ロイス・マクスター・ビジョルドのマイルズシリーズの最新刊「メモリー 上巻
メモリー 下巻」がやっとでた。本国ではすでにこの後4冊も出ていて、なおかつ日本での翻訳の方も順調に進んでいるのに、すぐには出せない出版社の事情って一体なんだ。2年以上も空白があったんだから次はサクサクと出して欲しいものだ。

さて、今回は今までの宇宙活劇とは打って変わって、マイルズがしでかした大きなミスによって今まで10年以上も努めて来たバラヤー機密保安庁の職務を失ってしまう。何よりも失いたくなかったデンダリィ隊に二度と戻る事が出来なくなり失意のあまり館にひきこもってうじうじするマイルズに、皇帝の婚約話とかつての上司イリヤンの身に起こったとんでもない事件の解決にかかわり、無事解決したときに彼には新しい道が開けていた。

この物語、あの活動的だったマイルズが未だかつてないほどうじうじしまくり(いや、内省と考察の日々?)なのだが、それでも引き込まれ読ませられるのはやはりビジョルドの描く世界とキャラクターが実に魅力的だからだ。今回は主役マイルズがうじうじしている分、皇帝ぶりが板についているグレゴールとか、相変わらずのイワンのバカとか、その他なじみのキャラの行動や発言がまた楽しい。私としてはマイルズシリーズの一番最初の物語の「名誉のかけら」と物語的にはその次の物語になる「バラヤー内乱」が一番好きなので、今回マイルズの母のコーデリアと父のアラールの出番が非常に少ないのがちと残念だ。

中盤からの、マイルズの元上司イリヤンを襲った奇禍を解決すべく皇帝グレゴールからオールマイティな力を授けられて事件を解決してゆくあたりは、SFミステリーとしても楽しめる(でも犯人はやっぱり最初に予想した通りの人物だったけど)。そして最後にマイルズには今までとは違った道が開けてきて、新しい章がこれからまた始まるような終わり方をするに至る。30歳になって、宇宙での秘密任務の遂行に熟練してきたのにもかかわらず、今までのような気持ちで隊を率いることが出来なくなっている自分を実は自覚していたマイルズだが、ここで折り返し地点に入ったということだろうか。

次回からは新たな中年(?)マイルズの活躍が見られると思うと楽しみだが、次こそはさっさと出してほしいものだ。
関連記事
テーマ:日記
ジャンル:日記
コメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック