだけど新しいQも良いではないの。オタクっぽい雰囲気が好印象。

実は奥様、老け専の私としては画期的なんだけど(笑)今回この新Q、かなり気に入っちゃった。ヲタクなところとふわふわヘアが気に入ったのかも(あれ?ハゲ専じゃなかったのか??)。なので明日か明後日は新Q目当てにまた007を見に行っちゃうかも。

>ちなみに、マイフェイヴァリット三大ババァは、ジュディ・デンチ、マギー・スミス、佐々木すみ江でごじゃりまする。

ま、奥様も渋いご趣味(笑)。「篤姫」の佐々木すみ江はよかったよねぇ(しみじみ)。

>ここまで結構大風呂敷を広げてきた007、核兵器や宇宙ステーション物が当たり前だったけど、ここにきて原点回帰と世代交代を上手にクリアしたなというのが、映画館を出た時の感想だったよ。

うん、私も今回は今までよりも「世代交代感」が出ていて、しかも結構うまくいっている感がしたわ〜。

>そして、新マネーペニーは武闘派なのね(笑)

最後のあのマニーペニーと新Mの場面で、またリフレッシュ007を感じさせてくれましたよ。シリーズ物ゆえに免れない「お約束」を色々上手く生かしていた映画でした。
2012/12/31(Mon) 22:40 | URL | tsumire→suikaさん | 【編集
こんばんは むぎこがしです

先日、こちらでコメントさせて頂いた
「アルバート氏の人生」を観てまいりました。

グレン・グローズの役者魂をみた!!という感じでした。
お話も古今東西女性って大変よねとしみじみ思ってしまいました。

そして予告編でコレも見逃せない♪と思ってしまったのがこちら

http://www.foxmovies.jp/hitchcock/sp/index.html

「ヒッチコック」というタイトルで
主人公はヒッチコックの妻(ヘレン・ミレン)で
アカデミー賞に嫌われていたとか
「サイコ」の製作の舞台裏とかを描いているのですが
こちらのCafe的にはヒッチコックを演じた
アンソニー・ホプキンスのハゲズラの精巧さではないでしょうか。
このヅラ(笑)で今年のアカデミー賞のメイキャップ部門に
ノミネートされているそうですよ。

予告編をみた瞬間には「誰これ?」というほど
ヒッチコックに似てましたね。
イケてるババア女優のヘレン・ミレンと
こちらも負けてないジジイのアンソニー・ホプキンスとは
初共演らしいです(ちょっと以外かも)。

公開が待ち遠しいですわ。
2013/02/06(Wed) 01:22 | URL | むぎこがし | 【編集
すっかりブログの方をほったらかししちゃっている間にあっという間に1ヶ月が過ぎてましたよ……(←怠け過ぎだよ)。むぎこがしさんご推薦の「アルバート氏の人生」も、むぎこがしさんに「ハゲだからやっぱり見るんですよね」と言われた「ダイハードラストデイ」もまだ見ておりません。そうこうしているうちにあっという間に花見の季節だしな。

>アンソニー・ホプキンスのハゲズラの精巧さではないでしょうか。
>このヅラ(笑)で今年のアカデミー賞のメイキャップ部門に
>ノミネートされているそうですよ。

おお、それは見に行かなくては(あれ? 色々間違っている?)。いやまあ、ナイスなジジィとババァは大好物なので私も楽しみにしたいです。
2013/03/03(Sun) 22:49 | URL | tsumire→むぎこがしさん | 【編集
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