2022年01月26日 (水)
昨年に引き続き今年も前年に見た映画についてちょいと書き残しておきます。なお、昨年までの記事はこちら。
「2020年に見た映画」(2021年1月2日)
「2019年に見た映画」(2020年1月3日)
「2018年に見た映画」(2019年1月10日)
「2017年に見た映画」(2018年2月28日)
「2016年に見た映画」(2017年1月15日)
私が2021年に映画館で観た映画は以下の作品。
2021/02/18 映画「KCIA 南山の部長たち」
2021/03/04 映画「すばらしき世界」
2021/03/04 映画「世界で一番しあわせな食堂」
2021/03/11 映画「あのこは貴族」
2021/03/11 映画「ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実」
2021/03/26 映画「グエムル-漢江の怪物-」
2021/04/07 映画「騙し絵の牙」
2021/04/14 映画「JUNK HEAD」
2021/04/23 映画「るろうに剣心 最終章 final」
2021/05/14 映画「ブックセラーズ」
2021/06/10 映画「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」
2021/06/25 映画「王の願い ハングルの始まり」
2021/07/08 映画「ヒノマルソウル」
2021/07/08 映画「ファーザー」
2021/07/17 映画「サムジンカンパニー 1995」
2021/07/17 映画「竜とそばかすの姫」
2021/08/23 映画「サマーフィルムにのって」
2021/08/23 映画「フリー・ガイ」
2021/10/07 映画「クーリエ:最高機密の運び屋」
2021/10/28 映画「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」
2021/11/03 映画「モーリタニアン 黒塗りの記録」
2021/11/05 映画「DUNE/デューン 砂の惑星」
2021/11/22 映画「劇場版 きのう何食べた?」
2021/12/23 映画「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」
2021/12/23 映画「老後の資金がありません!」
以上25本。
2021年の東京都の緊急事態宣言期間は
2回目:2021/01/08(金)~03/21(日)
3回目:2021/04/25(日)~06/20(日)
4回目:2021/07/12(月)~09/30(木)
と、超細切れながらも結構期間は長かったけど、2021年は2020年と違って映画館も図書館も他各種公共施設も開いていたので(公立公園はほとんど閉鎖されていたので花見は出来なかったけど)映画はそこそこ見ることができました。でも2021年のヒット映画は「鬼滅の刃」も「花束みたいな恋をした」も「シン・エヴァンゲリオン」も見ていないという地味な作品鑑賞歴。この中でベストはどれか?と言われたら、どれもそれなりに面白かったけどコレ!という1本はないかも。

「劇場版 きのう何食べた?」
よしながふみの漫画作品「きのう何食べた?」のTVドラマ化作品(2019年、テレビ東京)の続編的劇場版作品。原作もドラマも見ていて面白いし好きだし、ドラマ作品はとても幸せな漫画原作の映像化作品だと思うけど、何もわざわざ映画館で見なくてもいいかな?と思いつつ鑑賞。でもいつもの何気ない日常とクスリと笑えるエピソードの数々を見ていると気にならなかった。大きく派手な山はないけど家族とは何か、大事な人の幸せとは?を描いていて、見てて幸せになる作品でした。
「DUNE/デューン 砂の惑星」
原作は1965年発表のフランク・ハーバートのSF「デューン 砂の惑星」、石ノ森章太郎版表紙の文庫本を大学時代に読んだけど、当時はこれってSFなのかなあ?と思った記憶がある。1984年公開のデビッド・リンチ版も大昔に見たけど、こちらは微塵も記憶にない。この原作の映画化に至るまでの紆余曲折エピソードをラジオでやっていて面白かった(アフター5ジャンクション「特集:『DUNE/砂の惑星』をより楽しむための『DUNE』一夜漬け特集! by 添野知生 さん」)。遅めの昼食後に見たので途中で寝ちゃうかなと思ったけどそんな事はなく、久しぶりにSFらしいSFを観たような感じだった。でもこれ原作の世界観をある程度わかってないとツラいのでは?世界観はずっしりと重く暗く、砂漠の中での生活や戦いが描かれるので楽しい訳ではないけど、面白かったし次も見てみたい。
「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」
コロナ禍で公開が何度も延期された007、ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド最終作、こうなるんじゃないかなと思った通りの最後で、こういう終わり方は私は好きではないけどそれは置いておいて、やっぱり007の型破りな型通りの面白さってあるよなー。待ってました!という感じ。最初はイギリス人というよりロシア系では?と思ったもんだったけど、これで最後となるとやっぱりちと寂しい。
「クーリエ:最高機密の運び屋」
予備知識なくスパイ物?と何となく見てみたらキューバ危機時(1962年)の裏側の実話ベースの話。派手なアクションもなく地味な展開なのに、そして結果を知っているのに、途中から緊迫感半端ないせいか見終わった後に肩こりがひどいw 男達の深い友情の物語でもある。面白かった。
「フリーガイ」
ゲーム世界の中の平凡なモブキャラが自我に目覚めて世界を救うというAI成長譚で、おバカだけど自分は一体何者なのかという問いなど思っていたよりも格段に深い。ネトゲをやった事が無いので色々わからないけどバックアップはどうなってるの?とか思うものの結構面白かった。
「サマーフィルムにのって」
「時代劇映画に夢中な女子高生が未来からやってきた武士役のイメージにぴったりの少年に出会い、彼が出演する傑作時代劇を作ろうと奔走する姿を描く」(Wikipediaより)
2021年7月期ドラマ「お耳にあいましたら」の伊藤万理華がよかったので見てみたけど、お耳以上に好きなものを好きと思い切り語りたい、好きを形にして伝えたい、という気持ちが突っ走っていたり、アニメ版「映像研には手を出すな」味もあり(ちょっとアマチュア映画っぽいのはわざとかな)ぎゅっと身が詰まった青春映画で面白かった。
「竜とそばかすの姫」(アニメ)
「50億人以上が集うインターネット仮想世界〈U〉と出会った女子高生を主人公とした物語。歌姫のベルというアバターで〈U〉に参加し、その歌声でたちまち世界に注目される存在になっていく一方で、忌み嫌われる竜の姿をした謎の存在と出会うさまが描かれる」(Wikipediaより)
お話がというか、多分脚本がツッコミどころ満載だし、色々説明不足だし、仮想空間"U"で他のAs(アバター)は何して楽しんでるの?(仮想空間と言っても結構日常と変わらない事やっているような気もするけど)とか思うけど、何よりも主人公すず/ベルの歌と歌から広がる世界がよかった。
「サムジンカンパニー1995」
お茶汲み要員の女性社員達が会社の環境汚染隠蔽と闘う韓国の実話ベースの物語。マンガ的に描かれる場面は笑えるので軽めの話かと思いきや筋の通ったサスペンス社会派ドラマであり、次から次へとどんでん返しがあり痛快なラストになだれ込んで面白かった。
「ファーザー」
「日本を含め世界30カ国以上で上演された舞台「Le Pere 父」を基に、老いによる喪失と親子の揺れる絆を、記憶と時間が混迷していく父親の視点から描き出す」(映画.com)
認知症の80歳の父視点で描かれるので誰が誰だか分からなくなったり、過去と現在の光景が今として見えているので混乱したりでミステリーっぽいと思ったけど、自分もやがてこんな風に訳分からなくなるのかと思うとホラーだった。ラストで父親が子供のようになるのは幸せな事なのかもしれない。そしてアンソニー・ホプキンスは確かにすごいんだけど(娘役のオリビア・コールマンもすごい)アカデミー賞審査員も身につまされたのもあるのでは?と思ったり。
「JUNK HEAD」(ストップモーションアニメ)
遥かな未来、腐海よりも絶望的で、蟲よりも凶暴な生き物に襲われる地下世界、人類再生のため旅を続ける主人公、不死の地上人類と違って死が常に隣り合わせな自我に目覚めた人工生命体マリガン達、残虐な描写の合間のユーモア、何もかも凄いけど、これを一人でストップモーションアニメで作り上げたと言うのが一番怖え。
「騙し絵の牙」
「出版業界を舞台に、廃刊の危機に立たされた雑誌編集長が、裏切りや陰謀が渦巻く中、起死回生のために大胆な奇策に打って出る姿を描く」(映画.com)
今の出版業界や書店にこの作品で描かれているような、それだけの力はあるのか?というのは置いておいて、出てくる一癖も二癖もあるキャラも役者達も楽しく次の局面で次々と駒がひっくり返ってゆく展開も面白かった。でも騙すって割と悪意が含まれているからこのお話的には騙し合いバトルというのはちょっと違うような気がするけど。
「グエムル -漢江の怪物-」
2006年の公開当時に韓国発の怪獣映画と聞いて興味がありつつ見逃してずっと気になっていたけど、やっと映画館で見ることができました。監督は「パラサイト」「殺人の追憶」のポン・ジュノ。「パラサイト」みたいなサスペンスも家族の絆もホラー味もお笑い要素も何もかも全部載せのジェットコースターで、最後までどうなるのか全くわからなかった。そしてあの静かなラスト、よかった。ポン・ジュノって「パラサイト」も「グエムル」も「殺人の追憶」もラストが重いけど静かで素晴らしい。
「あのこは貴族」
「山内マリコの同名小説を原作に、同じ都会に暮らしながら全く異なる生き方をする2人の女性が自分の人生を切り開こうとする姿を描いた人間ドラマ」(映画.com)
ささやかな差異からそれぞれ生きている世界が違う事を見せられるけど、違う世界で生きている二人が直接出会う場面はそんなにない。この二人を結びつけるのは良いお家のおぼっちゃまだけど、二人が一人の男を巡って火花を散らすようなことはないのもいい。それぞれが苦しみながらも新しい一歩を踏み出す。これは幸せなシスターフット映画でもあった。
「すばらしき世界」
「直木賞作家・佐木隆三が実在の人物をモデルにつづった小説「身分帳」を原案に、舞台を原作から約35年後の現代に置き換え、人生の大半を裏社会と刑務所で過ごした男の再出発の日々を描く」(映画.com)
いやー、もう、何というか、この世界で「普通」に生きるってなんと難しい事か。そしてザ役所広司の凄さ。青い空が広がるラストは主人公・三上の視点で、そしてそこに映し出される文字は三上のモノローグなのか、それとも他の人物やこの作品を見る人の疑問なのか。面白かった。
「KCIA 南山の部長たち」
「1979年に韓国の朴正煕大統領が中央情報部部長キム・ジェギュに暗殺された実話を基に映画化した実録サスペンス」(映画.com)
韓国映画はいつも俳優の区別がつかないので今回もキム部長(イ・ビョンホン)とパク部長(クァク・ドウォン)以外のおっさん達が最後近くまで区別がつかなかったけど面白かった。有能な部下が理不尽な扱いを受けた挙句、暴走した主君を討つ。つい2020年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる 」を思い出しちゃうけど。イ・ビョンホン出演作品では「王になった男」(2012年)が好きなんだけど、この作品ではイケメンオーラを消し去っていてなかなかでした。
この中では、、、「KCIA 南山の部長たち」か「DUNE/デューン 砂の惑星」、「クーリエ:最高機密の運び屋」辺りかなあ。全体的に結構実話ベースの作品を多く観ているような気もするけど。
私も普通に家で映画を見る事ができたらもっと鑑賞本数も増えるんだろうけど、家だと全く集中して見られないので、やっぱり映画は今年も映画館に観に行きます。
「2020年に見た映画」(2021年1月2日)
「2019年に見た映画」(2020年1月3日)
「2018年に見た映画」(2019年1月10日)
「2017年に見た映画」(2018年2月28日)
「2016年に見た映画」(2017年1月15日)
私が2021年に映画館で観た映画は以下の作品。
2021/02/18 映画「KCIA 南山の部長たち」
2021/03/04 映画「すばらしき世界」
2021/03/04 映画「世界で一番しあわせな食堂」
2021/03/11 映画「あのこは貴族」
2021/03/11 映画「ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実」
2021/03/26 映画「グエムル-漢江の怪物-」
2021/04/07 映画「騙し絵の牙」
2021/04/14 映画「JUNK HEAD」
2021/04/23 映画「るろうに剣心 最終章 final」
2021/05/14 映画「ブックセラーズ」
2021/06/10 映画「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」
2021/06/25 映画「王の願い ハングルの始まり」
2021/07/08 映画「ヒノマルソウル」
2021/07/08 映画「ファーザー」
2021/07/17 映画「サムジンカンパニー 1995」
2021/07/17 映画「竜とそばかすの姫」
2021/08/23 映画「サマーフィルムにのって」
2021/08/23 映画「フリー・ガイ」
2021/10/07 映画「クーリエ:最高機密の運び屋」
2021/10/28 映画「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」
2021/11/03 映画「モーリタニアン 黒塗りの記録」
2021/11/05 映画「DUNE/デューン 砂の惑星」
2021/11/22 映画「劇場版 きのう何食べた?」
2021/12/23 映画「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」
2021/12/23 映画「老後の資金がありません!」
以上25本。
2021年の東京都の緊急事態宣言期間は
2回目:2021/01/08(金)~03/21(日)
3回目:2021/04/25(日)~06/20(日)
4回目:2021/07/12(月)~09/30(木)
と、超細切れながらも結構期間は長かったけど、2021年は2020年と違って映画館も図書館も他各種公共施設も開いていたので(公立公園はほとんど閉鎖されていたので花見は出来なかったけど)映画はそこそこ見ることができました。でも2021年のヒット映画は「鬼滅の刃」も「花束みたいな恋をした」も「シン・エヴァンゲリオン」も見ていないという地味な作品鑑賞歴。この中でベストはどれか?と言われたら、どれもそれなりに面白かったけどコレ!という1本はないかも。

「劇場版 きのう何食べた?」
よしながふみの漫画作品「きのう何食べた?」のTVドラマ化作品(2019年、テレビ東京)の続編的劇場版作品。原作もドラマも見ていて面白いし好きだし、ドラマ作品はとても幸せな漫画原作の映像化作品だと思うけど、何もわざわざ映画館で見なくてもいいかな?と思いつつ鑑賞。でもいつもの何気ない日常とクスリと笑えるエピソードの数々を見ていると気にならなかった。大きく派手な山はないけど家族とは何か、大事な人の幸せとは?を描いていて、見てて幸せになる作品でした。
「DUNE/デューン 砂の惑星」
原作は1965年発表のフランク・ハーバートのSF「デューン 砂の惑星」、石ノ森章太郎版表紙の文庫本を大学時代に読んだけど、当時はこれってSFなのかなあ?と思った記憶がある。1984年公開のデビッド・リンチ版も大昔に見たけど、こちらは微塵も記憶にない。この原作の映画化に至るまでの紆余曲折エピソードをラジオでやっていて面白かった(アフター5ジャンクション「特集:『DUNE/砂の惑星』をより楽しむための『DUNE』一夜漬け特集! by 添野知生 さん」)。遅めの昼食後に見たので途中で寝ちゃうかなと思ったけどそんな事はなく、久しぶりにSFらしいSFを観たような感じだった。でもこれ原作の世界観をある程度わかってないとツラいのでは?世界観はずっしりと重く暗く、砂漠の中での生活や戦いが描かれるので楽しい訳ではないけど、面白かったし次も見てみたい。
「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」
コロナ禍で公開が何度も延期された007、ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド最終作、こうなるんじゃないかなと思った通りの最後で、こういう終わり方は私は好きではないけどそれは置いておいて、やっぱり007の型破りな型通りの面白さってあるよなー。待ってました!という感じ。最初はイギリス人というよりロシア系では?と思ったもんだったけど、これで最後となるとやっぱりちと寂しい。
「クーリエ:最高機密の運び屋」
予備知識なくスパイ物?と何となく見てみたらキューバ危機時(1962年)の裏側の実話ベースの話。派手なアクションもなく地味な展開なのに、そして結果を知っているのに、途中から緊迫感半端ないせいか見終わった後に肩こりがひどいw 男達の深い友情の物語でもある。面白かった。
「フリーガイ」
ゲーム世界の中の平凡なモブキャラが自我に目覚めて世界を救うというAI成長譚で、おバカだけど自分は一体何者なのかという問いなど思っていたよりも格段に深い。ネトゲをやった事が無いので色々わからないけどバックアップはどうなってるの?とか思うものの結構面白かった。
「サマーフィルムにのって」
「時代劇映画に夢中な女子高生が未来からやってきた武士役のイメージにぴったりの少年に出会い、彼が出演する傑作時代劇を作ろうと奔走する姿を描く」(Wikipediaより)
2021年7月期ドラマ「お耳にあいましたら」の伊藤万理華がよかったので見てみたけど、お耳以上に好きなものを好きと思い切り語りたい、好きを形にして伝えたい、という気持ちが突っ走っていたり、アニメ版「映像研には手を出すな」味もあり(ちょっとアマチュア映画っぽいのはわざとかな)ぎゅっと身が詰まった青春映画で面白かった。
「竜とそばかすの姫」(アニメ)
「50億人以上が集うインターネット仮想世界〈U〉と出会った女子高生を主人公とした物語。歌姫のベルというアバターで〈U〉に参加し、その歌声でたちまち世界に注目される存在になっていく一方で、忌み嫌われる竜の姿をした謎の存在と出会うさまが描かれる」(Wikipediaより)
お話がというか、多分脚本がツッコミどころ満載だし、色々説明不足だし、仮想空間"U"で他のAs(アバター)は何して楽しんでるの?(仮想空間と言っても結構日常と変わらない事やっているような気もするけど)とか思うけど、何よりも主人公すず/ベルの歌と歌から広がる世界がよかった。
「サムジンカンパニー1995」
お茶汲み要員の女性社員達が会社の環境汚染隠蔽と闘う韓国の実話ベースの物語。マンガ的に描かれる場面は笑えるので軽めの話かと思いきや筋の通ったサスペンス社会派ドラマであり、次から次へとどんでん返しがあり痛快なラストになだれ込んで面白かった。
「ファーザー」
「日本を含め世界30カ国以上で上演された舞台「Le Pere 父」を基に、老いによる喪失と親子の揺れる絆を、記憶と時間が混迷していく父親の視点から描き出す」(映画.com)
認知症の80歳の父視点で描かれるので誰が誰だか分からなくなったり、過去と現在の光景が今として見えているので混乱したりでミステリーっぽいと思ったけど、自分もやがてこんな風に訳分からなくなるのかと思うとホラーだった。ラストで父親が子供のようになるのは幸せな事なのかもしれない。そしてアンソニー・ホプキンスは確かにすごいんだけど(娘役のオリビア・コールマンもすごい)アカデミー賞審査員も身につまされたのもあるのでは?と思ったり。
「JUNK HEAD」(ストップモーションアニメ)
遥かな未来、腐海よりも絶望的で、蟲よりも凶暴な生き物に襲われる地下世界、人類再生のため旅を続ける主人公、不死の地上人類と違って死が常に隣り合わせな自我に目覚めた人工生命体マリガン達、残虐な描写の合間のユーモア、何もかも凄いけど、これを一人でストップモーションアニメで作り上げたと言うのが一番怖え。
「騙し絵の牙」
「出版業界を舞台に、廃刊の危機に立たされた雑誌編集長が、裏切りや陰謀が渦巻く中、起死回生のために大胆な奇策に打って出る姿を描く」(映画.com)
今の出版業界や書店にこの作品で描かれているような、それだけの力はあるのか?というのは置いておいて、出てくる一癖も二癖もあるキャラも役者達も楽しく次の局面で次々と駒がひっくり返ってゆく展開も面白かった。でも騙すって割と悪意が含まれているからこのお話的には騙し合いバトルというのはちょっと違うような気がするけど。
「グエムル -漢江の怪物-」
2006年の公開当時に韓国発の怪獣映画と聞いて興味がありつつ見逃してずっと気になっていたけど、やっと映画館で見ることができました。監督は「パラサイト」「殺人の追憶」のポン・ジュノ。「パラサイト」みたいなサスペンスも家族の絆もホラー味もお笑い要素も何もかも全部載せのジェットコースターで、最後までどうなるのか全くわからなかった。そしてあの静かなラスト、よかった。ポン・ジュノって「パラサイト」も「グエムル」も「殺人の追憶」もラストが重いけど静かで素晴らしい。
「あのこは貴族」
「山内マリコの同名小説を原作に、同じ都会に暮らしながら全く異なる生き方をする2人の女性が自分の人生を切り開こうとする姿を描いた人間ドラマ」(映画.com)
ささやかな差異からそれぞれ生きている世界が違う事を見せられるけど、違う世界で生きている二人が直接出会う場面はそんなにない。この二人を結びつけるのは良いお家のおぼっちゃまだけど、二人が一人の男を巡って火花を散らすようなことはないのもいい。それぞれが苦しみながらも新しい一歩を踏み出す。これは幸せなシスターフット映画でもあった。
「すばらしき世界」
「直木賞作家・佐木隆三が実在の人物をモデルにつづった小説「身分帳」を原案に、舞台を原作から約35年後の現代に置き換え、人生の大半を裏社会と刑務所で過ごした男の再出発の日々を描く」(映画.com)
いやー、もう、何というか、この世界で「普通」に生きるってなんと難しい事か。そしてザ役所広司の凄さ。青い空が広がるラストは主人公・三上の視点で、そしてそこに映し出される文字は三上のモノローグなのか、それとも他の人物やこの作品を見る人の疑問なのか。面白かった。
「KCIA 南山の部長たち」
「1979年に韓国の朴正煕大統領が中央情報部部長キム・ジェギュに暗殺された実話を基に映画化した実録サスペンス」(映画.com)
韓国映画はいつも俳優の区別がつかないので今回もキム部長(イ・ビョンホン)とパク部長(クァク・ドウォン)以外のおっさん達が最後近くまで区別がつかなかったけど面白かった。有能な部下が理不尽な扱いを受けた挙句、暴走した主君を討つ。つい2020年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる 」を思い出しちゃうけど。イ・ビョンホン出演作品では「王になった男」(2012年)が好きなんだけど、この作品ではイケメンオーラを消し去っていてなかなかでした。
この中では、、、「KCIA 南山の部長たち」か「DUNE/デューン 砂の惑星」、「クーリエ:最高機密の運び屋」辺りかなあ。全体的に結構実話ベースの作品を多く観ているような気もするけど。
私も普通に家で映画を見る事ができたらもっと鑑賞本数も増えるんだろうけど、家だと全く集中して見られないので、やっぱり映画は今年も映画館に観に行きます。
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「KCIA 南山の部長たち」「クーリエ:最高機密の運び屋」は見たかったのに見逃したなぁ。
「JUNK HEAD」は気になってるけど、ついていけない気がして…。
「ノマドランド」は見ていないのね?私は感動しまくって私もノマドになるぞ〜と見ている間は本気で思った(笑)
「DUNE/デューン 砂の惑星」はSFに興味ないし、正直ドラマは(長いから)あらすじなぞるみたいなのに、なぜか身を乗り出して見入ってしまった不思議な映画であった。
「最後の決闘裁判」は面白かったよ。今やってる「ハウス・オブ・グッチ」も面白くて、リドリー・スコット、80過ぎてもまだまだ精力的でびっくりです。
「JUNK HEAD」は気になってるけど、ついていけない気がして…。
「ノマドランド」は見ていないのね?私は感動しまくって私もノマドになるぞ〜と見ている間は本気で思った(笑)
「DUNE/デューン 砂の惑星」はSFに興味ないし、正直ドラマは(長いから)あらすじなぞるみたいなのに、なぜか身を乗り出して見入ってしまった不思議な映画であった。
「最後の決闘裁判」は面白かったよ。今やってる「ハウス・オブ・グッチ」も面白くて、リドリー・スコット、80過ぎてもまだまだ精力的でびっくりです。
2022/01/27(Thu) 23:35 | URL | oha~ | 【編集】
>「ノマドランド」は見ていないのね?
見てないなあ。評価高いし見ようかなと思いつつ、アメリカの女性ホームレス、、、じゃなくて車上生活者?の生活って厳しそうでちょっと二の足踏んで居るうちに終わっちゃったからさー。映画見てoha~さんがノマドになりたいと思うくらいっつーのもすごいな。
>「DUNE/デューン 砂の惑星」はSFに興味ないし、正直ドラマは(長いから)あらすじなぞるみたいなのに、なぜか身を乗り出して見入ってしまった不思議な映画であった。
そうなんだよね。まあ私はSF者なので面白そうなSFは見る事もあるけど、「DUNE」は最初に原作を読んだ時にコレってSFか??と思ったんだよね。背景や道具立ては確かにSFだけど、お話の中身は貴種流離譚で政治的な闘争や宗教的闘争がメインだからさー。まあそれはともかく不思議な魅力がある作品ではあるよね。
>「最後の決闘裁判」は面白かったよ。今やってる「ハウス・オブ・グッチ」も面白くて、
「ハウス・オブ・グッチ」はこの間見てきたよ。レディガガの正しい使い方もさることながら、いつもどの作品見てもアダム・ドライバーって顔が長いってまず思うのに、今回はあまりそう思わなかったわ(そこ!?)。「最後の決闘裁判」はoha~さんとnanakoさんの感想対決(笑)を見るためにも見ておきたいとは思ったんだけど、気がついたら変な時間にしかやってなくて結局見そびれちゃったよ。多分そのうち早稲田松竹とか目黒シネマあたりの名画座でやるだろうから、そん時にでも見ておくわ。
見てないなあ。評価高いし見ようかなと思いつつ、アメリカの女性ホームレス、、、じゃなくて車上生活者?の生活って厳しそうでちょっと二の足踏んで居るうちに終わっちゃったからさー。映画見てoha~さんがノマドになりたいと思うくらいっつーのもすごいな。
>「DUNE/デューン 砂の惑星」はSFに興味ないし、正直ドラマは(長いから)あらすじなぞるみたいなのに、なぜか身を乗り出して見入ってしまった不思議な映画であった。
そうなんだよね。まあ私はSF者なので面白そうなSFは見る事もあるけど、「DUNE」は最初に原作を読んだ時にコレってSFか??と思ったんだよね。背景や道具立ては確かにSFだけど、お話の中身は貴種流離譚で政治的な闘争や宗教的闘争がメインだからさー。まあそれはともかく不思議な魅力がある作品ではあるよね。
>「最後の決闘裁判」は面白かったよ。今やってる「ハウス・オブ・グッチ」も面白くて、
「ハウス・オブ・グッチ」はこの間見てきたよ。レディガガの正しい使い方もさることながら、いつもどの作品見てもアダム・ドライバーって顔が長いってまず思うのに、今回はあまりそう思わなかったわ(そこ!?)。「最後の決闘裁判」はoha~さんとnanakoさんの感想対決(笑)を見るためにも見ておきたいとは思ったんだけど、気がついたら変な時間にしかやってなくて結局見そびれちゃったよ。多分そのうち早稲田松竹とか目黒シネマあたりの名画座でやるだろうから、そん時にでも見ておくわ。
2022/01/28(Fri) 21:10 | URL | tsumire→oha~さん | 【編集】
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