さて先日本屋で迷子になったあげく(11月2日「久しぶりに本屋で迷子になる。」)ゲットした「シュミじゃないんだ」(三浦しをん、新書館、1,470円)は先日の母との奈良・京都旅行の最中にずっと読んでいた。奈良の都の古寺で厳しい表情をうかべる阿修羅像にみとれながらふとホモネタエッセイ本をひもとき、薄く色づく秋の京都の山深い趣きある風景の中にたたずみながらボーイズラブ(BL)への深い愛と考察に満ちあふれた本を開く、優雅な休日……。こんなことでいいのか!? 

いや、いいのよ。ボーイズラブにはまったく興味がない私だが著者のあまりにも熱すぎるボーイズラブへの飽くなき情熱はよーーーーくわかった。興味はないけど各章で紹介されているボーイズラブ作品の推薦の辞が素晴らしく、ふとした気の迷いでついうっかりご推薦の本(もちろんボーイズラブだ)を手に取ってしまいそうになる気さえする。だいたいタイトルの「シュミじゃないんだ」だって、好みじゃないという意味ではなく、履歴書の趣味欄に「読書」と書いているけど自分にとって読書(含漫画)はそんな生易しいもんじゃないんだ、「生きる」という事すべてなんだという叫びな訳だが、いくらなんでもそんなことまではわからんよ。当初私だって「こんなBLは嫌だー」(by 鉄拳)みたいなノリの表題なのかと思ったくらいだからな。

それにしても三浦しをんの作品に対する真面目さと(他の人から見たら厳しいくらいにも思えるかしれない)倫理観にもヒジョーにうなずける。男と男がただくっついていればいいというものではない、重要なのはそこに描かれる関係性であるという事、またむやみやたらと安易にコトに及ぶのは「作品をただ消費だけされてゆく「商品」にしてしまうんじゃないだろうか。私は消費したいのではない、物語を味わいたいのだ……!」という主張には納得だ。彼女の場合は果てない読書の大海の中で漂流して流れ着いたところがたまたまボーイズラブと言う名の島だったのね。

しかしBLを読んだ事がない人へのガイドブックとしても最適、とかってどこかに書いてあったが、しょっぱなからのテーマが「リバーシブル」なのに、いいのか!? もちろん「リバーシブルという在り方は、「なぜボーイズラブを描くのか」「なぜそれを読むのか」ということを考えていく上で、重要な題材になると思うのだ」とは書いてあるけどな。スキー初心者を山のてっぺんまで連れて行っていきなり滑ってみろと言っているような気もしないでもないが(←私はスキーが全く出来ないのだが、大昔会社の旅行でスキー場そばのホテルに行ったときにいきなりこれをやられたのだ)。

でもなんだかんだいいつつ、まずは推薦本の「ジェラールとジャック」(よしながふみ、白泉社)は読んでしまいそうだ。
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テーマ:つぶやき
ジャンル:日記
コメント
BL本読書同時進行とは、そりゃまた更に重ねて雅な過ごし方だったのね。わたしもてっきり(BLは)「シュミじゃないんだ」って意味かと思ってたよ。
それにしても冒頭からいきなりリバって、混乱させるのが目的か?あるいはこれ以上今だ何も知らない女子を腐らせてはいけないという暖かい思し召し?
の割にはここに穢れ無き奥様がこの本のせいで道を踏みはずしそうになってるけど....(ただしこの奥様、めっちゃ抵抗力が高い百戦錬磨のオタクゆえ、こっちの道に引きずり込むのは至難のわざ。)
ますます読みたくなってまいりました、「シュミじゃないんだ」
2006/11/06(Mon) 12:45 | URL | suika | 【編集
>それにしても冒頭からいきなりリバって、混乱させるのが目的か?

もしかして最初の高いハードルを越えたものだけ俺について来いっ!な意味合いもあるかもな。いや、内容はすごく読みやすくて本当にスラスラ読めてしまうんだけど、まあ、理解できない人には本当に理解できないだろうな。

でもどれも非常に愛にあふれた推薦の辞が並んでいるので、もしかして腐女子じゃなくてもこの作品は面白いかもしれない、という錯覚はしちゃうかも。その後、本当に道を踏み外すかどうかは神のみぞ知る、、、つーか、私の場合は道踏み外してたら来年の新刊はそっち方向になっているかもな。
2006/11/06(Mon) 13:06 | URL | tsumire→suikaさん | 【編集
BLマンガにつま先入れては引っ込めてる私としては、この本、入門書として良さそうじゃん!と先日の君のブログで思っていたけど、そのリバとやらはなんじゃ!?入門書としては難解すぎるのかい?

近頃の図書館は市民のリクエストにお答えして、銀座のママの男指南でも江原ナントカの前世本でも何でも買っちゃうので、三浦しをんなら確実だわい(直木賞の記事貼ってあるくらいだし)とリクエストする気でいたけど、同僚の目がちと怖い!?
2006/11/06(Mon) 18:31 | URL | oha-ran | 【編集
ジェラールとジャックは本当に良いBLですよ。
2006/11/06(Mon) 20:41 | URL |   | 【編集
>ジェラールとジャックは本当に良いBLですよ。

なるほど。では早速注文してみます。
2006/11/06(Mon) 22:15 | URL | tsumire | 【編集
>入門書としては難解すぎるのかい?

いや、全然大丈夫。そういう種類のガイドブックじゃなくて普通のエッセイとして読んでも(かなり暑苦しい箇所もあるけど)面白いし、BL案内本だから知らない言葉が出て来ても大丈夫だし。まあ「リバーシブル」っちゅうテーマもねぇ、なぜ男と男でなければいけないのか、なぜ男と女ではだめなのかという、BLの基本といえば基本から来ているともいえるしね。ちなみにリバーシブルというのは攻(男性的役割)と受(女性的役割)をチェンジしたり入れ替わったりっつーことですね。

>同僚の目がちと怖い!?

まあ、なんたって天下の直木賞受賞作家なんだから、いくらでも言い訳出来るんじゃないの?
2006/11/06(Mon) 22:35 | URL | tsumire→oha-ranさん | 【編集
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