今日、同僚のH杉が「デスノート 第13巻」(大場つぐみ、小畑健、集英社)を貸してくれたので「さっき買った本だけど、「大奥 第2巻」、私が読み終わったら読む?」と聞いてみたところ「読みますよ、貸してください」と答えたのだが、でも念のため「フジテレビの「大奥」じゃないよ」と言ってみた所、H杉のやつ、「知ってますよ、1巻借りて面白かったですもん。男のアレでしょ?」って、おいっ! 男のアレって……。

まあ、そんな男のアレな「大奥 第2巻」(よしながふみ、白泉社、620円)。第1巻は男女逆転した江戸時代の大奥を舞台に、歴史ミステリーの趣きさえある傑作と前回書いたが(参照:2005年9月30日「「大奥第1巻」よしながふみ」)、第2巻では第1巻の最後で何故このような男女逆転化した世界となったのか謎を追求する八代将軍・吉宗(もちろん女性)の探索を受けて、一番最初の、始まりの時、三代将軍・家光の時代に起きた大変異を描く。

いやあ、それにしても作者よしながふみの非情ぶりはすさまじい。この特異な世界を描き切るために理不尽なまでに非情である。「BANANAFISH」(吉田秋生、別冊少女コミック、1985年5月号~1994年9月号)も非情だったかもしれないがそれはまだ納得できる範囲内の非情さだったが、これは違う。第2巻の(多分)主役であろう有功が美青年でありながらもそれほどの萌えキャラでないのは(え? もしかして萌えないのは私だけ?)、もともとのよしながふみの作風もあるかもしれないが、それよりもこの世界観を描く事を優先したためであろう。

しかし今回はなんと純愛グランドロマン編ですよ。もう、読んでてついつい頭の中で「セフィニ~愛の幕切れ」(1983年関西テレビ「大奥」エンディングテーマ。歌は森山良子、ナレーションは勿論「思えば大奥とは、女人たちの運命のるつぼでございました……」の岸田今日子様)が流れてしまいましたよ(え? ちょっと安い?)。しかし息が詰まるほどの閉ざされた暗黒世界とも言えるこの世界の大奥で、逃げ場のない二人が恋に落ちてゆく様が丁寧に描かれてゆく。きっとこの物語の事だから最後は絶対めでたしめでたしにはならないのだろうが、それも含めて次がまた楽しみだ。

ところでこの作品、今年の日本SF大会で第5回Sense of Gender賞(2005年度)特別賞を受賞していた模様。確かにジェンダーSFとしてもすごい作品だもんね。
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