さて昨年に引き続き今年も前年に見た映画についてちょいと書き残しておきます。なお、昨年までの記事はこちら。

2019年に見た映画」(2020年1月3日)
2018年に見た映画」(2019年1月10日)
2017年に見た映画」(2018年2月28日)
2016年に見た映画」(2017年1月15日)

私が2020年に映画館で観た映画は以下の作品。

2020/01/09「The Guilty /ギルティ」
2020/01/09「ブラック・クランズマン」
2020/01/12「国家が破産する日」
2020/01/12「2人のローマ教皇」
2020/01/17「パラサイト 半地下の家族」
2020/02/13「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」
2020/02/15「母なる証明」
2020/02/17「殺人の追憶」
2020/02/19「ジョジョ・ラビット」
2020/07/09「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」
2020/07/09「エジソンズ・ゲーム」
2020/07/16「カセットテープ・ダイアリーズ」
2020/07/16「なぜ君は総理大臣になれないのか」
2020/07/28「パブリック 図書館の奇跡」
2020/08/24「ブリット=マリーの幸せなひとりだち」
2020/09/10「ようこそ映画音響の世界へ」
2020/09/10「インターステラー」
2020/09/16「スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~」
2020/09/16「オフィシャル・シークレット」
2020/10/12「TENET テネット」
2020/10/15「はちどり」
2020/10/15「メイキング・オブ・モータウン」
2020/11/01「罪の声」
2020/11/06「浅田家!」
2020/12/24「私をくいとめて」
2020/12/24「ハッピー・オールド・イヤー」

2020年は映画館が休館していた期間があったのであまり見てなかったという印象があり、実際、自粛期間も含めて3月から6月まで1本も見てないのに結局例年より少し少ないくらいで26本。結構見ているじゃん。とはいえマイナーな映画が多いような。まあ、メジャーな映画が軒並み公開中止や公開延期になっているので見られなかったというのは大きい。ちなみに2020年の興行ランキングは、

【2020年邦画作品別興収 上位10本】(シネマトゥデイより。最終興収の数字は一部推定)
1:『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』302億8,000万円〜
2:『今日から俺は!!劇場版』53億7,000万円
3:『コンフィデンスマンJP プリンセス編』38億4,000万円
4:『映画ドラえもん のび太の新恐竜』33億5,000万円
5:『事故物件 恐い間取り』23億5,000万円
6:『糸』22億4,000万円
7:『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』21億円~
8:『カイジ ファイナルゲーム』20億6,000万円
9:『劇場版「Fate / stay night [Heaven's Feel] III.spring song」』19億5,000万円(12月上旬時点)
10:『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』17億9,000万円

うわー、1本も見てない。現時点で「鬼滅の刃」も見ていないし。じゃあ洋画の方は、、、

【2020年洋画作品別興収 上位10本】(シネマトゥデイより。最終興収の数字は一部推定)
1:『アナと雪の女王2』133億7,000万円
2:『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』73億2,000万円
3:『パラサイト 半地下の家族』47億4,000万円
4:『TENET テネット』27億2,000万円
5:『キャッツ』13億5,000万円
6:『フォードvsフェラーリ』9億6,000万円
7:『ジュマンジ/ネクスト・レベル』9億3,000万円
8:『2分の1の魔法』8億7,000万円
9:『1917 命をかけた伝令』8億4,000万円
10:『ミッドサマー』7億1,000万円

まだ洋画の方が見ている。「スターウォーズ」(2019年に鑑賞済み)「パラサイト」「テネット」だけだけど。「1917 命をかけた伝令」「フォードvsフェラーリ」を観られなかったのは残念。

2020年に見た映画
そんなわけで2020年に見た映画で1番はなんだったかというと。うーん、どれも結構面白かったんですが、2018年の「タクシー運転手」とか2016年の「シン・ゴジラ」ほどおおっというのはなかったような。強いて言えば「2人のローマ教皇」 かな。教会の闇が大スキャンダルとなった前教皇時代、その大事件を描くのではなく当時の教皇(前教皇)と後に教皇となる枢機卿との会話が殆どだけど面白かったです。何から何まで全く対照的な2人の教皇、でも教皇もまた迷える子羊であり人間だった。ジジイ萌え者としても俺得映画(笑)。またビジュアルが本当に素晴らしい。実際もこうなんだろうけど目を引く2人の対照的な色の衣装、いくらお大尽のNetflixでも実際のバチカンをロケ地にはしていないと思うけど礼拝堂他のセット?も素晴らしい。そして性格も信条も経歴も全く違う2人の会話が退屈しないし面白く、新しい物と古い物の同居ぶりも楽しかった。でも2人のこういう真摯な交流があっても、教皇は亡くなる事でしか代替わりしないから、やがて別れの時が来るんだろうなーと思ったら、前教皇のベネディクト16世は日本の前天皇のように何百年ぶりだかの生前退位をした人で、超絶微笑ましいラストになっていてよかったです(しみじみ)。
2人のローマ教皇

「パラサイト」は、もう、何というか。経済格差とか、韓国家族の絆とか、じんわりとよその家族の中に入り込むサスペンスとか置いておいて、話がどっちの方向にどう転がるのか全くわからない。色んなものを盛れるだけ盛って全部乗せしてなおかつ一つの作品として面白かったです。しかも大風呂敷広げるだけ広げておいてどうなるのよ?と思ったら、あの静かなラスト、さすがアカデミー賞作品賞受賞も納得です。そんなわけでこの作品でもメインキャラで、「タクシー運転手」で主人公だったソン・ガンホも出ているポン・ジュノ作品「母なる証明」 と「殺人の追憶」 も見てみました。「母なる証明」 はどうも好みの作品じゃなかったけど、「殺人の追憶」 は何もかも全部乗せのジェットコースターな「パラサイト」に比べたらかなりストレートなサスペンスミステリー、かと思いきやラスト、苦くて遠い余韻で終わりそうな雰囲気が一瞬で静かなまま凍りつく場面を映し出します。全てはこのラストを描くため。面白かった。機会があればぜひ、「グエムル-漢江の怪物-」も見てみたいです。

「ジョジョラビット」はヒットラーが心の友のナチスオタクの少年の話?と思ったら、ライトでポップなコメディに見えて後半は結構ずっしり。少年が大人になってゆく過程をこんな風に描くとは。ビートルズで始まってデビッド・ボウイで終わるというのも意外。ん?と思う所もあるけど面白かったです。

「なぜ君は総理大臣になれないのか」 は実在の国会議員を20年弱追い続けたドキュメンタリー。「政治家に向いてないんじゃないのか」家族がそう思いつつ応援し、監督もまたそう思ってカメラを回してきた国会議員・小川淳也。キャッチーすぎるタイトルに期待しないで見たけど結構面白かったです。確かに今の日本では総理大臣に誠実さは求められないもんね。この映画の中で描かれる小川淳也像がどこまでリアルに近いのかは置いておいて。

「ようこそ映画音響の世界へ」 は映画の音(音声、効果音、音楽)が沈黙・無音も含めていかに重要で大事なものであるか、様々な作品と人々の証言から見られるので面白いだけでなく非常に興味深い。でも最近まで映画会社のトップからも「音は重要ではない」と言われ続けていたというのも驚きです。

「テネット」は子どもが見たいというので一緒に見た映画で、子どもはあまり映画は見ないしSFを全く見ないので上映中は寝てるかと思ったら終わった途端に「訳わからなさすぎる!もう一回見たい」と。2回目はもうIMAXで見なくてもいいでしょ?と言ったら「レベル落としたくないからまたIMAXで見たい」と。タチの悪い沼にハマったのかもしれん(笑)。順行時間と逆行時間、同じ場面を裏表で目紛しく描かれるのでちゃんと理解しようと思ったら確かに訳わからんけど、映画の中でも言っているように、Don't think,feel、何も考えずに見ていれば思っていたよりもシンプルなの鴨。"そういう敵"と闘って世界を消滅から救おうとする話と思えば。

「罪の声」は原作本が出た時から話が面白そうと思いつつ全く読まないまま映画公開の方が先になってしまった作品。twitterでテレビのネタバレが酷い、見るなら早めにとあったので公開3日目の朝一で予約して鑑賞。なんたって「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」「MIU404」の野木亜紀子脚本だし。知らないうちに事件に関わってしまっていた曽根(星野源)と、外側から事件を発掘するようになった阿久津(小栗旬)、裏と表、内と外の過去と現在が交互に描かれ、この二人がいつ出会うのかもサスペンスフル。後半関わった人々とその軌跡の描写がちょっと情緒的過ぎと思わなくもないけど、面白かったです。

さて。コロナでしばらく休館していたり再開しても人数制限があるところも残っている映画館ですが、もともと興行場法の条例で換気については厳しく取り決められているし、映画を見ながらおしゃべりもしないので(ほとんどの人は)、感染の危険はかなり低めのはずですが、今年はもう少し映画を見たい、、、見られるようになったらいいなあ……。
関連記事
テーマ:映画感想
ジャンル:映画
コメント
謹賀新年
あけましておめでとう
と書いて君に出した年賀状が戻ってきちゃったよ。
それはともかく、コロナ下でもけっこう見てるね。「テネット」は私はきっとダメだろうと見に行かなかったけど、娘さんの反応が気になる(笑)
「パラサイト」呆気にとられました。いろんな意味で日本では作れない気がした。格差をテーマにすると邦画だと湿っぽくなったり真面目になるかだもん。
ポン・ジュノのデビュー作「吠える犬は噛まない」も相当変な映画だったよ。「グムエル」は面白かった。ソン・ガンホが出ているだけで面白い。

「2人のローマ教皇」が1番!?
そいつはノーチェックだったよ。見なくては!でもTsumireさんジジイ萌えだからなぁ…私には理解できないかもなぁ。

じゃ、今年もよろしく♪
2021/01/05(Tue) 14:03 | URL | oha〜 | 【編集
あけましておめでとう。(届いてなくてもw)年賀状ありがとう。年賀状は父が亡くなるまでは毎年必ず出してたけど、亡くなってからこれ幸いとずっとサボりっぱなしだわ。でも今年は寒中見舞いでもだそうかなあ。とりあえず引っ越しはしてないよ。

>娘さんの反応が気になる(笑)

結局映画は1回きりだったもよう。あの後卒論も忙しかったみたいだし。去年?その前だっけ?「ボヘミアン・ラプソディ」の時は2回みたそうだけどね。

>「パラサイト」呆気にとられました。いろんな意味で日本では作れない気がした。格差をテーマにすると邦画だと湿っぽくなったり真面目になるかだもん。

ただ「パラサイト」が格差をテーマにしているかどうかは私にはちと疑問。格差がある現状をえぐるように描いてはいるけど、格差そのものを描きたいのかな?という気がしてさー。ポン・ジュノって根っからのエンタメ作家のような気がするんだけど。

>「グムエル」は面白かった。ソン・ガンホが出ているだけで面白い。


見たいーーー。でもごくたまにしか映画館でやってないんだよね。去年見る機会があったのに都合がつかなくていけなかったのが本当に残念。

>「2人のローマ教皇」が1番!?
そいつはノーチェックだったよ。見なくては!

ほほほ、別にドラマチックな映画ではないので、物好きにしかお勧めしません(笑)。

そんなこんなで今年もよろしく〜。
2021/01/06(Wed) 23:24 | URL | tsumire→oha〜さん | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック