5月26日、27日、フジテレビ、21時から2夜連続放映の「ザ・ヒットパレード~芸能界を変えた男・渡辺晋物語~」、当日は仕事のためにリアルタイムで見る事が出来ずに(5月27日「自分の頭がハゲ始めた時、どう思った?」)、4時間ものなのでもちろん平日は見る事が出来ず、先週の日曜日やっと視聴、しかしその後感想を書くヒマもなく、しかも昨日の日経新聞に載っていた夏目房之介の「TVウォッチ」を読むまですっかり忘れていましたよ。

さて、物語は「日本の音楽シーンを変えた生放送音楽番組「ザ・ヒットパレード」や、テレビ番組・映画・イベントなど数々のエンターテインメントを手掛け、日本の芸能界を改革・躍進させた男、渡辺プロダクション社長・渡辺晋を中心に、妻である渡辺美佐、フジテレビディレクター椙山浩一、クレージーキャッツの植木等、放送作家の青島幸男らが、夢を実現する、その苦労と成功の過程を描く、まさしく芸能界・テレビ界の歴史を辿るエンターテインメントドラマ」(フジテレビ番組紹介より)。

ナベプロっつーたら「ヒットパレード」(フジ、1959年6月17日~1970年3月31日)よりも「シャボン玉ホリデー」(日テレ、1961年6月4日~1972年10月1日)じゃねえの?とは思ったものの、フジテレビ放映でそれはないよな。また、私の世代だとナベプロっつーたらナベプロ事件でしょとかも思ったが、渡辺プロ制作・協力の番組でそんなもの描く訳もない。まあ、そんな感じで最初から結構ナナメに見ていた訳だが、いや、これはこれで面白かった。現実の事件とか人間像がどうであるかは関係なく、ドラマとして楽しめた番組だった。

「三丁目の夕日」を思わせるような懐かしい作りのセットや当時のニュース映像やテレビ番組の映像も懐かしいが(と、いうほどにはいくら私でも覚えてなんかいないが)、テレビ創世記時代の新しいものを作り上げて行こうとする青年達の熱意や当時のワクワク感が伝わってくる。これはTVが本当に茶の間の王様だった時代、家族がテレビを囲んでみんなで見ていた時代の楽しい夢物語だ。
前編ではテレビ番組と芸能界の勃興期に、夢と希望をもった青年達が新しい番組を作り上げタレントを育て上げて行く様子が生き生きと描かれるが、後編ではやがてワタナベ帝国とも芸能界のドンとも言われるようになる渡辺プロの成長ぶりと、渡辺晋のダークサイドとも言える部分が描かれる。ダークサイドっていったって、ま、「芸能界を一人前に認めてもらうために」渡辺晋が経済界、財界の大物とフル活動でおつきあいして、世間からは「利権に目が眩んでいる」と言われたり、社員達と心が離れて行ってしまうといった程度のものだが。おまけに渡辺晋が最後に勲章をもらっておしまいというのも、なんだか蛇足な感じだった。ドラマ的には前編部分だけでもよかったかもね。

そして全く期待していなかったが当時の「シャボン玉ホリデー」の映像が入っていたの嬉しかった。できればオリジナルの方の映像ももう少し長めに見てみたかったが、でもドラマ的にはこれくらいの長さでもいいと思う(懐かし映像ばかり多くなるとドラマではなくなってしまう)。こういった懐かしさ部分抜きでも結構楽しめた。

渡辺晋という人物については写真と(晩年を演じた柳葉敏郎、すごい似てたよ!)噂でしかしらないが、クレイジーキャッツやタイガース、ザ・ピーナッツ、キャンディーズなどは一応ほとんどリアルタイムで見ていたので、ドラマとして話もキャラクタも作り物なのだと分かっていても、植木等の陣内孝則なんか声や話し方や笑いがそっくりでびっくりしてしまった。また植木の父親が伊東四朗(住職)っていうのもナイスですよ。TV局の人間として「ザ・ヒットパレード」を渡辺プロと一緒につくりあげた椙山浩一(原田泰造)は、私なんかドラクエのテーマ曲の作曲家としてしか知りませんでしたよ。青島幸男役の石黒賢は結構頑張って怪しくていいかげんな感じのキャラクタを演じていたと思うが、この人は青島幸男を演じるにはちょっと真面目すぎるような気もするなぁ。宮川泰はもちろん「宇宙戦艦ヤマト」の作曲の人というイメージしかないが、これは近藤芳正がノリのいい音楽家を演じていて結構いい感じだった。ザ・ピーナッツを演じたのは安倍なつみと安倍麻美だが、これも歌は多分吹き替えなのだろうけどかわいらしくてなかなかよかった。

そしてほとんど主役の渡辺美佐(常磐貴子)。お嬢様として育ち当時珍しかった女子大出のインテリで、なおかつ学生時代から米軍基地内で演奏する日本人バンドの斡旋をやっていたという人がただ者の訳ないが、このドラマ内では夫・晋を表でも裏でも脇でもしっかり支える愛と夢の人という感じで描かれている。ふと、このキャスティングを誰がやったのか気になったな。かつて橋田壽賀子が脚本を書いたNHKの朝ドラ「春よ、来い」(1994年、橋田壽賀子の自伝ドラマと言われている)では、自分役に安田成美を押したんだよなー。泉ピン子じゃなくて。常磐貴子を押したのもやはり会長(渡辺美佐)?

なお、渡辺プロ事件についてはWikipediaの「NTV紅白歌のベストテン」の項目に簡単な概略が載っているが、割と中立的な立場で書かれているものに「テレビの黄金時代」(小林信彦、文藝春秋、2002年、398p)がある。

今度は同じキャストで、芸能プロダクションの物語ではなく、テレビ番組制作の方メインで、「シャボン玉ホリデー」編(お笑い番組やバラエティ番組の歴史がわかるような感じで)を見てみたいなー。
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