営業ものがたり」(西原理恵子、小学館、71p、880円)。「サイバラ「ものがたり」3部作・完結編! 2005年コミック界最大の話題となったサイバラ版『PLUTO』…「うつくしいのはら」を収録。手塚治虫文化賞同時受賞から始まった、巨匠・浦沢直樹氏へのサイバラひがみ攻撃は、必見である! 」(出版社紹介より)

うーむ。ビミョーだ。やっぱり実録ギャグpartと「うつくしいのはら」や「ぼくんち番外編」のような叙情系シリアスpartが一緒になっているというのがどうも……。まあ、「うつくしいのはら」は西原が「なんでPLUTO(リメイク化)の話を私じゃなくて浦沢の所に持っていったんだ」という挑発から、担当者がじゃあっていうんで手塚プロからOKを取り付けて描くことになった作品で、しかもそれまでの一連の流れをギャグpartで描いているので入っているべき作品なのだろうが、私はまあ、毛色が明らかに違う作品が一緒になっている本は(よほどの寡作な人でない限り)実はちょっと好きじゃない(他の人は多分そんなこと全然気にしないだろうが)。

さて、実録partを読むと、面白おかしく読めるものの、やはり自分の血肉を削って作品を作り出すギャグ作家ってつらいよなとか思ってしまう。特に西原理恵子の場合、ここ数ヶ月実録ネタを描いたばかりに色々あってついに体を壊して(鬱病だったけ?)休業していたことを思うと、読者としても結構複雑だ。でも営業っててっきり、西原が上京してきてから「売れっ子」になるまでに出版社に持込したり小さなカット仕事をやっつけたりという、成り上がり物語が描かれているのかと思っていたのに違ってましたよ。去年から今年にかけて発行された「女の子ものがたり」「上京ものがたり」の営業行脚でしたね。いや、これはこれで面白いけどさ。

「うつくしいのはら」は、全く無駄な戦いの虚しさとその戦いの中でも美しいものを美しいと感じるもの達の物語いう点以外では、「PLUTO」とは一見何にも関係なさげな物語だが、「PLUTO」に登場する心あるロボット達の「命」と「心」の重さと、時空を超えて生と死を共有する少女と兵士の一瞬の思いが重なる美しい物語だ。でもこれは……この作品のためには、これだけで絵本のような形式で読めるのが一番いいんじゃないのかなぁ。
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