コミックマーケット95
12月29日、今年もコミックマーケット95に行ってきました。私がコミケに初参加したのは1980年の第14回なので、もう38年目、でもトシのせいか早起きして荷物かついで人混みに揉まれて店広げるのが本当にきついわー。そろそろコミケ引退の文字もちらつく今日この頃、これが最後、もしくは次回で最後になるかもと思いつつの参加、よく晴れた東京の空が眩しい(←ただ単に疲れていたせいと思われる)。しかも数年に一度の強烈寒波が押し寄せていると散々言われていたため、今回のコミケでは初めてヒートテック極暖を着用。私は寒がりだけど暑がりでもあるので迂闊に下着にヒートテックなんか着てしまうと、暖かいところでは汗だらけになって却って風邪をひいてしまう。なので着ないようにしていたのだが(大体持っていないので金曜日、仕事納めの後に初めて購入した)、この寒さでは仕方がない。本当に弱っちまってるよ(とほほ)。

しかも当日の朝はお腹の調子が悪く、自宅、自宅最寄り駅、東京駅でトイレに駆け込む。「今、体重を計ってくれれば人間ドックでも少しはセーフだったのに」と心の底から思う。今月初めに受けた人間ドックでは高血圧・高コレステロール・高尿酸値・肥満のおっさんみたいな四重苦で特定保健指導対象になってしまったのだ。東京駅を出た時点でヨレヨレになっていたのでもうタクシーでビッグサイトに向かおうかと思ったくらいだ。結局バスに乗ったけど。会場の東京ビッグサイトの西ホールに着いたらすでに同僚の助っ人M様がお着物姿でスペースの椅子に腰を下ろしていた。なんでも紬だと洋服を着ているよりも暖かいんだという。「へー」といいつつげっそりぼんやりしている私をよそに、今回もM様がちゃちゃちゃっと店のセッティングをするとさっさとお目当のスペースがある東ホールへ行ってしまう。西と東の間には深くて暗い川があるのに(違)相変わらずパワフルなM様。

しかし確実に老いが忍び寄っている私(つか、もう老いに寄り添っているというのが正しい)、40年弱のコミケ参加歴にして初めて参加登録カードを忘れるという大ミステイク。ちゃんとサークル通行証とかその他の物はチェックしていたのになんという事でしょう。まあ、参加登録カードはサークル受付の時に提出するものなので、会場に入ってしまえばなんとかなるものではあるけど。

オトナのお葬式(表紙) オトナのお葬式(裏表紙)
さて今回の新刊は今年の夏の実父の葬式ネタ。実に平和で面白かったのだが、どう描いていいのか難しい。お笑いにしたら不謹慎だし、悲しい感じにしたら他人の不幸ネタなんかわざわざ読んでみようとは思わないし。描き出しに迷いに迷って結局12月に入ってから描き始めたら時間的余裕が全くなくなってしまったのだが、なんとか今回もギリギリで出すことができた。

コミケも高齢化が進んでいるせいか手にとってくださる皆様も「人ごとではない」「そろそろ身内があぶない」「今年、看取りました」などとの声をいただく。しかも今まで更年期障害ネタ(2016年発行「お年頃な女たち」)、老化ネタ(2017年発行「オトナの階段」)、そして今回の葬儀ネタと出しているので「いつも先をいってくださっているので助かります」との声も。ごめん、ハウツー本じゃないからお役には立たないと思うの。私が旅に出ている間にいらした方は「今、終活中です」とおっしゃってて、どうみても40代か50代くらいなのでM様が「まだ若いのに?」と聞いたら「片付けておかないと。ヤバイものとか、ヤバイものとか、ヤバイものとか……」との事。そうね、新刊でも散々書いたけど、生前整理は本当に大事!

そしてヨレヨレのヘトヘト状態だったせいか、300円の本に1,000円札を出されてもとっさに700円のお釣りが出てこない。本格的にまずい。M様にも「認知症のテストって、100から順番に7ずつ引いていくってのがあるんですよね……。危険水域じゃないですか?」と言われる。危険水域どころかもうデッドゾーンだよ! おまけに今回はお金のやりとりをするのにも老眼鏡必須だし、指先が乾燥しきっているのでお札も小銭も本もうまく掴めずオタオタしてしまう。もう、どこをどうとっても高齢化問題だらけの即売会(泣)。

そうこうしているうちにたまに弊サークルで売り子をしてくださるS田さんがやってくる。S田さんはいつも流行りのジャンルに正直な方なので、聞くとその時の流行りが何かわかる。
「今ですか?金カム(野田サトル「ゴールデンカムイ」)ですよ」
「え?(この間まではまっていた)タイバニ(アニメ「タイガー&バニー」)は?」
「7年もやったし、もういいかなと思って。盛り上がるジャンルって終わるのも早いんですよね」
私なんか10年とか20年に一度しか萌えないからいまだに「ハゲタカ」なのに……。
「でもコミケだとサークル数も本も少ないんですよ」
「なんで?」
「コミケよりもオンリー(ジャンルオンリー即売会)の方がサークル数も多いですよ」
「へー、そうなんだ……」
「それに最近は電子化が進んでて」
「あー……」
「でも電子化は電子化で作者がやめちゃうと何も残らないんですよ」
そもそも同人の電子書籍のシステムがよくわかっていないんだが。
「いきなりtwitterのアカウントもpixivの作品もみんな消えて無くなることもあります」
「あ、そうなんだ……」
「その点、本は手元に残りますからね。本で再販するって告知が流れると即売会に殺到して、スペースにたどり着いた頃にはもう売り切れている事もよくあります。でも在庫を抱えるリスクを負いたくないから刷り部数もそんなに多くないし。かといってネット通販ならいいかと思うとそうでもなくて。カートに入れてキーをガンガン打っていても先に進まずに10分で売り切れて買えない事もよくあります」
昔ながらの本を作っている私にはわからない世界だよ。本は作るのも楽しいし、見てもらうのも楽しいからなあ。

久しぶりにN県の中学教師・S川もやってくる。前回、彼氏とラブラブだからコミケに参加しなくなっているのかと思ったら父親が予断を許さない健康状態で、迂闊にコミケの申し込みができないと聞いて驚いたものだが、今回もそうなのかと思ったら全然違った。いつも世界中を旅して旅行記本を出していたのだが、今の学校では残業続きで休みも取れず、旅行が全然できないんだという。
「もう、修学旅行の京都に行くのが唯一の旅行よー。夏休みも全然休みがないんだよ?」
「部活とか? 部は何部の担当なの?」
「美術だよ。辞めたいって言っているんだけど他に美術の資格を持っている先生がいなくて辞めさせてもらえない。他の学校に移る希望を出しているんだけど強く引きとめられててさ。小さい学校だと(資格どうこうは)別にいいんだけどそこそこ大きい学校だからそれぞれ資格を持っている先生は担当になるのよ。一応部員が県大会でも賞をもらえるレベルになったんだけど、本当にもう辞めさせてもらえない」
「じゃ今年のW杯は?南アフリカの時は0泊4日の弾丸ツアーとかに参加してたじゃん?」
「今年の会場のエカテリンブルグはさー、すっごい僻地だからどう見積もっても5日はかかるのよ。モスクワだったらまだセーフだったんだけど、エカテリンブルクはモスクワから行くだけで1日かかるところでさー。だから諦めたよ」
「へぇーーー、S川がW杯を諦めるなんて、ありかよ」
「毎日、8時9時まで学校で残業しても終わらないし。しかも残業代まったくなし」
「話には聞いていたけど中学校はやっぱりすげえブラックだな……」
「そうなの。だから本も出せなくってさ」
「じゃ、いっそそのブラックぶりを描いて本にしたら?」
「さすがそれはできない」
「そういえばS川ももうそろそろ定年でしょ?」
「来年3月までね。65歳まで働ける資格は持っているけど、63歳でやめて、やめたら旅行するんだー……」
「……」
S川も色々大変なようだった。ちなみにお父様は今の所、小康状態とのこと。

今年5月の緊急会議でも会ったハゲタカ廃人の某嬢もやってくる(5月24日「NHKドラマ「ハゲタカ」から11年、映画から9年、2018年の鷲津政彦はどう描かれるのか?」)。某嬢はドラマ「踊る大捜査線」のあの人やドラマ「IQ246」の執事役のあの人の追っかけなので、本日の収穫本ももちろん踊る本やIQ本だ。
「えー、「モンテクリスト伯」じゃないの?」※2018年4月期連続ドラマ
「だって、ドラマはもう終わっているじゃないですか」
「ドラマとしてはモンテの方が格段に面白くてレベル高かったじゃん!」
「あ、そうそう、今度の年始の3時間ドラマにも出ていているので、見てくださいね!」
某嬢は好きな推しの今を見つめる女なのだった。

大学のサークル時代の後輩のAさん(すまん、名前が思い出せない)も来る。今回は一緒に活動をしている友人と自分でそれぞれ店を出しているので2箇所を行ったり来たりしているのだという。
私「え?どことどこ?AさんはFC(ファンクラブ)でしょ?もう一つは?」
Aさん「私は少女漫画FCですけど、もう一つはフィギュアで」
M様「「ユーリ!!! on ICE」(アニメ)?」
Aさん「違います。リアルで」
私「あー、ゆずるとかしょうまとか?」
M様「グランプリファイナルとか見たんですか?」
Aさん「もちろん、見ましたよ!」
M様「じゃあ、世界選手権(2019年世界フィギュアスケート選手権)も?」
Aさん「もちろんチケット取りました!もう大忙しですよ!」
萌えがある生活、それは羨ましいような羨ましくないような(笑)。

そんなこんなで陽も暮れて、弊サークル的には非常に多くの方に新刊を手にとっていただき、ほくほくな気分で会場を後にしたのだった。もう本当に体力気力ゼロだったためM様と二人でタクシーに乗る。「そういえば晴海って今どうなっているのかね?」「コミケが有明に移ってから全然行ってないからさっぱりわかりませんけど」と言っていたら運転手さんが「今、選手村を建設中ですよ」と。おお、晴海も今はオリンピック待ちか。

さて。今回お立ち寄りいただいた皆様、お買い上げいただいた皆様、ありがとうございました。昨日の朝は次の新刊は「さよなら、コミケ。」で作ろうかなと思っていたけど、まだまだ描きたいものもたくさんあるし、決心がぐらつく(笑)。しかもチラシを渡した時は見ないでカバンに詰めていたお客様がしばらく経ってから「チラシを読んだら面白かったので」とか「私が買ったのを読んで友人にもう1冊と頼まれて」と来ていただいたのを見ると、やっぱりまだまだ色々やりたい鴨と思ったり。うううむ。

それでは皆様、こんな弊ブログですが来年もよろしくお願いいたします。どうか良いお年をお迎えください。
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コメント
良いお年を♪
今頃、白い灰になっておられるかと思いますが、この寒風吹きすさぶ中、新しいドレスを着て舞踏会に参加できたなんて素晴らしい!やっぱり君はマジですごいよ!

ところで、新刊ぜひ1冊お願いします。なんせ父95才、母85才ですし、当方大病してますんで、全く他人事じゃなくてよ。あ、急ぎませんので、白い灰から立ち直ってからゆっくりで構いませんので。(代金はハゲタカ集会の時払いで頼みます)



2018/12/30(Sun) 23:24 | URL | oha~ | 【編集
いやはや、毎年少しずつ同人誌即売会への参加がしんどくなってきていたけど、今回は特に堪えました。体が本当にポンコツになってきているのね(しみじみ)。

新刊は明日お送りしますので、ちょっと待っててね。なお、今回の新刊はハウツー本じゃあないです。実用的かというと、かなり疑問なので、期待しないで読んでいただければ、と思います。

そんではまた。こんな私ですが、今年もよろしく〜。
2019/01/02(Wed) 01:05 | URL | tsumire→oha~さん | 【編集
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